29 / 49
28 悪い警官(クラウス視点)
しおりを挟む
皇帝の到着を告げるフリッツの報告に、顔がこわばる。我ながら小心者だ、それもそのはず━━ほんの数年前まで、私はグレッツナー家の家宰にすぎなかった。そのグレッツナー家も、いまのように豊かではなかったし、私が三十代で家宰にひきたてられたのも、俸給がやすかったからというのが主な理由だったろう。
すべては御前さまがグレッツナー家に引き取られてからはじまったのだ。私は主人であるコンラートさまに秘密で、御前さまとともに数々の事業をものにしてきた。そしてついにカーマクゥラの四天王と呼ばれるまでになった。
私ごとき小物が、世界を支配する手伝いをしている━━だから失敗するわけにはいかないのだ。ついに皇帝までをも手にかけることになったとしても。御前さまのおおせは絶対だ。だから私は、これから皇帝に無礼を働かねばならない。
馬車が屋敷の前に到着した。まずは護衛の騎士が馬車の周りを固める。そしてディートハルト皇子が、続いて皇帝が馬車から降りてきた。皇帝の態度はさすがというしかない。紙と土と木材でできた前衛的なこの屋敷を見て、とくに戸惑うそぶりがない。対してディートハルトはキョロキョロとあたりを見回していた。
帝都のはずれ、小さな湖のそば、森にかこまれた1000エーカーにもおよぶ敷地には、黒き瓦と白き土壁の豪壮な屋敷がある。その名をカーマクゥラと呼ぶものは、人類のごく一部。貴族と呼ばれる人種だけだ。その社会の影の頂点に、ついに皇帝が行幸したのだ。
私は皇帝に向かって距離を詰め、あえて無造作に手を差し出す。
「御前さまにお目見えするにあたり、護衛は認められない。それから━━ヴィルヘルム12世および、その子ディートハルトは、武器を預からせてもらう」
私の傲然とした口調に、ディートハルトがいきりたった。
「無礼なっ、護衛の件はさておき、皇帝陛下から剣をとりあげるなど、礼を欠くにもほどがある。我らは亡国の降将ではないのだぞ!」
「どこが違うというのかね?」
私が失笑すると、剣のつかに手をかけたディートハルトを、皇帝が手で制した。
「我が子ディートハルトが失礼した。貴殿を信頼して、剣を預けよう」
「陛下!」
「そなたは黙っておれ、ディートハルト。カーマクゥラの幹部に対し、余はひざをつかねばならない立場なのだ」
ふむ、皇帝はいまの情勢をきちんと理解している。私は御前さまに抱くそれに近い畏敬を、皇帝に感じた。だがここで態度をゆるめるわけにはいかない。
「もっと詳しく教えてやったらどうかね?」
私の言葉に、皇帝の眉がわずかに反応する。
「ディートハルトが御前さまと対面して、暴発するようなことがあっては困るのだ。あなたが教えられないなら私の口から説明してやっても良い。帝国がすでに滅んでいることを」
「なにっ」
顔をしかめるディートハルトに、私は懇切丁寧な侮辱をくわえる。
「帝室といえど、もとをただせば山師の子孫。初代高祖皇帝は、王族とも貴族ともいえぬ卑賤の身から出て国を奪い、口八丁に手八丁で諸侯を丸め込んで、世界の頂点に君臨したのだ。そもそも累代の高貴な血統であらせられる御前さまに対し、ひざをつくのは当たり前のことだ。たかだか700年の歴史を誇るとは、愚かなこと。帝家をのぞくほかの諸侯は、神代より続く数千年の歴史を背負っている。いまでこそ貴族と呼ばれてはいても、そもそも王族だった者たちなのだ」
血統の原理などいかがわしいが、この際、侮辱にあたる言葉ならなんでもいい。わなわなと震えるディートハルトをまえに、演説を続ける。
「だからあなたがた皇族は、諸侯に対して、つねにご機嫌をうかがい、媚びへつらって、下僕のように働かねばならなかった。それだというのにディートハルト、あなたはなにを勘違いしたのか、東の大国アードルングの子孫に対し、糞尿を浴びせかけるような無礼をはたらいた。貴族たちが連帯して帝室に否を突きつけたのも、当然のことだろう。彼らは言っている━━あなたがたは我々貴族を統めるのにふさわしくないと」
皇帝は沈痛なおももちで私の発言を聞いている。私の言うことが、なかば真実を告げているのだとわかっているからだ。
「あなたがたは担がれた神輿に過ぎない。あなたがたに自己主張などは必要ない。真に国を治めているのは貴族なのだから。その貴族が担ぐのをやめた瞬間、帝家の天下などあっというまに終わる。流血すら必要ない。だから言っているのだ━━帝国はすでに滅んだと」
ディートハルトの手が、ついに剣のつかから離れた。いまはだらりと脱力している。当然だろう━━自分の先走った行動のせいで、国を滅ぼしてしまったのだから。
「御前さまは真に貴族の頂点に立つお方。そして慈悲深くもある。だから御前さまは、貴族たちの心中をおもんばかって、心を痛めておいでになる。謝罪をするなど、当たり前のことだ。帝家にとって今日この日の意味とは、神の怒りに触れたことに対する、罰を受けることだ。言い訳をするのも、再発防止を誓うのも、アードルング家への保障をおこなうのも、すべてあなたがたのための振る舞いでしかない。ステージはすでにそんな段階ではないのだ」
「それでは、御前さまは帝家をご赦免くださらぬと…」
