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11 王都探索
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聖魔法(ひじりまほう)を使うと、同時に癒し効果がある様だ。
護衛の騎士や冒険者達の傷が治っていたのには驚いた。
エリアヒールみたいなものかな。
そして今は王都なのだが、聖女デシ様もデーディッシュもカルフネイリ姉御も、皆私がヒジリを使える事を黙っててくれた様だ。
助かったよ、王様の妾にでもされた日にゃ暴れるよ、私。
そいで着いた翌日は王都の散策だ。
散策と言っても市場か商店街だけどな。
帰りは護衛騎士達の馬車に便乗するので、明後日には帰還だ。
この2日は馬の休息日みたいなもの。
他の雇われ冒険者はデーディッシュ以外は、何かしらの依頼を受けて帰るらしい。
多分帰路迄の護衛だろう。
騎士団は領主専属だから馬を休ませたら迅速に帰る。
何せ本職は領地の防衛だ。
デーディッシュは一応騎士候補なので、一緒に帰るとか。
私は単にあぶれただけだよ。
十三の子供に護衛依頼なんてくれないよ。
困ったもんだ。
なので今は護衛依頼の達成金で食料等の買い出し中。
やっぱり野営でも美味いもん食べたいからねえ。
この世界、飛鳥時代より発展してるから、美味しいもんが沢山あって好きだ。
この国にも味噌が有るから、大抵は大麦のおじやを味噌味で野営では食べる。
後は小麦の団子とかのすいとんだね。
その辺は私の前世と似てるかな?。
塩漬けの物は、魚・野菜・穀物と有り、醤油の類も有る。
だから意外と前世と似ているのだ。
違うのは割と肉を多く食べる処かな。
この世界魔物がいるからね。
前世ではそうそう獣が狩れる事は無かったよ。
私なんか最近はオークを見たら、只の美味しい肉の塊にしか見えなく成ったから。
まあ卑しん坊だし。
「おじさんコレ美味しいね」
「だろ~、俺様秘伝のタレだからな」
「30本貰える」
「さっ30本って持てんだろ」
「大丈夫だよ」
ポンポンと腰のマジックバッグを叩く。
「おう、そう言う事かい。じゃあタレが出ないように、包んでやるな」
「ありがと~」
そんな感じで屋台やら、冒険者ショップで乾物等を買い漁った。
水は竹水筒に入れて、これもマジックバッグではなく、収納魔法のアイテムボックスに入れておく。
この日は昼に少し時間があったので、王都の門を出て人気の無い所でヒジリの練習をした。
実はあの後聖女から手紙を貰い、ヒジリの威力の抑え方や、分別方法で小出しにする方法が書いてあったのだ。
これで一気に魔力を使い切る事なく、聖魔法の何種類かを撃ち出せる。
ヒジリ自体も2回ほど撃てる様に成った。
聖魔法は明るい所だとほぼ肉眼では見えない。
暗いと仄かに光って見える程度だ。
あの時は街道の両脇が森で薄暗く肉眼で見えた。
まあ魔物が死んだり逃げたりするので分かるのだが。
ただホーリースピアだけは、光の槍が走るから明るい所でも分かるけどね。
「うん、こんなもんだろう。聖女様には感謝だね」
私は練習を終えて王都へ戻った。
今日も朝から宿を出て王都を散策するも、これと言った物は無い。
魔道具やら魔法武器を探すが、どれも私が創り出せる以上の物は無かった。
華の都もこの程度か。
確かに美味しそうな食堂(レストラン)も有るが、入店は拒否されたし、いい格好師で体裁ばかりの輩が多い。
冒険者と言うのは底辺で、蔑まれる人種らしいのだ。
「低俗な輩だ」
そう呟くイワワカだった。
取り敢えず美味しいと評判のパン屋さんでパンを買った。
後は何となく武器屋に寄ってみる。
因みに私の特殊ダガーは収納魔法で回収済みだ。
「んっ!、おじさんこれ魔法剣なの···」
「あはは、お嬢ちゃんそりゃ儀礼用の飾り剣だ」
「確かに色々魔石が付いたり装飾は派手だけど、コレ···相当な魔力が込められてるよ」
「ん···魔石のせいだろ」
「いやいや、その魔石に付与されて、魔力が注入されているんだよ」
「何でそんな事分かるんだよ」
