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友達編
思わず口にしてしまったこと
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お昼過ぎに待ち合わせという千秋くん、私たちが向かう方面と同じだったから一緒に行こうと言いだしたものの……。
「え?○○駅?お前××駅言わんかった?」
「ん?そやった?よぉわからん、ちょ、待って……」
携帯を取り出して確認する千秋くんの言葉をホームで一緒に並んで待つ。千秋くんは、「××……あ、これライブ会場の駅の方やった」と、あっけらかんに言う。
「○○駅なら路線逆だよね?こっちだと全然違う方面行っちゃうよ?」
「わー、マジか」
「待ち合わせ何時?」
「13時半」
「遅刻やな」
りゅうがサラッと言うと千秋くんもサラッと言う。
「しゃーない。知らん土地あるあるやな」
「最悪やな、お前。自己中が過ぎる」
「○○駅降り口も多いよ?出口わかる?大きな駅だし出るところ間違えたらまた迷うかも……ね、一緒に行こうよ?」
「えー」
りゅうが明らかにめんどくさそうな顔をする横で千秋くんが私をキラキラした目で見つめて微笑んでくる。
(あぁ、やめて、そんな可愛いキラキラした瞳で私を見つめないで、健くん……こんな瞳で見られたらそりゃ京介さんも落ちるわ、だめー)
「行こう、一緒に!心配だもん!」
「ありがとぉ、茜ちゃん、関西来たときは俺がどこでも連れてったるわな!」
「なんでやねん、俺が連れてくわ」
りゅうは私たちの言い合いに呆れつつダルそうに行くのを躊躇っている。もうここはダメ押しだ、お願いコールを出す。
「りゅう、行こうよ、お願い」
「……」
りゅうはなんだかんだこの私のお願い、に弱い。付き合いだしてからこの言葉を言えばだいたいのことは飲んでくれるのがわかっている。だから私はここぞという時は使うようにしていた。
「茜ちゃんはほんまにええ子やな、龍二の彼女にしとくのはもったいないと思うわ。こんないちいちダルそうにしよるヤツ、さっさと別れた方がええで」
「いや、普通にダルイやろ、てか千秋はほんまに……はぁ、もうええ、めんどくさいけど連れてったる、貸し作っとくのはええことやしな。千秋、覚えとけよ」
「お前はガメツイ自己中やな、最悪」
結局目的地の駅まで着けて階段を上って出口を出かけた時千秋くんの足がピタッと止まって後ろを歩いていた私は千秋くんの背中にぶつかって、それを後ろからりゅうが抱き留めてくれていうならば玉突き状態。
「おい、千秋。急に止まんなや」
「……千秋くん?どうしたの?」
「……」
黙ったまま先を見つめている千秋くんの横顔は神妙な顔つきで。りゅうもそれに異変を感じたのか見つめられる視線の先をなんとなく探していた。
「あれちゃう?」
りゅうも待ち合わせ相手がわかったようだった。顔が似てるって言ってたもんな、そんなことを思いだしながら私も人波の中からそれらしい人を探してみる。
小柄で可愛い雰囲気の女の人と背の高いスラッとしたイケメンが立っている。
(ん!?)
「京介さん!?」
「は?茜ちゃん知り合い?」
「え!?知らない人!!」
「うそやん、今普通に名前呼んだで」
「ちがう、間違い!完全なる人違い!いるわけないの、ごめん!間違いです!!」
眉間に皺を寄せてなんなら睨み詰める様に千秋くんに見られて必死で弁解した。その私の姿をりゅうはもっと怪訝そうに見つめている。
「本当に間違い!勘違い!!あんなイケメン知りません!知り得るわけありません!!」
「……そうなん、なんかようわからんけど……とりあえず行くわ。ここまでありがとう」
千秋くんは首を傾げつつも私にお礼を言い、りゅうにも一言二言話して私たちの前を去って行った。
(お姉さんの彼氏、京介さん激似じゃない?ええ、もっと近くで見たい……リアル健×京介が見れるとか何?ヤバくない?ここ二次元だったっけ?えー、Sっぽい感じがやばい、二人がこれから絡むわけ?えー!もっと見たい!!)
「茜!」
「はいぃ!」
「なんべん呼ばすねん、お前。ちょお来い」
「え、あ、もう行くの?え、えー!?」
「なんで?もう用事終わったやん、ここにいる意味ないし、千秋の姉弟問題に絡む必要もないやろ」
(そうだけどぉぉ!健×京介ぇぇぇーー!)
