歩くには、月夜

スイヨウ

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2、『あなたの庭』(2)

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 リコとカイが部屋から出ると、
「正気?」
 アルが社長のミコに言った。が、ミコは真顔で当然の事をした様に、
「何言ってるの?今夜は急だから、人手が足りないでしょ」
 と言う。
「・・・だろうねえ」
 アルは、何かを言い掛け飽きらめた。自分好みのコを雇える事になってご機嫌のミコは、酒のグラスを片手にアルとキュニに呑み過ぎを止めれらつつ、今夜のこれからの仕事についてアルと詳細を話し始める。その横で、キュニは、ミコの机の引き出しにいつも入っている自分用のお菓子を取って、ソファに戻って食べ始めた。が、あまり時間を空けずに、リコとカイが戻って来た。
「お待たせしました。取り急ぎですし、こんな感じですけどね」
 リコが部屋に入るなり、少しとぼけた感じで自信なさ気に言うと、三人は注目した。リコの後ろから、上質で見るからに高級な服に身を包んだカイが現れる。光沢のある白いシャツに蝶ネクタイと黒い三つ揃えスーツ。靴まで真新しい。ただ服を着替えただけで、髪はまだ来たままの状態でボサボサだったが、
「やだぁ!素敵!格好良い!似合うわねえ。さすがリコ!思った通りじゃない。やっぱりウチで働きましょう!こんな可愛いコ逃せないわ」
 とミコは目を輝かせて、カイに近づく。
「カイさん、カッコイイ!似合いすぎて絶対に女の人に見えないよ」
 とソファに座ってお菓子を食べていたキュニも思わず立ち上がる。二人にそう言われて、短時間でカイの体に合う服を上から下まで選んだリコも満足気だ。
「で、君は未成年?」
 唐突にミコが聞く。
「いや、成人だ」
 とカイ。それを聞いてミコは、
「良かった!」
 と笑顔で両手をパチンと合わた。
「でも社長、中性的な美しさに甘すぎません?やはり、どう見ても子供では?」
 とリコが少し異を唱える。カイの古びて汚れた大きめだった服を、体にぴったり合う正装に着替えさせた事で、細身の体の線が目に付いた。
「そうかなぁ?本人が成人だって言ってるんだから良いじゃないの~。可愛いし」
 と言いながら、ミコは机の方移動し、机の引き出しから紙を一枚を取り出す。アルも、リコに同調して、
「信じるの?どう見たって若いじゃない。辞めておいた方が良いと思うけど」
 と言うが、ミコは、
「あれ~?人が足りないって散々ボヤいていたの誰?仕事という名の休暇を取り過ぎたのは誰かしらねえ?」とリコとアルに嫌味を言ってから、「さ、ここに署名して。もちろん通称で良いから」
 カイに引き出しから持って来た紙を差し出す。
 誰しも本名と言う物がとても長い為、日常生活には不向きで、一般的に使う事は殆ど無い。その代わりに、利便性の良い二文字の通称を使うのが当たり前になっている。出生も親も関係なく、自分が好きに名乗れる名前である。当然、利便性は悪用とも紙一重なのだが。
「何の為?」
 カイが尋ねると、
「我が社と君の、雇用契約書」
 とリコが言い、こっちはペンをカイに差し出した。だが、カイは、すぐには手を出さず
「え?今夜だけなのに?」
 と少し躊躇した。
「えー、だって、アルの帽子を弁償するのよね?弊社の従業員の私物だけど、会社で立て替えるって事で。アルの帽子ってね、ここでの君の給金一ヶ月分くらいはするんだから」
 とミコに事実を告げられ、
「嘘だろ・・」
 とカイは驚き、思わずアルの方を見て、安請け合いをした事を後悔した。
「そうなんだ、悪いけどね」
 とアルが悪びれもせず軽い調子で言い、微笑む。
「お前な!いや、だから社長、給仕とか経験ないって。金持ち女の御機嫌取りなんか無理だ。護衛の仕事が無いなら、どこか他で軽い仕事を探す。今持ってる服を洗濯屋に出す金が少しあればいいだけで、帽子の弁償代だって、シイラの爺ちゃんに言えば出して貰える・・・と思うし」