「・・・」
駄目だ、この武器屋。
私は黙って武器屋をあとにした。
魔剣は気になったけど、流石にあの飾りは要らない。
何であんな剣を作ったのかな?。
鑑定したら(キース作三属性剣Lv.8)とあった。
相当な業物だけど店主は気付いてさえいない。
う~ん剣は欲しいのだけど、あの大きさと長さは私には振れない。
振るとしたら身体強化を掛けてからだよね。
でもそれだと咄嗟の時や魔法が切れた時が怖い。
なのでショートソードとかショートスピアかレイピアだろう。
二軒目の武器屋に入ったら、短めで細いサーベルがあった。
「それな、使う奴がいなくてな、女性用に作られたとは思うが、いまいち人気がねえんだよ。
在庫処分で八割引きでどうだ」
「それで値段は?」
「銀貨4枚だな」
「買った!」
私はショートソードを持っているので、店のオヤジが買い取ろうかと言って来た。
「いやこれまだ研いだら使えるから」
「そうか···ならサービスで夕方迄に研いでやろう」
「良いの?」
「ああその剣を買ってくれたお礼だよ。
作ったの俺の知り合いなんだけどな、個性的な剣しか作らんから貧乏なんだ。
でも作りは良いから最高級品だぞ」
「ふ~ん」
一旦宿に帰りまた夕方に行って剣を持ち帰った。
帰ったら夕飯を食べる。
そして部屋へ上がった。
新しく買った剣は私にピッタリだった。
バランスも振り易さも。
作者名はキース。
んっ・・・。
鑑定した時は作者名を見てなかったんだよな。
かなり腕の良い鍛冶屋の様だ。
覚えておこう。
翌朝私達は一行は町を出立した。
町を出て4時間ぐらいした所でオーク3体に、オーガ7体と出会した。
街道なんだけどなあ~。
流石にこのメンバーだと簡単に討伐されたよ。
私もオーガ3体倒した。
お姉さんも3体にデー(デーデッシュ)が1体。
肉になるオークは騎士達に譲った形だ。
冒険者にとってオークの方が有り難いので、お姉さんが1体譲ると言ったから貰った。
オーガは街道脇に騎士さんが土魔法で埋めてた。
素材が少ないから要らないそうだ。
牙と角は鏃として、そこそこ良い値なんだけどね。
後は皮くらいかな。
流石に今は解体する暇が無いらしい。
護衛の騎士や冒険者達の傷が治っていたのには驚いた。
エリアヒールみたいなものかな。
そして今は王都なのだが、聖女デシ様もデーディッシュもカルフネイリ姉御も、皆私がヒジリを使える事を黙っててくれた様だ。
助かったよ、王様の妾にでもされた日にゃ暴れるよ、私。
そいで着いた翌日は王都の散策だ。
散策と言っても市場か商店街だけどな。
帰りは護衛騎士達の馬車に便乗するので、明後日には帰還だ。
この2日は馬の休息日みたいなもの。
他の雇われ冒険者はデーディッシュ以外は、何かしらの依頼を受けて帰るらしい。
多分帰路迄の護衛だろう。
騎士団は領主専属だから馬を休ませたら迅速に帰る。
何せ本職は領地の防衛だ。
デーディッシュは一応騎士候補なので、一緒に帰るとか。
私は単にあぶれただけだよ。
十三の子供に護衛依頼なんてくれないよ。
困ったもんだ。
なので今は護衛依頼の達成金で食料等の買い出し中。
やっぱり野営でも美味いもん食べたいからねえ。
この世界、飛鳥時代より発展してるから、美味しいもんが沢山あって好きだ。
この国にも味噌が有るから、大抵は大麦のおじやを味噌味で野営では食べる。
後は小麦の団子とかのすいとんだね。
その辺は私の前世と似てるかな?。
塩漬けの物は、魚・野菜・穀物と有り、醤油の類も有る。
だから意外と前世と似ているのだ。
違うのは割と肉を多く食べる処かな。
この世界魔物がいるからね。
前世ではそうそう獣が狩れる事は無かったよ。
私なんか最近はオークを見たら、只の美味しい肉の塊にしか見えなく成ったから。
まあ卑しん坊だし。
「おじさんコレ美味しいね」
「だろ~、俺様秘伝のタレだからな」
「30本貰える」
「さっ30本って持てんだろ」
「大丈夫だよ」
ポンポンと腰のマジックバッグを叩く。
「おう、そう言う事かい。じゃあタレが出ないように、包んでやるな」
「ありがと~」
