俺のスキルはJRエー。

第５章 拘束期間と旅

其の２２ 「ストップ！、ストップ」

「ストップ！、ストップ！！」

エリ女でまた負けた俺が自領の競馬場(フチューン)を見に来た時の第一声がそれだった。

フチューンは勿論府中をもじっている。
何せ召還したのが東京競馬場だから。
(別名府中競馬場)

京都競馬場は淀競馬場とも言われて、樟葉(くずは)との府境に有る。

阪神は仁川競馬場で、この鉄道を北へ行くと終着は宝塚大劇場の有る宝塚。
この宝塚駅は福知山線の宝塚と非常に近い。
『OH！タカラヅカ』って漫画があったけど、冒頭の風光明媚な景色は武庫川で、福知山線の方だ。
残念だが阪急の方には無い。
因みに福知山線には篠山川(加古川の支流で佐治川と合流し加古川と成る)も有り、丹波大山から再び風光明媚さが谷川迄続く。
この線は円山川も観れるよ。(福知山)

中京が中京なのは名古屋競馬場が有るからだ。(因みに桶狭間)

それでは盛岡競馬場は何と呼ばれるか。
地名を考えた人は残念。
OROパーク(オーロパーク)である。

そんな事はさておき。
『置くんか~い』
「ストップ」の意味だが。
『無視すんな』
神様うるさい！。

発馬はゲートを使っていたのでビックリした。
どうやって使い方を知ったのだろう。
俺さえ知らないのに。
しかもゲート牽引車(トラクター)を乗りこなしていた。

それはいい。
それは良いが、むっちゃ危ない！！。

競馬にはカンパイと言うのが有る。
レース不成立の意味だ。
やり直す事も有るが、やり直せない事も有る。
その場合馬券は全て払い戻しと成る。
先日イギリスで前代未聞のカンパイがあった。
何とゴールを目指す手前にゲートが鎮座まします事案が発生。
つまりゲートを仕舞えず馬を止めて不成立と成った。

今日俺が止めたのは、危険なスタートだったからなのだが。
これは下手をすると人が死ぬ。
それは発馬と同時にゲートに馬を誘導したり、ゲートを閉めたり馬を宥めたりする人が巻き込まれるケースだ。

その為発馬監視人が合図するまでゲートは開かない。
監視塔はその為にも有る。
それに追従する為旗を振る人がスタンドカーのリフトに乗っている。
カンパイはスタート直後にこの人が白旗を振るのだ。

俺が見たのは監視人がゲート近くにいるが、万全では無い為ストップを掛けた。
ゲート練習で良かったと思い安堵する。
スタートで人が死ぬなんてレースは見たくは無い。
俺は直ぐ様コボルト達に監視塔員やスタンドカー要員そしてゲート誘導員を、コボルトにする様に進言し、色々な危険がある事を説明した。

何故かって、別にコボルトなら事故に遭っても良いなんて思わないよ。
コボルトに任せたのは、犬や猫は人間よりも反射神経が良い上に視力も良い。
何よりおそらくはゲートやゲート牽引車の使い方を教えたのは、コボルトであろうと推測したからだ。
つまり発馬の安全維持を人に教えるには、コボルトが実践するのが適任と判断した。
序でに神様にも安全な遣り方をコボルトに教えるようお願いした。
『序でか~い』なんて軽口を叩いてはいるが、ちゃんと教えてくれるから、流石神様だ。
『後でカミューよこせよ』
「・・・4リットルの白馬じゃ駄目」
『ダメ』

後にコボルトから人へと仕事は引き継がれた様だ。
雇用が生まれて何より。
屋台や掃除の人もコボルトから人へと変わったが、馬券の発売や中の職員はコボルトのままだ。
コボルトの話によると不正の横行を防ぐ為らしい。
う～ん、これはずっとコボルトの方が良いかもね。
因みに馬券は木板ではなく、JRAと同じ紙に磁気で信号化された物だった。
だけどJRエーと成っている。
思わず笑ったら、上から金ダライが落ちて来た。
凄く痛かったのを覚えている。

因みに屋台が人に変わった理由は、屋台の食べ物をコボルトが可愛かったので、お客がソレを与え始めたら、コボルトが食い漁った為だとか。
これにも笑った俺は、直後に頭を手で防いだ。
落ちてこなかったので安心して、手を除けたら見事に落とされた。
神とは理不尽なり。

今でも可愛いコボルトに屋台飯を与えたがる人は居るが、コボルトもメンタルは鍛えられ無視をしている。
しているが、少しプルプルしているのがまた可愛い。
アレ美味しいもんね。
『まぁ、仕事終わりには与えておるからな』
「有難う御座います神様」
『うむ』


最近ヨードの町では野生のコボルトをティムする人が増えて来たのはその為かな？。
うん、めっちゃ可愛いね。


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今週はマイルチャンピオンシップ。

◎チャリン(外国馬)
○ブレイディヴェーグ
▲ナミュール
▲ソウルラッシュ
▲オオバンブルマイ
▲シックスペンス

◎(芦毛)→○(鹿毛)→▲
『またかい！』
「いえいえ神様、今回は割とマジで、チャリンっと金を落としそうなんですよ。ナミュール(並み居る)日本の強豪相手にもね」

1600以下の短距離は、日本より世界の方がリードしている事は、今年の安田記念でも立証されている。
因みにチャリンはメンバー中複勝率は2番目で、18戦7勝2着3回3着4回。
同じく2番のシックスペンスは5戦4勝。
トップは牝馬のブレイディヴェールで6戦4勝2着2回。

そしてブレイディヴェールはマイル戦は初で有るが、府中牝馬Ｓは1800なので問題無いと思う。
シックスペンスはダービー9着と言う事を見ても、おそらくマイルの方が良いと思える。
安田記念2着のナミュールは府中より京都向きだしねえ。

神様はまたかと言うが、ブレイディヴェールは、去年のエリザベス女王杯の勝ち馬だよ。