木曜日の内緒のレッスンは恋のはじまり~触れられるたび好きになってしまいます~

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 繰り返されるキスに翻弄される。立っていられない、それくらい足元から力を失くしている瑠衣がいる。

「あ、んんっ……」
「舌、出して?」
「……ぁ」
 言われるがまま恐々に舌を差しだすと舐められて吸われた。

「んっ」
「ずっと瑠衣にキスしたかった」

(え)

 そうして深くくちづけてくる太刀川に瑠衣は受け止めるので精一杯だ。こんな情熱的な深いキスは初めてだ。求めるように食べられそうなキスは初めてで――。


「んんっ」
「……どんだけ泣いてんだ」
 ちゅっと目尻に口づけられて体が震えた。目元へのキスは初めてではない、囚われた過去の話をしたときにも慰めるように口づけてくれた。

「ひとりで泣いてんじゃねぇよ」
「……だって」
「だってじゃねー。勝手に答えだすな」
「だってっ!」
「俺の事思って一日泣いてたんだ?」
「……」
 図星で何も言い返せない瑠衣に、太刀川は目を細めている。呆れにも似ている笑顔だがどうしたって優しい表情だ。

「かわいーやつ」
「……どこが、かわいいんですか」
 拗ねたように呟くと今度は馬鹿にしたように笑われた。

「自覚ねぇのな。俺的には瑠衣、ずっと可愛いけどな」
「え?」
「可愛いよ……お前」
「んっ」
 もっとその先が聞きたい、そう言いたくても口を塞がれてはなにも言い返すことが出来ない。抱きしめられて口の中をかき混ぜるみたいに荒いキスをされると思考もおかしくなるだけだ。


「ん、はぁ……」
「……瑠衣、もう身体ぐにゃぐにゃ」
 言葉の通りだ。もう自分で立てていない。膝から崩れ落ちそうなほど足に力が入っていないので太刀川に抱きかかえられるように支えられていた。腰を抱きかかえられて自身の身体を預けているが、太刀川はそれを当たり前のように支えてくれていた。

「ご、ごめんなさ……」
「いや?キスだけでこんななっててお前大丈夫?」
「え?」
「えってなに?これで終わりとか思ってんの?ないだろ、それ」
 ははっと声に出して笑われて、その笑いが何となく怖い。瑠衣は恐る恐る問いかける。

「終わりじゃ、ないんですか?」
「……」
「……私の事……抱いてもらえるんですか?」
「……」
「本当に?その……最後まで?」
「……お前さぁ……ほんとにアホな?男見る目マジでないじゃん」
「んんっ!」
 ちゅっ!とした軽いキスだけど、一瞬だからこそ受け止めきれなかった。それくらい破壊力のあるキスと笑顔で――。

「俺の事煽ってどうすんだ。気持ちいいセックス……瑠衣に教えてやるよ」
 そう言って太刀川に抱きあげられてベッドまで運ばれた。



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