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優しい抱擁-2※

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 小顔で鼻筋が通っていて、形のいい唇は少し紅め。黒髪だから眉毛もまつげも黒い。

(まつげ……こんなに長かったんだ)

 ジルの顔をこんな近くで見るのは初めてかもしれない。だっていつも金眼にばかり気を取られて、その瞳ばかり見つめてきたから他をゆっくり見る余裕なんかなかった。見つめるよりかは見惚れていた。かっこよくて綺麗な獣みたいなジルの顔に、見惚れていたらうっとりして、うっとりしていたら気が緩んだ。それで気づいた、ジルの手がいつの間にか私の服を剥がしだしている。


「え、ジル?!」
「見てねぇよ」

 確かに目は瞑ったままだけど!このさくさくと脱がす手の速さはなんなのか。どう見ても見えている気がする!

「見えてる!」
「見てねぇって」
「じゃあなんでこんな、あん!」

 胸を鷲掴まれて先端の突起物を指の腹で押さえつけられる。


「見せてくんねぇじゃん」
「だって、んやぁ!」

 腰をかかえるみたいに抱き上げてジルが胸に顔を寄せてくると熱い息が胸にかかる。その熱い息がまた身体を胸を震わせるんだ。


「ふ、ぁあっ」
「……なんつー声だすんだよ」

 ベロッと震えた先端を舐められた。


「あん!ジル!」
「見てないよ」
「そうじゃ……っあ、ぁ」
「見なくてもわかるけどな」


(え)


「目を閉じた方が感覚が冴える。目の前の内面の変化が分かって、そこから放たれる熱や匂いで感情が読める。アリシアから放つ雰囲気が和らいで柔らかくなった……音が聞こえる、お前の声が……どこをどう触れて欲しいか教えてくれる」
「んんっ!」
「お前知らなかった?俺のスキル」
「……」

 そういえばジルのスキルは……。


「あん!ぁ、あっ……んんっ!」
「五感で感じ取るのは得意なんだよな」


(気配察知能力!忘れていた!)


「アリシアの震える身体がどこをどう刺激されたらくねって善がるのか……どこにどう触れたら甘い声が出るのか……触れるたび心臓の跳ねる音が変わる。吐く息づかいが変わる。俺に触れる指の力で敏感に感じているのが分かる。肌が触れあったら……熱で興奮度が分かる……全部分かるんだよ」
「あん、ジルっ……!」
「服、邪魔」

 スルッと腕から外されて肌が空気に触れるけど寒さを感じないのは熱のせい?ジルに触れられているだけでどんどん発熱していく。身体がジルの熱に包まれた。



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