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友達編
茜の秘密
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ごちゃっとした棚の中でひときわ綺麗に整頓された段から愛読書を出してきてりゅうの前に並べたらりゅうは無言でそれを見つめている。
「見てもええ?」
「汚さないでね!」
「……こわ」
ぱらぱらと不思議そうに見ながら特に表情も変えずページをめくっていく。男同士の恋物語でエッチなこともしてるのに抵抗はないのか、表情だけでは全く心情が読めない。
あのあと言葉で説明してもらちが明かないとあきらめた私はりゅうをアパートまで連れて帰ってきた。
「これが健……千秋に……似てる?顔は……まぁ、なんとなく?」
「なんとなく?すごい似てる!漫画の世界から飛び出してきたかと思って本当にびっくりした!」
興奮気味に反論してもりゅうは相変わらずダルそうに軽く私を無視してページをめくっていく。
「ほんで?これが……京介。って、え?マジで漫画の中の話してんの?」
「マジです」
「マジなんか」
パタン、と本を閉じて、はぁ、とため息をこぼされた。呆れ?ドン引き?怒り?どの色を含んだため息なのか。
「なんか、ごめんね?私の隠してた話の中身が二次元で」
「二次元……やな。ふふ、はは……茜、ほんまおもろいなぁ」
りゅうが声を出して笑いだすからなんとも居たたまれなくなって愛読書を棚に戻した。片付け終えたところで腰を掴まれてそのまま後ろ抱っこ状態でりゅうの膝の中におさまっている。
「りゅう?」
「さっき泣いてたん、あれ何の涙?」
「あれ……は、その……」
「茜を泣かしたいとか思わへんけどな……俺のことで泣く涙は結構ええな、可愛かった」
「そんな……ぁ、ちょ……」
りゅうの手が服の下から入ってきてそのまま胸を両手で鷲掴みにされる。優しい手つきだけど、下から包むように持ち上げてふにふにと揉まれて私に刺激を与えてくる。
「知らんことがそんな悔しかった?」
「悔しいじゃ、ない……ん、寂し……かったんだよ」
「寂しいんや……こっち向いてみ?」
「ん……」
見上げる様に後ろを振り向いたらりゅうの顔が近づいてぢゅっと口づけられる。押し付ける様に、吸い付くようにキスをされると下腹部が疼いた。
「んん、ぁ……」
「今腰揺れたな、感じてんの?」
「……ん」
「ほな、ちゃんと言うてみよか。俺が欲しいって」
「……私だけが、欲しいの?」
今は悔しい。言わせることも、自分は何も言わないことも。言うなら一緒に言ってほしい。
「ううん、俺かってめっちゃ欲しいで、茜のこと」
真っ直ぐ、目の奥まで見つめるような視線に吸い込まれる。りゅうの瞳に見つめられると抵抗できない、何も言い返せない、ただ言いなり、完全に躾けられた私。
「エッチする?」
「何で聞くの?」
「いつも俺ばっかり言ゆうから。エッチしたいしたいって。たまには茜からもしたいて言ゆうてほしいやん」
「……はず、かしい」
「あんなエロい漫画読んでてなんで恥ずかしいねん」
「それは言わないで!!それ言うの反則!!」
はは、っとりゅうが笑って私をギュウッと抱きしめてくる。
「……あの漫画がキッカケで出来た友達が一人いるだけの私に男の人の知り合いなんかいるわけないじゃん」
「一人でいてても男に言い寄られてたやん、全然信用ならんわ」
「それはりゅうと付き合ってない時の話でしょ。今は……余所見する余裕さえ、ない」
「ほお」
馬鹿にしたような言い方に悔しい気持ちが沸くけど事実だからしょうがない。りゅうと付き合って優しくされて甘やかされて、好きと言われて抱き締められて、こんな風に大事そうに見つめられて他の誰を見ろというのか。
「りゅうしかいないよ……私みたいな女、可愛がってくれるの」
重いけど、そんなこと言えないけど、言える勇気もないけど思ってる。
ずっと一緒にいて?
