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本章
Episode4/覚悟
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「う……わぁー」
淡い白色を基調とした和モダンな部屋、大きな窓の向こうは日本庭園の緑が広がっていてバルコニーでそれを楽しめるようになっていた。洗練された情緒美を演出された室内は落ち着いていてここだけが特別な異空間の様だった。
「ぶ、部長、ちょっと外出てもいいですか?」
「お好きにどうぞ」
興奮しているあかりを少し呆れたように見つめつつ不破はネクタイを緩めながら思う。
(まさかこんな形であいつのことを手に入れられるなんてな)
不破はあかりに惚れていた。
単純に見た目が好みで一目惚れだった。そこに自分の部下として配属され毎日そばで働くあかりを見続けていたらその思いは膨らむばかり。
けれど上司としてその線引きをこえることに躊躇いしかなかった。
あかりを困らせるだろうと思う気持ちと、あかり自身が自分を上司としてしか見ていないのが目に見えていたからだ。
(こんなチャンスないわ、とりあえず恋愛なんかどうでもいい。まず身体から手懐けて落とすしかない、ていうか孕ませたらいいってこと?最高過ぎないか、それ)
そんな邪な思いが本音だが、あかりの気持ちに寄り添うつもりはもちろんあった。
蓋を開ければ寂しさの極致にいたあかり。孤独にまれて壊れてしまうのではないか、不破は話を聞いているときそんな感覚に襲われてなんとかそこから救い出してやりたくなった。
あかりは他人ではない、家族を求めている。 自分と繋がる血を必要としている、そこに不破は該当されない。それを言われて不破はとてもショックだった。
だから提案した、投げかけた。
誰かもわからない人間と繋がろうとするあかりをどうしても許せなかったのもある、それなら自分の手であかりの求めるものを植え付けたい、そして、そのままあかりごと自分のものにしたかった。
「風邪ひくなよ」
夜風はまだ冷たい、冷えてきた夜に肌を撫でる風はひんやりし過ぎていた。それでもあかりは心地よさそうに風を感じて目の前に広がる庭園を眺めている。その横顔は凛としているのにやはりどこか切なげで……不破は見つめてしまう。あかりの横顔を、この横顔を自分に向けさせたい、そう思った。
「こんな興奮した夜にはちょうどいい風です、気持ちいい……」
薄暗い中、庭園を照らしている照明が反射されてあかりの白い肌を照らす。
「部長は……部下のためならここまで体を張れるんですか?」
あかりの問いに不破が笑った。
「そんなこともないよ」
「私にしかメリットがありません」
「……そんなこともないよ」
不破は同じことしか言わない。
「部長のメリットはなんですか?」
あかりにまっすぐ見つめられて不破は考える。ここであかりが好きだと告白したらどうなるだろう、と。
あかりは逆に戸惑ってこの関係を断るかもしれない。好意を感じたら離れられそうな気がした。不破の気持ちを利用する、そう取りそうで気持ちを晒すことが得策とは思えなかった。
(できるなら天野から俺と離れられないって思ってほしいんだよな)
不破の思いはまだ言えない。
あかりが不破を意識して求めているとわかるまで――この気持ちは言わずにいる。
「都合のいい女が欲しいかなー」
あえてそんな雑な言葉で片付けた。
不破の口から放たれるにはあまりに乱暴でショックな言葉で、あかりはその瞬間内心ガッカリした。その顔がそのまま出たのだろう、不破がフッと笑って言ってくる。
「精子売ってくれる男の方がマシだった?」
「……セフレが欲しいってことですか?」
「セフレっていうか……セフレになんのかな、この関係って」
不破の手があかりの頬に触れた。あかりは瞬間身体がびくりとしたが恐怖や不快な感情ではない、単純にドキリとした胸の高鳴りに身体まで震えた、そんな感じだった。
「抱きたいときに抱ける女がいたらいいなって、ごめんな、俺そんなこと思う男だよ。ガッカリした?」
そんな風に言えばあかりは幻滅して話をなかったことにするかもしれないな、そんなことを思っていたらまたあかりはしれっと返してくる。
「……ガッカリというか……いません?そんな人。部長が頼めばだいたいオッケーしてくれると思いますよ?」
「いるか、しかも頼めるかそんな俺にだけ都合のいいこと」
「部長は……恋人はいないんですか?」
「愚問だろ、それ」
それはそうか、とあかりも納得する。恋人がいるならそんなことをわざわざほかの女に頼まなくてもいい、いやでもセフレなら恋人がいても欲しいものなのか?あかりもだんだんよくわからなくなる。
それよりも――。
「結婚は……考えてないんですか?」
「んー、考えてなかったなぁ。生活の中でそこはあんまり必要性を感じてない」
不破の言葉に意外だな、とあかりは思った。
不破はもっと未来計画をきちんと持っているのだと思っていた。長く付き合っている恋人がいてタイミングで結婚してその相手と子供を作り、この先も出世して安定に不自由なく生きていくんだろう、そんな風に思っていたし、そんな未来がとても良く似合う。
