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「お前、ちょっと放課後残れ」
朝、席に着いた途端に梓さんに言われた。焼きそばパン食べながら、牛乳を左手に持っている。なにこれめっちゃ梓さん100%な朝食は。
水曜日だからお互いに部活はないし、わたしは一緒に下校する友達もいないし「わかりました」と簡潔に答えた。
そして、帰りのホームルーム終了後、ガヤガヤと騒いでいた生徒たちは放課後の遊び場が決定するとそそくさに帰っていった。だから、今、教室に梓さんと二人きりだ。教室に他の生徒が居なくなった途端に梓さんは読んでいた本を閉じて立ち上がった。
「な、なにか御用でしたか」
いきなり立ち上がった梓さんにびびってついつい声が震えてしまう。きっとこの震えが余計に狼のような梓さんを苛つかせてしまうんだ。そう考えていたら、急に顎を掴まれ、梓さんの顔が近づいてきたーー。
(ち、近い!そして、男性的な美しいお顔!)
侑李くんと違って骨っぽい顔立ちだ。唇も薄くてクールに見える。正直、化粧品に興味があるようには見えない。
「しっかりスキンケア、使ったようだな」
息がかかるほどの至近距離で、梓さんは言った。頬が熱いのはわたしだけで梓さんは至って平常心だ。
「すっごく良かったです。さすが梓さんのセレクトです」
「…………だろ?」
褒めたら案外梓さんは嬉しそうな顔をした。嬉しそうな顔といっても、人差し指で鼻を掻いて一瞬頬が緩んだだけだけど。やっぱり褒められるのが嫌いな人っていないんだなぁ。
「今日は化粧をやってやる。
部活中は他の奴らにお前を取られるのが予測されるから、週2の部活だけじゃ間に合わない。コンテストまで時々放課後、俺にお前を貸してくれ」
わたしの返事を聞く前に梓さんはスクールバッグから化粧品を取り出している。梓さんとわたしの机いっぱいに化粧品が置かれる。なんだかスキンケアよりもパッケージが可愛かったり、格好良かったりで、テンションが上がってきた。
「残念なことに、お前を“可愛い系”の方向性で売り込むことになってしまった」
残念ってどんだけ不本意だったんだよ。わたしの方向性について部員のみんなと会議したとき、ほんと不服そうだったよな、この人。今だって、若干表情が穏やかじゃないし悔しそうだ。わたしとしては侑李くんに好かれればそれでいいので、可愛い系で大満足だ。
「だが、ここで衝撃的事実がある。なんと、お前の顔は可愛い系に程遠い」
「知ってます。どうせブスって言うんですよね」
わたしは可愛くない。産まれてこのかたモテた試しがない。顔面偏差値は全て妹の瑠華に持っていかれた。だから、お前じゃ優勝は難しいとか今更言われなくても分かっている。
「俺はそういうことを言っているんじゃない。お前がブスとか顔面が整っているとかそういうのは一旦置いておいて、人には顔のタイプってのがある。まぁ、大きく分けて4タイプだな。
まず、俺らが目指す“可愛い系”だ。このタイプはパーツが曲線的で子供っぽい顔立ちが特徴だ。芸能人で言うと、安達祐実とか、橋本環奈とかだ。
2つ目は“エレガント系”。これはさっきのタイプと同じように曲線的なんだけど、大人っぽいのが特徴だな。石原さとみとか白石麻衣とか。
3つ目は“フレッシュ系”。これはパーツが直線的だけど、子供っぽい顔立ち。多部未華子とか、榮倉奈々とか。
4つ目は“クール系”。これは直線的で大人っぽい顔立ちだ。北川景子とか、栗山千明とか。
まぁ、美容部が言う可愛い系ってのは、可愛い系のエレガント系寄りのことを言っているんだろうな」
梓さんは脚を組みながら、理解しやすいようにゆっくりと説明してくれる。わたしの脳内で芸能人がタイプ分けされていく。なるほど、みんなが目指すのは、パーツに丸みがあって女の子女の子した人ってことね。きっと瑠華はこのみんなが目指しているタイプよ。
「正直、お前の顔は4つ目の“クール系”の顔立ちだ。つまりみんなが目指す“可愛い”とは程遠い顔面ってことだ」
程遠い顔面……。その単語はわたしに衝撃を与えた。今までブスかどうかしか判断材料になかったから、顔立ちのタイプなんて気にしたこと無かった。
机に置いてあった鏡で自分の顔を見ると、鼻先はツンと尖っていて、目はすっとした切れ長、唇も丸みが無く薄い。顔形は瓜実顔。確かに直線的で大人っぽい顔……、悪く言えば老け顔だ。
「もうわたしって整形するしかないんじゃ……。貯金5千円しかないよ……」
わたしは机に両肘をつき、頭を抱えた。破滅的だ。お金がないと侑李くんのお眼鏡に適うことができないなんて。可愛さもお金もないわたしは、もう早めに死んで来世に期待するのがいいのかもしれない。
「そう落ち込むな! お前は可愛い安達祐実と橋本環奈しか見たこと無いのか!?」
「いつも彼女たちは可愛いです」
「……たしかにテレビに出るときはそうかもしれん。でもな、雑誌を見てみろ!」
そう言って、梓さんはファション雑誌を取り出してページをペラペラとめくり始めた。ああ、なんだかめくるときに発生する風から女子の香りがする。ふだんアニメ・ゲーム・声優の情報雑誌しかチェックしないから、カースト上位女子ばかりが出ている雑誌は恐れ多くて触れない……。
「例えばこの橋本環奈は、可愛くて子供っぽいってより、妖艶で大人っぽいだろ?」
梓さんが指さした先には、いつもバラエティで見るのとは違う橋本環奈がいた。確かにあどけなさは微塵も残ってい。
「表情とか服装で変わるんですか?」
「それもあるだろうな。でも、それだけじゃない!」
立ち上がった梓さんは、声に抑揚をつける。普段のクールな姿とは違った梓さん。なんとも新鮮だ。
「メイクだ! メイクで人の印象は操作できる!
服とは違って全裸のときでもメイクなら大丈夫だ!」
「おおお!なるほど!メイクってすごいんですね!」
「そうだ!すごいんだ!
お前の顔を可愛い系にするのは至難の技だが、俺の手にかかれば楽勝!俺なら、オ◯リナを橋本環奈に変身させられる!!!」
「それは頼もしいです!安心して任せられます!」
「おう!そうと決まれば実践だ!」
今まで怖くてたまらなかった梓さんと何故か意気投合している。不思議と話しやすい。こんなにも人と人を近づけることが出来るんだから共通の目標って偉大だ。
梓さんはわたしの前髪をヘアクリップでまとめて、わたしのドロドロの皮脂をあぶらとり紙でおさえてくれた。
なんだかワクワクする。はじめての化粧。これから魔法にかけられる気分だ。
朝、席に着いた途端に梓さんに言われた。焼きそばパン食べながら、牛乳を左手に持っている。なにこれめっちゃ梓さん100%な朝食は。
水曜日だからお互いに部活はないし、わたしは一緒に下校する友達もいないし「わかりました」と簡潔に答えた。
そして、帰りのホームルーム終了後、ガヤガヤと騒いでいた生徒たちは放課後の遊び場が決定するとそそくさに帰っていった。だから、今、教室に梓さんと二人きりだ。教室に他の生徒が居なくなった途端に梓さんは読んでいた本を閉じて立ち上がった。
「な、なにか御用でしたか」
いきなり立ち上がった梓さんにびびってついつい声が震えてしまう。きっとこの震えが余計に狼のような梓さんを苛つかせてしまうんだ。そう考えていたら、急に顎を掴まれ、梓さんの顔が近づいてきたーー。
(ち、近い!そして、男性的な美しいお顔!)
