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第1章
大人ってすごいんだなぁ……
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最近、なんだか自分が変だと思う。自分で自分を抑えられないというか、内側に別の自分が生まれてしまったかのような、よく分からないけれど変な心地だ。学校の保健の授業でも先生が話していたけれど、いまいちこれが本当に“それ”なのかは分からない。でも、友達には恥ずかしくて相談なんてできないし……。そういえばクラスの遠藤君とか、高橋君はどうなんだろう……。僕とおんなじふうに悩んでいるのかな。
一番、自分が変わってきていると感じるのはお風呂の時だ。怖いやら、恥ずかしいやら、なんだかはっきりしないけど、確かに言えるのは、これまでの僕とは「別の僕」になろうとしてるってこと。
頭を洗い終わって、体を洗い始める。肩からお腹までを洗い終わって、徐々に下に下っていく時に一番“それ”が身近に感じる。ふわふわになった泡に包まれた手で触る時、小学校3年生、4年生くらいの時にはなかった感触が手に伝わって来る。そこに何か柔らかい、抵抗感のあるものがある……。そこに何かが生えるなんて思っていなかった。ツルツルとしていた肌に確かに“それ”が生えていて、まるで宇宙人が地球に降り立ったような驚きと違和感を、ここ最近ずっとお風呂の時に感じている。
僕もついに大人になるのかな。
もう子供のままじゃいられないんだろうな。
じわじわと自分が大人になっていく不安を静かに感じながら、ぬるぬるしたボディーソープでいつものように“それ”の下も両手で優しく洗った。
泡のついた二つの手で、小さなそれを持ち上げながら洗った。
……もっと大きくなっていくのかな。
と考えながら指先で皮を上に引っ張って伸ばしてみた。戻して、またもう一回。そしてもう一回――。
あれ、なんかこれ気持ちいい……。
止まらず繰り返しているといつのまにかおっきくなってて、先っぽの方がこっちを向いて固くなってる。あとちょっとでお腹に付きそうなくらいだ。触ってみるとすごくカチカチ。そういえば、保健の授業でこういうのを「勃起」って言ってたっけ。みんなもこんなふうに「勃起」するのかなあ。
さっきみたいにずっと触ってると気持ちいい。こうしてずっと触ってたいなあ。
あ、こうやって裏側の皮をこすってると一番気持ちいいかも……。
お風呂から上がった後、パジャマに着替えてベッドに入った。結局、あれからお風呂でずっと自分のちんちんを触ってた。でも、ちんちんっていう言葉を頭の中で浮かべるだけで恥ずかしい。友達は学校で大きなで言うけど、僕は恥ずかしくて堂々と口には出せないよ。
小学六年生になると、やっぱりみんなだんだんと大人になってきてエッチな話とかしたくなるんだろうな。そういう年頃なんだろうな。最近、昼休みとかそんな話ばっかりだもん。まあ、僕も聞きたくないわけじゃないけど……。この前、遠藤君なんか保健の授業があった日の帰り道、ずっと「セックス」の話をしてたなあ。「性交」ともいうんだっけ? 「セックス」って男の人と女の人が子供を作る時にするやつで……、遠藤君が言ってたのは……男の人のちんちんを女の人のアソコに入れるらしい。女の人のアソコって、マンコっていうんだっけ。僕も聞いたり本で読んだことあるけど、女の人はおしりとは違う穴が前のほうにあって、それがマンコっていうらしい。そこにちんちんを入れて……、そこからどうするんだろう。でも、なんか、すごく気持ち良さそう。
