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離ればなれ、それぞれの道
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そこからは無言で泊は歩いていた。僕はその後ろを無言で歩くしかない。途中教師とすれ違ったが泊の様子を見ると少しびびっていた。無事昇降口に送り届けて貰うとそこには、祐桜と深愛が待っていた。
「湖渡意外と遅かったな。一時間半は待ったぞ。」
「先に行っとれって伝えたろ?」
「いやそーなんだけど華深愛ちゃんが待つって言ってさ、キノちゃんがそれに付き合うって言ってずーっと待ってたの。礼と謝罪なら華深愛ちゃんによろしく。あと、神さんからの何か伝言ある?あるなら後で?」
耳打ちで千里さんからの伝言ある?と伝えられた。こいつらグルか?
まぁいいや、その前に深愛に謝らないとな。以下にも私危険悪いですよって感じ出してるじゃん。
「あの、深愛。ごめん。待ってくれてありがとな。」
「湖渡。私心配したんだよ。生徒会に何言われたの?理不尽な事言われなかった?何かされなかった?」
あ、忘れてたこいつ昔っから僕にはあまり怒んない人だったけぇ。てか、そんなに生徒会って悪名高いのか?
「うんにゃ。何もされてないよ。」
「なら、良かったわ。早くカラオケ行こうよ。」
そこで、ふと振り返ると泊の姿はそこにはなかった。おっとキノ
「キノすまんかったな。」
「いいよ。内緒だけど私も嬉しかったわ。牧君のとなりにいたら、たまに牧君がチラチラ見てくるの。その度にドキドキしてさ........。あっ、牧君には内緒にしてよ。」
「わかってる。」
そこからは気を取り直してカラオケに行った。4時間ほど歌い、ゲーセンへ行きなんというか高校生活満喫乙状態だ。しかも端から見たら僕も祐桜もリア充乙って感じだな。
二人と別れると少し気配を感じながら深愛と帰った。途中にスーパーに寄る。深愛が今日作るのは僕が好きな麻婆豆腐の様だ。なら、深愛が好きな料理を一つ作ることにした。その料理とは鰹のなめろうハンバーグだ。登り鰹の時期という事もありそれなりに安くなってた鰹を一匹と生姜、小ネギ、ニンニクを買う。そしてさらに安いという理由もあり烏賊を一匹買った。レジで深愛と落ち合うとサラダが食べたいという僕要望がありキャベツ1/4玉とレタス、ミックスベジタブルと書いてある生野菜の袋もとっていた。だが僕の手持ちのカゴを見るなり目を輝かせていた。こういう深愛は可愛い。
スーパーを出るとスーパーの中には無かった気配がまた戻っていた。その気配を無視する事にした僕は深愛にスーパーの袋を持たされながら二人仲良く帰った。回りから見るとかなりイケない二人に見えるだろうがどうしようもない。
僕は家に帰るとまず着替え、次にチビ共(弟や妹)が帰って無い事を確認する。なぜ帰って無いことを確認するかと言うと小学生に鰹を裁く所を見せるのは刺激が強すぎるという兄なりの配慮だ。深愛はというとそのまま僕の家に来る。余っている僕の家の部屋で勝手(親公認だが)に着替え台所へ出現する。
それなりに台所が広い事もあり二人で並んで料理が出来る。台所が広い事は良いことだ。ちなみに大まかに作業工程を説明する。鰹は裁ばかれた事にする。(ここで本当に言うとかなり問題があるからだ。)まぁ結局かなり生臭くなるのよね。そして生姜と小ネギを刻み、とりあえず包丁で叩いていく。(この時二本の包丁を使うと飛び散る可能性があるため使わず、包丁を持って無い手は包丁の峰の1センチくらい上で添えると便利だ。)ミンチになった鰹に塩と味噌と醤油、ホンの少し砂糖を加えさらに叩いていく。(塩とかを入れるとかなり粘りけが出るぞ。)それなりに叩いて、もう一度生姜とネギを入れる。そして少し手で混ぜながら捏ねる。この作業が終わったらなめろうは完成。だから味見するといいぞ。まぁ生魚が食べれない場合は他の人に味見して貰うといい。そして再度味を整え形成して焼く。完成したハンバーグにはポン酢があうぞ。
