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1 町へレッツラゴー

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私はお父(ヌンビル)から白湯で溶いた白い粉を飲まされて育った。
アレが何かは分からないが、余り味はなくても美味しかった。

お父や時折遊びに来るお父の友達に可愛がられ、また色々教わり育った。
それで魔法の使い方を教わったりしたが、加護が無いと魔法は使えず悲しかった。

お父は5歳のとき私が本当の子では無く、捨て子だったと教えてくれた。
お父はそれでもお前は実の子と同じだと言ってくれる。
ただ十二歳に成れば独り立ちせねば成らない事も教えてくれた。
それは創造神との約束なのだそうだ。

どうやらお父は創造神に会った事が有るらしい。

文字や言葉やこの世界の常識をお父から教わった。
剣技やら体術も教わった。
そうして十二に成った時、私に変化が訪れた。
初潮が始まったのだ。
同時にそれはお父との別れが近い事も告げていた。
この時お父には色々教わった。
男女の交わりや、妊娠のリスク。
男はちゃんと選ばないと大変な事になるとか。
お父みたいな人と番になると言ったら、何か凄く嬉しそうだった。

私には既に創造神の加護があったので、月の物を抑える綿毛を下着に接着出来る様にしていた。
これは創造で出しても問題は無かったみたい。
そんなこんなで、時折は創造魔法で出来るものを創ってはいた。
勿論出せない物も幾つかあった。
でも冒険者装備は出せたから凄く嬉しい。(剣はこの時まで出せなかった)
お父は十三歳直前まで私を手放さなかったが、後一月の処で送り出す事を決めた様だ。
思えばこの十二歳と言う年齢はどうやら初潮を考えてのものみたいだ。
そこでお父から性の教育を施されて旅立ちを、てな感じだったのかな?。
要は男は狼なのよ、気を付けなさいが言いたいらしい。

確かに身体を許して身籠り、男が逃げれば女は大変困る事に成る。
そんな輩や手籠めにする輩が少なからず居ると言う事だろう。
そういえば体術剣術の中で金的蹴りや、暗器による脇や太もも・首筋の血管の切り方も教わった。
いざと言う時はそこを暗器で攻撃せよって事らしい。
だから私は暗器による攻撃をはじめ、ダガーの投擲をびっしり教え込まれている。
今では創造魔法の照準補正もあり、百発百中なのだ。
アサッシンのイワワカで有る。
しないけど。

ちなみにいわゆるマジックバッグは自分用のだけは創造魔法で出せる。
創って他人に売るものは出せない。
そのへんの規制もあるのだ。
要は社会的に歪む物は駄目って事ね。
だから他人の為の剣は出せない。
鍛冶師が困るから。

創造魔法で結界を張り森を抜けると、そこは普通に街道だった。
遥か彼方に町らしきモノが見える。
10キロは有りそうだ。
2時間以上は掛かるが、森や山で暮らした私には容易い。

街道を歩いていると気の良い男の子が牧草の荷車に乗せてくれた。
1頭引きの荷車を引く馭者の男の子は、ダルク君というらしい。
下心のない気さくな子だった。

なぜ分かるかと言うと、創造魔法で鑑定出来るからだ。
ただはにかんでいるから、下心程では無いが、私に気はあるみたい。
実は私も彼を少し気に入ってる。
初めて会う人だけどね、何となく。

町に入る時身分証明の札を見せるが、私は創造神様からそれを頂いている。
だから難なく入れるのだ、のだ。
(貨幣は駄目でも偽造証は良いのか?)

実は私には前世の記憶が5歳くらいから芽生えていた。
それに比べるとこの町は文明が進んでいるようだ。

前世の私の育った所は、国東と言う田舎だった。
そこそこの豪族で裕福ではあったが、この町程ではない。
先ず石造りの建物なんか知らないし、石畳の道も無い。
石垣もこんな町全体を包む大きくて高いのは初めて見た。
私の知るのは精々山城のやつと、最近作られた磨崖仏程度だ。

ダルク君には冒険者ギルドと言う所で降ろして貰い別れた。
少し残念。
彼にも飼い葉を運ぶ仕事が有るのだ、仕方ない。
私は少しおませだが、この世界平均寿命が45歳だから、初潮も早く来るとお父は言ってた。
私の前世はもう少し短かったかもだし、実は初潮も男女のまぐわりも前世では経験済だ。
だから多分お父はその事を知らない。


そして何とダルク君はタラシ彦にそっくりだったのだ。
ただ性格はダルク君の方が良いと思う、絶対に!。


そんなこんなで、私はギルドの軽い扉を開いた。

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