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第3章:パチ友ラッシュ突入
第25話:学食の人だかり
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翌日もこの時期にしてはめずらしく良く晴れた日だった。昨日やり損ねた洗濯物ができたからか、それとも昨日が楽しかったからか、気分の良いイツキは授業は午後からだというのに、午前中から大学へと向かった。
「イツキじゃん、うっすー! こんな時間から大学いるなんて、めずらしーじゃんよ! さては、抽選がよっぽどダメだったか?笑」
午前中の大学に出現したレアなイツキに声をかけたのは、イツキと同じゼミに所属する友人の"尚也"だった。2人は統計やデータ、確率といった分野を扱うゼミに所属していた。
狭く深くというイツキの交友関係の中でも、尚也は結構仲の良い方である。それもそのはず、尚也もパチンコをやるのである。
ただ、尚也はパチンコにものすごく精通しているというより、競馬や競艇といった国営モノからポーカーやブラックジャックといったカジノゲームまでギャンブル全般を好んでおり、また研究の対象にもしていた。
「パチンコ熱心なのもいいけどさ、もうちょい大学生っぽい感じも楽しめって!笑」
服装にもある程度気を遣い、今どきの男子大学生らしい格好をしている尚也は、"相変わらずだな"という感じでイツキの肩を軽く叩いた。
「よっ、尚也! でもさ、パチンコも十分大学生らしくない?」
「いや、まぁ、そうだけどさ! でも、他にこう、なんかあるじゃん? 恋とか、BBQとか、飲み会とか、恋とか、競馬とか競艇とか。」
「尚也も最後はギャンブルじゃん!笑」
今度は、イツキが尚也の肩を叩きながらツッコんだ。
「ばれたっ?笑 結局、ギャンブルは最強なんだよな!笑 そうだ! 午後のゼミまで時間あるし、せっかくだから飯でもいかねー?」
今すぐにできる大学生らしいことのひとつとして、尚也はイツキを学食へ誘った。
「そだな! 早めの昼ご飯でも食べますか!」
最近の尚也のギャンブル戦績も知りたいイツキは誘いに乗り、2人は学食へと向かった。早めのとはいえ昼時が近く混雑する学食でなんとか席を見つけ、ご飯を食べ出すと、イツキは向こうの方で人だかりができているのが目についた。
「まーた、やってるよ。笑 みんな懲りずによくやるよなー。」
尚也が人だかりを見て、やれやれという顔でぼそっと言った。
「え? なにが?」
なんのことかさっぱり分からないイツキは、不思議そうな顔で尚也が眺める人だかりにもう一度目をやった。
「そっか、、お前めったに学食いかねーから、知らないのか。ほら、あそこの奥の方に結構目立つ3人組の女子がいるっしょ?」
尚也は人だかりの方を軽く指差しながら、話を続けた。
「あの3人組、特に真ん中にいる茶髪の子がかなり人気で、いつもどっかの男子がやれ飲み会に誘ったり、連絡先聞きにいったりしてるんだけど、とことん玉砕するわけよ。んで、もはや学食における恒例イベントみたいになってるってわけ。そりゃ、3人とも美人なのはわかるけど、美人すぎてなかなか釣り合う人いねーだろ。っていうね。笑 ほら、今日も散った散った。笑」
今日のチャレンジャーもどうやら見事に玉砕したらしい。人だかりがさーっと引いていく様子を尚也はやれやれといった表情で見ていた。
「ふーん、なんだそんなことか。」と指さされた光景をしっかりと見たイツキは、思わず目を丸くした。
「ナナさんっ!!! …っぐ、えほっ!!」
イツキはあまりに驚き、食べていた味噌ラーメンは変なところに入り、盛大にむせ返ってしまった。
「イツキじゃん、うっすー! こんな時間から大学いるなんて、めずらしーじゃんよ! さては、抽選がよっぽどダメだったか?笑」
午前中の大学に出現したレアなイツキに声をかけたのは、イツキと同じゼミに所属する友人の"尚也"だった。2人は統計やデータ、確率といった分野を扱うゼミに所属していた。
狭く深くというイツキの交友関係の中でも、尚也は結構仲の良い方である。それもそのはず、尚也もパチンコをやるのである。
ただ、尚也はパチンコにものすごく精通しているというより、競馬や競艇といった国営モノからポーカーやブラックジャックといったカジノゲームまでギャンブル全般を好んでおり、また研究の対象にもしていた。
「パチンコ熱心なのもいいけどさ、もうちょい大学生っぽい感じも楽しめって!笑」
服装にもある程度気を遣い、今どきの男子大学生らしい格好をしている尚也は、"相変わらずだな"という感じでイツキの肩を軽く叩いた。
「よっ、尚也! でもさ、パチンコも十分大学生らしくない?」
「いや、まぁ、そうだけどさ! でも、他にこう、なんかあるじゃん? 恋とか、BBQとか、飲み会とか、恋とか、競馬とか競艇とか。」
「尚也も最後はギャンブルじゃん!笑」
今度は、イツキが尚也の肩を叩きながらツッコんだ。
「ばれたっ?笑 結局、ギャンブルは最強なんだよな!笑 そうだ! 午後のゼミまで時間あるし、せっかくだから飯でもいかねー?」
今すぐにできる大学生らしいことのひとつとして、尚也はイツキを学食へ誘った。
「そだな! 早めの昼ご飯でも食べますか!」
最近の尚也のギャンブル戦績も知りたいイツキは誘いに乗り、2人は学食へと向かった。早めのとはいえ昼時が近く混雑する学食でなんとか席を見つけ、ご飯を食べ出すと、イツキは向こうの方で人だかりができているのが目についた。
「まーた、やってるよ。笑 みんな懲りずによくやるよなー。」
尚也が人だかりを見て、やれやれという顔でぼそっと言った。
「え? なにが?」
なんのことかさっぱり分からないイツキは、不思議そうな顔で尚也が眺める人だかりにもう一度目をやった。
「そっか、、お前めったに学食いかねーから、知らないのか。ほら、あそこの奥の方に結構目立つ3人組の女子がいるっしょ?」
尚也は人だかりの方を軽く指差しながら、話を続けた。
「あの3人組、特に真ん中にいる茶髪の子がかなり人気で、いつもどっかの男子がやれ飲み会に誘ったり、連絡先聞きにいったりしてるんだけど、とことん玉砕するわけよ。んで、もはや学食における恒例イベントみたいになってるってわけ。そりゃ、3人とも美人なのはわかるけど、美人すぎてなかなか釣り合う人いねーだろ。っていうね。笑 ほら、今日も散った散った。笑」
今日のチャレンジャーもどうやら見事に玉砕したらしい。人だかりがさーっと引いていく様子を尚也はやれやれといった表情で見ていた。
「ふーん、なんだそんなことか。」と指さされた光景をしっかりと見たイツキは、思わず目を丸くした。
「ナナさんっ!!! …っぐ、えほっ!!」
イツキはあまりに驚き、食べていた味噌ラーメンは変なところに入り、盛大にむせ返ってしまった。
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