そんな感じで屋台やら、冒険者ショップで乾物等を買い漁った。
水は竹水筒に入れて、これもマジックバッグではなく、収納魔法のアイテムボックスに入れておく。
この日は昼に少し時間があったので、王都の門を出て人気の無い所でヒジリの練習をした。
実はあの後聖女から手紙を貰い、ヒジリの威力の抑え方や、分別方法で小出しにする方法が書いてあったのだ。
これで一気に魔力を使い切る事なく、聖魔法の何種類かを撃ち出せる。
ヒジリ自体も2回ほど撃てる様に成った。
聖魔法は明るい所だとほぼ肉眼では見えない。
暗いと仄かに光って見える程度だ。
あの時は街道の両脇が森で薄暗く肉眼で見えた。
まあ魔物が死んだり逃げたりするので分かるのだが。
ただホーリースピアだけは、光の槍が走るから明るい所でも分かるけどね。
「うん、こんなもんだろう。聖女様には感謝だね」
私は練習を終えて王都へ戻った。
今日も朝から宿を出て王都を散策するも、これと言った物は無い。
魔道具やら魔法武器を探すが、どれも私が創り出せる以上の物は無かった。
華の都もこの程度か。
確かに美味しそうな食堂(レストラン)も有るが、入店は拒否されたし、いい格好師で体裁ばかりの輩が多い。
冒険者と言うのは底辺で、蔑まれる人種らしいのだ。
「低俗な輩だ」
そう呟くイワワカだった。
取り敢えず美味しいと評判のパン屋さんでパンを買った。
後は何となく武器屋に寄ってみる。
因みに私の特殊ダガーは収納魔法で回収済みだ。
「んっ!、おじさんこれ魔法剣なの···」
「あはは、お嬢ちゃんそりゃ儀礼用の飾り剣だ」
「確かに色々魔石が付いたり装飾は派手だけど、コレ···相当な魔力が込められてるよ」
「ん···魔石のせいだろ」
「いやいや、その魔石に付与されて、魔力が注入されているんだよ」
「何でそんな事分かるんだよ」
「・・・」
駄目だ、この武器屋。
私は黙って武器屋をあとにした。
魔剣は気になったけど、流石にあの飾りは要らない。
何であんな剣を作ったのかな?。
鑑定したら(キース作三属性剣Lv.8)とあった。
相当な業物だけど店主は気付いてさえいない。
う~ん剣は欲しいのだけど、あの大きさと長さは私には振れない。
振るとしたら身体強化を掛けてからだよね。
でもそれだと咄嗟の時や魔法が切れた時が怖い。
なのでショートソードとかショートスピアかレイピアだろう。
二軒目の武器屋に入ったら、短めで細いサーベルがあった。
「それな、使う奴がいなくてな、女性用に作られたとは思うが、いまいち人気がねえんだよ。
在庫処分で八割引きでどうだ」
「それで値段は?」
「銀貨4枚だな」
「買った!」
私はショートソードを持っているので、店のオヤジが買い取ろうかと言って来た。
「いやこれまだ研いだら使えるから」
「そうか···ならサービスで夕方迄に研いでやろう」
「良いの?」
「ああその剣を買ってくれたお礼だよ。
作ったの俺の知り合いなんだけどな、個性的な剣しか作らんから貧乏なんだ。
でも作りは良いから最高級品だぞ」
「ふ~ん」
一旦宿に帰りまた夕方に行って剣を持ち帰った。
帰ったら夕飯を食べる。
そして部屋へ上がった。
新しく買った剣は私にピッタリだった。
バランスも振り易さも。
作者名はキース。
んっ・・・。
鑑定した時は作者名を見てなかったんだよな。
かなり腕の良い鍛冶屋の様だ。
覚えておこう。
翌朝私達は一行は町を出立した。
町を出て4時間ぐらいした所でオーク3体に、オーガ7体と出会した。
街道なんだけどなあ~。
流石にこのメンバーだと簡単に討伐されたよ。
私もオーガ3体倒した。
お姉さんも3体にデー(デーデッシュ)が1体。
肉になるオークは騎士達に譲った形だ。
冒険者にとってオークの方が有り難いので、お姉さんが1体譲ると言ったから貰った。
オーガは街道脇に騎士さんが土魔法で埋めてた。
素材が少ないから要らないそうだ。
牙と角は鏃として、そこそこ良い値なんだけどね。
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