 と言いながらカイは、その場から少しずつドアへ近づき、出て行こうとするが、
「待って待って!キュニ君から聞いたけど、怪我をしてるんでしょう?今夜一晩、立ってるだけでいい。ね?明日になったら、綺麗に支度してあげる。それで、シイラ会長のお屋敷にも送って行ってあげるし。あなたの用が済んだらまたここに戻って来てくれない?今夜は、とりあえず立ってるだけでお金になるのよ。お願い!多めに払うからお願い!」
 ミコに上目遣いで必死に懇願されて、カイは、
「・・・立ってるだけで良いって言うなら。慣れている」
 と言い、その様子を見ていたそこにいるカイ以外の全員が(オチた・・・)と思った。
「はい、決まりね!ドレスも手に入るしねー」
 ミコはニッコリ笑う。
「そこまで至れり尽くせりで契約するのか。逆にコワイよ」
 と言うカイに、ミコはふふっと笑って、
「悪いようにはしないから、本当に。ね?シイラのお嬢様」
 と言った。
「それなら僕も、調理場を手伝って来る」
 とキュニが食べていたお菓子を片付けながら言う。カイがそれを聞いて、
「え、なんでお前まで」
 と言うと、キュニは少し不服そうに、
「お前じゃないよ、キュニだよ」と言い、「カイさんがすぐにシイラのお屋敷に行くならここでお別れだと思ったけど、まだ行かないんだよね?」
「そう、なったな・・・」
 カイは、何やらミコに上手く丸め込まれた事を後悔しつつ言った。
「やった!まだ一緒にいられる!」
 と喜ぶキュニ。
「嬉しいの?」
 ミコが不思議そうに聞く。
「まあね」
 キュニが笑顔で言った。
「何でだよ。懐くなよ」
 とカイが言う。
「それじゃあ、カイさん後でね。僕、調理場にいるから困った事があったらいつでも来て良いよ。頑張ってね」
 と言ってキュニは部屋を出て行く。
「さて、私もそろそろ支度しようか」
 アルも続けて部屋を出た。
 カイが、リコから渡された契約書にサインをすると、ミコが、スッと佇まいを直し、カイに、
「それじゃあ、改めて『あなたの庭』へようこそ。代表のミコです」
 と手を差し出す。カイはその手を握って握手する。
「それが社名か」
「そう。毎日仕事でお疲れのお嬢様方を、ほんの一時ひととき、自分だけのお庭で、花を愛でる様に寛いで頂く、それが我が社の事業理念ね」
 ミコが続けて簡単に会社の説明をする。それを聞いてカイが少し納得する。
「ああだから、女を幸せにする仕事、か。キュニが言ってた」
「あら、可愛い。さっき出張業って言った通り、通常はこちらが出向くけど、この建物は特別のお客様だけがお気に入りのコ達と過ごせる『とっておきの特別なお庭』って所ね。今からは、アルの休暇が明けたら真っ先に会いたいって言う、お嬢様達だけがお見えになるの」
 ミコの説明を聞いて、ここに来る前にアルが仕事場と言っていた事を思い出した。
「確かに名前の通り、ここの庭は少し見ても特別な感じがする。もっと良く見たいくらいだ」
 とカイは薄暗くなった窓の外を見て言う。
「そう?ありがと。嬉しい。私もこのお庭がとっても気に入ったから、ここをの」
 ミコが得意気に言うと、リコが続けて自己紹介した。
「結構。私が、社長秘書のリコ。どうぞよろしく」
「ああ、はい」
「もう言わないでよー、リコったら」
 ミコが言う。
「なあ、社長。あいつ、キュニは、ここでも働いてるのか?」
「いいえ。手伝いは、やる事もあるしやらない事もあるの。好きにさせてる。ここにはあまり来ないわね。アルに止められてるのかも。あ、大丈夫よ。彼らじゃなく私が実際の養育者だし、もう四年にはなるかな」
 とミコが説明する。キュニがこの場所にも慣れた様子で、ミコの事を<お姉様>と言って慕っている訳が分かった。アルやユキではなくミコがとなって金銭的援助している事になる。子供を持たない成人女性が養育者の無い子供を養う制度があり、ミコはその権利を得ていた。養育放棄された子や母親がいない子供を養育する事でさらに社会的地位が上がり、税制でも得をする事もある。逆に男性側には、実子であっても一切の養育権が無い。
