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こんな始まり方でいいの?
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恋なんてしたことなかった。そんな物より僕は何かを見つけようとしてた。それが何だったかはわからない。何にせよ僕が僕であるために勝ち続ける事は難しく、どこかで挫折することもある。ただこれは、そんな僕の物語りでることは間違いない。普通とは少し以上にずれてるけどね
高校生というのはなかなか大変なものである。中学校という誰でも通える学舎からでていつも何かに追われているのだ。友達との話についていかなければ友達から見捨てられ、付き合いやノリが悪ければ先輩からも見放され、勉強ができなければ学校から見放される。あぁなんでこんな道選んだんだろ。なんてしょっちゅう思う。
想像じゃない未来に立つ事がどんなに大変か僕は今よくわかる。
でも、もしかしたら、この壊れた僕の世界の予兆はこの時既に始まってたのかな?
秋晴れの空の下。僕らはクラスでテスト返却を受けていた。
「はぁ、あーまたテストの点悪かった。」
こんな呆れた顔で、こんなことを言うの大抵、牧 祐桜だ。クラスの副委員長をやっていながらあまり自慢できない様な点をとる真面目系なのかお調子者系なのかわからないやつだ。
「祐桜どうした?お前は欠点ないだけましだよ。あいつ見てみろよ森月の馬鹿なんてまた欠点だぞ。ざまねぇな。」
「湖渡樹励ましか?なってないぞ。あんな馬鹿と一緒にするなよ。」
「もう、そんなこと言ったらかわいそうじゃない?彼だってとりたくて取ってる訳じゃないのよ」
橘 深愛まで入ってきた。
「そんな事言ってやるな。いつか見返されても知んねーぞ。」
「あら、湖渡私によくそんな事が言えるわね。誰かな?私に数学わからないからって泣き付いて来たのは?あれれ?」
「その節は、ありがとうございました。何とぞ次回もよろしくお願いいたします。深愛様。」
この深愛様じゃなかった、深愛とは保育園からの腐れ縁で下手な夫婦より多分長い時間を過ごしている。家も近く普通に言うと幼なじみだ。しかも両方の親同士も仲が良くしょっちゅう親だけで外食をしているため二人で食事をする事も少なくは無い。さらに、僕には妹が深愛には弟がいるのだが弟と妹が小学生になったということもあり手間があまりかからなくなると僕達に押し付けどこかに行ってしまうのだ。
これは黒歴史だが中学3年、つまり去年までは深愛の頼みで一緒に風呂に入って同じ布団で寝るという本当に夫婦みたいな事になっていた日もよくある。えーと深愛と出会ったので一番古い記憶は3才の時の遠足だから、なぬ、13年間もほとんど一緒ってすごいわー。
ちなみに、祐桜と出会ったのはこの春の入学式の日に深愛をナンパしようとしていた先輩から助けてくれた事から仲良くなった。過去の事はあまり喋りたがらないので深愛と僕の昔話によく耳を傾け楽しそうに聞いている。
「なぁなぁ湖渡樹、カラオケ行かね?いや、何つーか、期末終った記念みたいな感じ?」
「いや、僕は構わんけど今日も親がどっか行くみたいだからさ深愛の了承も取らないと怒られるんだよなぁ。あ、深愛行ってもいい?」
「私も行く!」
「あ、なら華深愛ちゃんも来るなら俺はキノちゃん誘っかなぁ。」
そんな事を言う祐桜を眼鏡をかけたいかにも真面目って感じの女の子が睨み少し恥ずかしそうにしてる。
「なぁ祐桜、キノもいいけど委員長ちゃんでも誘ったら?」
するとその恥ずかしそうにしてた娘はニカッと明るくなった。
「え、なんで鈴等矢を?」
