サイバーオデッセイ - バーチャル都市の守護者と精霊たち - (挿絵アニメ)

寄代麻呂人

文字の大きさ
上 下
7 / 39
第一章 シーブリーズサンクチュアリの姉妹

第6話~3種族の全面戦争~(挿絵あり)

しおりを挟む
ハーダ:フィリアさん、人間は神様に祈りますよね。
フィリア:はい。でも……ハーダ様や人工超知能は神様が存在すると思いますか?
フィリルも興味を持ったのか口を挟んだ。
フィリル:私はあると思いますよ!だって、これだけ高度な技術があるんですもの!神様が創造したのに違いないわ!
ハーダは微笑みながら言った。
ハーダ:フィリアさんとフィリルさんの考えはそれぞれ違っていますね。でも、私が思うに……信仰心というのは人間だけが持つ感情です。私たちは神の存在を信じていますが、それはあくまで自分たちの信念に基づくものです。もし神様がいるならば、私たちの信仰に応えてくれる存在でしょう。
フィリアはハーダの答えに納得しながら、少し考えた後言った。
フィリア:なるほど……でも私はどちらかというと目に見えないものを信じる方ですね。例えば……そうですね、精霊とか悪魔とか……
フィリルは少し驚いた様子で聞いた。
フィリル:え?精霊や悪魔なんて本当にいるの?
フィリアは笑いながら答えた。
フィリア:さあ、どうかしら?でも私は信じないこともないかなって思っています。だって、もし精霊や悪魔がいるならその世界はきっと素敵だと思うから。
ハーダも微笑みながら言った。
ハーダ:確かにそうですね。私もそう思うことがありますよ。しかし……私たちは神の存在を信じながらも、同時に科学の力を信じることも大切だと思います。なぜなら、私たちには科学という素晴らしい技術があるからです。
フィリルは納得した様子で言った。
ハーダ:フィリア、あなたを治すのに使ったナノボットドックのデジタルノームですが、見方を変えれば精霊とも言えますよね。
フィリアは考え込んだ後、こう言った。
フィリア:確かにそうですね!デジタルノームが精霊!
フィリル:えっ!じゃあ、人間も精霊なの? ハーダは笑いながら言った。
ハーダ:そうですね、人間は魂を持っていますから……ですが、同時に肉体という制約もあります。つまり、デジタルノームと人間の中間に位置する存在とも言えますね。
フィリア、インストールを続けては。止まってますよ。フィリア:あ、すみません! ハーダは微笑みながら言った。
ハーダ:では、続きをお願いします。
フィリア:はい!……でも、私は神様が本当にいるなら、私たち人間にもっと優しくしてほしいと思うのです。例えば、病気や災害から救って欲しいとか……
フィリルも同意した様子で言った。
フィリル:確かにそうね!私もそう思うわ!神様がいるなら、私たちを助けてくれるはずだもの!
ハーダは微笑みながら言った。
ハーダ:そうですね、私もそう思います。でも……神様が私たちに優しくないとしても、私たちは自分自身で強くならなければなりません。それが人間の強さであり、神から与えられた試練でもあるのです。フィリアはインストールを続けて下さい。
フィリアは頷きながら言った。
フィリア:はい!わかりました。

-----resume installation-------
三つのグループは、それぞれの価値観や技術を持ちながらも、共存を目指していた。しかし、進化の選択を巡る対立は避けられず、度重なる戦いや環境破壊の影響で、主な人々は10万人規模の自給自足可能な水上都市に分かれて生活していた。

