42 / 66
第42話 逃げゆく果てに
しおりを挟む「ご安心くださいワランファ准将。すでにあちらへ、宇宙戦艦が来ております」
ザースコは、空の方を指し示した。そこには何も見えなかったがザースコが戦艦のAIに送った脳波通信の指示で、真っ白な巨体が姿を現したのだ。
さっきまで、部下のデールン少尉同様光学迷彩で視覚的に見えなかったのである。
特殊な粒子を周辺に散布してるので、チャマンカ軍のレーダーにも映ってないはずだ。
やがて宇宙戦艦の下部から転送ビームが放たれ、護送車は中の人間ごと戦艦内部にマイクロ・ワープした。
すぐに艦内に配備された二足歩行型のロボットが多数現れる。
ロボットの身長はショードファ人と同じぐらいの高さ(身長約150センチ)だった。
かれらは護送車に入ると、座席に拘束された捕虜達のいましめを解き始める。
瀬戸口は、ショードファ艦内に移送された護送車の中にいた。
アメリカ人のジョン、中国人のチャン、ロシア人のボリスも一緒だ。
護送車に乗せられる時アース・パルチザンの女性達も一緒になったので、結菜もいた。
艦内に転送されるとロボット達が現れて、捕虜達の手錠に銃のような物の銃口? を当てると、手錠は瞬時に消失する。
「ああ、ありがとう」
ロボットに言う必要はないかもしれぬが、瀬戸口は思わず感謝の言葉を述べた。
「手錠から解放してくれたのはありがてえが、まごまごしてるとチャマンカ軍に攻撃されちまうんじゃねえの?」
瀬戸口は、言葉を荒げる。
「もう大丈夫です。すでにこの艦は、ワープしました」
ロボットがショードファ語で話し、その内容は瀬戸口の首にかけたネックレス型の翻訳機が瞬時に日本語に変換し、瀬戸口の脳に届く。
「さすがロボットだけあって、やる事早いわ」
中国人のチャンが横から笑顔で口をはさんだ。
「私がやったのではありません。宇宙戦艦の人工知能の判断です」
ロボットが律儀に答える。
「ともかく解放されて良かったぜ」
ロシア人のボリスが叫んだ。
「ウォッカはねえのか? まずは、祝杯だ」
「我々に酒を飲む習慣はないが、地球人の口に合いそうな酒や飲み物や食べ物を積んできている」
ザースコ少佐が説明した。
「そうこなくっちゃ。あんたなかなか気がきくぜ」
ボリスは、満面の笑顔である。その時だった。艦内放送が緊急警報と共に流れた。
「現在本艦はワープアウトしましたが、すぐ後方にチャマンカ軍の宇宙戦艦3隻がワープアウトし、攻撃をかけてきました」
次の瞬間大地震でも起きたような揺れが襲う。
ザースコは、空の方を指し示した。そこには何も見えなかったがザースコが戦艦のAIに送った脳波通信の指示で、真っ白な巨体が姿を現したのだ。
さっきまで、部下のデールン少尉同様光学迷彩で視覚的に見えなかったのである。
特殊な粒子を周辺に散布してるので、チャマンカ軍のレーダーにも映ってないはずだ。
やがて宇宙戦艦の下部から転送ビームが放たれ、護送車は中の人間ごと戦艦内部にマイクロ・ワープした。
すぐに艦内に配備された二足歩行型のロボットが多数現れる。
ロボットの身長はショードファ人と同じぐらいの高さ(身長約150センチ)だった。
かれらは護送車に入ると、座席に拘束された捕虜達のいましめを解き始める。
瀬戸口は、ショードファ艦内に移送された護送車の中にいた。
アメリカ人のジョン、中国人のチャン、ロシア人のボリスも一緒だ。
護送車に乗せられる時アース・パルチザンの女性達も一緒になったので、結菜もいた。
艦内に転送されるとロボット達が現れて、捕虜達の手錠に銃のような物の銃口? を当てると、手錠は瞬時に消失する。
「ああ、ありがとう」
ロボットに言う必要はないかもしれぬが、瀬戸口は思わず感謝の言葉を述べた。
「手錠から解放してくれたのはありがてえが、まごまごしてるとチャマンカ軍に攻撃されちまうんじゃねえの?」
瀬戸口は、言葉を荒げる。
「もう大丈夫です。すでにこの艦は、ワープしました」
ロボットがショードファ語で話し、その内容は瀬戸口の首にかけたネックレス型の翻訳機が瞬時に日本語に変換し、瀬戸口の脳に届く。
「さすがロボットだけあって、やる事早いわ」
中国人のチャンが横から笑顔で口をはさんだ。
「私がやったのではありません。宇宙戦艦の人工知能の判断です」
ロボットが律儀に答える。
「ともかく解放されて良かったぜ」
ロシア人のボリスが叫んだ。
「ウォッカはねえのか? まずは、祝杯だ」
「我々に酒を飲む習慣はないが、地球人の口に合いそうな酒や飲み物や食べ物を積んできている」
ザースコ少佐が説明した。
「そうこなくっちゃ。あんたなかなか気がきくぜ」
ボリスは、満面の笑顔である。その時だった。艦内放送が緊急警報と共に流れた。
「現在本艦はワープアウトしましたが、すぐ後方にチャマンカ軍の宇宙戦艦3隻がワープアウトし、攻撃をかけてきました」
次の瞬間大地震でも起きたような揺れが襲う。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
銀河太平記
武者走走九郎or大橋むつお
SF
いまから二百年の未来。
前世紀から移住の始まった火星は地球のしがらみから離れようとしていた。火星の中緯度カルディア平原の大半を領域とする扶桑公国は国民の大半が日本からの移民で構成されていて、臣籍降下した扶桑宮が征夷大将軍として幕府を開いていた。
その扶桑幕府も代を重ねて五代目になろうとしている。
折しも地球では二千年紀に入って三度目のグローバリズムが破綻して、東アジア発の動乱期に入ろうとしている。
火星と地球を舞台として、銀河規模の争乱の時代が始まろうとしている。
銀河戦国記ノヴァルナ 第3章:銀河布武
潮崎 晶
SF
最大の宿敵であるスルガルム/トーミ宙域星大名、ギィゲルト・ジヴ=イマーガラを討ち果たしたノヴァルナ・ダン=ウォーダは、いよいよシグシーマ銀河系の覇権獲得へ動き出す。だがその先に待ち受けるは数々の敵対勢力。果たしてノヴァルナの運命は?
