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第一章 シーブリーズサンクチュアリの姉妹

第10話~シーブリーズサンクチュアリ~ (挿絵あり)

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シーブリーズサンクチュアリの朝は、荘厳な鐘の音と共に始まる。ゴシック様式の尖塔が朝日に照らされ、黄金色に輝く。静かな海面を進む小舟が、早起きの住民をそれぞれの目的地へと運ぶ。この海上に浮かぶ都市の建物は、質素な家から壮大な大聖堂まで、すべてが古の物語を語るかのように精巧な石細工で飾られている。
シーブリーズサンクチュアリの街並みは、まるで絵画のように美しい。街の中心部には、古い大聖堂がそびえ立つ。この大聖堂は、何世紀にもわたって知識と歴史を蓄えてきた場所であり、その壮大な建物は訪れる人々を圧倒する。大聖堂の内部には、高い天井と大理石の床が広がり、ステンドグラスが幻想的な光を放つ。大聖堂の隣には、美しい庭園が広がり、そこには夜になると月明りで青白く輝いているように見える植物が植えられている。
街の外れには、古い灯台がある。この灯台は、かつて船乗りたちの道しるべとして重要な役割を果たしていた。灯台の頂上からは、街全体とその周囲の美しい景色を一望することができる。灯台の内部には、螺旋階段があり、訪れる人々はその階段を登りながら、歴史の重みを感じることができる。

街並みは活気に満ち、メインストリートで行われている朝市では新鮮な魚や野菜が並び、商人たちの声が響き渡る。子供たちは橋の上で遊び、大人たちは日々の仕事に精を出す。夕方になると、住民たちは水辺に集まり、夕日の美しさを楽しみながら一日の疲れを癒す。シーブリーズサンクチュアリは、自然と調和した生活を送る人々の温かさと、歴史の重みを感じさせる美しい都市だ。

シーブリーズサンクチュアリの朝は、静かで穏やかな始まりを迎える。漁師のアランは、毎朝早く起きて小舟に乗り込み、静かな海面を滑るようにして漁に出かける。彼の妻、エリザベスは市場で新鮮な魚を売り、地元の人々や旅人と笑顔で会話を交わす。市場は、商人たちの声が響き渡る。
昼間、職人たちは忙しく働いている。石工夫は、古い建物の修復に励み、その手は常に石の粉で白くなっている。木工の職人は、新しい家具を作りながら、若い見習いに技術を教えている。学校では、教師が子供たちに歴史や自然について教え、子供たちは興味津々に耳を傾けている。遊び場では、子供たちが元気に遊び、大人たちは日々の仕事に精を出している。
すみかを水上に変えても時の中で変わらない人の営み。人間が人間としての生活を営み続けている。
これが、ハマルティアの人々の生活である。
シーブリーズサンクチュアリは、ハマルティアの都市の中でいわば中心都市、首都とも言える都市なのだ。

シーブリーズサンクチュアリの夕暮れ時、街は一日の終わりを迎え、静かな賑わいに包まれる。住民たちは水辺に集まり、夕日の美しさを楽しみながら一日の疲れを癒す。オレンジ色に染まる空と海が一体となり、まるで絵画のような光景が広がる。
漁師のアランは、今日の漁の成果を家族に見せるために帰路につく。彼の小舟は、静かな波間を滑るように進み、家族の待つ港へと向かう。エリザベスは市場での一日を終え、家族の夕食の準備を始める。彼女の笑顔は、家族の温かさと絆を象徴しているかのようだった。
アランはいつものように漁から帰ってくると、船着き場に見慣れない女性がいるのを見つけた。
その女性は、背が高く美しい容姿をしていており、船着き場にはずいぶん不釣り合いに見えた。
彼女は、アランに微笑んで言った。
女性:こんにちは、別の水上都市へ船を出してくださる方を探してるのですが。
アランは女性の美しさに驚きながらも、男心をくすぐられたのか親切に対応しようと思った。
アラン:こんにちは、お嬢さん。私は漁で生計を立てている漁師だ。どこに行きたいんだ。
女性:あの、「ブルーホライゾン」っていう所なんですが。
アラン:お嬢さん、そこがどんなとこが知っているのかい。
アランはその女性から出てきた名前が意外で、思わず聞き返した。
女性:詳しくは知らないんですが、サイボーグさんたちの都市だと聞いています。
アラン:・・・そうか。俺はその都市へ船を出すことはできないが、やってくれそうな奴なら知っている。
ちょうど明日、ここにくるはずだぜ。
女性:ほんとですか。それはとてもありがたいです!
アランは笑顔で言った。
アラン:あんた、名前はなんていうんだ?
女性:私は大聖堂で神官をしているフィリルと言います。
アラン:俺はアランだ。よろしくな。これは、漁で取ってきた魚だ。持ってきな。
フィリル:まあ、頂いてもいいんですか!天然の魚なんてすごい、ありがとうございます!
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