木曜日の内緒のレッスンは恋のはじまり~触れられるたび好きになってしまいます~

sae

文字の大きさ
上 下
14 / 75
lesson3

ときめく木曜日-1☆

しおりを挟む
 背後から抱きしめられて首筋裏をくちびるが這って行く。左手は顎下の首元を掴んで、右腕が巻き付くようにお腹周りを抱えていた。

「……や……」

 左手が徐々に首筋、鎖骨を撫でて指先が広げられると胸の膨らみあたりを押し付けるようにズラしてくるからビクッと身体を跳ねさせて瑠衣は悲鳴を上げた。

「待ってっ」
「なぁ、そろそろ胸くらい触ろうか」
「……待っ」
 太刀川の提案に首を横にフルフルと振るものの、聞いている張本人にはさほど響いていなさそうで瑠衣は泣きそうになる。


 始まった木曜日の内緒の時間。まずはお試し期間だと太刀川に言われたが、その期限は瑠衣の身体次第と言われている。

「お前次第だろーが」
 太刀川は鼻で笑って言う。
 どこまでやってなにをやるかも瑠衣の身体次第、そんなことを言われたら瑠衣としては何も言い返せない。
 
 そのお試しもこれでもう三回目になる。一回目は初めてということもあり顔や手、首筋をとにかく手で触られた。あとは押し倒されて抱きしめられた、いわばそれくらいで終了。しかし、瑠衣としては息が止まりそうなほど緊張した。なんせ男性に触れられるのも抱き締められるのも例の元カレ以来久しぶりだ。しかも触れてくるのが太刀川だ、緊張しないわけがない。イケメン、甘い声、そこに洗脳するような妖艶な香り、いろいろキャパオーバーである。そして二回目はとにかく抱きしめられた。前からも後ろからも抱きしめられ背中や腰を触られては何回も身体を跳ねあがらせた。抱きしめられるという行為はだめだ、人を変に勘違いさせる。包まれると途端に大事にされているみたいな気持ちになって瑠衣は何度も思考を現実に戻そうと必死だったのは内緒である。そんな気持ちがバレたらきっと太刀川は馬鹿にしたように笑うだろう。抱きしめてくる腕がたまに腰に、腹に回るとより身体は跳ねた。そんな基本ビクビクしていた瑠衣だが太刀川は笑うこともなくいたって真面目(?)に対応してくれた。


 そして三回目。

「む、無理です……何も感じません……」
「だろうな。まだたいして触ってねぇわ。じゃあ周りだけ少し触らせて」
 その言葉通り、なでらかな緩いカーブのように落ちていくその部分だけをツーっと人差し指が伝っていく。しかし残りの長い指が谷間あたりに触れている気がして瑠衣はもう気が気じゃない。

「さわ、触るってなにを?!」
「胸」
「ええ?!む、無理!」
「気持ちいいかもよ?」
 ぎゅっと背後から抱きしめながら覗き込んで言ってくる言葉がそれだ。質が悪い。

「あの、あの、私胸そんなにないので!」
「俺に揉まれたらでかくなるかもな?」
 必死で逃げ道を探すのに敏腕営業マンに太刀打ちできそうにない。

「そんなぁ!胸なんか触っても感じるとか思わないっ……!」
「だから感じさせてやるって」
 またぎゅっと太刀川の腕に力がこもった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

処理中です...