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続編/燈子過去編

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 あのあと風呂に行った彼女がなかなか上がってこないなと気づいたのは22時半くらい。


(ワイン飲んだって言ってたな、大丈夫かな)


 様子を見に行こうと思ったらちょうど扉が開いてバスローブ姿の彼女が出てきた。髪がふわんと乾いて蒸気した頬はピンクというよりかは紅い。
 ペタペタと裸足で歩いてきて鼻で息を吐きつつ俺の傍に寄ってきてぺたりと床に座った。

 昔は髪が長くて風呂上りは濡れるのが嫌だからとバスローブを着るようになったらしい。暮らしだして分かる習慣、知らなかった当たり前を知れるのは嬉しい、そんな感情を持つ自分にまた驚いていた。


「湯あたりしちゃった……」
「ワイン飲んでるのにダメじゃん、大丈夫?」
 ふわふわした前髪をかきあげておでこに触れると目を瞑ってされるがまま。真っ白な肌が紅く染まると初めて抱いた日をいつも思い出してすぐに欲情してしまう。
 吐き出される息はいつもより乱れ気味で胸が少し大きく上下している。気分が悪そうには見えないけれど、確実にのぼせた感はある。


「ちょっと待っててね」
 冷蔵庫から冷えた水をコップに入れて持っていくとトロンとした目がそれを見つめてありがとうと囁くように呟いて口につけた。
 ローブの隙間から見える喉元が水の流れに沿って動くのを黙って見つめる。半分以上水を飲んだら少しホッとしたのか表情が緩んだ。


「ありがとう、美味しい」
「酒飲んだときに長風呂しちゃダメだよ?平気?」
 髪をすくうように撫でると目を閉じて頷く。首筋に触れると熱い、その白い艶なまめかしい首筋を両手で包み込むとそっと目を開けた。俺の手が我慢できなくてそのまま肩まで滑り込んで入っていくのを止めることもしない。


(酒と風呂に酔った体に鬼畜かよ、俺)


 ローブの下はなにも着けていないのが肩越しでわかる。そんなカッコでこんな無防備な状態で近づいてくる彼女も彼女だ。


「平気……」
 平気の意味は体調が、なのはわかっているのに、それはこのまま進めても平気にとってしまう。


「キスだけしていい?」
「……え、キス、だけなの?」
 俺を試すみたいにほのめかしてくる。自分の状況を分かって言っているのか。


「湯あたりしてるでしょ?」
「……でもいつも駿くんがのぼせさせるもん、同じだよ」


(あざといな!)


「気分悪いとかないの?大丈夫?」
 聞くと素直に頷いて腕を伸ばしてくるからその手を引いて抱きしめる。その勢いでローブを首裏筋から引っ張りながら腰に巻かれた紐をほどくと白い肌が一気に目の前に晒されたんだ。

 
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