皇帝が苦痛に満ちた表情で問う。この数日でずいぶん老け込んだのだろう、目の下のくまといい、土気色の顔色といい、ほとんど死にかけの病人だ。だが私は、この哀れな男に安らぎを与えたりしない。私の役割はそんなことではない。
「さて、御前さまのお心はわからないが━━ふつうに考えれば、いちどでも人の手を噛んだ犬は害獣だ。害獣は駆除しなければならない。ゆえに帝国はいったん幕を降ろすだろう。再開するとしたら、担ぎあげられるのは別の神輿ではないかね?」
侮辱をあたえ、絶望をあたえる。それこそが私に与えられた役割だ。まるで悪役ではないか。だが舞台にはそれぞれ配役というものがあり、誰かがこの役を演じなければならない。そしておそらく、この役を演じられる俳優は、現在の世界情勢において、私をおいてほかにないのだ。
剣を預けて屋敷の中に入っていくふたりの後ろ姿を見つめながら、私は自分の役割をきちんと演じきったことに、ほっと胸をなでおろした。
すべては御前さまがグレッツナー家に引き取られてからはじまったのだ。私は主人であるコンラートさまに秘密で、御前さまとともに数々の事業をものにしてきた。そしてついにカーマクゥラの四天王と呼ばれるまでになった。
私ごとき小物が、世界を支配する手伝いをしている━━だから失敗するわけにはいかないのだ。ついに皇帝までをも手にかけることになったとしても。御前さまのおおせは絶対だ。だから私は、これから皇帝に無礼を働かねばならない。
馬車が屋敷の前に到着した。まずは護衛の騎士が馬車の周りを固める。そしてディートハルト皇子が、続いて皇帝が馬車から降りてきた。皇帝の態度はさすがというしかない。紙と土と木材でできた前衛的なこの屋敷を見て、とくに戸惑うそぶりがない。対してディートハルトはキョロキョロとあたりを見回していた。
帝都のはずれ、小さな湖のそば、森にかこまれた1000エーカーにもおよぶ敷地には、黒き瓦と白き土壁の豪壮な屋敷がある。その名をカーマクゥラと呼ぶものは、人類のごく一部。貴族と呼ばれる人種だけだ。その社会の影の頂点に、ついに皇帝が行幸したのだ。
私は皇帝に向かって距離を詰め、あえて無造作に手を差し出す。
「御前さまにお目見えするにあたり、護衛は認められない。それから━━ヴィルヘルム12世および、その子ディートハルトは、武器を預からせてもらう」
私の傲然とした口調に、ディートハルトがいきりたった。
「無礼なっ、護衛の件はさておき、皇帝陛下から剣をとりあげるなど、礼を欠くにもほどがある。我らは亡国の降将ではないのだぞ!」
「どこが違うというのかね?」
私が失笑すると、剣のつかに手をかけたディートハルトを、皇帝が手で制した。
「我が子ディートハルトが失礼した。貴殿を信頼して、剣を預けよう」
「陛下!」
「そなたは黙っておれ、ディートハルト。カーマクゥラの幹部に対し、余はひざをつかねばならない立場なのだ」
ふむ、皇帝はいまの情勢をきちんと理解している。私は御前さまに抱くそれに近い畏敬を、皇帝に感じた。だがここで態度をゆるめるわけにはいかない。
「もっと詳しく教えてやったらどうかね?」
私の言葉に、皇帝の眉がわずかに反応する。
「ディートハルトが御前さまと対面して、暴発するようなことがあっては困るのだ。あなたが教えられないなら私の口から説明してやっても良い。帝国がすでに滅んでいることを」
「なにっ」
顔をしかめるディートハルトに、私は懇切丁寧な侮辱をくわえる。
「帝室といえど、もとをただせば山師の子孫。初代高祖皇帝は、王族とも貴族ともいえぬ卑賤の身から出て国を奪い、口八丁に手八丁で諸侯を丸め込んで、世界の頂点に君臨したのだ。そもそも累代の高貴な血統であらせられる御前さまに対し、ひざをつくのは当たり前のことだ。たかだか700年の歴史を誇るとは、愚かなこと。帝家をのぞくほかの諸侯は、神代より続く数千年の歴史を背負っている。いまでこそ貴族と呼ばれてはいても、そもそも王族だった者たちなのだ」
血統の原理などいかがわしいが、この際、侮辱にあたる言葉ならなんでもいい。わなわなと震えるディートハルトをまえに、演説を続ける。
「だからあなたがた皇族は、諸侯に対して、つねにご機嫌をうかがい、媚びへつらって、下僕のように働かねばならなかった。それだというのにディートハルト、あなたはなにを勘違いしたのか、東の大国アードルングの子孫に対し、糞尿を浴びせかけるような無礼をはたらいた。貴族たちが連帯して帝室に否を突きつけたのも、当然のことだろう。彼らは言っている━━あなたがたは我々貴族を統めるのにふさわしくないと」
皇帝は沈痛なおももちで私の発言を聞いている。私の言うことが、なかば真実を告げているのだとわかっているからだ。
「あなたがたは担がれた神輿に過ぎない。あなたがたに自己主張などは必要ない。真に国を治めているのは貴族なのだから。その貴族が担ぐのをやめた瞬間、帝家の天下などあっというまに終わる。流血すら必要ない。だから言っているのだ━━帝国はすでに滅んだと」
ディートハルトの手が、ついに剣のつかから離れた。いまはだらりと脱力している。当然だろう━━自分の先走った行動のせいで、国を滅ぼしてしまったのだから。