と、ハンバーグを作り終わると横では深愛の麻婆豆腐がいい感じに出来ている。チビ共(弟や妹)のために普通のが完成し、今は僕達が食べる辛い方を作っている。僕が食べる激辛も。
深愛は片手をフライパンからのけ、ハンバーグと口を指さして無言でくれと言ってくる。仕方なしに口へやると、これまた幸せそうな顔をするんだよね。可愛いから生姜のすりおろしとネギにポン酢を掛け、上にのせて口へ運ぶ。幸せそうな笑顔の段階があがった。なら大根おろしにポン酢を掛けそれを上にのせて口へ運ぶと、さらに幸せそうな笑顔の段階があがった。ヤバい。欲しい。キスしたい。食べたい(性的な意味)。そんな事を考えてる時、ピンポーンとインターホンが鳴った。祐桜でも来たのかなと考えていると、祐桜もいたが他に二人ほど女性がいた。一人は我が刻ヶ原学園生徒会長である千里さんこと、神 千里先輩。もう一人は知らない人だった。だが、とてつもななく美人で一目惚れという物をしてしまった。この人が欲しい。さっきまで僕が言われ続けてた事をつい思ってしまった。でもそれほどまでに彼女が美しく感じたのだ。玄関ドアを開けるとそこには、祐桜が僕の家の勝手をそれなりに知っているためもう上がって来ていて後ろでは、
「祐ちゃんダメってば。湖渡に起こられるわよ。」
と、通常モード(生徒会長モードとどう違うの?)の千里さんが祐桜にいっているのが聞こえる。
「おい祐桜。不法侵入で警察に訴えられたいか?」
「ずいぶんとご挨拶だね。湖渡樹。」
「湖渡今晩は。私は止めたわよ。」
「今晩は千里さん。ええ。聞こえてましたよ。ところで祐桜、千里さんといる女性はどちら様?」
「そんな話は後にして家に入れろよ。夕飯そろそろ出来るんだろ?」
「あのなそれ目当てで来たのか?」
「そうに決まってるだろ?」
と言いながら勝手にズカズカと入ってくる祐桜。止める気もさらさら無いがまぁいいや。チビ共もそろそろ帰って来るだろうし、
「おっと女物の靴発見。内の学校指定のだ。誰がいるのかな?華深愛ちゃんかな?華深愛ちゃんだろ?」
「ちょっ祐桜。あーもー。良ければ食べて行きますか?どうせ親も今日はいないですし。」
「いいの?」
「いいんです。それにご飯はワイワイ言いながら食べると美味しいですし。」
「そこまで言うならね。お邪魔しまーす。」
千里さんは玄関へ入ってきた。連れの美人な女の人は入ってこない。
「来ないんですか?」
「私もいいの?」
聞き覚えのある声だった。しかも最近。いや、さっき。
「何を言うかと思えば。もちろんですよ。祐桜が連れてきたんでしょ?なら僕のお客です。」
「ありがと。失礼させて貰うわ。」
そして僕もよくわからない彼女を連れて家の中に入った。家に入ると深愛が驚いていた。
「せ、生徒会長さんが、生徒会長さんが........。」
「どうした?」
「湖渡、生徒会長さんよ。会長さんに何かしたの?私も謝るから、ねっ。許して貰おうよ。」
「何言ってんだか。食事へ招待しただけだよ。」
「えっ!って後ろの人はさ、さっ、紗椰佳先輩?」
「あら、深愛じゃないの?この子深愛の男だったの?」
「違いますよ。ただの幼なじみです。彼と家が近くて13年くらいの仲です。」
「ならいただいてもいいの?」
「僕はギフトか何かですか?」
「違わない様で違うわ。貴方は私の獲物よ。」
「物騒ですね。」
