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lesson7

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「……ほんとに趣味が悪いかと」
 拗ねたようなムッとしたような風に言うと太刀川はおかしそうに笑った。

「倉庫で声が聞こえてピンときて、覗きに来たときに話したら確信して瑠衣がそこで繋がって。オフィスでいつも控えめなお前が実は不感症で悩んでるなんて興味しかなかった。面白がってたわけではないけど、全部本音だよ、悪いけど」
「……へぇ……」

 別にずっと前から好きだった、とか運命めいたものを言われるなんて期待していたわけではない瑠衣だが、太刀川の本音を聞かされて内心は少しショックだった。やはり太刀川にとったら遊びの延長みたいな感じで始まった関係だったのだな、そう思っていたら太刀川の口が言う。

「白鹿を好きだってわかって面白くねぇなって思ってさ。あんな外面詐欺のヤツに惚れてたらまた泣くぞって、だからあいつに泣かされるお前は見たくなかったかな」
「……え」
「お前に触り出したら夢中になってたのは俺の方だよ。震える身体もそれに耐える姿もそれでも俺に縋ろうとする気持ちも全部可愛いなって思ってた」

 それは全部前の男には拒否された気持ちだ。
 不感症と罵られ、抱く気が失せるとゲンナリさせ、気持ちを否定された瑠衣のことを太刀川は可愛かったと言ってくる。

「白鹿のために俺の誘いに乗ったお前の気持ち、尊重しないとって思ってたのにだんだんアホらしいなって。なんであいつのためにお前の身体も心も自由にしてやらないといけないんだって。俺の手でイッたお前見た時単純にやりたくなかった、白鹿にもほかのどの男にも」

 太刀川の手が瑠衣に伸びてきて腰を掴まれたら引き寄せられた。太刀川のあぐらをかいた膝の中に瑠衣がスッポリ収まって抱きかかえられる状態になる。太刀川のテリトリーに収まる瑠衣が見上げてくるとそれだけで太刀川の心もくすぐられている。可愛いと、胸を跳ねさせる気持ちが湧く。太刀川自身もそんな気持ちを持つのは初めてなのだ、それは瑠衣には言わないけれど。

「誰にもやりたくないって思った、瑠衣の事」
 真っ直ぐな太刀川の言葉に瑠衣は頬を赤らめさせた。

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