木曜日の内緒のレッスンは恋のはじまり~触れられるたび好きになってしまいます~

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プロローグ

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「キスはしない」
 太刀川たちかわは低い声で瑠衣るいにそう告げた。

「キスだけは、好きな奴にとっとけよ」
 そのかわり……そう言って頬に、首筋に熱い吐息が撫でるように触れてくる。

「ほかは触る」


「あ……のっ……」
「目だけ閉じてりゃいいじゃん、今お前に触ってんの、白鹿はくしかだと思って想像してろ」
「――んっ」
 瑠衣の身体がビクリと跳ねるように反応する。言われた通り目を閉じた、でもそれはその名前の相手を思い浮かべる為ではない。

(は……恥ずかしすぎて目を開けてられないっ)

「わぁ!」
 骨張った大きな手が瑠衣の腰回りを掴んで引き寄せた。
 その手が徐々に背骨をなぞり、肩甲骨に触れ、肩を抱き寄せて行く。

 抱きしめられてまた首筋に熱い唇が触れた。

「――っんん」
 肩を掴んでいた手が髪の毛をかき分けて首筋裏を露わにされて外気温に触れたら身体が震える。それにクスリと笑われてハッとしたら耳たぶを甘噛みされた。

「きゃあ!」
「反応よすぎじゃない?実は敏感なんじゃねぇーの?」
「そ、そんなことっ……」
 もうひとつの腕が腰に回るのを感じてそれにまた素直に体が反応するから瑠衣が言い訳しても太刀川には説得力がない。

「ふぅん……今日はどこまでいく?どこまで触られたい?」
 甘い声と色気を含んだ漆黒の瞳に見つめられながら瑠衣は息を呑んだ――。

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