「ああ、そう言う事なら」
「そう、通報は必要ないからね。男達だけであの廃れた界隈にいたんでしょう?怪しいわよねえ」とミコは苦笑して「随分前にキュニくんがアルの休暇中に、助けを求めて来たんですって。アルも仕方なく連れて来たって言ってたし。詳しい経緯はよく知らないけど、あの子も話したくなさそうで、親に自分の居所を知られたくないみたいなのよ。私も養育する子がいた方が都合が良いし」
 それを聞いてカイは、
「なるほど。ここでも無理してる様には見えなかったしな」
 と言った。
「へえ、よく見てる。やっぱり巡察の仕事は嘘じゃないんだ」
 ミコが感心すると、
「そんな嘘は付かない。それにあれくらいの歳の男の子は特に売られやすい。巡察と人身売買はイタチごっこだよ」
 カイはため息混じりにつぶやく。
「そっか、色々大変そうねえ」
 ミコがそんなカイの姿に微笑む。
「さあさあ、最初のお嬢様方がいらっしゃるまで時間も余りありませんし、仕事の説明を兼ねて、このコの身なりをきっちり整えましょうか」
 リコが話を切り上げる様に言うと、
「そうね。リコ頼んだわ」
 ミコも時計を見た。
「はい、お任せ下さい。それじゃ、またさっきの部屋に来てくれる?」
 リコがカイを促すと、二人は一緒に着替えた部屋に戻りながら、
「また?もうこれで良くないか?」
 とカイが面倒臭そうに言った。
「全然ダメ。整髪は大事よ。時間が無いから私がやるね。こっちにいらっしゃい」
 とリコに言われるままに、仕方なくカイは、着替えた部屋の手前にある、鏡張りの洗面台前にあるの椅子に座る。
「怪我って手当てはしたのよね?」
 リコはカイの肩に覆う布を掛けると、カイに尋ねる。
「ああ、キュニがやってくれた。そのせいで男じゃないのがバレた」
「あーなるほどね。あの子、器用で何でも出来るから。さあ、格好良くしてあげるから任せて」
 リコは、カイの、雨で濡れて借りたタオルで無造作に拭いただけの乱れた髪を、手際良く乾かすと、伸びきっていた前髪を櫛と鋏で、目元がギリギリ隠れる位まで切る。それから涼やかな香りのする整髪料を付け、額を出す髪型に整えた。カイは黙ってされるがままになっていたが、
「やってもらって悪いが、これは無理だ」
 と言って、すぐに元の様に前髪を下げて目元を隠す。
「残念。やっぱりダメか。瞳が魅力的なのに」とリコはガッカリしていたのも一瞬で、「上着は必要ないから脱いで。荷物も預かるから」
 と言った。カイが支度を整え、リコが服装をもう一度確認をすると、
「早速行きましょうか」
 二人は廊下に出た。
 カイ達が居るのは、この大きな屋敷の中でも一階の玄関に近い一画で、数部屋を客室に利用している。まずカイは、屋敷玄関から個々の部屋の扉を見渡せる廊下に立っている様に言われ、指示された場所に姿勢良く立つ。すると、身なりを完璧に整えた、顔の整っている男達が数人、廊下の突き当たりのドアから出て来た。男達は、車が何台か外に止まる音が聞こえると、足早に車寄せまで行って客を出迎え、客数人ずつと、各部屋へ案内する。客の方もいつも使用する部屋が決まっている様に慣れた様子だ。着飾ってご機嫌にお喋りしている女性達が来たかと思えば、スーツ姿で疲れ果て、俯き加減の女性が一人でやって来たりした。様々な年齢の女性達が時間を置いては訪れて、部屋に入ったかと思えば、数分で帰って行く様な客もいる。部屋が空いたらすぐに清掃に入る者や食事を運んだり後片付けする者が他にもいて、せわしなく部屋を出入りする。客と男達を観察していたカイは、特段、高級飲食店と変わらないな、などと思っていた。
 随分と時間が経って、リコがやって来た。
「ここはもういいわ。次は広い部屋のを良くしたいから、こっちね」
 と言う。
「はい」(まだ客が来るのか?社長はって言った様な?)
