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遠江国掛川城死闘篇
今川家は衰退しました(4)
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1568年(永禄十一年)十二月十二日。
薩埵峠から北東の方角を見渡すと、富士山の白面と駿河湾の紺碧を同時に観賞できる。
薩埵峠は、この当時から観光地として成り立つ。
まあ、本日は、一般人は寄りつけない有様だが。
標高百メートルに満たない峠の上から見渡す蒼と白の景勝には、猛々しい異物が混入されている。
武田の軍旗「風林火山」を掲げながら、一万八千の軍勢が一個の生き物のように、薩埵峠へ続く街道を行軍していく。
歴史ファンなら歓喜の涙を流して喜ぶ光景だが、攻め込まれる当事者の今川氏真にとっては、失禁して逃げ出したい光景だ。
「もう、本陣へお帰り下さい。四半刻(三〇分)後には、矢合わせが始まります」
この最前線を任された現地の担当武将・庵原忠胤に促され、氏真は駆け出さないように気を付けて一八〇度回れ右をし、普通に歩いて愛馬の元へ。
ここで慌てて移動したら、氏真が逃げたと勘違いした兵たちが、トンズラしてしまう。
騎乗した後も、馬を疾駆させずに、馬丁に任せてゆっくりと移動する。
後方の本陣への、戦略的撤退である。
まだ逃げていません。
武田の大軍が接近する薩埵峠の東側には、既に今川の兵一万五千が防御陣地を形成している。攻め込む武田から見れば、武装した壁と戦うに等しい。
残り五千は、氏真の本陣がある清見寺(薩埵峠から西南に約5㎞)に配置し、前線が崩れた場合の予備兵力として控えている。
清見寺は、創建されてから九百年。
今川義元の軍師・太原雪斎が住職を務めていたのでリフォームは万全。
今川氏真は、清見寺の一室で一服しながら、戦闘開始の報告を聞いた。
「武田勢は、攻めあぐねて立ち往生しております」
第一報に氏真は、安堵のあまり泣きそうになる。
防御陣が一撃で突破される可能性が高いと、覚悟していたのだ。
相手は、最強・武田軍だし。
山国育ちの足腰頑強な軍勢で、薩埵峠程度では苦もなく攻め登れるだろうし。
朝比奈泰朝も、それらしい伏線を言い残したし。
安堵する氏真の元に、四半刻(三〇分)毎に戦況報告が届く。
「お味方は善戦。武田は、前進出来ません」
「お味方の敢闘により、武田は薩埵峠に釘付けです」
「戦況は変わらず。薩埵峠は、武田を撥ね退けておりまする」
連続して吉報が届くので、氏真はちょびっと調子に乗った。
「この部屋に居ると、縁起が良いな。『吉報の間』とでも名付けようか」
聞いた側近たちは、お愛想笑いで適当に応える。
氏真には残念ながら、その部屋は『家康手習いの間』として有名な観光名所になる。
人質時代の徳川家康が、太原雪斎の蔵書を好き放題に読み耽り、将来の軍事・行政の才能を育んだ部屋なのだが、今現在、それを氏真に教えようという程に空気を読まない側近はいなかった。
この日の今川軍の奮闘は、褒められていい。
桶狭間の戦いで戦力差が十分の一の織田勢に敗れて以来、無様に弱体化した死に体の軍勢と見られてきた今川が、最強クラスの武田軍と互角に戦っている。
日没後。
武田軍が戦闘を中止して夜営に入ったと聞かされて、氏真は鎧を外して風呂に入る。
本日何度目かの、安堵の涙を流しつつ、明日も頑張ろうと誓う氏真だった(この人、快適な部屋で報告を聞いていただけだよね?)。
就寝前。
緊急の場合を除いて、戦場からの伝令が出ない時間帯に入ってから、氏真はまだ武田に買収されていない人材からの報告を受ける。
「で、何人が武田と内通の動きを見せた?」
寝所の外の縁側から、朝比奈泰勝という若武者が、恐る恐るも速やかに入って来る。朝比奈泰朝は、自分の代役に、この若者を氏真の側に置いていた。
その苦り切った顔を見ただけで、氏真は最悪の事態を覚悟した。
「疑わしき武将は、戦う振りをして、牽制のみ。武田の方も、攻める相手の旗を選り好みしておりました。今日の戦いは、本当に寝返る者と、そうでない者とを仕分けていただけかと」
氏真は、予想通りの答えを聞きつつ、肝心の事を言わせる。
「何人だ?」
「二十一の部隊で、内通の動きが有りました。私ども朝比奈一族からも、不心得者が出ました」
過半数の部隊指揮官が、武田の調略に応じていた。
粛清すら不可能な状況である。
氏真は、驚きもしなかった。
むしろキッパリと、掛川城への避難ルートを選ぶ心境に達した。
「明日の朝、賤機山城まで移動する。この情報を、今夜の内に武田に流せ」
「流せというと…」
「薩埵峠に戻って、同僚たちに話せば良い。氏真が、賤機山城に朝イチで移動すると」
翌朝。
1568年(永禄十一年)十二月十三日。
夜明けと共に、今川氏真は賤機山城(駿府の北西、徒歩二十分)に向けて出発する。
途中、今川館に立ち寄れるルートである。
同時刻。
薩埵峠では、今川氏真が、今川館の後方へ逃げ出したという噂が広がり、兵達が浮き足立った。
朝比奈泰勝が深夜に撒いた話は、内通者から武田へ、武田から拡大解釈を付与されて薩埵峠の今川勢へ流布された。
昨日の勇戦にも関わらず、総大将が更に後方へ退がったのである。今日こそは負けると判断したとしか、思えない。
浮き足立つ兵達を見て、武将達の半分は今日の戦を観念した。昨日の戦いですら、ようやく五分である。彼らは敗走を覚悟した。
武田に内通している武将達が、一番慌てた。
味方がここまで動揺している有様を武田勢が見れば、見逃さずに速攻で攻略しに来る。
その場合、内通者が手柄を立てる間もなく、全て蹂躙される。
「武田が動いたぞーー!!」
最前線から声が上がり、矢が飛来する音に続いて、大軍の足音が薩埵峠を駆け上がった。
山国育ちの本気の身体能力は、薩埵峠の浮き足立った防御陣を苦もなく突破していく。
内通していた部隊が、巻き込まれまいと離脱を始める。
武田に蹂躙される現実から逃げようと、防御陣全線が溶けるように崩れていく。
薩埵峠から逃げ始めた今川勢を追撃しようと、更に武田勢が押し寄せる。
逃げる兵と追う兵が混じり合う中。最前線を最初に突破した武田の先陣部隊が、移動を優先させた駆け足のまま、街道を最短ルートで行進していく。
その中心にいる騎乗の武将は、周囲の混乱の中でも涼しい顔で西の方角を見据えている。
五十を過ぎて枯れる気配を得ても、その武将は少年のような輝きを瞳から発している。
彼の部隊は、逃げる今川勢すら追い越して、街道を駿河へと歩を進める。
挙げる戦旗は、左右上下対象の花形の菱紋『武田花菱』
最前線でこの旗を使う武田の武将は、一人しかいない。
「やはり楽勝でしたね」
部下のナメた発言に、軽装の武将は馬上から朗らかに窘める。
「たわけ。我々の仕事は、
1、 氏真の逃げ足よりも速く、賤機山城を抑える事。
2、 春名様と美朝姫を保護する事。
3、 今川の宝物庫を確保。
この三つを今日中に、可能な限り早く終わらせる。余裕なんぞ寸分もないわ!」