「なんでって、まぁいいや。」
するとその娘は少し幻滅してた。だが、怒ったような不安気なような声で深愛が、
「湖渡って香穂ちゃんが好きなの?」
香穂ちゃんとは多分委員長ちゃんの事だな。と頭の中で変換し、
「んにゃ。僕は、僕は、へぇっ、僕って誰が好きなの?」
この時疑問に思ってしまった。僕は誰が好きなのだろうか。果たしてこの疑問は抱いて良いものだったのだろうか。後に答えは出るがそれはうっすらとで、さらに答えがでた時だとある意味では遅過ぎる事など僕はこの時は知らなかった。
「私知ってるよ。湖渡が好きな人。多分正解。」
「おっ、さすが華深愛ちゃん。いよっ幼なじみ。」
「それはね。わ、た、し。」
と、言いながら深愛は抱きついてきた。
「湖渡君大好き。あー、湖渡君嬉しい。湖渡くーーーん。」
と言いながら羽交い締めにしようとする。さすがにこれ以上深愛の暴走を認めてしまっては後が無い。その時変なスイッチが入ってしまった。
「違わい!そうだな、僕が好きなのは皇先輩だ。」
と、つい叫んでしまっていた。もちろん放課後でガヤガヤしていた教室は一気に静まりかえり、どっ!と、うるさくなった。
「えー!柊君本当なの?」
「うぁー、あの魔性の女め。ついに柊君さえ捕まえたとは......。」
「皇先輩俺も狙ってたのにお前相手とか勝ち目ねぇーじゃん。」
「速報速報。柊湖渡樹、皇先輩好き宣言。」
「私柊君の事気になってたのに。」
やべ、口から出任せにしては広がり過ぎた。
「湖渡君嘘だよね。」
深愛が幻滅し生きる気力を失った声で聞いてきた。
「当たり前だ。深愛の暴走止めるための嘘だ。」
そんな事を言ってると、
「皇先輩、皇先輩って。いつもいつも、いっつも皆の注目を集めるのはお姉ちゃん達。私の欲しかった物全部取って行く。特に紗椰姉と同じ物を欲したら全部取られる。貴方すら奪って行くのね。ほんっとに、紗椰姉なんて大嫌い。柊君は欲しかったのになぁ。」
という声がどこからか聞こえその声の主は僕が気付く前に消えていた。
そのあとは何とか学校を抜け出し無事にカラオケに行ったと思って欲しい。行っけてないから。トホホ。
高校生というのはなかなか大変なものである。中学校という誰でも通える学舎からでていつも何かに追われているのだ。友達との話についていかなければ友達から見捨てられ、付き合いやノリが悪ければ先輩からも見放され、勉強ができなければ学校から見放される。あぁなんでこんな道選んだんだろ。なんてしょっちゅう思う。
想像じゃない未来に立つ事がどんなに大変か僕は今よくわかる。
でも、もしかしたら、この壊れた僕の世界の予兆はこの時既に始まってたのかな?
秋晴れの空の下。僕らはクラスでテスト返却を受けていた。
「はぁ、あーまたテストの点悪かった。」
こんな呆れた顔で、こんなことを言うの大抵、牧 祐桜だ。クラスの副委員長をやっていながらあまり自慢できない様な点をとる真面目系なのかお調子者系なのかわからないやつだ。
「祐桜どうした?お前は欠点ないだけましだよ。あいつ見てみろよ森月の馬鹿なんてまた欠点だぞ。ざまねぇな。」
「湖渡樹励ましか?なってないぞ。あんな馬鹿と一緒にするなよ。」
「もう、そんなこと言ったらかわいそうじゃない?彼だってとりたくて取ってる訳じゃないのよ」
橘 深愛まで入ってきた。
「そんな事言ってやるな。いつか見返されても知んねーぞ。」
「あら、湖渡私によくそんな事が言えるわね。誰かな?私に数学わからないからって泣き付いて来たのは?あれれ?」
「その節は、ありがとうございました。何とぞ次回もよろしくお願いいたします。深愛様。」