シンクの卵
名前も知らない兵士
児童書・童話
小学五年生で文房具好きの桜井春は、小学生ながら秘密組織を結成している。
メンバーは四人。秘密のアダ名を使うことを義務とする。六年生の閣下、同級生のアンテナ、下級生のキキ、そして桜井春ことパルコだ。
ある日、パルコは死んだ父親から手紙をもらう。
手紙の中には、銀貨一枚と黒いカードが入れられており、カードには暗号が書かれていた。
その暗号は市境にある廃工場の場所を示していた。
とある夜、忍び込むことを計画した四人は、集合場所で出くわしたファーブルもメンバーに入れて、五人で廃工場に侵入する。
廃工場の一番奥の一室に、誰もいないはずなのにランプが灯る「世界を変えるための不必要の部屋」を発見する五人。
そこには古い机と椅子、それに大きな本とインクが入った卵型の瓶があった。
エポックメイキング。
その本に万年筆で署名して、正式な秘密組織を発足させることを思いつくパルコ。
その本は「シンクの卵」と呼ばれ、書いたことが現実になる本だった。
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
宇宙エレベーター
morituna
SF
25年間の建設工期で作られた、この宇宙エレベーターの全長は96,000kmです。
この場所が、地球上の、宇宙への発着点でアース・ポートです。
このアース・ポートは、ここ、グベ島の赤道上に、陸上部分と海上部分に分けて建設されています。
陸上部分は、順次、空港やホテル、宇宙開発に関係する企業の研究所が誘致され、大きな街になります。
海中トンネルで結んだ海上部分には、宇宙エレベーターのクライマー発着場、出発・到着ロビー、管理施設のほか、格納庫、修理工場、倉庫、研究開発センターなど、アース・ポートの要(かなめ)となる施設があります。
海上施設は、直径約400mで、最下部に造られた中空のコンクリートの浮力で、海に浮かんでいます。宇宙へと延びるケーブルを固定している部分では、海水を利用したバラスト調整システムによって、ケーブルにかかるテンションを制御しています。
静止軌道上には、最大規模の駅、静止軌道ステーションがあります。
静止軌道ステーションでは、大規模な宇宙太陽光発電や宇宙環境を活かした研究開発などが行なえるほか、地上からの観光地としても利用できます。
無頼少年記 ~最強の戦闘民族の末裔、父親に植えつけられた神話のドラゴンをなんとかしたいので、冒険者ギルドに就職する~
ANGELUS
SF
世界で最強と名高い戦闘民族の末裔―――流川澄男は、かつて復讐者であった。
復讐のために集めた仲間たちとともに、その怨敵を討ち滅ぼした澄男は、戦闘民族の末裔としての次なる目標のため、そして父親に植えつけられた神話級のドラゴンをなんとかするため、新たな舞台ヒューマノリアへ進出する。
その足掛かりとして任務請負機関ヴェナンディグラム北支部に所属し、任務請負人という職業に就職した彼だったが、ひょんなことから支部のエースたちと出会う。
名をレク・ホーラン、その相棒ブルー・ペグランタン。
新たに出会った二人とともに、専属メイドである水守御玲と複数の使い魔を引き連れて、当面の目標である本部昇進試験を受けるための下積みをすることになるのだが、何者かの意志なのか、自身の国で巻き起こる様々な異変を解決させられることになる。
スノードーム・リテラシー
棚引日向
SF
自然から共存を拒否された人類は、このまま絶滅してしまうのか。
境界の内側で暮らす少年レオシュ・エベールは、ある日、境界の外側にいる少女を見た。それは絶対にあり得ないことだった。それぞれの立場の人間が、身勝手に行動することで、人類は滅亡へ向かっていく。
異能者の惑星
夢咲香織
SF
辺境惑星タラゴンでは、4人の異能者と、6人の地球人がサバイバル生活をしていた。何故10人はこんな辺境惑星でサバイバルをしているのか? 時は22年前にさかのぼる。人類が新たに住める星を探して、宇宙船ポラリスは地球を旅立った……。ポラリス号は人類移住の候補地、タラゴンを調査したが、宇宙海賊に襲われて船が故障し、地球へは帰って来れなかった。船長のミゲル以下、クルーはタラゴンでのサバイバルを覚悟する。やがてクルー達はそれぞれ結婚して子供達が生まれたが、タラゴンの不思議な二つの月の影響で、子供達は異能者となる。タラゴンは異能者を生む星だったのだ。
22年後に地球から迎えが来るが、その前に起きた地球の異能者のクーデターによって、中央政府は異能者排除法を作って異能者を迫害していた。
親となったクルーと子供達の運命やいかに?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる