俺のスキルはJRエー。

日前蜜柑

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第2章 レノド商会を守れ

其の6―5 俺が負ける原因

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しかし俺は呪われてんのか?。
誰か解除してくれんかな。
『台風は自然災害じゃ。儂はあちらの世界のワダツミじゃが、はっきり言うぞ、《自然災害》じゃ』
「へいへい」


取り敢えず来週は札幌記念やな。
秋の天皇賞のステップでもある。

あ~堅そうやなあ~。
このメンバーやと。
穴はボッケリーニかなぁ。
年齢もあるがレース回数が30超えとるけど、恐ろしい事にまだまだ安定してんねんな。
こんな馬おらんで普通。
31走して複勝率が68%くらい有るって、凄い事やねほんま。
つまり31回走って21回3着以内に来てる訳や。
近10走でも2着5回1着1回の6割。

◎プレグノーシス
○ボッケリーニ
▲シャフリヤール
△ジオグリフ
✕ステラヴェローチェ
こんな処かな。

別途買いたいレースが有って、それも予想しとくかな。

日本海ステークス

⑨◎へデントール
⑥○ファベル
③▲バロッサヴァレー
④▲マコトヴェリーキー
⑤△マイネルカンパーナ

マコトヴェリーキーがお気に入り馬なんやけど、相手強いかもね。
ちゅうても、ヘデンは青葉賞8着やからそこまで強う無い。
正直こんな相手に負けてたら、重賞なんて無理。
ただなあ~、3歳は3㌔軽いねんな。

にしても、盛岡含め皆堅い。
この夏は荒んかったなあ。
クラスターカップ?。
負けたよ。
『お前なあ、JRA所属の5頭で3連複買うたのとちゃうんかい。
なら当たっとる筈じゃろかが』
「おもろないから買い目変えた」
『はっ、何でお前が競馬勝てんかよう分かったわ』
「おおきに」



最近俺の出すお菓子がメイド界隈で評判に成ってるみたいやね。

メイド長さんが怒ってはったわ。
生活の安定していないハクタさんに何をねだる気ですかって、若いメイドさんたち怒られてはった。
ほんにすまんこって。
これから出すの控えますわ。
なので最近は安い板チョコばかり出してるけどな。
だけどそれでめっちゃ怒られた。
この世界ではチョコレートってめっちゃ高級品なのね、知らんかったわ。


「札幌の~、ビール会社の煙突は~、黒くて太くてシャンとしてぇ~」

そんな卑猥な歌を口ずさみながらビールをプシュッと一缶開けた。
「ハクタ様何ですかそれは?」
「えっビールだよ」
「駄目ですよ怪我が治るまで、お酒は厳禁でございます」
そう言うとメイド長はビールを引ったくって、「グビグビグビグビグビ···ぷっはあぁ~」。
「大変美味しゅうございました」
顔色一つ変えずにそう言ってのけ、ドアの方へ下がって行った。

なんちゅう豪快な姐御やねん。
ジロリと睨んだらふぃっと、顔を斜め上に逸らされた。
もう一本出しても多分取り上げられるだろう。
しかも蟒蛇(うわばみ)くさい。

仕方無くベッドにふて寝した。
俺の体を心配してくれての事だから、本当は嬉しいのだが、口にするのは恥ずかしい。

そうして土曜日になると少し木剣を振ってみた。
少し痛いので、15回程度で止めておく。
明日から徐々に回数を増やそう。

月末には冒険者ギルドで、剣術の講習を受けたいと思う。
かろうじて初手は避けたが、肩に当たってこの様だからな。
咄嗟の近接戦は全くの素人だと命が幾つ有っても足りんわ。
この世界、前世程甘くないのが良く分かった。
あの時鎖骨が折れていたら、俺は本当に斬り殺されていただろう。
催涙スプレーを使ったが、ただ恐怖で切り返したのが、運良く当たっただけだ。


一般受けするなら札幌記念だが、一般受け狙う訳でもない。
マコトヴェリーキーのいる日本海ステークスにしよう。
9頭立てで当っても安いが、地方競馬の安さよりはましだ。(本当はレベルに差があってJRAの馬ばかりが勝つからおもろない)
単勝を除く全てを4頭ボックス買いしても36点だからな。
これなら元は取れる。