適当に女を抱いて今だけをやり過ごすようなそんな男には見えない。まして好きでもない女に子供を授けさせようとする男には見えなかった。
「子供産むにしてもさ、ほかにどんなこと考えてる?」
不破に聞かれてあかりは考える。
まずは妊娠すること、それが一番にあってその悩みが達成されることこそ難題だったので今初めてちゃんとそのことについて考えてみる。
「相手に……認知もしてもらえたら幸せかなって思います。それは養育費とかそういうことではなく、私になにかあったとき、子供がまた私と同じ思いをすることになるので……繋がりを絶たせたくない……でもそれは、私の気持ちであって……父親となる人も子供にとっても迷惑なことかもしれません。だから要相談になはります、ね……そういう考え、くらいでしょうか」
遠慮がちに、けれどしっかりと意思を持った声であかりが言う言葉を静かに聞きながら不破は思う。あかりは本当に子供が欲しいのだと、産む覚悟を本気で持っている、それを感じた。
「認知ね……ほかには?」
「とくに、ありません。親権と認知のことしかあまり考えていません、すみません」
「そう……俺さ、大学の時レーザーを使って原子や分子の実験ずっとしてたからさ、電磁波めちゃめちゃ浴びてるんだよね。一つの仮説としてよく聞くんだけど、女の子しか産まれない説があってさ。大学のツレの子供も今のところみんな女の子産んでる、血とか子孫残したいなら男の方がいい気がするけど、男は産まれないかもしれないよ?それでもいい?」
「……そこまではこだわってませんでした、なんなら希望は女の子で……だからなお理想的です……いやもう授かれたら別に性別なんかどっちでもいいけど……女の子ならとても嬉しいです」
想像しているのか頬をピンク色に染めたあかりの目が初めて高揚したように潤んでいる。その表情は不破の心を揺さぶった、可愛い、そう思った。
(やべ、めっちゃ可愛いじゃん、こいつ……)
「俺からの要望は一個」
「――はい」
「俺が抱きたいときに抱く、天野の都合は基本聞かない、それでもいいならお前の希望に沿ったものを提供するよ」
「……」
「ちゃんと俺のメリットあるだろ?天野にだけ都合のいい話じゃないよ」
「なるほど」
どこまで納得したのか。それでもあかりが頷いたその瞳はどこか吹っ切れたように見えた。お互いのメリットを感じたのかあかりの表情はどこか明るくなった気がした。
そしてあかりは思う。不破の瞳が真剣だった、この関係の始まりは遊びではない、お互いの目的があって成立した契約がある、そう感じて瞬間胸の奥で何かがストンと落ちた。なにか――それはきっと覚悟、だった気がする。
「――宜しくお願い致します」
あかりは深々と目の前の上司に頭を下げたのだ。
淡い白色を基調とした和モダンな部屋、大きな窓の向こうは日本庭園の緑が広がっていてバルコニーでそれを楽しめるようになっていた。洗練された情緒美を演出された室内は落ち着いていてここだけが特別な異空間の様だった。
「ぶ、部長、ちょっと外出てもいいですか?」
「お好きにどうぞ」
興奮しているあかりを少し呆れたように見つめつつ不破はネクタイを緩めながら思う。
(まさかこんな形であいつのことを手に入れられるなんてな)
不破はあかりに惚れていた。
単純に見た目が好みで一目惚れだった。そこに自分の部下として配属され毎日そばで働くあかりを見続けていたらその思いは膨らむばかり。
けれど上司としてその線引きをこえることに躊躇いしかなかった。
あかりを困らせるだろうと思う気持ちと、あかり自身が自分を上司としてしか見ていないのが目に見えていたからだ。
(こんなチャンスないわ、とりあえず恋愛なんかどうでもいい。まず身体から手懐けて落とすしかない、ていうか孕ませたらいいってこと?最高過ぎないか、それ)
そんな邪な思いが本音だが、あかりの気持ちに寄り添うつもりはもちろんあった。
蓋を開ければ寂しさの極致にいたあかり。孤独にまれて壊れてしまうのではないか、不破は話を聞いているときそんな感覚に襲われてなんとかそこから救い出してやりたくなった。
あかりは他人ではない、家族を求めている。 自分と繋がる血を必要としている、そこに不破は該当されない。それを言われて不破はとてもショックだった。
だから提案した、投げかけた。
誰かもわからない人間と繋がろうとするあかりをどうしても許せなかったのもある、それなら自分の手であかりの求めるものを植え付けたい、そして、そのままあかりごと自分のものにしたかった。
「風邪ひくなよ」
夜風はまだ冷たい、冷えてきた夜に肌を撫でる風はひんやりし過ぎていた。それでもあかりは心地よさそうに風を感じて目の前に広がる庭園を眺めている。その横顔は凛としているのにやはりどこか切なげで……不破は見つめてしまう。あかりの横顔を、この横顔を自分に向けさせたい、そう思った。
「こんな興奮した夜にはちょうどいい風です、気持ちいい……」
薄暗い中、庭園を照らしている照明が反射されてあかりの白い肌を照らす。
「部長は……部下のためならここまで体を張れるんですか?」
あかりの問いに不破が笑った。
「そんなこともないよ」
「私にしかメリットがありません」
「……そんなこともないよ」