「湖渡ー、それより腹へった。千里さんも皇先輩もお腹好かないの?麻婆豆腐にハンバーグ?それと鰹のいい匂いなんだけど鰹が見当たらねーな。」
「祐桜、チビ共がそろそろ帰って来るから待て。塾に行ってんだよ。」
「夜乃(よの)ちゃんと恋歌(れんか)は俺覚えてるかな?」
夜乃は僕の妹で、恋歌は深愛の弟だ。
「知らね。そもそもお前とはここ6ヶ月くらいの付き合いだろ?なのに何回飯食いに来た?」
「そうだな多分半分以上。てか湖渡樹の飯が旨いのがイケねーんだよ。1日の締めくくりである夕飯で俺の腹を満たし味も満足がするのは湖渡樹の飯が一番ぴったり。」
「そんなに美味しいの祐ちゃん?」
「当たり前だろ。」
ガチャっと玄関から聞こえ、
「ただいまー。兄ちゃん深愛姉以外誰か来てるの?」
「ただいまー。湖渡兄ー今日のご飯何?」
「お帰り。え、お楽しみだ。あ、お客が来てるぞ一応な。祐桜と千里さんと皇先輩だ。手洗ってこい。飯だ。」
「「うぃー。」」
仲良いなーと思う。素直に思う。手を洗って荷物を置いて来た二人を見て千里さんと皇先輩が、
「可愛いねわね。」
「そうね。欲しくなっちゃうわね。湖渡樹君も可愛い時期があったと考えるのならとても良いわね。」
と、恐い事を言ってる。
「皇先輩はショタコン何ですか?」
「湖渡樹君も失礼な事を言うのね。」
まぁ良いわ。というような仕草をする皇先輩。チビ共か来た。
「夜乃、恋歌挨拶は?」
「今晩は。はじめまして。恋歌、小学四年生です。」
「今晩は、はじめまして私の名前は夜乃で小学四年生です。お世話になっております。」
「「いい子じゃない。」」
という二人の感想の後に、ご飯を無言で深愛が運んできた。そこからは いただきます と言うと皆で楽しく食べた。かなりの量作ったのだが残らなかったのが驚きだ。食事が終わると、
「湖渡、部屋借りるぞ。紅茶持って来てこい。先に行ってる。例の件だ。」
「なら私達も湖渡の部屋に行くわよ。良いわよね。」
「はい。深愛後片付けよろしく。あと今から部屋に近づくな。近づいたら無言で撃たれると思うぞ。」
「わかったけど、湖渡危ない事はしないって約束できる?」
「無理だな。」
すると抱きついてきた。どうして女の子はこうも男の子に抱きつくのかねぇ?
「なら最低限のお願いです。死なないでください。私は湖渡君がいないと、湖渡君がいないと寂しいです!悲しいです!湖渡君が私の言った程度で聞く人じゃないのは知ってます。裏で何があるのかも知りません。でも、湖渡君が、湖渡君が私の知らないところでいつも傷ついてる事は知っています。それを知ってるから、心が痛みます。だから、だけど湖渡君が、いなくなるのはもっと心が痛みます。だから湖渡君。湖渡くーん。ワァーン。」
と言って泣き始めた。ゆっくり背中を叩く。そして頭を撫でる。深愛は少し時間がたつと抱き締めるのをやめて何も無かったかの様に洗い物に向かった。僕も自分の部屋に紅茶とマグを持って行く。
「湖渡意外と遅かったな。一時間半は待ったぞ。」
「先に行っとれって伝えたろ?」
「いやそーなんだけど華深愛ちゃんが待つって言ってさ、キノちゃんがそれに付き合うって言ってずーっと待ってたの。礼と謝罪なら華深愛ちゃんによろしく。あと、神さんからの何か伝言ある?あるなら後で?」
耳打ちで千里さんからの伝言ある?と伝えられた。こいつらグルか?
まぁいいや、その前に深愛に謝らないとな。以下にも私危険悪いですよって感じ出してるじゃん。
「あの、深愛。ごめん。待ってくれてありがとな。」
「湖渡。私心配したんだよ。生徒会に何言われたの?理不尽な事言われなかった?何かされなかった?」
あ、忘れてたこいつ昔っから僕にはあまり怒んない人だったけぇ。てか、そんなに生徒会って悪名高いのか?
