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続編/燈子過去編
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城内さんに誤魔化しも上辺の言葉もいらない。本音で返す。
「俺も思いましたよ」
「うまく行くと思いますよ?私と」
「……昔の俺ならね」
もうその頃の俺は今いない。そんな相手を探す必要はなくなった。その気持ちを察したのか城内さんは少し納得いかないように言ってくる。
「うまく行き続ける保証なんかないでしょ?男女の関係なんかなおさら。別に並行させたらいいじゃないですか。自分に合うものを選ぶにはむしろ比較する方が良くないです?」
とても合理的な考え方だし、以前の俺ならその考えも素直に聞けていたと思うけど今それを聞かされると不誠実だなぁという気持ちと軽い嫌悪感が走る。
(前の俺ってこんなんだったんだな……そりゃそんなんで本気の気持ちなんかあったもんじゃないよな。自分のメリットだけで相手といるって何様だよ)
彼女と一緒にいるようになって、それこそ暮らし出してから、孤独に苛まれる感覚がなくなった。そばにいてほんとに抱きしめられている、その温もりを感じるだけで、俺の場所があるんだと安心する。帰りたいと思える、帰っていい場所がある、そこで待っていてくれる人がいる。それがどれだけ心を安心させてくれるか、俺は彼女から教わった。
「高宮さん」
気づいたら城内さんがとても近くにきていた。服と服が触れ合うくらいの距離、スラッとしている彼女はかがんだりしなくても顔が近い。呼ばれたから視線がいった、それだけだけど、距離的に単純に見つめ合うみたいな形になる。
「一回もダメ?私は試したいな、あなたと」
ソッと腕に触れてくる。綺麗に手入れされた爪先がツーッと二の腕まで伝ってくる。その流れで彼女の身体がグッと近づいて触れてきた。
(前ならこのままキスとかしてただろうな)
もう遠い昔のような気がする、そんな記憶はぼんやりとしか浮かばない。それくらいもう俺にとっては過去の話。
今がもう思い起こすこともないくらい満たされているから。
「……無理です」
「私、魅力ないですか?」
「いいえ、そんなことないですよ?綺麗な方だなぁって出会った時思いました」
「でもダメなんだ」
「城内さんがダメとかじゃないですよ」
俺の言葉にジッと見つめてくる。アイラインまで綺麗にひかれた瞳で、自分の魅せ方をよくわかってる。どうすれば自分の魅力がより引き出せるか、そんな女性がモテないわけがない。
「俺がねぇ……無理なんですよ。城内さんがとかじゃなくって……うーん……多分誰でも」
彼女以外は。
「俺も思いましたよ」
「うまく行くと思いますよ?私と」
「……昔の俺ならね」
もうその頃の俺は今いない。そんな相手を探す必要はなくなった。その気持ちを察したのか城内さんは少し納得いかないように言ってくる。
「うまく行き続ける保証なんかないでしょ?男女の関係なんかなおさら。別に並行させたらいいじゃないですか。自分に合うものを選ぶにはむしろ比較する方が良くないです?」
とても合理的な考え方だし、以前の俺ならその考えも素直に聞けていたと思うけど今それを聞かされると不誠実だなぁという気持ちと軽い嫌悪感が走る。
(前の俺ってこんなんだったんだな……そりゃそんなんで本気の気持ちなんかあったもんじゃないよな。自分のメリットだけで相手といるって何様だよ)
彼女と一緒にいるようになって、それこそ暮らし出してから、孤独に苛まれる感覚がなくなった。そばにいてほんとに抱きしめられている、その温もりを感じるだけで、俺の場所があるんだと安心する。帰りたいと思える、帰っていい場所がある、そこで待っていてくれる人がいる。それがどれだけ心を安心させてくれるか、俺は彼女から教わった。
「高宮さん」
気づいたら城内さんがとても近くにきていた。服と服が触れ合うくらいの距離、スラッとしている彼女はかがんだりしなくても顔が近い。呼ばれたから視線がいった、それだけだけど、距離的に単純に見つめ合うみたいな形になる。
「一回もダメ?私は試したいな、あなたと」
ソッと腕に触れてくる。綺麗に手入れされた爪先がツーッと二の腕まで伝ってくる。その流れで彼女の身体がグッと近づいて触れてきた。
(前ならこのままキスとかしてただろうな)
もう遠い昔のような気がする、そんな記憶はぼんやりとしか浮かばない。それくらいもう俺にとっては過去の話。
今がもう思い起こすこともないくらい満たされているから。
「……無理です」
「私、魅力ないですか?」
「いいえ、そんなことないですよ?綺麗な方だなぁって出会った時思いました」
「でもダメなんだ」
「城内さんがダメとかじゃないですよ」
俺の言葉にジッと見つめてくる。アイラインまで綺麗にひかれた瞳で、自分の魅せ方をよくわかってる。どうすれば自分の魅力がより引き出せるか、そんな女性がモテないわけがない。
「俺がねぇ……無理なんですよ。城内さんがとかじゃなくって……うーん……多分誰でも」
彼女以外は。
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