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遠江国掛川城死闘篇
武田別働隊、西へ
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1569年(永禄十二年)二月一日。
駿府を占領中の武田軍は、主に海上交易路で食糧を補充して、一万八千の兵達を飢えさせないように手を尽くした。
軍資金の豊富な武田だからこそ出来た手段で、普通なら補給路を遮断されて一ヶ月経てば、兵達が略奪に走ったり勝手に逃げたりと、戦力を維持出来ない。
このまま春まで待つのも有りだが、北条も武田撲滅の好機を睨めっこで無為に過ごしたりはしなかった。
上杉謙信に呼び掛けて「今なら武田領に攻め込み放題いっすよ。背後からズバッと、おねがいしゃーす」と外交努力を続けた。
上杉謙信の方は、真冬に雪の山道を進軍する苦労を強いてまで北条を助けてやる義理は無いので、暖かく見守る。冬だけど。
この段階で、武田信玄は軍勢を動かす。
東から北条が攻め込まないように薩埵峠に布陣していた武田一万八千が、北条四万五千が拠点にしている大宮城(現・静岡県富士宮市。埼玉県大宮のソープランドとは、全く関係ない)に向けて進軍を開始する。
武田一万八千
VS
北条四万五千
壮絶な戦争スペクタクルが、今、幕を開け・・・なかった。
陽が暮れる。
野営地に引き返す赤備えの面々は、珍しく返り血を全く浴びていない。
元から全身真っ赤の上に夕日に照らされているので分かり辛いが、返り血は浴びていない。
赤備えの隊長・山県昌景は、本陣に戻るや、諸将の見ている前で倒れて子供のように駄々をこねる。
「もう嫌だ。誰も赤備えと戦おうとしない。双方、それらしく移動しては、睨めっこをして帰るだけ。矢合わせすらロクにしない。今日一日、ガキの喧嘩にも値しない行軍を繰り返して睨めっこ! もういや、睨めっこ! もう誰とも睨めっこしない! 一生分の睨めっこをしたから!」
強将の悪ふざけに、諸将は苦笑いで応える。
ほとんどの将は、倍以上の兵数を誇る北条とのガチンコが発生しなくて安堵している。戦争大好き人間には涙が流れる程に退屈だったであろうが。
どのテレビ局も映画会社も、この戦争を映像化しない訳である。
工藤昌豊が、右足を振り上げて山県昌景の頭を踏み抜く。
辛うじて避けて姿勢を正して畏る山県に、工藤は抑えた声音で訓告する。
「軍議の場では、言いたい事を正直に言え。全部、聞いてやる。だが、児戯に及ぶなら、殺す」
副将のマジ説教に、山県は正気を取り戻す。
「すみません。戦なのに実質出番なしとか、もう拷問にしか思えなくて」
「いや、一番役に立っていたぞ。北条の四代目が、どれ程の技量なのか、よく分かった」
「…あれですか? 今日の駆け引きは、高度な戦術を駆使した結果ではなくて…」
工藤は、敵の主将(信玄の娘婿)に礼を失さぬよう、真面目な顔を維持したまま、言葉を選んで断言する。
「北条氏政は、防御に徹する戦略を一切変えないと分かった。本日、本陣前をガラ空きにしても、主力部隊が背中を見せても、全く攻める気を見せなかった」
「ほう。兵を四万五千も集めたのに、武田には勝てないと。慎重な方ですね」
山県は機嫌を直して大笑いする。
北条氏政を臆病とか無能と謗る者はいない。過去何度も、北条は数で優位に立ちながら武田にだけは勝てずに退いている。数の差で埋めきれない実力差が、武田と北条には存在している。その積み重ねは、今回も生きた。
心に余裕を取り戻したので、武田信玄の前で一人だけ返り血を浴びたまま畏まっている若武者に注意を向ける。
若手武将の中では、最も信玄に期待されている青年である。周囲も当然認めているし、山県も認めている。
嫉妬を覚えたのは、この瞬間が初めてだが。
それに気付いた信玄が、明るく山県を茶化す。
「武藤喜兵衛は、見事に槍を付けたぞ。わしの命を無視し、逃げる北条の行方を塞いで。お主も戦果が欲しければ、わしを無視せよ」
誉められつつも命令違反の咎で弄られる武藤喜兵衛は、物怖じせずに自己弁護を図る。
