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番外編
秘密の恋ー1(高宮)
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秘密の恋はジレンマに悩まされることもある。
「周りにバレたって良くないですか?」
どうせ頑なに拒むんだろうなと思いつつも明日の天気を聞くくらい軽い感じで言ったら案の定目を見開いて首を横に振った。
「必要ないかと」
「どうして?そんなに嫌ですか?俺と付き合ってるってバレるのは燈子さんにとってはそんなに迷惑なことですか?」
この会話は何回か繰り返しているからいい加減彼女もうんざりしてきているのが目に見えている。
「そういう意味で言ってません、高宮さんが迷惑を被ることはあっても私にはないですよ?」
「いや、俺だってあなたに迷惑かけたいなんか思ってないんですよ、ただ彼女いるくらい言っても良くないかなぁって……」
「――それをあえて公言しないと仕事しにくいですか?」
(そんな風に聞かれると返事には困るけど……)
「すみません、言い方変えます、俺が言いたいだけです。彼女いるって、あなたとは言いません、絶対言いません、だから彼女がいるくらい言わせてください」
そこまで行ったら彼女は困った顔を見せて、はぁ、っと小さな溜息をこぼした。粘り勝ちだ、燈子さんが根負けした!そう思っていたら予想外なことを言ってくる。
「きっと上手に言ってくださるってわかってますよ?でも、どこかで私だってバレたとしても私が高宮さんとお付き合いしてるなんてきっと誰も信じませんよ?バレもしないようなことをわざわざ言う必要ないって思ってるだけなんです、それって高宮さんにとってもいいイメージつきませんし……彼女のいるいないだって……みんなもう思ってますよ、高宮さんに恋人がいるって。あえて自分の口から言う意味って逆になんか……」
「聞かれたら言いたいんです!聞かれないと言わないですから!」
「わざわざいるなんて言えば詮索しますよ、人は。どんな人、どこで出会った、気になってた人ならなおさら聞きます。むしろ聞いてくださいって言ってるようなものだと思いますけど」
ピシャリと言われて俯く。彼女の言い分は正論だ、今までの俺なら絶対同じことを思うしあえてプライベートなんか晒さなくていいと思っていたから。
「俺のイメージってそんな大事かな。そんなのどうでもいいし、どう思われてもいいけど」
吐き捨てるように言ったら彼女が声を荒げるように言う。
「私が嫌なの!」
付き合いだしても未だに高宮さん呼ばわり。敬語も全然取らないくせに、たまに出るタメ口が可愛すぎて困る。
「どうして……」
「え?」
「ううん……とりあえず、この話はもう終わり。お願い、わかって?」
「それずるいですって」
小さい子をなだめる様に優しくでもしっかりと叱るように言われると、あぁまた怒られた、とシュンとなる。
(いつもいつもこれに負けてる……)
それでも不思議とそれも心地よくて。彼女の言葉が俺に向けられるだけで胸がいっぱいになるから重症だと思う。
「それに私、もう仕事辞めようかと思ってるんです」
「そう……え?!」
(なんかサラッと衝撃的なこと言うな)
「周りにバレたって良くないですか?」
どうせ頑なに拒むんだろうなと思いつつも明日の天気を聞くくらい軽い感じで言ったら案の定目を見開いて首を横に振った。
「必要ないかと」
「どうして?そんなに嫌ですか?俺と付き合ってるってバレるのは燈子さんにとってはそんなに迷惑なことですか?」
この会話は何回か繰り返しているからいい加減彼女もうんざりしてきているのが目に見えている。
「そういう意味で言ってません、高宮さんが迷惑を被ることはあっても私にはないですよ?」
「いや、俺だってあなたに迷惑かけたいなんか思ってないんですよ、ただ彼女いるくらい言っても良くないかなぁって……」
「――それをあえて公言しないと仕事しにくいですか?」
(そんな風に聞かれると返事には困るけど……)
「すみません、言い方変えます、俺が言いたいだけです。彼女いるって、あなたとは言いません、絶対言いません、だから彼女がいるくらい言わせてください」
そこまで行ったら彼女は困った顔を見せて、はぁ、っと小さな溜息をこぼした。粘り勝ちだ、燈子さんが根負けした!そう思っていたら予想外なことを言ってくる。
「きっと上手に言ってくださるってわかってますよ?でも、どこかで私だってバレたとしても私が高宮さんとお付き合いしてるなんてきっと誰も信じませんよ?バレもしないようなことをわざわざ言う必要ないって思ってるだけなんです、それって高宮さんにとってもいいイメージつきませんし……彼女のいるいないだって……みんなもう思ってますよ、高宮さんに恋人がいるって。あえて自分の口から言う意味って逆になんか……」
「聞かれたら言いたいんです!聞かれないと言わないですから!」
「わざわざいるなんて言えば詮索しますよ、人は。どんな人、どこで出会った、気になってた人ならなおさら聞きます。むしろ聞いてくださいって言ってるようなものだと思いますけど」
ピシャリと言われて俯く。彼女の言い分は正論だ、今までの俺なら絶対同じことを思うしあえてプライベートなんか晒さなくていいと思っていたから。
「俺のイメージってそんな大事かな。そんなのどうでもいいし、どう思われてもいいけど」
吐き捨てるように言ったら彼女が声を荒げるように言う。
「私が嫌なの!」
付き合いだしても未だに高宮さん呼ばわり。敬語も全然取らないくせに、たまに出るタメ口が可愛すぎて困る。
「どうして……」
「え?」
「ううん……とりあえず、この話はもう終わり。お願い、わかって?」
「それずるいですって」
小さい子をなだめる様に優しくでもしっかりと叱るように言われると、あぁまた怒られた、とシュンとなる。
(いつもいつもこれに負けてる……)
それでも不思議とそれも心地よくて。彼女の言葉が俺に向けられるだけで胸がいっぱいになるから重症だと思う。
「それに私、もう仕事辞めようかと思ってるんです」
「そう……え?!」
(なんかサラッと衝撃的なこと言うな)
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