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lesson3

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 抱きしめられると太刀川の息が耳元をかすめてくる。くすぐるみたいな熱い吐息が瑠衣の身体を震わせた。胸を触りたいという太刀川の要望にまだ頷けずにいる瑠衣がいる。

「だめ?」
 そんな甘えた聞き方はズルくないか、瑠衣は思う。

「だめ、とかじゃなくって……その……」
 太刀川の手が喉元を包んでくる。首を絞めるみたいな形だが絞められるわけではない。包むみたいに撫でてくる。指先が顎に触れて、長い指先がくちびるを開ける。

「ぁ……」
 くちびるの肉部分を押さえられたら自然と声が漏れた。軽く開いたくちびるに指先が差し込まれる。押し込まれることはないが瑠衣の吐き出す息と太刀川の指先の熱が絡まっていく。

「触っていい?」
 そう聞くくせに太刀川のもう片方は徐々に腹から胸下を這っている。触るとは?その意味を瑠衣が溶けかけた脳内で必死に考えている。

「ほ、ほかが……さわって……」
「じゃあもう全部いってい?」
 周りしか触らないといった直後にそんなことを言うのはひどい裏切りでなはいか、と瑠衣が何か言い返そうとする前に太刀川の手が服の中に入ってきて左手がそのまま下から包むように右胸を持ち上げた。

「や!」
 触るのは服の上からでもないのか?!瑠衣は慌てて逃げようとしたが体を太刀川の右手が強く引き寄せて抱えこむ力が強まった。

「直接っ……」
「なぁ、お前気づいてる?もう体震えてないぞ」
 耳元で囁くように言われるとまた体がピクッと反応する。確かに震えとは違う体の反応を感じると瑠衣自身が違和感を感じ始めた。それでもまだ怖さはある、身体の強張りもほどけたわけではない、ただ一つ分かったことがある。

 太刀川の手はそんなに怖くないのだ。
 一応触れる場所は触る前に必ず告げてくれる、強引なことはあっても勝手に事を進めたりはしない、言うことを聞いてくれないことはあっても瑠衣が本気で嫌がれば当然手を止めてくれたから。そんな優しさももうわかっている。だから瑠衣次第なのだ、そのとおり、瑠衣が許せばどこまででもこの関係は深くなる。それにもう瑠衣が気づいている。

 太刀川の言葉を反芻しているのか逃げずに大人しくなった瑠衣に太刀川は様子をみつつも痺れが切れてきていた。気を許しているのがチャンスとばかりに大胆にトップスの下から胸まで一気に上り詰めてきて両手で両胸を鷲掴みにした

「きゃあ!!」
「まだ直接さわってねぇだろ、あんまデカい声出すと誰か来るぞ」
「でも、だってぇ!」
 直接ではない、確かにまだ下着はついている、だがしかし!前かがみになって体を縮める瑠衣の身体を抱き起すようにかかえて太刀川は思うのだ。

 逃げようとするほど、追いかけて掴まえたくなるのが男の持つ「狩猟本能」であると。簡単に手に入らないと思うほど燃える、手に入りそうなのに拒まれて自分のものにならないもどかしさはますます太刀川を煽っていた。

 
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