「うんにゃ。何もされてないよ。」
「なら、良かったわ。早くカラオケ行こうよ。」
そこで、ふと振り返ると泊の姿はそこにはなかった。おっとキノ
「キノすまんかったな。」
「いいよ。内緒だけど私も嬉しかったわ。牧君のとなりにいたら、たまに牧君がチラチラ見てくるの。その度にドキドキしてさ........。あっ、牧君には内緒にしてよ。」
「わかってる。」
そこからは気を取り直してカラオケに行った。4時間ほど歌い、ゲーセンへ行きなんというか高校生活満喫乙状態だ。しかも端から見たら僕も祐桜もリア充乙って感じだな。
二人と別れると少し気配を感じながら深愛と帰った。途中にスーパーに寄る。深愛が今日作るのは僕が好きな麻婆豆腐の様だ。なら、深愛が好きな料理を一つ作ることにした。その料理とは鰹のなめろうハンバーグだ。登り鰹の時期という事もありそれなりに安くなってた鰹を一匹と生姜、小ネギ、ニンニクを買う。そしてさらに安いという理由もあり烏賊を一匹買った。レジで深愛と落ち合うとサラダが食べたいという僕要望がありキャベツ1/4玉とレタス、ミックスベジタブルと書いてある生野菜の袋もとっていた。だが僕の手持ちのカゴを見るなり目を輝かせていた。こういう深愛は可愛い。
スーパーを出るとスーパーの中には無かった気配がまた戻っていた。その気配を無視する事にした僕は深愛にスーパーの袋を持たされながら二人仲良く帰った。回りから見るとかなりイケない二人に見えるだろうがどうしようもない。
僕は家に帰るとまず着替え、次にチビ共(弟や妹)が帰って無い事を確認する。なぜ帰って無いことを確認するかと言うと小学生に鰹を裁く所を見せるのは刺激が強すぎるという兄なりの配慮だ。深愛はというとそのまま僕の家に来る。余っている僕の家の部屋で勝手(親公認だが)に着替え台所へ出現する。
それなりに台所が広い事もあり二人で並んで料理が出来る。台所が広い事は良いことだ。ちなみに大まかに作業工程を説明する。鰹は裁ばかれた事にする。(ここで本当に言うとかなり問題があるからだ。)まぁ結局かなり生臭くなるのよね。そして生姜と小ネギを刻み、とりあえず包丁で叩いていく。(この時二本の包丁を使うと飛び散る可能性があるため使わず、包丁を持って無い手は包丁の峰の1センチくらい上で添えると便利だ。)ミンチになった鰹に塩と味噌と醤油、ホンの少し砂糖を加えさらに叩いていく。(塩とかを入れるとかなり粘りけが出るぞ。)それなりに叩いて、もう一度生姜とネギを入れる。そして少し手で混ぜながら捏ねる。この作業が終わったらなめろうは完成。だから味見するといいぞ。まぁ生魚が食べれない場合は他の人に味見して貰うといい。そして再度味を整え形成して焼く。完成したハンバーグにはポン酢があうぞ。
と、ハンバーグを作り終わると横では深愛の麻婆豆腐がいい感じに出来ている。チビ共(弟や妹)のために普通のが完成し、今は僕達が食べる辛い方を作っている。僕が食べる激辛も。
深愛は片手をフライパンからのけ、ハンバーグと口を指さして無言でくれと言ってくる。仕方なしに口へやると、これまた幸せそうな顔をするんだよね。可愛いから生姜のすりおろしとネギにポン酢を掛け、上にのせて口へ運ぶ。幸せそうな笑顔の段階があがった。なら大根おろしにポン酢を掛けそれを上にのせて口へ運ぶと、さらに幸せそうな笑顔の段階があがった。ヤバい。欲しい。キスしたい。食べたい(性的な意味)。そんな事を考えてる時、ピンポーンとインターホンが鳴った。祐桜でも来たのかなと考えていると、祐桜もいたが他に二人ほど女性がいた。一人は我が刻ヶ原学園生徒会長である千里さんこと、神 千里先輩。もう一人は知らない人だった。だが、とてつもななく美人で一目惚れという物をしてしまった。この人が欲しい。さっきまで僕が言われ続けてた事をつい思ってしまった。でもそれほどまでに彼女が美しく感じたのだ。玄関ドアを開けるとそこには、祐桜が僕の家の勝手をそれなりに知っているためもう上がって来ていて後ろでは、
「祐ちゃんダメってば。湖渡に起こられるわよ。」
と、通常モード(生徒会長モードとどう違うの?)の千里さんが祐桜にいっているのが聞こえる。
「おい祐桜。不法侵入で警察に訴えられたいか?」
「ずいぶんとご挨拶だね。湖渡樹。」
「湖渡今晩は。私は止めたわよ。」
「今晩は千里さん。ええ。聞こえてましたよ。ところで祐桜、千里さんといる女性はどちら様?」
「そんな話は後にして家に入れろよ。夕飯そろそろ出来るんだろ?」
「あのなそれ目当てで来たのか?」
「そうに決まってるだろ?」