不破は同じことしか言わない。
「部長のメリットはなんですか?」
あかりにまっすぐ見つめられて不破は考える。ここであかりが好きだと告白したらどうなるだろう、と。
あかりは逆に戸惑ってこの関係を断るかもしれない。好意を感じたら離れられそうな気がした。不破の気持ちを利用する、そう取りそうで気持ちを晒すことが得策とは思えなかった。
(できるなら天野から俺と離れられないって思ってほしいんだよな)
不破の思いはまだ言えない。
あかりが不破を意識して求めているとわかるまで――この気持ちは言わずにいる。
「都合のいい女が欲しいかなー」
あえてそんな雑な言葉で片付けた。
不破の口から放たれるにはあまりに乱暴でショックな言葉で、あかりはその瞬間内心ガッカリした。その顔がそのまま出たのだろう、不破がフッと笑って言ってくる。
「精子売ってくれる男の方がマシだった?」
「……セフレが欲しいってことですか?」
「セフレっていうか……セフレになんのかな、この関係って」
不破の手があかりの頬に触れた。あかりは瞬間身体がびくりとしたが恐怖や不快な感情ではない、単純にドキリとした胸の高鳴りに身体まで震えた、そんな感じだった。
「抱きたいときに抱ける女がいたらいいなって、ごめんな、俺そんなこと思う男だよ。ガッカリした?」
そんな風に言えばあかりは幻滅して話をなかったことにするかもしれないな、そんなことを思っていたらまたあかりはしれっと返してくる。
「……ガッカリというか……いません?そんな人。部長が頼めばだいたいオッケーしてくれると思いますよ?」
「いるか、しかも頼めるかそんな俺にだけ都合のいいこと」
「部長は……恋人はいないんですか?」
「愚問だろ、それ」
それはそうか、とあかりも納得する。恋人がいるならそんなことをわざわざほかの女に頼まなくてもいい、いやでもセフレなら恋人がいても欲しいものなのか?あかりもだんだんよくわからなくなる。
それよりも――。
「結婚は……考えてないんですか?」
「んー、考えてなかったなぁ。生活の中でそこはあんまり必要性を感じてない」
不破の言葉に意外だな、とあかりは思った。
不破はもっと未来計画をきちんと持っているのだと思っていた。長く付き合っている恋人がいてタイミングで結婚してその相手と子供を作り、この先も出世して安定に不自由なく生きていくんだろう、そんな風に思っていたし、そんな未来がとても良く似合う。
適当に女を抱いて今だけをやり過ごすようなそんな男には見えない。まして好きでもない女に子供を授けさせようとする男には見えなかった。
「子供産むにしてもさ、ほかにどんなこと考えてる?」
不破に聞かれてあかりは考える。
まずは妊娠すること、それが一番にあってその悩みが達成されることこそ難題だったので今初めてちゃんとそのことについて考えてみる。
「相手に……認知もしてもらえたら幸せかなって思います。それは養育費とかそういうことではなく、私になにかあったとき、子供がまた私と同じ思いをすることになるので……繋がりを絶たせたくない……でもそれは、私の気持ちであって……父親となる人も子供にとっても迷惑なことかもしれません。だから要相談になはります、ね……そういう考え、くらいでしょうか」
遠慮がちに、けれどしっかりと意思を持った声であかりが言う言葉を静かに聞きながら不破は思う。あかりは本当に子供が欲しいのだと、産む覚悟を本気で持っている、それを感じた。
「認知ね……ほかには?」
「とくに、ありません。親権と認知のことしかあまり考えていません、すみません」
「そう……俺さ、大学の時レーザーを使って原子や分子の実験ずっとしてたからさ、電磁波めちゃめちゃ浴びてるんだよね。一つの仮説としてよく聞くんだけど、女の子しか産まれない説があってさ。大学のツレの子供も今のところみんな女の子産んでる、血とか子孫残したいなら男の方がいい気がするけど、男は産まれないかもしれないよ?それでもいい?」
「……そこまではこだわってませんでした、なんなら希望は女の子で……だからなお理想的です……いやもう授かれたら別に性別なんかどっちでもいいけど……女の子ならとても嬉しいです」
想像しているのか頬をピンク色に染めたあかりの目が初めて高揚したように潤んでいる。その表情は不破の心を揺さぶった、可愛い、そう思った。
(やべ、めっちゃ可愛いじゃん、こいつ……)
「俺からの要望は一個」
「――はい」
「俺が抱きたいときに抱く、天野の都合は基本聞かない、それでもいいならお前の希望に沿ったものを提供するよ」
「……」
「ちゃんと俺のメリットあるだろ?天野にだけ都合のいい話じゃないよ」
「なるほど」
どこまで納得したのか。それでもあかりが頷いたその瞳はどこか吹っ切れたように見えた。お互いのメリットを感じたのかあかりの表情はどこか明るくなった気がした。
そしてあかりは思う。不破の瞳が真剣だった、この関係の始まりは遊びではない、お互いの目的があって成立した契約がある、そう感じて瞬間胸の奥で何かがストンと落ちた。なにか――それはきっと覚悟、だった気がする。
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