侑李くんと違って骨っぽい顔立ちだ。唇も薄くてクールに見える。正直、化粧品に興味があるようには見えない。
「しっかりスキンケア、使ったようだな」
息がかかるほどの至近距離で、梓さんは言った。頬が熱いのはわたしだけで梓さんは至って平常心だ。
「すっごく良かったです。さすが梓さんのセレクトです」
「…………だろ?」
褒めたら案外梓さんは嬉しそうな顔をした。嬉しそうな顔といっても、人差し指で鼻を掻いて一瞬頬が緩んだだけだけど。やっぱり褒められるのが嫌いな人っていないんだなぁ。
「今日は化粧をやってやる。
部活中は他の奴らにお前を取られるのが予測されるから、週2の部活だけじゃ間に合わない。コンテストまで時々放課後、俺にお前を貸してくれ」
わたしの返事を聞く前に梓さんはスクールバッグから化粧品を取り出している。梓さんとわたしの机いっぱいに化粧品が置かれる。なんだかスキンケアよりもパッケージが可愛かったり、格好良かったりで、テンションが上がってきた。
「残念なことに、お前を“可愛い系”の方向性で売り込むことになってしまった」
残念ってどんだけ不本意だったんだよ。わたしの方向性について部員のみんなと会議したとき、ほんと不服そうだったよな、この人。今だって、若干表情が穏やかじゃないし悔しそうだ。わたしとしては侑李くんに好かれればそれでいいので、可愛い系で大満足だ。
「だが、ここで衝撃的事実がある。なんと、お前の顔は可愛い系に程遠い」
「知ってます。どうせブスって言うんですよね」
わたしは可愛くない。産まれてこのかたモテた試しがない。顔面偏差値は全て妹の瑠華に持っていかれた。だから、お前じゃ優勝は難しいとか今更言われなくても分かっている。
「俺はそういうことを言っているんじゃない。お前がブスとか顔面が整っているとかそういうのは一旦置いておいて、人には顔のタイプってのがある。まぁ、大きく分けて4タイプだな。
まず、俺らが目指す“可愛い系”だ。このタイプはパーツが曲線的で子供っぽい顔立ちが特徴だ。芸能人で言うと、安達祐実とか、橋本環奈とかだ。
2つ目は“エレガント系”。これはさっきのタイプと同じように曲線的なんだけど、大人っぽいのが特徴だな。石原さとみとか白石麻衣とか。
3つ目は“フレッシュ系”。これはパーツが直線的だけど、子供っぽい顔立ち。多部未華子とか、榮倉奈々とか。
4つ目は“クール系”。これは直線的で大人っぽい顔立ちだ。北川景子とか、栗山千明とか。
まぁ、美容部が言う可愛い系ってのは、可愛い系のエレガント系寄りのことを言っているんだろうな」
梓さんは脚を組みながら、理解しやすいようにゆっくりと説明してくれる。わたしの脳内で芸能人がタイプ分けされていく。なるほど、みんなが目指すのは、パーツに丸みがあって女の子女の子した人ってことね。きっと瑠華はこのみんなが目指しているタイプよ。
「正直、お前の顔は4つ目の“クール系”の顔立ちだ。つまりみんなが目指す“可愛い”とは程遠い顔面ってことだ」
程遠い顔面……。その単語はわたしに衝撃を与えた。今までブスかどうかしか判断材料になかったから、顔立ちのタイプなんて気にしたこと無かった。
机に置いてあった鏡で自分の顔を見ると、鼻先はツンと尖っていて、目はすっとした切れ長、唇も丸みが無く薄い。顔形は瓜実顔。確かに直線的で大人っぽい顔……、悪く言えば老け顔だ。
「もうわたしって整形するしかないんじゃ……。貯金5千円しかないよ……」
わたしは机に両肘をつき、頭を抱えた。破滅的だ。お金がないと侑李くんのお眼鏡に適うことができないなんて。可愛さもお金もないわたしは、もう早めに死んで来世に期待するのがいいのかもしれない。
「そう落ち込むな! お前は可愛い安達祐実と橋本環奈しか見たこと無いのか!?」
「いつも彼女たちは可愛いです」
「……たしかにテレビに出るときはそうかもしれん。でもな、雑誌を見てみろ!」
そう言って、梓さんはファション雑誌を取り出してページをペラペラとめくり始めた。ああ、なんだかめくるときに発生する風から女子の香りがする。ふだんアニメ・ゲーム・声優の情報雑誌しかチェックしないから、カースト上位女子ばかりが出ている雑誌は恐れ多くて触れない……。
「例えばこの橋本環奈は、可愛くて子供っぽいってより、妖艶で大人っぽいだろ?」
梓さんが指さした先には、いつもバラエティで見るのとは違う橋本環奈がいた。確かにあどけなさは微塵も残ってい。
「表情とか服装で変わるんですか?」
「それもあるだろうな。でも、それだけじゃない!」
立ち上がった梓さんは、声に抑揚をつける。普段のクールな姿とは違った梓さん。なんとも新鮮だ。
「メイクだ! メイクで人の印象は操作できる!
服とは違って全裸のときでもメイクなら大丈夫だ!」
「おおお!なるほど!メイクってすごいんですね!」
「そうだ!すごいんだ!
お前の顔を可愛い系にするのは至難の技だが、俺の手にかかれば楽勝!俺なら、オ◯リナを橋本環奈に変身させられる!!!」
「それは頼もしいです!安心して任せられます!」
「おう!そうと決まれば実践だ!」
今まで怖くてたまらなかった梓さんと何故か意気投合している。不思議と話しやすい。こんなにも人と人を近づけることが出来るんだから共通の目標って偉大だ。
梓さんはわたしの前髪をヘアクリップでまとめて、わたしのドロドロの皮脂をあぶらとり紙でおさえてくれた。
なんだかワクワクする。はじめての化粧。これから魔法にかけられる気分だ。
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