「御前さまは真に貴族の頂点に立つお方。そして慈悲深くもある。だから御前さまは、貴族たちの心中をおもんばかって、心を痛めておいでになる。謝罪をするなど、当たり前のことだ。帝家にとって今日この日の意味とは、神の怒りに触れたことに対する、罰を受けることだ。言い訳をするのも、再発防止を誓うのも、アードルング家への保障をおこなうのも、すべてあなたがたのための振る舞いでしかない。ステージはすでにそんな段階ではないのだ」
「それでは、御前さまは帝家をご赦免くださらぬと…」
皇帝が苦痛に満ちた表情で問う。この数日でずいぶん老け込んだのだろう、目の下のくまといい、土気色の顔色といい、ほとんど死にかけの病人だ。だが私は、この哀れな男に安らぎを与えたりしない。私の役割はそんなことではない。
「さて、御前さまのお心はわからないが━━ふつうに考えれば、いちどでも人の手を噛んだ犬は害獣だ。害獣は駆除しなければならない。ゆえに帝国はいったん幕を降ろすだろう。再開するとしたら、担ぎあげられるのは別の神輿ではないかね?」
侮辱をあたえ、絶望をあたえる。それこそが私に与えられた役割だ。まるで悪役ではないか。だが舞台にはそれぞれ配役というものがあり、誰かがこの役を演じなければならない。そしておそらく、この役を演じられる俳優は、現在の世界情勢において、私をおいてほかにないのだ。
剣を預けて屋敷の中に入っていくふたりの後ろ姿を見つめながら、私は自分の役割をきちんと演じきったことに、ほっと胸をなでおろした。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
海千山千の金貸しババア、弱小伯爵令嬢に生まれ変わる。~皇帝陛下をひざまずかせるまで止まらない成り上がりストーリー~
河内まもる
恋愛
かつて金と暴力によって裏社会の顔役にまでのし上がった『金貸しのしらみ』。
ひょんなことから乙女ゲームの主人公に転生した彼女は、8歳で伯爵家に迎えられ貴族令嬢となる。
この物語は伯爵令嬢となったかつての因業ババアが、生まれ落ちた世界で帝国最大の権力を得、乙女ゲームの舞台である『学園』へ入学するまでの軌跡を追った成り上がりストーリーである。
※続編として『悪役令嬢より悪役な〜乙女ゲームの主人公は世界を牛耳る闇の黒幕~(https://www.alphapolis.co.jp/novel/693761111/990498402)がございます。よろしければそちらもどうぞ。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
元ヤンが転生したら悪役令嬢だったんだけど。喧嘩上等!?
猫又
恋愛
元ヤンキーのあたし、真理亜。今は更生して父親と弟三人の世話を焼いて暮らしていたんだけど、どうも死んだらしい。気がついたら借り物の乙女ゲームの世界の中に転生してた。どーなんの? 令嬢とか絶対無理っしょ。
皇太子の婚約者? 無理……え? 婚約破棄された側? なんかヒソヒソ言われてるし無性に腹立つんですけど!
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!
参
恋愛
男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。
ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。
全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?!
※結構ふざけたラブコメです。
恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。
ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。
前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
聖獣の卵を保護するため、騎士団長と契約結婚いたします。仮の妻なのに、なぜか大切にされすぎていて、溺愛されていると勘違いしてしまいそうです
石河 翠
恋愛
騎士団の食堂で働くエリカは、自宅の庭で聖獣の卵を発見する。
聖獣が大好きなエリカは保護を希望するが、領主に卵を預けるようにと言われてしまった。卵の保護主は、魔力や財力、社会的な地位が重要視されるというのだ。
やけになったエリカは場末の酒場で酔っ払ったあげく、通りすがりの騎士団長に契約結婚してほしいと唐突に泣きつく。すると意外にもその場で承諾されてしまった。
女っ気のない堅物な騎士団長だったはずが、妻となったエリカへの態度は甘く優しいもので、彼女は思わずときめいてしまい……。
素直でまっすぐ一生懸命なヒロインと、実はヒロインにずっと片思いしていた真面目な騎士団長の恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID749781)をお借りしております。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる