ネカフェに住むチャラそうな男について行ったら抱きしめられてプロポーズされました。

sae

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ネカフェに連れ込んだ男はいろいろ目論んでいる。

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 ネカフェに向かう中、終始ワクワクしている様子の友香子がいる。
 前園が祇園でどうせ遊んでる、それをどこまで感じ取ってるのか。そしてこぼされた本音が俺の胸をくすぐったんだ。

「いいよね、旅行気分で羨ましい。私なんかどこにも行ってないのに」
 しゅんとした寂しそうな顔目の前でされてさぁ!どっか連れてってやりてぇってなんじゃん!そんで行きたいって言うところがネカフェだって!はぁ?くそ可愛くね?そんなところ今時高校生でもそこまでテンション上げねぇぞ。

 隣の部屋に友香子がいる、めちゃくちゃ意識してしまうが、どこか夢みたいな気もして。職場を離れたところで、俺はいつか友香子を忘れられるんだろうか。この気持ちをどう消化させていくのか、それならいっそちゃんと振られた方がいいんじゃないか。そんなこと思ってたら全然ゲームも集中できない。へッドフォン外して天井見あげてたら”コンコン”って……。

(……ちょい。あいつさぁ……可愛いことしすぎじゃんな)

 時計見たら23時過ぎている。まだ起きてんのかよ、そう思いつつもノックを返したら特に何も返ってこないから。”おやすみ”のノック?それはそれでクソ可愛いな、とか思ってたらいきなりドアが叩かれた。

「なぁ、何考えてんの?」
 犯すぞ、バカやろう。

「どんな住まいなのか見て見たくて……」
 住まいってアホか。そこまで本気で住んでねぇわ、バカやろう。

「お前さ、寝ないの?」
 頼むし寝てくれよ、俺だって寝れねぇよ。

「寝られそうにない」
 どんだけ興奮してんだネカフェごときに!本気で可愛いな!マジで犯すぞ、バカやろう!

 そんでやっぱりゲームにも興味示してあっさり個室の中に入り込んでマットの上に座り込む友香子……超絶可愛い。この時にはほぼ襲う気でいた。振られる覚悟より捕まる覚悟だったけど、それでもいいくらいもう友香子が欲しくて。

 だって……。

(この距離で、この無防備さで、はしゃいだり落ち込んだり……そんでもう……)

 前園の話すんな。俺の前で、友香子の口が前園のことを話すのなんか聞きたくない。

「彼氏いるのも知ってるし、傷つけてやりたいって思う事もあるよ」
 その無頓着で自分の気持ちに蓋して傷ついてないフリしてんなよ。寂しかったら泣けばいいし、一緒にいてって言えばいいじゃねぇか。どこにも行かないでって、なんで言わない?置いていくなって、一緒に行きたいってお前だって言っていいんだ。それだけ前園に寂しい思いさせられて傷ついてるって、ちゃんと自覚しろ。

「彼氏に言えない秘密……作ってやろうか?」

 友香子は真面目な性格だから。今までも親の言う通り、自分の意志だけじゃなく決められたレールだけ歩いてきたみたいな感じだから、きっとキスひとつでどうしようってなるんだろうな。

 悪いけどな、その性格逆手に取ってやるよ。

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