 とカイは、やって来た客を既に十数人は目にしていて思ったが、「どんどん客が来るけど、全員あいつに会いに来たって事?」
「そうよ。アルって凄いでしょ。じゃなくてね。休暇明けの彼に会う為に、わざわざ仕事を抜けてまで来て下さる方もいて」
 リコが笑顔でそう言いながら、一番広い部屋へカイを連れて行きドアを開けると、
「みんな、急だけど、入ります。よろしくね」
 と部屋にいた男達に声を掛けた。その声に部屋に居た若く美しい男達が三人、チラッとカイの方へ視線動かす。カイは軽く会釈をした。男達は、素早くかつ念入りに部屋の清掃をしていた。そして、アルがいる。アルだけは一人、酒瓶やグラス等が整然と並んでいるバーカウンターの中に居て、グラスの曇りを確認しては磨いている。アルはさっきとはまた別の服に着替えていて、今度は髪型をキッチリ整えていたが、何やらニコニコしていて朗らかである。
 広い部屋のを良くする為と言って、カイがリコに連れて来られたその部屋は、豪華絢爛で派手な設えだった。調度品も何から何まで派手で、高級品にしては多少品に欠ける。部屋中にある花瓶には、大量の花が飾られていて、甘い香りが漂っていた。カイは、また壁際にただ立っている役目を与えられ、男達は清掃をし片付けを終えると、お互いの身支度を整え合い、間隔を空けて壁際に立つ。すると、丁度女性が四人、入って来た。お喋りをしながら、部屋の中央にある大きなソファへと、それぞれが好きな様に座る。客が座るのを見届けたアルが、近づき声を掛けると、客の全員の顔がパッっと輝いた。
(ん?)
 カイが、アルと目を合わせた客達の表情の変わり様に驚く。当然、わざわざ出向いてまで会いに来る程の客なのだから嬉しいのは当然だろうが、何か安堵の様な満たされた様な喜びの表情で、会話でもそれが伺える。アルの方も、ユキやキュニと居た時とも、先程までの社長のミコ達と話して時とも印象がまるで違う。客達と、とても嬉しそうに話をし、酒を作ったり酌をしたり、時には横に座り会話をしていた。
 壁際の男達はと言うと、こちらも客の方を見て微笑んでいるが、どう見ても愛想笑いで、カイは、
 (なんだ?こっちはわざとらしいな・・・)
 と思ったりしている。アルの楽しさが溢れる様な笑顔とは対照的で、そんな両者を見比べていた。とは言えカイは、アルや客らの談笑どころか、同じ様に立っている男達にも全くと言って興味がない。カイは、いつも警備や巡察補の仕事で一晩中警戒しつつ立っている事には慣れているが、あまりにも和やかな雰囲気に暇を持て余し始める。視線の先に大きな窓があった為、夜も更け、月明かりが差した庭を見つつ、警備の動線やこの部屋に暴漢が押し入った時の制圧方法、逃走経路等を想定して、暇を潰していた。
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