「言い掛かりでござる。某は、お屋形様の下知に従っておりましたぞ。
…行き先を少々間違えたら、たまたま、運の悪い北条の一個大隊がおりましてな。某よりも酷い方向音痴とお見受けしましたので、
『これは戦に向いていないに違いない。今のうちに叩き潰して、戦嫌いになってもらおう。そうすれば、戦に不向きな人々が一般ピープルに戻って、平穏無事な毎日を送れる』
そう考えた某は、心を鬼にして、北条の一個大隊を潰走させました。彼らも、あとで気付くはずです。あの時、この圧倒的に優しい武藤喜兵衛にボコられたお陰で、向いていない職場から解放されたと」
本陣の諸将が爆笑する中、山県は工藤に確認する。
「児戯に及ぶなら殺すって、言いませんでしたか?」
「真面目に戦争をして一番槍を果たした武将を、どうして殺処分する必要があるのだ?」
信玄のみならず、工藤も既に武藤喜兵衛を気に入っているので、甘い。
冗談は置いといて、武田信玄は山県も揃ったので真面目な軍議に入る。
「今日の戦で、北条は西には動かぬと分かった。次の一手は、遠江へ打つ」
大幅な方針転換。
遠江は徳川に任せるという約束を破棄しての、新しい戦争開始である。
こういう事を平気でやれる戦争上等軍事国家。
周辺国から大いに嫌われる甲斐武田家なのだ。
「ただし、多くの兵を割く訳には行かぬ。守りに入った北条を、その気にさせぬ程度の兵を送る」
諸将が、指名を期待して目を輝かせる。
「秋山虎繁」
「ははっ」
一際頑丈そうな太い体躯を誇る武将が指名され、他の諸将は諦める。
武田の猛牛・秋山虎繁が任される以上、山県ですら諦めた。
「信濃衆三千を率い、遠江に侵攻せよ」
出浦盛清(信濃出身)が、呼ばれる前に秋山虎繁の横に並んで座る。
「攻め時は、出浦の情報を基に決めよ。いいか、相手は徳川だけに絞れ。掛川城には、手を出すなよ」
「徳川を滅して余力が有りますれば、掛川城を落としてよろしいでしょうか?」
闘魂の有り過ぎる猛将に、信玄は撤退時の目安を伝える。
「やっても構わんが、兵が二千を割ったら、必ず退け。お主は第一陣に過ぎない」
「ははっ」
軍議のフィニッシュに。
武田信玄は、秋山虎繁のやる気に、極上の美酒を注いでみる。
「そうそう。ついでの掛川城だがな…」
「は」
「本当に、ついでで構わないがな…」
「は」
「美人過ぎて有名な今川母娘は、お主が口説き落として…」
工藤が、凄い嫌な顔をして、主君の欲望注入を見守る。
「新しい幸せを与えても構わないよ。わし、祝福する。圧倒的に、祝福する」
「ははっぁーーーー!!!!」
横に座っていた出浦盛清は、秋山虎繁から発せられた激しい精気に、真冬なのに蒸れて汗をかいた。
間違いなく、秋山虎繁は勃起している。
工藤からは『出浦ぁー、18禁の展開になったら、君が止めてね』という意味合いの視線が寄越される。
(徳川の相手をしながら、このNTR猛牛のストッパーまで出来るかー?!)
出浦が『そんな余裕は、有りません』的な視線を返すと、工藤はスルーして信玄と一緒に退席する。
幼馴染みの武藤喜兵衛(出身は信濃)が、乾かない血の匂いを漂わせながら、出浦を気遣う。
「大丈夫かあ? そんなに容易くないだろう、徳川は」
「俺たちは、第一陣だ。ちょっとビビらせたら、帰る」
「親子丼ぃぃいいいいいいぃいいいい!!!!!!!!」
隣では、もう完全にその気の猛牛が、思いのまま咆哮している。
「お屋形様は、人を乗せるのが上手いよなあ」
「笑い事か」
「掛川城を後回しにして、徳川だけを相手にすればいいだけではないか。ここで家康を討ってしまえば、遠江と三河も武田のモノだぞ」
「だから、容易くないと、お主も…」
「徳川が、掛川城に攻めかかっている最中に、家康の本陣を狙うんじゃ」
「…まあ、そのつもりだが」
「本陣の兵数は、千程度じゃ。信濃衆三千で一気に攻めれば、二カ国を治める出来星大名・徳川家康の首を挙げられるぞ」
「それが最上だが、うまくイカすには、戦上手なもう一人の別働隊が必要…」
出浦は、武藤の癖のある笑顔の理由に合点が行く。
「この武藤喜兵衛が、合力してやる」
「お主は、信濃衆ではないぞ」
「某、方向音痴なので、馴染みの信濃衆のいる方向に付いて行ってしまうかもしれん」
元・真田家の三男坊に、出浦は頭を下げて感謝する。
駿府を占領中の武田軍は、主に海上交易路で食糧を補充して、一万八千の兵達を飢えさせないように手を尽くした。
軍資金の豊富な武田だからこそ出来た手段で、普通なら補給路を遮断されて一ヶ月経てば、兵達が略奪に走ったり勝手に逃げたりと、戦力を維持出来ない。
このまま春まで待つのも有りだが、北条も武田撲滅の好機を睨めっこで無為に過ごしたりはしなかった。
上杉謙信に呼び掛けて「今なら武田領に攻め込み放題いっすよ。背後からズバッと、おねがいしゃーす」と外交努力を続けた。
上杉謙信の方は、真冬に雪の山道を進軍する苦労を強いてまで北条を助けてやる義理は無いので、暖かく見守る。冬だけど。
この段階で、武田信玄は軍勢を動かす。
東から北条が攻め込まないように薩埵峠に布陣していた武田一万八千が、北条四万五千が拠点にしている大宮城(現・静岡県富士宮市。埼玉県大宮のソープランドとは、全く関係ない)に向けて進軍を開始する。
武田一万八千
VS
北条四万五千
壮絶な戦争スペクタクルが、今、幕を開け・・・なかった。
陽が暮れる。
野営地に引き返す赤備えの面々は、珍しく返り血を全く浴びていない。
元から全身真っ赤の上に夕日に照らされているので分かり辛いが、返り血は浴びていない。
赤備えの隊長・山県昌景は、本陣に戻るや、諸将の見ている前で倒れて子供のように駄々をこねる。
「もう嫌だ。誰も赤備えと戦おうとしない。双方、それらしく移動しては、睨めっこをして帰るだけ。矢合わせすらロクにしない。今日一日、ガキの喧嘩にも値しない行軍を繰り返して睨めっこ! もういや、睨めっこ! もう誰とも睨めっこしない! 一生分の睨めっこをしたから!」
強将の悪ふざけに、諸将は苦笑いで応える。
ほとんどの将は、倍以上の兵数を誇る北条とのガチンコが発生しなくて安堵している。戦争大好き人間には涙が流れる程に退屈だったであろうが。
どのテレビ局も映画会社も、この戦争を映像化しない訳である。
工藤昌豊が、右足を振り上げて山県昌景の頭を踏み抜く。
辛うじて避けて姿勢を正して畏る山県に、工藤は抑えた声音で訓告する。
「軍議の場では、言いたい事を正直に言え。全部、聞いてやる。だが、児戯に及ぶなら、殺す」
副将のマジ説教に、山県は正気を取り戻す。
「すみません。戦なのに実質出番なしとか、もう拷問にしか思えなくて」
「いや、一番役に立っていたぞ。北条の四代目が、どれ程の技量なのか、よく分かった」
「…あれですか? 今日の駆け引きは、高度な戦術を駆使した結果ではなくて…」
工藤は、敵の主将(信玄の娘婿)に礼を失さぬよう、真面目な顔を維持したまま、言葉を選んで断言する。
「北条氏政は、防御に徹する戦略を一切変えないと分かった。本日、本陣前をガラ空きにしても、主力部隊が背中を見せても、全く攻める気を見せなかった」
「ほう。兵を四万五千も集めたのに、武田には勝てないと。慎重な方ですね」
山県は機嫌を直して大笑いする。
北条氏政を臆病とか無能と謗る者はいない。過去何度も、北条は数で優位に立ちながら武田にだけは勝てずに退いている。数の差で埋めきれない実力差が、武田と北条には存在している。その積み重ねは、今回も生きた。
心に余裕を取り戻したので、武田信玄の前で一人だけ返り血を浴びたまま畏まっている若武者に注意を向ける。
若手武将の中では、最も信玄に期待されている青年である。周囲も当然認めているし、山県も認めている。
嫉妬を覚えたのは、この瞬間が初めてだが。
それに気付いた信玄が、明るく山県を茶化す。
「武藤喜兵衛は、見事に槍を付けたぞ。わしの命を無視し、逃げる北条の行方を塞いで。お主も戦果が欲しければ、わしを無視せよ」
誉められつつも命令違反の咎で弄られる武藤喜兵衛は、物怖じせずに自己弁護を図る。
「言い掛かりでござる。某は、お屋形様の下知に従っておりましたぞ。
…行き先を少々間違えたら、たまたま、運の悪い北条の一個大隊がおりましてな。某よりも酷い方向音痴とお見受けしましたので、