と言いながら勝手にズカズカと入ってくる祐桜。止める気もさらさら無いがまぁいいや。チビ共もそろそろ帰って来るだろうし、
「おっと女物の靴発見。内の学校指定のだ。誰がいるのかな?華深愛ちゃんかな?華深愛ちゃんだろ?」
「ちょっ祐桜。あーもー。良ければ食べて行きますか?どうせ親も今日はいないですし。」
「いいの?」
「いいんです。それにご飯はワイワイ言いながら食べると美味しいですし。」
「そこまで言うならね。お邪魔しまーす。」
千里さんは玄関へ入ってきた。連れの美人な女の人は入ってこない。
「来ないんですか?」
「私もいいの?」
聞き覚えのある声だった。しかも最近。いや、さっき。
「何を言うかと思えば。もちろんですよ。祐桜が連れてきたんでしょ?なら僕のお客です。」
「ありがと。失礼させて貰うわ。」
そして僕もよくわからない彼女を連れて家の中に入った。家に入ると深愛が驚いていた。
「せ、生徒会長さんが、生徒会長さんが........。」
「どうした?」
「湖渡、生徒会長さんよ。会長さんに何かしたの?私も謝るから、ねっ。許して貰おうよ。」
「何言ってんだか。食事へ招待しただけだよ。」
「えっ!って後ろの人はさ、さっ、紗椰佳先輩?」
「あら、深愛じゃないの?この子深愛の男だったの?」
「違いますよ。ただの幼なじみです。彼と家が近くて13年くらいの仲です。」
「ならいただいてもいいの?」
「僕はギフトか何かですか?」
「違わない様で違うわ。貴方は私の獲物よ。」
「物騒ですね。」
「湖渡ー、それより腹へった。千里さんも皇先輩もお腹好かないの?麻婆豆腐にハンバーグ?それと鰹のいい匂いなんだけど鰹が見当たらねーな。」
「祐桜、チビ共がそろそろ帰って来るから待て。塾に行ってんだよ。」
「夜乃(よの)ちゃんと恋歌(れんか)は俺覚えてるかな?」
夜乃は僕の妹で、恋歌は深愛の弟だ。
「知らね。そもそもお前とはここ6ヶ月くらいの付き合いだろ?なのに何回飯食いに来た?」
「そうだな多分半分以上。てか湖渡樹の飯が旨いのがイケねーんだよ。1日の締めくくりである夕飯で俺の腹を満たし味も満足がするのは湖渡樹の飯が一番ぴったり。」
「そんなに美味しいの祐ちゃん?」
「当たり前だろ。」
ガチャっと玄関から聞こえ、
「ただいまー。兄ちゃん深愛姉以外誰か来てるの?」
「ただいまー。湖渡兄ー今日のご飯何?」
「お帰り。え、お楽しみだ。あ、お客が来てるぞ一応な。祐桜と千里さんと皇先輩だ。手洗ってこい。飯だ。」
「「うぃー。」」
仲良いなーと思う。素直に思う。手を洗って荷物を置いて来た二人を見て千里さんと皇先輩が、
「可愛いねわね。」
「そうね。欲しくなっちゃうわね。湖渡樹君も可愛い時期があったと考えるのならとても良いわね。」
と、恐い事を言ってる。
「皇先輩はショタコン何ですか?」
「湖渡樹君も失礼な事を言うのね。」
まぁ良いわ。というような仕草をする皇先輩。チビ共か来た。
「夜乃、恋歌挨拶は?」
「今晩は。はじめまして。恋歌、小学四年生です。」
「今晩は、はじめまして私の名前は夜乃で小学四年生です。お世話になっております。」
「「いい子じゃない。」」
という二人の感想の後に、ご飯を無言で深愛が運んできた。そこからは いただきます と言うと皆で楽しく食べた。かなりの量作ったのだが残らなかったのが驚きだ。食事が終わると、
「湖渡、部屋借りるぞ。紅茶持って来てこい。先に行ってる。例の件だ。」
「なら私達も湖渡の部屋に行くわよ。良いわよね。」
「はい。深愛後片付けよろしく。あと今から部屋に近づくな。近づいたら無言で撃たれると思うぞ。」
「わかったけど、湖渡危ない事はしないって約束できる?」
「無理だな。」
すると抱きついてきた。どうして女の子はこうも男の子に抱きつくのかねぇ?
「なら最低限のお願いです。死なないでください。私は湖渡君がいないと、湖渡君がいないと寂しいです!悲しいです!湖渡君が私の言った程度で聞く人じゃないのは知ってます。裏で何があるのかも知りません。でも、湖渡君が、湖渡君が私の知らないところでいつも傷ついてる事は知っています。それを知ってるから、心が痛みます。だから、だけど湖渡君が、いなくなるのはもっと心が痛みます。だから湖渡君。湖渡くーん。ワァーン。」
と言って泣き始めた。ゆっくり背中を叩く。そして頭を撫でる。深愛は少し時間がたつと抱き締めるのをやめて何も無かったかの様に洗い物に向かった。僕も自分の部屋に紅茶とマグを持って行く。
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