右手でズボン越しに自分のちんちんを包むように握ってみた。マンコに入れたらこんなふうにすっぽり包まれるのかな。
いいなあ、セックス。
してみたいなあ。
今晩は、お母さんのいとこの家で夜ご飯を食べるらしい。バーベキューをやるから買出しに行かなきゃってお母さんが言ってた。いとことご飯食べるのはいいんだけど、いつもなんかドキドキしちゃうんだよね。いとこって言っても僕とは十八歳くらい歳が離れてて、年齢だけで言えばもうおばさんなんだけど。昔から「カレンちゃん」って呼んでるし、「たくさん遊んでくれたおねぇちゃん」っていうイメージがずっとあるから、そんなに歳が離れていることは気にならない。
そんなことより、カレンちゃんの家に行くと何でこんなにドキドキするんだろう。やっぱりカレンちゃん、優しくてキレイだからかな。でも、昔はそんな意識したことなかったのに……。
「あ! いらっしゃい! 久しぶりー! 」
カレンちゃんと会うのは、春休みの時に会ったのが最後だから……5ヶ月ぶりくらいかな。でももっと前の様な気がする。相変わらずきれいだ。
「あ、アキラくん、ひさしぶりー! 背、伸びたー? 」
僕は緊張で、ちょっとだけ笑った。なんとなく、春休みの時よりもカレンちゃんにドキドキしてる気がする。
お母さんとお父さん、それとカレンちゃんの旦那さんはバーベーキューとかで色々と買うものがあるらしく、買出しに出かけた。僕はどうせ大人たちの後を付いて行っても退屈するだけだろと思って、リビングに残ってソファでくつろぎながら携帯ゲームをしていた。カレンちゃんは、バーべキューとはまた別でお手製の料理があるみたいで隣のキッチンで準備をしてる。
しばらくすると、カレンちゃんが、料理に一段落がついたらしく、リビングのほうへやってきた。
「アキラくん、もう6年生になったんだっけ? 」
「うん」
と恥ずかしげに僕が答えた。
「早いなー。ついこの前まで小学校入学したと思ってたのに」
とほんわかした空気を漂わせながら、僕が座っているソファの隣に腰掛けた。さっきまで料理していたから長い髪を後ろに結んでいて、それがとっても色っぽくてドキッとする。後ろに髪をかき上げているせいで普段は隠れている頬から顎の端あたりのぷっくりしたラインが一瞬、視界の内に入ってそれもまた僕をどぎまぎさせた。このぼんやりと漂う上品さはなんなんだろう。視線をちょっと下に移すと、ピンク色っぽいエプロンを身につけていて、いかにも「結婚した大人の女の人」って感じだ。
僕はカレンちゃんの質問に答えるままに好きな教科のこととか、部活の事とかを話した。でも、ちょっと微笑みながらこれを訊かれた時は、答えるのが大変だった。
「好きな女の子とかいるの? 」
僕はまず「え~っ! 」と言って、ちょっと答えをはぐらかした。だって恥ずかしすぎて、そんなにすぐに「いる」って答えられるわけないもん。
結局、なんだかんだでカレンちゃんの質問攻めに押されて「いる」って答えちゃった。
「えー! そうなんだー!」
と嬉しそうな顔をして答えた。
するとがっつくように、矢継ぎ早に次の質問をした。
「告白はしたの? 」
これにまた僕はすぐには答えず、間を開けて、ごまかしながらも「うん」と答えた。
すると、カレンちゃんはさっきの2倍くらいのおっきなリアクションで嬉しそうな声をあげた。
「それで、どうだった!? うまくいった!? 」
またまた僕は困った顔をした後、
「『私も好き』って、言ってくれた」
と答えた。すると突然、カレンちゃんは僕の頭をよしよししながら、
「良かったねー!! 」
とすごく褒めてくれた。