発売は土曜だから・・・今日!?。
やば、忘れてた。
慌てて商会の部屋に戻る。
部屋に戻って競馬場のコンビニから汗ふきシートを買って体を拭いた。
「あ~夏場これだよなあ~」
「それは何で御座いますか?」
「げっ、何でメイド長居るんだよ」
当然上半身裸の俺である。
「シーツ替えに御座います」
よく見たらシワのついたスーツを携えている。
ベッドには真新しいシーツが掛けられていた。

メイド長に汗を拭くものだと言うと、すっと俺の手から引き抜くと自分の胸元に入れて汗を拭いた。
「はあ~、気持ち良う御座います」
「いやいやさっき俺の汗拭いたし、臭うだろが」
「クンクン、芳香が致します」
「まあ、香水が含まれてるからな」
「クンクン、あぁ~ハクタ様の汗の匂いが」

「匂いフェチかあー!!」


とんでもない性癖を知ってしまったが、慌てて使っていたシートを取り戻すと、残りの汗ふきシートを渡したよ。
今は若い体だが前世は立派な爺だ。
加齢臭がするかも知れないシートは嗅がれたくない。
「これ使っても宜しいですか?」
「べっ別に構いません」
「有難う御座います。失礼致します」

「はあ~」
ため息をついて俺は汗ふきシートで思わず顔を拭いてしまった。
「あっ、メイド長のかほり・・・」
少し甘いかほりにぽやっとして、「はっ、いっいけない」、俺は何をしてるんだ。

ついに新たな境地に目覚めてしまった土曜日。

4→9が本線なのでその3点に金額高めで買うことにする。

何と今回収入が無いと言う事で神様からは五千円迄と釘を刺されてしまう。

なので不貞腐れて鰻丼を買って食べてたら、メイド長にガン見されてしまった。
「食べます?」
「いっいえ結構で御座います」
僕は無理矢理メイド長に鰻丼を渡すと、「ちょっと散歩して来ます。後で味の感想をお聞かせください」と言って、部屋を出て散歩してみた。

帰って来たら綺麗に俺の重箱迄きれいに洗って置いて有った。
箱の中に、とても美味しゅうございました。初めて味わうもので感動いたしました。と、書かれた紙があった。

正直でよろしい。


「よっしこれで《Α警官》に投稿して、16時00分以降に結果を保存を押しとけば良かろう」
「アルファけいかんって何ですか?」
「うわおっ!。何ですかメイド長」
こっこの人は絶対魔法で気配や認識を消してるよな。
てか着替えとか密かに見てねえか?。
未だ自慰はしてないから良いけど。
こえー、むっちゃこえー。

「Αけいかん···」
「忘れて下さい」
「分かりました」
・・・忘れるんだ。

・・・「アイスクリーム食べます」。
「よっよろしいので?」
「口止め料です」
「いただきます」
俺はメイド長とベッドの縁に座り一緒にアイスクリームを食べた。
メイド長は凄く嬉しそうな顔をしてたなあ。

何だろ?、このおかしな関係。
まあえっか。
今日の16:00には儲かるし。
『捕らタヌ』
うっさい!。


「岩田やすなり~ぃっ!、なぜ何故ナゼ、普通にゲート出てるのに後ろに下げる。
何故抑える。
切れる脚は持ってねえ~。
そりゃ負けるわぁ、2着が多い筈だ。
この馬の脚質ならゲートの出が良くないのなら別だが、スタート悪くないやん。
何故下げる。
レース回数は限られるんだから、こんな無駄なレースの仕方したら、そりゃオープンに上がれんよ。
調教師~、2000以下で先行策でレースを探せ。
どう見ても2400ではスタミナは持たんし、2200でも現状がこうなんだよ。
母と違うのはスタミナやろ。
2000以下で使えよ。
はあ~、はあはあ」

クソ、3着だマコトヴェリーキー。
騎手にも調教師にも納得がいかん。

馬の適性は見極めにくい。
アスカクリチャンと言う馬は短距離馬と目され1600ばかり使われたが、二千の重賞を勝つと2500のG2をも勝った。
完全に調教師が適正距離を見誤って、出世が遅れた代表馬だ。
有名なオグリキャップかて、配合は笠松に適したダートの短距離だが、完全にそれを超えて有馬記念を二度も制覇してしまった。
実はアスカクリチャンもダートの短距離用に配合されていたのだ。

何が言いたいかと言うと、調教師でも信じてはいけない事が有ると言う事だ。
競馬が難しいのは、血統には何時も逆転が潜んでいる事なんだよ。

かくて、またもや馬券は電子となって、前世の空へ消えたのだった。

終わり。


「終わりじゃねえ~、畜せう」
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