この深愛様じゃなかった、深愛とは保育園からの腐れ縁で下手な夫婦より多分長い時間を過ごしている。家も近く普通に言うと幼なじみだ。しかも両方の親同士も仲が良くしょっちゅう親だけで外食をしているため二人で食事をする事も少なくは無い。さらに、僕には妹が深愛には弟がいるのだが弟と妹が小学生になったということもあり手間があまりかからなくなると僕達に押し付けどこかに行ってしまうのだ。
これは黒歴史だが中学3年、つまり去年までは深愛の頼みで一緒に風呂に入って同じ布団で寝るという本当に夫婦みたいな事になっていた日もよくある。えーと深愛と出会ったので一番古い記憶は3才の時の遠足だから、なぬ、13年間もほとんど一緒ってすごいわー。
ちなみに、祐桜と出会ったのはこの春の入学式の日に深愛をナンパしようとしていた先輩から助けてくれた事から仲良くなった。過去の事はあまり喋りたがらないので深愛と僕の昔話によく耳を傾け楽しそうに聞いている。
「なぁなぁ湖渡樹、カラオケ行かね?いや、何つーか、期末終った記念みたいな感じ?」
「いや、僕は構わんけど今日も親がどっか行くみたいだからさ深愛の了承も取らないと怒られるんだよなぁ。あ、深愛行ってもいい?」
「私も行く!」
「あ、なら華深愛ちゃんも来るなら俺はキノちゃん誘っかなぁ。」
そんな事を言う祐桜を眼鏡をかけたいかにも真面目って感じの女の子が睨み少し恥ずかしそうにしてる。
「なぁ祐桜、キノもいいけど委員長ちゃんでも誘ったら?」
するとその恥ずかしそうにしてた娘はニカッと明るくなった。
「え、なんで鈴等矢を?」
「なんでって、まぁいいや。」
するとその娘は少し幻滅してた。だが、怒ったような不安気なような声で深愛が、
「湖渡って香穂ちゃんが好きなの?」
香穂ちゃんとは多分委員長ちゃんの事だな。と頭の中で変換し、
「んにゃ。僕は、僕は、へぇっ、僕って誰が好きなの?」
この時疑問に思ってしまった。僕は誰が好きなのだろうか。果たしてこの疑問は抱いて良いものだったのだろうか。後に答えは出るがそれはうっすらとで、さらに答えがでた時だとある意味では遅過ぎる事など僕はこの時は知らなかった。
「私知ってるよ。湖渡が好きな人。多分正解。」
「おっ、さすが華深愛ちゃん。いよっ幼なじみ。」
「それはね。わ、た、し。」
と、言いながら深愛は抱きついてきた。
「湖渡君大好き。あー、湖渡君嬉しい。湖渡くーーーん。」
と言いながら羽交い締めにしようとする。さすがにこれ以上深愛の暴走を認めてしまっては後が無い。その時変なスイッチが入ってしまった。
「違わい!そうだな、僕が好きなのは皇先輩だ。」
と、つい叫んでしまっていた。もちろん放課後でガヤガヤしていた教室は一気に静まりかえり、どっ!と、うるさくなった。
「えー!柊君本当なの?」
「うぁー、あの魔性の女め。ついに柊君さえ捕まえたとは......。」
「皇先輩俺も狙ってたのにお前相手とか勝ち目ねぇーじゃん。」
「速報速報。柊湖渡樹、皇先輩好き宣言。」
「私柊君の事気になってたのに。」
やべ、口から出任せにしては広がり過ぎた。
「湖渡君嘘だよね。」
深愛が幻滅し生きる気力を失った声で聞いてきた。
「当たり前だ。深愛の暴走止めるための嘘だ。」
そんな事を言ってると、
「皇先輩、皇先輩って。いつもいつも、いっつも皆の注目を集めるのはお姉ちゃん達。私の欲しかった物全部取って行く。特に紗椰姉と同じ物を欲したら全部取られる。貴方すら奪って行くのね。ほんっとに、紗椰姉なんて大嫌い。柊君は欲しかったのになぁ。」
という声がどこからか聞こえその声の主は僕が気付く前に消えていた。
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