上 下
121 / 145
続編/高宮過去編

2

しおりを挟む
 気づいたら服が脱がされていて、キスでうっとりしていたら彼の足の上に跨っている。私だけが下着姿でなんだか不公平だ、彼だけは何も身なりが変わっていない。


「恥ずかしいん、だけど……」
「燈子さんの下着姿好きなんだよねー」
 長い指がブラジャーの紐を持ち上げてそのまま下に伝っていくと胸の頂まで届いていく。

「ん」
 指がこすれて拾い上げるように持ち上げられて弄ばれるから勝手に腰が揺れた。

「気持ちいい?」
「うん……ぁん」
 感じる私を嬉しそうに見つめながら谷間に唇を寄せてきつく吸い付いてくる。私の大して大きくもない胸を彼の熱い舌が舐めて吸っているだけでさらに身体が疼きだす。

「ねぇ、そんなに舐めちゃヤダ……」
「最近抱いてないから痕消えちゃったもん。ちゃんと付けておかないと」
「抱いてないことないと思う、けど……ん」
 先日生理が開けたところだ。だから日にちだけで言えば十日も経ってはいない。こういう時間を持てなかったのはしなかったわけではなく、出来なかっただけである。


「燈子さんの肌はさ、白くて柔らかし吸い付きたくなるんだよ。毛細血管が弱いのかな、軽く吸ってもすぐ痕が付くんだよね。だからいつも軽くつけてるけど……数日でこんなに消えるならもう少し強くつけないとダメかな」
 そう言う通りいつもより強く、きつく吸われてチリッとした痛みが走る、でもそれも結局快感に変えられてしまう。彼の独占欲は日に日に強くなっていく。過去の寂しさからか、小さい頃のコミュニティ形成のプロセスも関係しているのか。
 手放したくない気持ちと、自分のものであると言う実感を得たいのだと抱き合うと思う。普段は基本優しいけれど、セックスの時だけは少し凶暴な部分も見せるから――。


「待って、ここじゃヤダ。するならちゃんと……んん」
 抵抗する私を優しく包み込むように抱きしめながらまた胸に吸い付いてくる。


「ぅん……駿くんっ――」
 名前を呼んでも聞いてくれない、手が下着の中に入り込んできて私の快楽をどんどん引き出していく。抵抗したくてもそれに負けて結局彼の体にすり寄ってしまう。


「あん、やぁ……まって、ぁ、ぅんっ――」
「熱いね、中……すぐ濡れてかわいいなぁ」
「もう、やだってばぁ……ぁん、それだめっ……」
 長い指で滑ぬめる部分を撫でられたら息が詰まって身体だけじゃない、胸の中から震える。吐きだした息も飲まれるほど強く口づけられて余計に苦しくなる。
 自分の身体を支え切れなくて彼の首に腕を巻き付けて抱きついたら抱きしめ返してくれて優しい瞳で見つめられる。


(お母さんと同じ瞳……お母さんも、そんな風に愛しいものをみる瞳で話してくれてたんだよ、駿くんのこと)


 伝えたいことはいっぱいあった。聞いてほしいことがたくさんある。
 でも今は彼が求めてくれるだけ受け止めて応えたい、私も彼を全身で抱きしめ返していた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません

和泉杏咲
恋愛
両片思いの2人。「年下上司なんてありえない!」 「できない年上部下なんてまっぴらだ」そんな2人は、どうやって結ばれる? 「年下上司なんてありえない!」 「こっちこそ、できない年上の部下なんてまっぴらだ」 思えば、私とあいつは初対面から相性最悪だった! 人材業界へと転職した高井綾香。 そこで彼女を待ち受けていたのは、エリート街道まっしぐらの上司、加藤涼介からの厳しい言葉の数々。 綾香は年下の涼介に対し、常に反発を繰り返していた。 ところが、ある時自分のミスを助けてくれた涼介が気になるように……? 「あの……私なんで、壁ドンされてるんですか?」 「ほら、やってみなよ、体で俺を誘惑するんだよね?」 「はあ!?誘惑!?」 「取引先を陥落させた技、僕にやってみなよ」

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

閉じ込められて囲われて

なかな悠桃
恋愛
新藤菜乃は会社のエレベーターの故障で閉じ込められてしまう。しかも、同期で大嫌いな橋本翔真と一緒に・・・。

処理中です...