「見てもええ?」
「汚さないでね!」
「……こわ」
ぱらぱらと不思議そうに見ながら特に表情も変えずページをめくっていく。男同士の恋物語でエッチなこともしてるのに抵抗はないのか、表情だけでは全く心情が読めない。
あのあと言葉で説明してもらちが明かないとあきらめた私はりゅうをアパートまで連れて帰ってきた。
「これが健……千秋に……似てる?顔は……まぁ、なんとなく?」
「なんとなく?すごい似てる!漫画の世界から飛び出してきたかと思って本当にびっくりした!」
興奮気味に反論してもりゅうは相変わらずダルそうに軽く私を無視してページをめくっていく。
「ほんで?これが……京介。って、え?マジで漫画の中の話してんの?」
「マジです」
「マジなんか」
パタン、と本を閉じて、はぁ、とため息をこぼされた。呆れ?ドン引き?怒り?どの色を含んだため息なのか。
「なんか、ごめんね?私の隠してた話の中身が二次元で」
「二次元……やな。ふふ、はは……茜、ほんまおもろいなぁ」
りゅうが声を出して笑いだすからなんとも居たたまれなくなって愛読書を棚に戻した。片付け終えたところで腰を掴まれてそのまま後ろ抱っこ状態でりゅうの膝の中におさまっている。
「りゅう?」
「さっき泣いてたん、あれ何の涙?」
「あれ……は、その……」
「茜を泣かしたいとか思わへんけどな……俺のことで泣く涙は結構ええな、可愛かった」
「そんな……ぁ、ちょ……」
りゅうの手が服の下から入ってきてそのまま胸を両手で鷲掴みにされる。優しい手つきだけど、下から包むように持ち上げてふにふにと揉まれて私に刺激を与えてくる。
「知らんことがそんな悔しかった?」
「悔しいじゃ、ない……ん、寂し……かったんだよ」
「寂しいんや……こっち向いてみ?」
「ん……」
見上げる様に後ろを振り向いたらりゅうの顔が近づいてぢゅっと口づけられる。押し付ける様に、吸い付くようにキスをされると下腹部が疼いた。
「んん、ぁ……」
「今腰揺れたな、感じてんの?」
「……ん」
「ほな、ちゃんと言うてみよか。俺が欲しいって」
「……私だけが、欲しいの?」
今は悔しい。言わせることも、自分は何も言わないことも。言うなら一緒に言ってほしい。
「ううん、俺かってめっちゃ欲しいで、茜のこと」
真っ直ぐ、目の奥まで見つめるような視線に吸い込まれる。りゅうの瞳に見つめられると抵抗できない、何も言い返せない、ただ言いなり、完全に躾けられた私。
「エッチする?」
「何で聞くの?」
「いつも俺ばっかり言ゆうから。エッチしたいしたいって。たまには茜からもしたいて言ゆうてほしいやん」
「……はず、かしい」
「あんなエロい漫画読んでてなんで恥ずかしいねん」
「それは言わないで!!それ言うの反則!!」
はは、っとりゅうが笑って私をギュウッと抱きしめてくる。
「……あの漫画がキッカケで出来た友達が一人いるだけの私に男の人の知り合いなんかいるわけないじゃん」
「一人でいてても男に言い寄られてたやん、全然信用ならんわ」
「それはりゅうと付き合ってない時の話でしょ。今は……余所見する余裕さえ、ない」
「ほお」
馬鹿にしたような言い方に悔しい気持ちが沸くけど事実だからしょうがない。りゅうと付き合って優しくされて甘やかされて、好きと言われて抱き締められて、こんな風に大事そうに見つめられて他の誰を見ろというのか。
「りゅうしかいないよ……私みたいな女、可愛がってくれるの」
重いけど、そんなこと言えないけど、言える勇気もないけど思ってる。
ずっと一緒にいて?
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