武田家四天王の最年長、馬場信春は、その忙しさを嬉しそうに吼えた。
彼は、六年と半年後の命日まで、無傷のまま戦歴を重ねる。
薩埵峠から北東の方角を見渡すと、富士山の白面と駿河湾の紺碧を同時に観賞できる。
薩埵峠は、この当時から観光地として成り立つ。
まあ、本日は、一般人は寄りつけない有様だが。
標高百メートルに満たない峠の上から見渡す蒼と白の景勝には、猛々しい異物が混入されている。
武田の軍旗「風林火山」を掲げながら、一万八千の軍勢が一個の生き物のように、薩埵峠へ続く街道を行軍していく。
歴史ファンなら歓喜の涙を流して喜ぶ光景だが、攻め込まれる当事者の今川氏真にとっては、失禁して逃げ出したい光景だ。
「もう、本陣へお帰り下さい。四半刻(三〇分)後には、矢合わせが始まります」
この最前線を任された現地の担当武将・庵原忠胤に促され、氏真は駆け出さないように気を付けて一八〇度回れ右をし、普通に歩いて愛馬の元へ。
ここで慌てて移動したら、氏真が逃げたと勘違いした兵たちが、トンズラしてしまう。
騎乗した後も、馬を疾駆させずに、馬丁に任せてゆっくりと移動する。
後方の本陣への、戦略的撤退である。
まだ逃げていません。
武田の大軍が接近する薩埵峠の東側には、既に今川の兵一万五千が防御陣地を形成している。攻め込む武田から見れば、武装した壁と戦うに等しい。
残り五千は、氏真の本陣がある清見寺(薩埵峠から西南に約5㎞)に配置し、前線が崩れた場合の予備兵力として控えている。
清見寺は、創建されてから九百年。
今川義元の軍師・太原雪斎が住職を務めていたのでリフォームは万全。
今川氏真は、清見寺の一室で一服しながら、戦闘開始の報告を聞いた。
「武田勢は、攻めあぐねて立ち往生しております」
第一報に氏真は、安堵のあまり泣きそうになる。
防御陣が一撃で突破される可能性が高いと、覚悟していたのだ。
相手は、最強・武田軍だし。
山国育ちの足腰頑強な軍勢で、薩埵峠程度では苦もなく攻め登れるだろうし。
朝比奈泰朝も、それらしい伏線を言い残したし。
安堵する氏真の元に、四半刻(三〇分)毎に戦況報告が届く。
「お味方は善戦。武田は、前進出来ません」
「お味方の敢闘により、武田は薩埵峠に釘付けです」
「戦況は変わらず。薩埵峠は、武田を撥ね退けておりまする」
連続して吉報が届くので、氏真はちょびっと調子に乗った。
「この部屋に居ると、縁起が良いな。『吉報の間』とでも名付けようか」
聞いた側近たちは、お愛想笑いで適当に応える。
氏真には残念ながら、その部屋は『家康手習いの間』として有名な観光名所になる。
人質時代の徳川家康が、太原雪斎の蔵書を好き放題に読み耽り、将来の軍事・行政の才能を育んだ部屋なのだが、今現在、それを氏真に教えようという程に空気を読まない側近はいなかった。
この日の今川軍の奮闘は、褒められていい。
桶狭間の戦いで戦力差が十分の一の織田勢に敗れて以来、無様に弱体化した死に体の軍勢と見られてきた今川が、最強クラスの武田軍と互角に戦っている。
日没後。
武田軍が戦闘を中止して夜営に入ったと聞かされて、氏真は鎧を外して風呂に入る。
本日何度目かの、安堵の涙を流しつつ、明日も頑張ろうと誓う氏真だった(この人、快適な部屋で報告を聞いていただけだよね?)。
就寝前。
緊急の場合を除いて、戦場からの伝令が出ない時間帯に入ってから、氏真はまだ武田に買収されていない人材からの報告を受ける。
「で、何人が武田と内通の動きを見せた?」
寝所の外の縁側から、朝比奈泰勝という若武者が、恐る恐るも速やかに入って来る。朝比奈泰朝は、自分の代役に、この若者を氏真の側に置いていた。
その苦り切った顔を見ただけで、氏真は最悪の事態を覚悟した。
「疑わしき武将は、戦う振りをして、牽制のみ。武田の方も、攻める相手の旗を選り好みしておりました。今日の戦いは、本当に寝返る者と、そうでない者とを仕分けていただけかと」
氏真は、予想通りの答えを聞きつつ、肝心の事を言わせる。
「何人だ?」
「二十一の部隊で、内通の動きが有りました。私ども朝比奈一族からも、不心得者が出ました」
過半数の部隊指揮官が、武田の調略に応じていた。
粛清すら不可能な状況である。
氏真は、驚きもしなかった。
むしろキッパリと、掛川城への避難ルートを選ぶ心境に達した。
「明日の朝、賤機山城まで移動する。この情報を、今夜の内に武田に流せ」
「流せというと…」
「薩埵峠に戻って、同僚たちに話せば良い。氏真が、賤機山城に朝イチで移動すると」
翌朝。
1568年(永禄十一年)十二月十三日。
夜明けと共に、今川氏真は賤機山城(駿府の北西、徒歩二十分)に向けて出発する。
途中、今川館に立ち寄れるルートである。
同時刻。
薩埵峠では、今川氏真が、今川館の後方へ逃げ出したという噂が広がり、兵達が浮き足立った。
朝比奈泰勝が深夜に撒いた話は、内通者から武田へ、武田から拡大解釈を付与されて薩埵峠の今川勢へ流布された。
昨日の勇戦にも関わらず、総大将が更に後方へ退がったのである。今日こそは負けると判断したとしか、思えない。
浮き足立つ兵達を見て、武将達の半分は今日の戦を観念した。昨日の戦いですら、ようやく五分である。彼らは敗走を覚悟した。
武田に内通している武将達が、一番慌てた。
味方がここまで動揺している有様を武田勢が見れば、見逃さずに速攻で攻略しに来る。
その場合、内通者が手柄を立てる間もなく、全て蹂躙される。
「武田が動いたぞーー!!」
最前線から声が上がり、矢が飛来する音に続いて、大軍の足音が薩埵峠を駆け上がった。
山国育ちの本気の身体能力は、薩埵峠の浮き足立った防御陣を苦もなく突破していく。
内通していた部隊が、巻き込まれまいと離脱を始める。
武田に蹂躙される現実から逃げようと、防御陣全線が溶けるように崩れていく。
薩埵峠から逃げ始めた今川勢を追撃しようと、更に武田勢が押し寄せる。
逃げる兵と追う兵が混じり合う中。最前線を最初に突破した武田の先陣部隊が、移動を優先させた駆け足のまま、街道を最短ルートで行進していく。
その中心にいる騎乗の武将は、周囲の混乱の中でも涼しい顔で西の方角を見据えている。
五十を過ぎて枯れる気配を得ても、その武将は少年のような輝きを瞳から発している。
彼の部隊は、逃げる今川勢すら追い越して、街道を駿河へと歩を進める。
挙げる戦旗は、左右上下対象の花形の菱紋『武田花菱』
最前線でこの旗を使う武田の武将は、一人しかいない。
「やはり楽勝でしたね」
部下のナメた発言に、軽装の武将は馬上から朗らかに窘める。
「たわけ。我々の仕事は、
1、 氏真の逃げ足よりも速く、賤機山城を抑える事。
2、 春名様と美朝姫を保護する事。
3、 今川の宝物庫を確保。
この三つを今日中に、可能な限り早く終わらせる。余裕なんぞ寸分もないわ!」
武田家四天王の最年長、馬場信春は、その忙しさを嬉しそうに吼えた。
彼は、六年と半年後の命日まで、無傷のまま戦歴を重ねる。
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