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疲れる昼休み
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授業が終わって昼休み。
真嶋に呼び出されて、今は使われていない教室の中で姉が作ってくれた手作り弁当を2人で貪っている。
てか俺の弁当食うなよ。自分の食べろよ。
「はぁ~…ついにひさちゃんがねぇ…」
口元に米粒をつけながら、もごもごと喋る真嶋。
思った通り、面倒な話になりそうだ。
「ひさちゃんにやっと友達ができたんだねぇ~」
「ぐえっ…やめ、くっつくなよアホ教師っ」
ぎゅっと抱きついてきたヤツは俺の胸にぐりぐりと頭を擦りつけて嬉しそうな表情を浮かべている。
お前は俺の親かっ。
「離れろ、誰かに見られたらどうすんだよっ…」
「スキャンダルねうふふ」
「キモイ」
べりっと自分から真嶋を引き剥がすと、はぁ、とひとつため息をこぼした。
「第一、桜空とは友達ってほどじゃないし」
「あらら、名前呼び」
「……」
「友達のアカシじゃんかよぅ」
ういうい~とめっちゃくちゃにウザイ絡み方をしてきたこいつをジト目で見た。
「もう用ないなら教室戻る」
そう言って弁当箱を片付け始めた俺「ちょちょちょ~っ」と止めてきた。
顔はいいくせに何でこうも残念なんだろう。
「なに」
「姉ちゃん紹介してよ」
「断るっつってんだろ」
イラッときてついつい舌打ちをしてしまった。
いけない、抑えろ自分。
ふぅ…と呼吸を整えていると「じゃあ」と呟いた真嶋が、俺の顎に指を添える。
「お前でいいや」
始まった。これは真嶋の悪い癖だ。
こうして口説かれたのは3回目のこと。1番最初は「は?」と思わず低い声が漏れてしまっていたな。
「断る」
「えー!女装してよぉ~!!」
「やだ」
アホすぎるだろこの教師。
そそくさと足早に空き教室を出ると、俺は、急いで桜空のいる教室に戻った。
ーーーーーーーーー
「はぁ~…ひさちゃんってなんでああも天然なんでしょねぇ…」
1人になった空間で、寂しく声が響く。
実は割とマジなんですけどねぇ…。
真嶋に呼び出されて、今は使われていない教室の中で姉が作ってくれた手作り弁当を2人で貪っている。
てか俺の弁当食うなよ。自分の食べろよ。
「はぁ~…ついにひさちゃんがねぇ…」
口元に米粒をつけながら、もごもごと喋る真嶋。
思った通り、面倒な話になりそうだ。
「ひさちゃんにやっと友達ができたんだねぇ~」
「ぐえっ…やめ、くっつくなよアホ教師っ」
ぎゅっと抱きついてきたヤツは俺の胸にぐりぐりと頭を擦りつけて嬉しそうな表情を浮かべている。
お前は俺の親かっ。
「離れろ、誰かに見られたらどうすんだよっ…」
「スキャンダルねうふふ」
「キモイ」
べりっと自分から真嶋を引き剥がすと、はぁ、とひとつため息をこぼした。
「第一、桜空とは友達ってほどじゃないし」
「あらら、名前呼び」
「……」
「友達のアカシじゃんかよぅ」
ういうい~とめっちゃくちゃにウザイ絡み方をしてきたこいつをジト目で見た。
「もう用ないなら教室戻る」
そう言って弁当箱を片付け始めた俺「ちょちょちょ~っ」と止めてきた。
顔はいいくせに何でこうも残念なんだろう。
「なに」
「姉ちゃん紹介してよ」
「断るっつってんだろ」
イラッときてついつい舌打ちをしてしまった。
いけない、抑えろ自分。
ふぅ…と呼吸を整えていると「じゃあ」と呟いた真嶋が、俺の顎に指を添える。
「お前でいいや」
始まった。これは真嶋の悪い癖だ。
こうして口説かれたのは3回目のこと。1番最初は「は?」と思わず低い声が漏れてしまっていたな。
「断る」
「えー!女装してよぉ~!!」
「やだ」
アホすぎるだろこの教師。
そそくさと足早に空き教室を出ると、俺は、急いで桜空のいる教室に戻った。
ーーーーーーーーー
「はぁ~…ひさちゃんってなんでああも天然なんでしょねぇ…」
1人になった空間で、寂しく声が響く。
実は割とマジなんですけどねぇ…。
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