僕はいきなりのことでとりあえずびっくりした。あのカレンちゃんが隣にいるだけでもドキドキしてたのに、突然触られて、頭を撫でられるなんて……。顔がだんだんと熱くなってくるのが分かる。それに、すぐ隣でカレンちゃんのいい匂いがして、頭がくらくらしそうだ。
そうやって僕がノックダウンしてると、カレンちゃんがまた興味津々な感じで次々と訊いて来た。僕はそれに簡単に答えるのがやっとだった。
「もう手は繋いだ? 」
「いや……まだ」
「じゃあ、デートとかも……」
「うん……まだしたことない」
「そっかー、まだ小六だもんねー。手を繋ぐのも恥ずかしいかー」
「うん……」
「じゃあ、チュウはまだまだ先だねっ」
僕はこれを聞いてまた心臓が軽く飛び上がった。“それ”は好きな人同士がすることだっていうのは分かってたし、頭の片隅のどこかにはあったけど、今こうやって他の人の口から改めて言われるとなんだか胸を打たれたようになる。
カレンちゃんのその言葉に対し、いつの間にか僕は、
「チュウ……? 」
と、口に出すのも恥ずかしい言葉をぼそっと繰り返していた。
「興味はあるでしょ? 」
と楽しそうに僕の顔を見た。
その視線から逃れるように顔を下に向けた後、うなずきながら、
「うん……」
と言うと、
「そうだよねー。その歳だとそういうことにも興味が出てくるよねー」
とカレンちゃんは返した。
なんとなく僕はカレンちゃんばかりに質問させては悪いと思ったので、とっさにこう訊いた。
「カレンちゃんは、チュウしたことあるの……? 」
と言うと、とっさに噴出すようにして答えた。
「あるよー。だって大人だもん」
「アキラくんも、これからもしかしたらチュウできる時が来るかもね! 」
僕は妙に納得が行くような気がした。大人になっていくってそういうことなのか……。知らないことを知って、味わったことのないことを味わって、そういったことを順番にこなしていってはじめて立派な大人になるんだろうな。
この時の一瞬の間、僕は最近ずっと頭の中にあった疑問というか謎を、カレンちゃんにぶつけてみたいと思った。その言葉はとても強い力で僕の口を破ってすらすらと出た。
「ねぇ、セックスって気持ちいいの? 」
そう言い終わった僕は、カレンちゃんの顔なんてまともに見れるわけもなく、エプロンで覆われた薄ピンク色の膝を眺めながら言った。
「えっ」
と分かりやすくカレンちゃんは驚いた後、再び一瞬の間が空いた。この一瞬が耐えられないくらいに恥ずかしかった。
「あ、あー。もうそんなことまで知ってるんだー…… 」
「そっか、そうだよね、男の子だもんね」
カレンちゃんはちょっと考えた後、
「セックス……してみたいの? 」
と言った。その言葉は、夏の日、カラッカラに渇いた喉に冷蔵庫から取り出した麦茶を流し込んだ時のように、とっても気持ち良さを感じるものだった。
僕の緊張はここでもっともピークになり、カレンちゃんのその質問に対して何か言葉で返す事も出来ず、ただできるだけ分かりやすく首を縦に振ることしかできなかった。
「そっか…」
とカレンちゃんはちょっと考えながら、でも優しく、僕のうなずきに言葉を返した。すると突然、
「わぁー。すごい」
僕は最初、何に対してそんなに顔を輝かせながら「すごい」と言っているのか分からなかった。目を上げてカレンちゃんの視線を追うと、僕の股の方をじっと見ていた。
僕ははっと“それ”に気づき、とっさに両手で隠した。
「えーっ。隠さないで。見せてよー」
といたずらっぽく僕の“それ”を隠している一方を軽く引っ張ってくる。こんなの恥ずかしくてカレンちゃんに見せられないよ!
「しょーがないよ、男の子だもん。誰でもそうなるって! 」
そう言いながら楽しそうにせがんでくる。
「別に見たって、アキラくんのこと嫌いになったりしないから、ね? 」
僕はそれを聞いて、心の中で何かが緩んだような気がして、同時に両手の隠す力も緩んだ。「カレンちゃんだからいいか……」としぶしぶ諦めつつ、ゆっくりと手を“それ”から離した。
「わ~。やっぱり勃起してるねっ」
カレンちゃんが嬉しそうに僕のちんちんを見てるのが、恥ずかしくて爆発しそうなのに、なぜかとても気持ちよかった。
「やっぱりさっきの話はちょっと刺激的だったかなー」
と、またにこっと笑って僕の顔をまともに見た。僕は必死で目を逸らした。
すると、カレンちゃんはもっと間近で見たいのか、僕の左肩や腰の左側に柔らかい感触がしっかりと分かるほどの近さまで寄って来た。隣で話しているだけでもドキドキしていたのに、今、僕の身体に触れて温かさが伝わって来るくらいすぐそばにいる。この距離感にうろたえていると、カレンちゃんは自分の左手を僕の“それ”に伸ばしてきた。
「なっ」
何か驚きの言葉を発したり、抵抗する間もなく、カレンちゃんはズボンごしに指先で僕のちんちんを触っていた。
「うわ~。カチカチだぁ~」
僕は今、目の前で何が起こっているか分からず、ただカレンちゃんのするがままに任せていた。僕の頭と体はただ熱くなっていた。
親指と人差し指で僕のちんちんの固さを確認するように挟んでみたり。
それに中指を添えて、指の腹でそっと優しく下から上に撫で上げたり。
初めての感覚だった。
ただただ、気持ちよくてたまらなかった。
こんな気持ちいいことが世の中にあるのかというほど、体中が心地よさで満たされていた。
「ズボン脱ごっか? 」
その言葉に驚きと抵抗感をあからさまに感じつつも今さら抗えなかった。僕はカレンちゃんの言われるがままになっていた。恥ずかしさを指先一つひとつに表しながらも、ズボンの前のボタンを外し、チャックを下ろした。「女の人の目の前でズボンを脱ぐのなんて初めて……っ! 」と緊張に耐えながら、少しずつズボンを下ろしていって、足元まで下げた。そして青地のトランクス一枚になった。
カレンちゃんはすぐさまちんちんを触った。トランクスごしだから、さっきよりもずっと指の感触が生々しく感じられて、それがめちゃくちゃ気持ちいい。カレンちゃんの指の腹の柔らかい肉が、僕の今にもおかしくなってしまいそうなほど大きく腫れ上がっているちんちんのいろんなところを触っているのを感じる。またさっきみたいに下から上へ滑らせる動きをしたせいで、時々、トランクスの生地がちんちんの先っぽに擦れて、気持ちよさが加わる。指を動かせば動かすほど。時間が経てば経つほど。
「アキラくんってまだ剥けてないよね? 」
僕はその「剥ける」という言葉の意味が分からず、
「え、剥けるって……? 」
「あ、じゃあまだなんだね――」
そう言いながらカレンちゃんは僕のトランクスを前の部分だけいきなり下げ始めた。そうすると自分の何にも覆われていないちんちんがプルンと弾けるように顔を出した。普段はお風呂以外で僕のちんちんはこんなにも外の空気に直に触れることはないだけに、解放感がすごかった。それどころか今、目の前であのカレンちゃんにじっと見られているという状況が、またより一層ちんちんをびんびんにさせた。
「あ~! やっぱりまだ被ってるんだねー。可愛いっ」
語尾にハートマークが付きそうなほど愛おしさのこもった感想を言った。
「私、まだ剥けてないおちんちん見たの初めてかも」
そう言いながら僕の“丸裸の”ちんちんにさっきのように手を伸ばしてきた。僕はこれから来る、未体験の気持ちよさへの期待のために固唾を呑んで見守った。ああ、カレンちゃんの指先の素肌が僕のちんちんに触れる……!
それはものすごい衝撃だった。ちんちんが体の中で一番、敏感な場所だというのはなんとなく頭では分かっていたけれど、今、こうやって触られると、想像以上にびっくりするものだった。気持ちいいよりもびっくりが先に来たかもしれない。あと少しで「あっ」と声が出てしまいそうなところをこらえた。
「すごい……。ものすごく勃ってるね。先っぽがお腹に付きそう」
カレンちゃんは、左手の人差し指と親指で僕のちんちんを持って、ものめずらしそうにしげしげと観察している。
「ああ……。そんなに見られたらおかしくなる……。あたまがまっしろになっちゃうよぉ……! 」と思いながら頭が気持ちよさで一杯になっていたその時、玄関の方から話し声が聞こえてきた。その瞬間、熱かった体が急に冷えた。
「あっ! 帰ってきた! 」
とカレンちゃんがいかにも焦ったふうに急いで僕のトランクスとズボンを履くのを手伝ってくれた。その反応の速さと正確さに感心しながら「さすがはカレンちゃん、大人だなあ」と変に冷静なことを考えながらも、僕もこれまでにないほどのスピードでパンツとズボンを履いた。すると、カレンちゃんは色んな誤魔化しをかねて帰りを出迎えるため、「おかえりー!! 」といつも以上に大きな声で玄関の方へ走っていった。
はあ、何とかあんなところを皆に見られなくてよかった……。
一番、自分が変わってきていると感じるのはお風呂の時だ。怖いやら、恥ずかしいやら、なんだかはっきりしないけど、確かに言えるのは、これまでの僕とは「別の僕」になろうとしてるってこと。
頭を洗い終わって、体を洗い始める。肩からお腹までを洗い終わって、徐々に下に下っていく時に一番“それ”が身近に感じる。ふわふわになった泡に包まれた手で触る時、小学校3年生、4年生くらいの時にはなかった感触が手に伝わって来る。そこに何か柔らかい、抵抗感のあるものがある……。そこに何かが生えるなんて思っていなかった。ツルツルとしていた肌に確かに“それ”が生えていて、まるで宇宙人が地球に降り立ったような驚きと違和感を、ここ最近ずっとお風呂の時に感じている。
僕もついに大人になるのかな。
もう子供のままじゃいられないんだろうな。
じわじわと自分が大人になっていく不安を静かに感じながら、ぬるぬるしたボディーソープでいつものように“それ”の下も両手で優しく洗った。
泡のついた二つの手で、小さなそれを持ち上げながら洗った。
……もっと大きくなっていくのかな。
と考えながら指先で皮を上に引っ張って伸ばしてみた。戻して、またもう一回。そしてもう一回――。
あれ、なんかこれ気持ちいい……。
止まらず繰り返しているといつのまにかおっきくなってて、先っぽの方がこっちを向いて固くなってる。あとちょっとでお腹に付きそうなくらいだ。触ってみるとすごくカチカチ。そういえば、保健の授業でこういうのを「勃起」って言ってたっけ。みんなもこんなふうに「勃起」するのかなあ。
さっきみたいにずっと触ってると気持ちいい。こうしてずっと触ってたいなあ。
あ、こうやって裏側の皮をこすってると一番気持ちいいかも……。
お風呂から上がった後、パジャマに着替えてベッドに入った。結局、あれからお風呂でずっと自分のちんちんを触ってた。でも、ちんちんっていう言葉を頭の中で浮かべるだけで恥ずかしい。友達は学校で大きなで言うけど、僕は恥ずかしくて堂々と口には出せないよ。
小学六年生になると、やっぱりみんなだんだんと大人になってきてエッチな話とかしたくなるんだろうな。そういう年頃なんだろうな。最近、昼休みとかそんな話ばっかりだもん。まあ、僕も聞きたくないわけじゃないけど……。この前、遠藤君なんか保健の授業があった日の帰り道、ずっと「セックス」の話をしてたなあ。「性交」ともいうんだっけ? 「セックス」って男の人と女の人が子供を作る時にするやつで……、遠藤君が言ってたのは……男の人のちんちんを女の人のアソコに入れるらしい。女の人のアソコって、マンコっていうんだっけ。僕も聞いたり本で読んだことあるけど、女の人はおしりとは違う穴が前のほうにあって、それがマンコっていうらしい。そこにちんちんを入れて……、そこからどうするんだろう。でも、なんか、すごく気持ち良さそう。
右手でズボン越しに自分のちんちんを包むように握ってみた。マンコに入れたらこんなふうにすっぽり包まれるのかな。
いいなあ、セックス。
してみたいなあ。
今晩は、お母さんのいとこの家で夜ご飯を食べるらしい。バーベキューをやるから買出しに行かなきゃってお母さんが言ってた。いとことご飯食べるのはいいんだけど、いつもなんかドキドキしちゃうんだよね。いとこって言っても僕とは十八歳くらい歳が離れてて、年齢だけで言えばもうおばさんなんだけど。昔から「カレンちゃん」って呼んでるし、「たくさん遊んでくれたおねぇちゃん」っていうイメージがずっとあるから、そんなに歳が離れていることは気にならない。
そんなことより、カレンちゃんの家に行くと何でこんなにドキドキするんだろう。やっぱりカレンちゃん、優しくてキレイだからかな。でも、昔はそんな意識したことなかったのに……。
「あ! いらっしゃい! 久しぶりー! 」
カレンちゃんと会うのは、春休みの時に会ったのが最後だから……5ヶ月ぶりくらいかな。でももっと前の様な気がする。相変わらずきれいだ。
「あ、アキラくん、ひさしぶりー! 背、伸びたー? 」
僕は緊張で、ちょっとだけ笑った。なんとなく、春休みの時よりもカレンちゃんにドキドキしてる気がする。
お母さんとお父さん、それとカレンちゃんの旦那さんはバーベーキューとかで色々と買うものがあるらしく、買出しに出かけた。僕はどうせ大人たちの後を付いて行っても退屈するだけだろと思って、リビングに残ってソファでくつろぎながら携帯ゲームをしていた。カレンちゃんは、バーべキューとはまた別でお手製の料理があるみたいで隣のキッチンで準備をしてる。
しばらくすると、カレンちゃんが、料理に一段落がついたらしく、リビングのほうへやってきた。
「アキラくん、もう6年生になったんだっけ? 」
「うん」
と恥ずかしげに僕が答えた。
「早いなー。ついこの前まで小学校入学したと思ってたのに」
とほんわかした空気を漂わせながら、僕が座っているソファの隣に腰掛けた。さっきまで料理していたから長い髪を後ろに結んでいて、それがとっても色っぽくてドキッとする。後ろに髪をかき上げているせいで普段は隠れている頬から顎の端あたりのぷっくりしたラインが一瞬、視界の内に入ってそれもまた僕をどぎまぎさせた。このぼんやりと漂う上品さはなんなんだろう。視線をちょっと下に移すと、ピンク色っぽいエプロンを身につけていて、いかにも「結婚した大人の女の人」って感じだ。
僕はカレンちゃんの質問に答えるままに好きな教科のこととか、部活の事とかを話した。でも、ちょっと微笑みながらこれを訊かれた時は、答えるのが大変だった。
「好きな女の子とかいるの? 」
僕はまず「え~っ! 」と言って、ちょっと答えをはぐらかした。だって恥ずかしすぎて、そんなにすぐに「いる」って答えられるわけないもん。
結局、なんだかんだでカレンちゃんの質問攻めに押されて「いる」って答えちゃった。
「えー! そうなんだー!」
と嬉しそうな顔をして答えた。
するとがっつくように、矢継ぎ早に次の質問をした。
「告白はしたの? 」
これにまた僕はすぐには答えず、間を開けて、ごまかしながらも「うん」と答えた。
すると、カレンちゃんはさっきの2倍くらいのおっきなリアクションで嬉しそうな声をあげた。
「それで、どうだった!? うまくいった!? 」
またまた僕は困った顔をした後、
「『私も好き』って、言ってくれた」
と答えた。すると突然、カレンちゃんは僕の頭をよしよししながら、
「良かったねー!! 」
とすごく褒めてくれた。
僕はいきなりのことでとりあえずびっくりした。あのカレンちゃんが隣にいるだけでもドキドキしてたのに、突然触られて、頭を撫でられるなんて……。顔がだんだんと熱くなってくるのが分かる。それに、すぐ隣でカレンちゃんのいい匂いがして、頭がくらくらしそうだ。
そうやって僕がノックダウンしてると、カレンちゃんがまた興味津々な感じで次々と訊いて来た。僕はそれに簡単に答えるのがやっとだった。
「もう手は繋いだ? 」
「いや……まだ」
「じゃあ、デートとかも……」
「うん……まだしたことない」
「そっかー、まだ小六だもんねー。手を繋ぐのも恥ずかしいかー」
「うん……」
「じゃあ、チュウはまだまだ先だねっ」
僕はこれを聞いてまた心臓が軽く飛び上がった。“それ”は好きな人同士がすることだっていうのは分かってたし、頭の片隅のどこかにはあったけど、今こうやって他の人の口から改めて言われるとなんだか胸を打たれたようになる。
カレンちゃんのその言葉に対し、いつの間にか僕は、
「チュウ……? 」
と、口に出すのも恥ずかしい言葉をぼそっと繰り返していた。
「興味はあるでしょ? 」
と楽しそうに僕の顔を見た。
その視線から逃れるように顔を下に向けた後、うなずきながら、
「うん……」
と言うと、
「そうだよねー。その歳だとそういうことにも興味が出てくるよねー」
とカレンちゃんは返した。
なんとなく僕はカレンちゃんばかりに質問させては悪いと思ったので、とっさにこう訊いた。
「カレンちゃんは、チュウしたことあるの……? 」
と言うと、とっさに噴出すようにして答えた。
「あるよー。だって大人だもん」
「アキラくんも、これからもしかしたらチュウできる時が来るかもね! 」
僕は妙に納得が行くような気がした。大人になっていくってそういうことなのか……。知らないことを知って、味わったことのないことを味わって、そういったことを順番にこなしていってはじめて立派な大人になるんだろうな。
この時の一瞬の間、僕は最近ずっと頭の中にあった疑問というか謎を、カレンちゃんにぶつけてみたいと思った。その言葉はとても強い力で僕の口を破ってすらすらと出た。
「ねぇ、セックスって気持ちいいの? 」
そう言い終わった僕は、カレンちゃんの顔なんてまともに見れるわけもなく、エプロンで覆われた薄ピンク色の膝を眺めながら言った。
「えっ」
と分かりやすくカレンちゃんは驚いた後、再び一瞬の間が空いた。この一瞬が耐えられないくらいに恥ずかしかった。
「あ、あー。もうそんなことまで知ってるんだー…… 」
「そっか、そうだよね、男の子だもんね」
カレンちゃんはちょっと考えた後、
「セックス……してみたいの? 」
と言った。その言葉は、夏の日、カラッカラに渇いた喉に冷蔵庫から取り出した麦茶を流し込んだ時のように、とっても気持ち良さを感じるものだった。
僕の緊張はここでもっともピークになり、カレンちゃんのその質問に対して何か言葉で返す事も出来ず、ただできるだけ分かりやすく首を縦に振ることしかできなかった。
「そっか…」
とカレンちゃんはちょっと考えながら、でも優しく、僕のうなずきに言葉を返した。すると突然、
「わぁー。すごい」
僕は最初、何に対してそんなに顔を輝かせながら「すごい」と言っているのか分からなかった。目を上げてカレンちゃんの視線を追うと、僕の股の方をじっと見ていた。
僕ははっと“それ”に気づき、とっさに両手で隠した。
「えーっ。隠さないで。見せてよー」
といたずらっぽく僕の“それ”を隠している一方を軽く引っ張ってくる。こんなの恥ずかしくてカレンちゃんに見せられないよ!
「しょーがないよ、男の子だもん。誰でもそうなるって! 」
そう言いながら楽しそうにせがんでくる。
「別に見たって、アキラくんのこと嫌いになったりしないから、ね? 」
僕はそれを聞いて、心の中で何かが緩んだような気がして、同時に両手の隠す力も緩んだ。「カレンちゃんだからいいか……」としぶしぶ諦めつつ、ゆっくりと手を“それ”から離した。
「わ~。やっぱり勃起してるねっ」
カレンちゃんが嬉しそうに僕のちんちんを見てるのが、恥ずかしくて爆発しそうなのに、なぜかとても気持ちよかった。
「やっぱりさっきの話はちょっと刺激的だったかなー」
と、またにこっと笑って僕の顔をまともに見た。僕は必死で目を逸らした。
すると、カレンちゃんはもっと間近で見たいのか、僕の左肩や腰の左側に柔らかい感触がしっかりと分かるほどの近さまで寄って来た。隣で話しているだけでもドキドキしていたのに、今、僕の身体に触れて温かさが伝わって来るくらいすぐそばにいる。この距離感にうろたえていると、カレンちゃんは自分の左手を僕の“それ”に伸ばしてきた。
「なっ」
何か驚きの言葉を発したり、抵抗する間もなく、カレンちゃんはズボンごしに指先で僕のちんちんを触っていた。
「うわ~。カチカチだぁ~」
僕は今、目の前で何が起こっているか分からず、ただカレンちゃんのするがままに任せていた。僕の頭と体はただ熱くなっていた。
親指と人差し指で僕のちんちんの固さを確認するように挟んでみたり。
それに中指を添えて、指の腹でそっと優しく下から上に撫で上げたり。
初めての感覚だった。
ただただ、気持ちよくてたまらなかった。
こんな気持ちいいことが世の中にあるのかというほど、体中が心地よさで満たされていた。
「ズボン脱ごっか? 」
その言葉に驚きと抵抗感をあからさまに感じつつも今さら抗えなかった。僕はカレンちゃんの言われるがままになっていた。恥ずかしさを指先一つひとつに表しながらも、ズボンの前のボタンを外し、チャックを下ろした。「女の人の目の前でズボンを脱ぐのなんて初めて……っ! 」と緊張に耐えながら、少しずつズボンを下ろしていって、足元まで下げた。そして青地のトランクス一枚になった。
カレンちゃんはすぐさまちんちんを触った。トランクスごしだから、さっきよりもずっと指の感触が生々しく感じられて、それがめちゃくちゃ気持ちいい。カレンちゃんの指の腹の柔らかい肉が、僕の今にもおかしくなってしまいそうなほど大きく腫れ上がっているちんちんのいろんなところを触っているのを感じる。またさっきみたいに下から上へ滑らせる動きをしたせいで、時々、トランクスの生地がちんちんの先っぽに擦れて、気持ちよさが加わる。指を動かせば動かすほど。時間が経てば経つほど。
「アキラくんってまだ剥けてないよね? 」
僕はその「剥ける」という言葉の意味が分からず、
「え、剥けるって……? 」
「あ、じゃあまだなんだね――」
そう言いながらカレンちゃんは僕のトランクスを前の部分だけいきなり下げ始めた。そうすると自分の何にも覆われていないちんちんがプルンと弾けるように顔を出した。普段はお風呂以外で僕のちんちんはこんなにも外の空気に直に触れることはないだけに、解放感がすごかった。それどころか今、目の前であのカレンちゃんにじっと見られているという状況が、またより一層ちんちんをびんびんにさせた。
「あ~! やっぱりまだ被ってるんだねー。可愛いっ」
語尾にハートマークが付きそうなほど愛おしさのこもった感想を言った。
「私、まだ剥けてないおちんちん見たの初めてかも」
そう言いながら僕の“丸裸の”ちんちんにさっきのように手を伸ばしてきた。僕はこれから来る、未体験の気持ちよさへの期待のために固唾を呑んで見守った。ああ、カレンちゃんの指先の素肌が僕のちんちんに触れる……!
それはものすごい衝撃だった。ちんちんが体の中で一番、敏感な場所だというのはなんとなく頭では分かっていたけれど、今、こうやって触られると、想像以上にびっくりするものだった。気持ちいいよりもびっくりが先に来たかもしれない。あと少しで「あっ」と声が出てしまいそうなところをこらえた。
「すごい……。ものすごく勃ってるね。先っぽがお腹に付きそう」
カレンちゃんは、左手の人差し指と親指で僕のちんちんを持って、ものめずらしそうにしげしげと観察している。
「ああ……。そんなに見られたらおかしくなる……。あたまがまっしろになっちゃうよぉ……! 」と思いながら頭が気持ちよさで一杯になっていたその時、玄関の方から話し声が聞こえてきた。その瞬間、熱かった体が急に冷えた。
「あっ! 帰ってきた! 」
とカレンちゃんがいかにも焦ったふうに急いで僕のトランクスとズボンを履くのを手伝ってくれた。その反応の速さと正確さに感心しながら「さすがはカレンちゃん、大人だなあ」と変に冷静なことを考えながらも、僕もこれまでにないほどのスピードでパンツとズボンを履いた。すると、カレンちゃんは色んな誤魔化しをかねて帰りを出迎えるため、「おかえりー!! 」といつも以上に大きな声で玄関の方へ走っていった。
はあ、何とかあんなところを皆に見られなくてよかった……。
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