『これは戦に向いていないに違いない。今のうちに叩き潰して、戦嫌いになってもらおう。そうすれば、戦に不向きな人々が一般ピープルに戻って、平穏無事な毎日を送れる』
そう考えた某は、心を鬼にして、北条の一個大隊を潰走させました。彼らも、あとで気付くはずです。あの時、この圧倒的に優しい武藤喜兵衛にボコられたお陰で、向いていない職場から解放されたと」
本陣の諸将が爆笑する中、山県は工藤に確認する。
「児戯に及ぶなら殺すって、言いませんでしたか?」
「真面目に戦争をして一番槍を果たした武将を、どうして殺処分する必要があるのだ?」
信玄のみならず、工藤も既に武藤喜兵衛を気に入っているので、甘い。
冗談は置いといて、武田信玄は山県も揃ったので真面目な軍議に入る。
「今日の戦で、北条は西には動かぬと分かった。次の一手は、遠江へ打つ」
大幅な方針転換。
遠江は徳川に任せるという約束を破棄しての、新しい戦争開始である。
こういう事を平気でやれる戦争上等軍事国家。
周辺国から大いに嫌われる甲斐武田家なのだ。
「ただし、多くの兵を割く訳には行かぬ。守りに入った北条を、その気にさせぬ程度の兵を送る」
諸将が、指名を期待して目を輝かせる。
「秋山虎繁」
「ははっ」
一際頑丈そうな太い体躯を誇る武将が指名され、他の諸将は諦める。
武田の猛牛・秋山虎繁が任される以上、山県ですら諦めた。
「信濃衆三千を率い、遠江に侵攻せよ」
出浦盛清(信濃出身)が、呼ばれる前に秋山虎繁の横に並んで座る。
「攻め時は、出浦の情報を基に決めよ。いいか、相手は徳川だけに絞れ。掛川城には、手を出すなよ」
「徳川を滅して余力が有りますれば、掛川城を落としてよろしいでしょうか?」
闘魂の有り過ぎる猛将に、信玄は撤退時の目安を伝える。
「やっても構わんが、兵が二千を割ったら、必ず退け。お主は第一陣に過ぎない」
「ははっ」
軍議のフィニッシュに。
武田信玄は、秋山虎繁のやる気に、極上の美酒を注いでみる。
「そうそう。ついでの掛川城だがな…」
「は」
「本当に、ついでで構わないがな…」
「は」
「美人過ぎて有名な今川母娘は、お主が口説き落として…」
工藤が、凄い嫌な顔をして、主君の欲望注入を見守る。
「新しい幸せを与えても構わないよ。わし、祝福する。圧倒的に、祝福する」
「ははっぁーーーー!!!!」
横に座っていた出浦盛清は、秋山虎繁から発せられた激しい精気に、真冬なのに蒸れて汗をかいた。
間違いなく、秋山虎繁は勃起している。
工藤からは『出浦ぁー、18禁の展開になったら、君が止めてね』という意味合いの視線が寄越される。
(徳川の相手をしながら、このNTR猛牛のストッパーまで出来るかー?!)
出浦が『そんな余裕は、有りません』的な視線を返すと、工藤はスルーして信玄と一緒に退席する。
幼馴染みの武藤喜兵衛(出身は信濃)が、乾かない血の匂いを漂わせながら、出浦を気遣う。
「大丈夫かあ? そんなに容易くないだろう、徳川は」
「俺たちは、第一陣だ。ちょっとビビらせたら、帰る」
「親子丼ぃぃいいいいいいぃいいいい!!!!!!!!」
隣では、もう完全にその気の猛牛が、思いのまま咆哮している。
「お屋形様は、人を乗せるのが上手いよなあ」
「笑い事か」
「掛川城を後回しにして、徳川だけを相手にすればいいだけではないか。ここで家康を討ってしまえば、遠江と三河も武田のモノだぞ」
「だから、容易くないと、お主も…」
「徳川が、掛川城に攻めかかっている最中に、家康の本陣を狙うんじゃ」
「…まあ、そのつもりだが」
「本陣の兵数は、千程度じゃ。信濃衆三千で一気に攻めれば、二カ国を治める出来星大名・徳川家康の首を挙げられるぞ」
「それが最上だが、うまくイカすには、戦上手なもう一人の別働隊が必要…」
出浦は、武藤の癖のある笑顔の理由に合点が行く。
「この武藤喜兵衛が、合力してやる」
「お主は、信濃衆ではないぞ」
「某、方向音痴なので、馴染みの信濃衆のいる方向に付いて行ってしまうかもしれん」
元・真田家の三男坊に、出浦は頭を下げて感謝する。
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