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日常

田隈 昴

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俺が双葉のことを好きになったのは双葉が小4になったとき。榛名や犬飼、水篠、栗仲とは小学校入学時から仲良しだった。双葉の存在を知ったのは榛名たちから紹介されたから。
その時は普通の女の子という印象だったけど俺らが小5に上がる時に双葉はなぜか小2、小3を飛ばして小4に上がっていた。
つまり飛び級していたのだ。

その時から他の女より興味が湧いた。


でも、俺が双葉が好きだという噂が広まってからは双葉が1人で居ることが多かった。
聞くと周りの女子が双葉と距離を置いているのがわかった。理由は…

男好き、たらし、チビ、人間の皮を被った化け物、
ぶりっ子etc…

いわゆる陰口だった。

俺がそばにいるからそう言われていると勝手に解釈した俺は双葉と距離を置くために宮本に告った。

けど…
その後にわかった。

双葉をのけ者にした真犯人は宮本だったのだと…俺らの仲を引き裂いたのは双葉と仲良しだった宮本のせいだったのだと…
だから双葉に謝ろうと思った。
俺が気づかなかっただけだと…
俺が変に解釈したせいだと…
俺はただお前を守りたかっただけだと…
俺がほんとに好きなのは双葉だと…

でも気づいた頃にはもう遅い。

榛名たちからのガードが強くなり、双葉とちゃんと話せないまズルズル引きずって卒業。

結局俺は校内の進学テストに失敗し、公立中学に行かざるを得なくなった。双葉たちはなぜか全員合格。そのまま学院内の中等部に進学が決まっていた。

そしてなぜか、宮本までも公立中学に…
こいつの学力なら内部進学余裕だろ?
なんで公立にいんだよ…?

そして昼休みの今、俺は双葉を前に空き教室にいる。
目の前にいる双葉は明らかに機嫌が悪い。双葉が一番好きな時間は昼休み。
そして、その昼休みに何かしら呼び出されると必ず不機嫌になっていた。もちろんみんなが見てないところで。そういうところはまったく変わってなかった。

雛「話ってなに?」

昴「お前…あの時なにを聞いた?
絵理になにを吹き込まれた?」

雛「…???…
…ごめん…いつのこと??」

昴「小6の時のことだよ!
俺と絵理が付き合うってなった時!」

雛「…あーっ…
ごめん。そんな前のこと覚えてないや~
だってその話ってもうかれこれ5年くらい前の話でしょ?そんなの覚えてないよ。
話はそれだけ?じゃあ、私戻るね」

昴「待てよ!俺はまだ…」

亜衣「なにあたしのヒナに絡んでんの?」

雛「あ…亜衣ぃ~!」

亜衣「ヒナ、どしたの?」

雛「よかった~…きてくれて…」

亜衣「教室行ったらいないんだもん。
必死で探したよ。ほら戻ろ?
悠たち心配してる」

雛「うんっ!
ならね、田隈」

そして屋上に行くと悠をはじめに翔、朔、和音までが腕を組んでイライラしていた。

雛「…あの…」

悠「だぁ───────っ!」

雛「…っ!!?」ビクッ

亜衣「はい。ヒナはこの通り無事だったから怒らない!いい加減機嫌直しなさいっ!」

悠「よかった…」

雛の首に腕を回して優しく抱きしめてそう言った悠の声は少し震えていた。

雛「悠?」

悠「ほんとよかった…
もし、あいつと…田隈と一緒にいて…ヒナの身に何かあったら…田隈に絡まれてもしヒナに何かあったらって考えたら…俺…っ…」

雛「悠?どうしたの?大丈夫?泣いてるの?」

悠は抱きしめていた腕を解き、雛の肩に手を載せるとふわりと微笑んで言った。

悠「ううん。ヒナが無事でよかったなーって」

雛「…くすっ…
大袈裟すぎですよー?」

翔「大袈裟ってなんだよ!
俺らもめっちゃくちゃ心配で走り回ってたんだからな!」

朔「珍しく翔が走り回ってヒナのこと呼びまくるから俺もビビったよ。まぁ俺の場合翔の声が近所迷惑だからやめろって止めるのに精一杯だったけどねww」

和音「案外早く見つかってよかったよ。
俺ヘタしたら昼休みはヒナ探しで丸潰れになるかと思ったし」

亜衣「1番心配してたの悠だしね」

悠「ヒナになんかあったら俺絶対おかしくなる…」

翔「悠のことだから我を忘れて発狂しそう」

悠「ありえるかも」

朔「そーなったら俺ら止める術がなくなるね」

和音「どーすんの、それwwww」

亜衣「ヒナだけが助け舟?」

朔「かも?」

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