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震える体を前にして男はため息を吐いた。
「俺のこと、嫌いなの?」
そんなことない、そんなわけない、瑠衣は必死にそう伝えたが男の気持ちは冷めるばかりだった。
「じゃあなんでこんなに震えて抵抗するんだよ、なんか犯してるみたいじゃん」
「そんな……」
「こんなに震えて受け入れない感じされるとさ……抱く気失せる」
男は吐き捨てるようにそう言った。その時の瑠衣の表情を見ることもなく。ただ見る余裕もなかっただけの話だが。それでも湧き出てくるような感情を止められなかった。目の前の瑠衣を見て性欲は治まることがなかったからだ。ぎゅっと細腕を掴んだら「……っ、いた」瑠衣が身体を震わせて呟く。その姿だってどうしたって欲情するのに瑠衣は――自分を受け入れていない、受け入れてくれないのか。
自分はこんなにぶつけたいほど瑠衣を求めているのに!
「なんだよ……瑠衣ってさ、不感症?」
うまくいかない理由をすべて瑠衣のせいにしたかった男は暴言を吐いた。言う気のない言葉もどんどん溢れてこぼれだしたら止められなくなっていく。
「好きな男相手にそれなの?だったらもう絶対無理じゃん」
瑠衣の目から涙が落ちた。傷つけた言葉の意味をそこまで考えられなかったのは、男にそれだけ気持ちに余裕もなかったから。拒否されている自分のことしか考えられず、瑠衣を思う気持ちなど完全に見失っていた。
「そのさ、自分が我慢してるみたいな顔もめちゃくちゃ感じ悪いよ」
「ごめ……そんなつもりじゃな……」
ぽろぽろと涙をこぼしながら訴えてくる瑠衣を見ていると感情が昂った。理性が止められなくなった。
「我慢してないの?いいの?」
「いい、へいき……嫌なんかじゃ……」
「へぇ……」
そういい白い裸体を押し倒してまだ濡れてもいない蜜口に剛直をあてがった。
「んんっ」
「嫌じゃないんだろ?俺の事好きなんだろ?俺は瑠衣が好きだよ?」
グッと押し込まれて痛みが走った。
「んっ!」
涙を滲ませて唇を噛みしめながら耐える瑠衣がいる。そんな瑠衣を羽交い絞めにして押さえつけているとどうしようもない支配欲が湧いた。
「瑠衣、瑠衣……」
男が自分を呼ぶ、その声が好きだったはずなのにどうしてか。押し進めようとする行為がただ痛くて耐えられない、我慢しようと瑠衣は思った。この痛みは必要なことだと、相手のために受け入れるべき痛みだと思った。だから耐えて耐えようと……。
(痛い、痛くて無理っ……!)
「やぁ、いやっ……」
無意識に発した言葉。ハッとしたのは相手の動きは止まったからだ。
「……ぁ、ごめ……」
「嘘つき」
男はそう言った。
「なにが我慢してないだよ。嫌なら嫌って最初から言えよ。フリされんのなんかもっと虚しいよ。そんな女誰が抱きたいって思う?」
嘘なんかなかった。好きだった、相手がちゃんと好きだった。だから付き合ってこうして肌を重ねたのに。
どうして……自分の言葉はこんなにも相手に響かないのだろう。
「俺のこと、嫌いなの?」
そんなことない、そんなわけない、瑠衣は必死にそう伝えたが男の気持ちは冷めるばかりだった。
「じゃあなんでこんなに震えて抵抗するんだよ、なんか犯してるみたいじゃん」
「そんな……」
「こんなに震えて受け入れない感じされるとさ……抱く気失せる」
男は吐き捨てるようにそう言った。その時の瑠衣の表情を見ることもなく。ただ見る余裕もなかっただけの話だが。それでも湧き出てくるような感情を止められなかった。目の前の瑠衣を見て性欲は治まることがなかったからだ。ぎゅっと細腕を掴んだら「……っ、いた」瑠衣が身体を震わせて呟く。その姿だってどうしたって欲情するのに瑠衣は――自分を受け入れていない、受け入れてくれないのか。
自分はこんなにぶつけたいほど瑠衣を求めているのに!
「なんだよ……瑠衣ってさ、不感症?」
うまくいかない理由をすべて瑠衣のせいにしたかった男は暴言を吐いた。言う気のない言葉もどんどん溢れてこぼれだしたら止められなくなっていく。
「好きな男相手にそれなの?だったらもう絶対無理じゃん」
瑠衣の目から涙が落ちた。傷つけた言葉の意味をそこまで考えられなかったのは、男にそれだけ気持ちに余裕もなかったから。拒否されている自分のことしか考えられず、瑠衣を思う気持ちなど完全に見失っていた。
「そのさ、自分が我慢してるみたいな顔もめちゃくちゃ感じ悪いよ」
「ごめ……そんなつもりじゃな……」
ぽろぽろと涙をこぼしながら訴えてくる瑠衣を見ていると感情が昂った。理性が止められなくなった。
「我慢してないの?いいの?」
「いい、へいき……嫌なんかじゃ……」
「へぇ……」
そういい白い裸体を押し倒してまだ濡れてもいない蜜口に剛直をあてがった。
「んんっ」
「嫌じゃないんだろ?俺の事好きなんだろ?俺は瑠衣が好きだよ?」
グッと押し込まれて痛みが走った。
「んっ!」
涙を滲ませて唇を噛みしめながら耐える瑠衣がいる。そんな瑠衣を羽交い絞めにして押さえつけているとどうしようもない支配欲が湧いた。
「瑠衣、瑠衣……」
男が自分を呼ぶ、その声が好きだったはずなのにどうしてか。押し進めようとする行為がただ痛くて耐えられない、我慢しようと瑠衣は思った。この痛みは必要なことだと、相手のために受け入れるべき痛みだと思った。だから耐えて耐えようと……。
(痛い、痛くて無理っ……!)
「やぁ、いやっ……」
無意識に発した言葉。ハッとしたのは相手の動きは止まったからだ。
「……ぁ、ごめ……」
「嘘つき」
男はそう言った。
「なにが我慢してないだよ。嫌なら嫌って最初から言えよ。フリされんのなんかもっと虚しいよ。そんな女誰が抱きたいって思う?」
嘘なんかなかった。好きだった、相手がちゃんと好きだった。だから付き合ってこうして肌を重ねたのに。
どうして……自分の言葉はこんなにも相手に響かないのだろう。
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