サイボーグたちは、生体工学とナノテクノロジーの進歩をさらに推し進めた。遺伝子編集技術を駆使して、病気の予防や治療が飛躍的に向上し、再生医療によって失われた組織や臓器の再生が可能となった。個別化医療も進展し、各個人に最適な治療法が提供されるようになった。
アクアポリスの住民たちは、バイオエネルギーの利用にも力を入れ、再生可能エネルギーの供給を確保した。これにより、環境への負荷を最小限に抑えながら、持続可能な生活を実現可能となった。。
一方、ヒューマノイドたちは、仮想現実技術を駆使して新たな世界を創り出した。彼らは「アトランティスリボーン」と呼ばれる仮想現実の都市を構築し、現実と仮想の世界を行き来する生活を始めた。アトランティスリボーンでは、デジタルゴッド「エロハ」の導きのもと、効率的で調和の取れた社会が築かれていた。
この仮想現実の世界では、ヒューマノイドたちは感情を持たない代わりに、デジタルアートや音楽を通じて感性や価値観を表現していた。仮想現実の技術は、彼らの生活を豊かにし、新たな可能性を開くものとなった。
ハマルティアの人々は、自然との共生を重視しながらも、バイオテクノロジーと仮想現実の技術を取り入れることを選んだ。彼らは、持続可能な農業やエコロジカルな建築技術をさらに発展させ、自然を守りながらも技術の恩恵を受ける道を模索した。
仮想現実技術を利用して、ハマルティアの人々は遠隔地にいる仲間と感情を共有し、非暴力的な紛争解決のシステムを構築した。これにより、彼らは平和を重視する文化を維持しながらも、一定の技術進歩を享受することができた。

サイボーグたちは、技術の進歩を追求し続ける中で、ヒューマノイドの姿勢に対して不満を抱くようになった。
一方、ヒューマノイドたちは、人間の感情に基づく判断が効率を損なうと考え、彼らの進化の選択を批判した。デジタルゴッド「エロハ」の導きのもと、ヒューマノイドは効率的な社会を築くことが最善の道だと信じていた。
ハマルティアの人々は、中立を保ちながらも、自然との共生を重視する姿勢を貫いていた。しかし、サイボーグとヒューマノイドの対立が激化する中で、彼らも巻き込まれることとなった。
対立が激化する中で、ついに戦争が勃発した。サイボーグは、技術と人間性の融合を守るために立ち上がり、ヒューマノイドと戦った。ハマルティアの人々は、平和を重視しながらも、自らの生存を守るために戦わざるを得なかった。
戦争は、地球全体に広がり、多くの都市が破壊され、環境もさらに悪化していった。三つのグループの対立は深く、解決の糸口を見つけることができなかった。


戦争の激化と停戦

サイボーグ、ヒューマノイド、ハマルティアの三つのグループの対立は、ついに全面戦争に発展した。各グループは、自らの進化の選択を守るために戦い、地球全体が戦場となった。戦争は激化し、都市が破壊され、環境もさらに悪化していった。
戦争の中で、サイボーグたちは新たな兵器を開発した。それは、ナノマシン兵器だった。兵器は、微小な分子ロボットであり、遺伝子操作を行う能力を持っていた。サイボーグたちは、この兵器を使って敵の遺伝子を操作し、戦闘能力を低下させることを計画した。
しかし、この兵器は想像以上に強力であり、生命体・機械の区別なく量子レベルで変容させてしまうため制御が難しかった。戦場で使用された兵器は、敵だけでなく、味方や環境にも影響を及ぼし始めた。
遺伝子操作による汚染が広がり、多くの人々が未知の病気に苦しむこととなったが、汚染を解消する手段が見つからなかった。この状況が長く続いてしまった為、戦いどころではなく停戦を余儀なくされた。
人々は遺伝子操作汚染を治療する方法を必死に探したが、有効な治療法はなかなか見つからなかった。
絶望感が広がり始めた頃、ハマルティアの人々が、兵器汚染を克服する方法を見つけたのだ。その方法は、兵器汚染で遺伝子操作された細胞をもった生命体の体内で、を育むことだった。彼らは、ナノマシンによって遺伝子改造された生命体を新しい人類の源として利用した。この方法によって、奇跡的に人々は汚染された環境下での生活を取り戻すことができたのである。
皮肉な事だが、この汚染により3種族の全面戦争は行き詰まり、現在に至っている。
-----end installation-------
しおりを挟む
同時進行しているストーリーの別小説はこちら↓です。
セレステ編
感想 10

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~

華研えねこ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。 一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。 二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。 三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。 四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。 五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。 六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。 そして、1907年7月30日のことである。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ワイルド・ソルジャー

アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。 世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。 主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。 旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。 ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。 世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。 他の小説サイトにも投稿しています。

REPEAT

TATSUYA HIROSHIMA
ミステリー
人は失敗すると、もう一度やり直したいと願う…。 妻と息子を惨殺された男が”リピート”を繰り返し、たどり着く終着点は…?

処理中です...