「お前にちょっと聞きたい事あるわ」
「え」
ぐいっと腕を引かれて駅地下の通りまで連れられたら、壁にいきなり押し付けられた。
「京介って誰や」
りゅうの目は明らかに冷たくて怒っている。
「え?○○駅?お前××駅言わんかった?」
「ん?そやった?よぉわからん、ちょ、待って……」
携帯を取り出して確認する千秋くんの言葉をホームで一緒に並んで待つ。千秋くんは、「××……あ、これライブ会場の駅の方やった」と、あっけらかんに言う。
「○○駅なら路線逆だよね?こっちだと全然違う方面行っちゃうよ?」
「わー、マジか」
「待ち合わせ何時?」
「13時半」
「遅刻やな」
りゅうがサラッと言うと千秋くんもサラッと言う。
「しゃーない。知らん土地あるあるやな」
「最悪やな、お前。自己中が過ぎる」
「○○駅降り口も多いよ?出口わかる?大きな駅だし出るところ間違えたらまた迷うかも……ね、一緒に行こうよ?」
「えー」
りゅうが明らかにめんどくさそうな顔をする横で千秋くんが私をキラキラした目で見つめて微笑んでくる。
(あぁ、やめて、そんな可愛いキラキラした瞳で私を見つめないで、健くん……こんな瞳で見られたらそりゃ京介さんも落ちるわ、だめー)
「行こう、一緒に!心配だもん!」
「ありがとぉ、茜ちゃん、関西来たときは俺がどこでも連れてったるわな!」
「なんでやねん、俺が連れてくわ」
りゅうは私たちの言い合いに呆れつつダルそうに行くのを躊躇っている。もうここはダメ押しだ、お願いコールを出す。
「りゅう、行こうよ、お願い」
「……」
りゅうはなんだかんだこの私のお願い、に弱い。付き合いだしてからこの言葉を言えばだいたいのことは飲んでくれるのがわかっている。だから私はここぞという時は使うようにしていた。
「茜ちゃんはほんまにええ子やな、龍二の彼女にしとくのはもったいないと思うわ。こんないちいちダルそうにしよるヤツ、さっさと別れた方がええで」
「いや、普通にダルイやろ、てか千秋はほんまに……はぁ、もうええ、めんどくさいけど連れてったる、貸し作っとくのはええことやしな。千秋、覚えとけよ」
「お前はガメツイ自己中やな、最悪」
結局目的地の駅まで着けて階段を上って出口を出かけた時千秋くんの足がピタッと止まって後ろを歩いていた私は千秋くんの背中にぶつかって、それを後ろからりゅうが抱き留めてくれていうならば玉突き状態。
「おい、千秋。急に止まんなや」
「……千秋くん?どうしたの?」
「……」
黙ったまま先を見つめている千秋くんの横顔は神妙な顔つきで。りゅうもそれに異変を感じたのか見つめられる視線の先をなんとなく探していた。
「あれちゃう?」
りゅうも待ち合わせ相手がわかったようだった。顔が似てるって言ってたもんな、そんなことを思いだしながら私も人波の中からそれらしい人を探してみる。
小柄で可愛い雰囲気の女の人と背の高いスラッとしたイケメンが立っている。
(ん!?)
「京介さん!?」
「は?茜ちゃん知り合い?」
「え!?知らない人!!」
「うそやん、今普通に名前呼んだで」
「ちがう、間違い!完全なる人違い!いるわけないの、ごめん!間違いです!!」
眉間に皺を寄せてなんなら睨み詰める様に千秋くんに見られて必死で弁解した。その私の姿をりゅうはもっと怪訝そうに見つめている。
「本当に間違い!勘違い!!あんなイケメン知りません!知り得るわけありません!!」
「……そうなん、なんかようわからんけど……とりあえず行くわ。ここまでありがとう」
千秋くんは首を傾げつつも私にお礼を言い、りゅうにも一言二言話して私たちの前を去って行った。
(お姉さんの彼氏、京介さん激似じゃない?ええ、もっと近くで見たい……リアル健×京介が見れるとか何?ヤバくない?ここ二次元だったっけ?えー、Sっぽい感じがやばい、二人がこれから絡むわけ?えー!もっと見たい!!)
「茜!」
「はいぃ!」
「なんべん呼ばすねん、お前。ちょお来い」
「え、あ、もう行くの?え、えー!?」
「なんで?もう用事終わったやん、ここにいる意味ないし、千秋の姉弟問題に絡む必要もないやろ」
(そうだけどぉぉ!健×京介ぇぇぇーー!)
「お前にちょっと聞きたい事あるわ」
「え」
ぐいっと腕を引かれて駅地下の通りまで連れられたら、壁にいきなり押し付けられた。
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りゅうの目は明らかに冷たくて怒っている。
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