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本編
24話・零れ落ちていくもの(高宮)
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抱きしめて肩で息をしていると、胸の中でも熱い息を吐き続ける彼女がいる。すり寄るみたいに頬を胸に寄せて腕が肩に回ってくるとまた切なさが伴う。抱きしめられる、この腕に、胸の中に……この温かさはなんなんだ。
もっと、抱きしめてくれ――もっと強くてもいい。
俺を――抱きしめて。
「はぁ……」
(……つーか、萎えないんですけど。全然ヤれるわ、まだ足りない、もっと欲しい)
「あ……っ、は、あんっ、ん……」
自分がまるで動物になったような気がする。
ピクピク息絶え絶えになる魚のように身体を跳ねさせている彼女に優しく口づけて、ゴムを取り替えるために体を離した。ベッドに転がされた彼女はようやく休めると思ったようだけど、それを無視して体の向きを反転させた。
「ん……え、あ?なに、え、あんっ!」
「――もうちょっと頑張れますか?」
「や、え、まって!無理、無理で、や!あ、んぁん!」
「大丈夫、ゆっくりしますから」
「ゆっ――!あん!やだぁ、あっあっ」
足を上げて後ろから挿れるとトロトロになった場所はすんなりと俺を受け入れる。熱くてふやけたように柔らかいのに受け入れたらいきなり絡みついてくるから堪らなくて、奥まで突くと可愛い悲鳴を上げた。それにまた俺の身体は熱を取り戻してしまうだけ。
「あー、美山さん……やばい」
耳を甘噛みしながら腰を打ち付けると可愛い声で啼くから。
「んあ、ぁ、あっ!」
「かわいい……」
「んやぁあっ」
逃げようとするから抱きかかえて離さない。肌がいっそ溶け合えたらいいのに、それくらい思う。このままずっと、ひとつになったまま溶けてしまえたらいいのに――。
あの夜は……そんな風に抱き合っていた。そんな気持ちに包まれて彼女を抱きしめていた。
(――同意なしでどんなセックスしてんだよ、俺はぁ……)
恋人にするような甘やかしのセックスから始まって気づけばいつのまにか本能で腰を打ちつけていた。ただ、めちゃくちゃに抱いた気がする。思いだす度に懺悔はあるのに後悔がミクロもなくてそれがまたクズで泣きそうになった。
(まじで強姦だわ、これ。美山さんの気持ちなんかなんにも考えてねぇ、最悪)
あんなセックスは初めてだった。相性がいいはそうなんだけど、あのとき感じた独占欲はなんだろう。
彼女を独り占めしたいようなそんな気持ちで抱いていた。離したくなかった、どこにも行かせたくなくて、繋ぎとめたくて、だからこそ止められなかった。
あれから悲しいほど、彼女のことを考えている。彼女にとって俺はもう過去になってしまっているだけなのに。
もっと、抱きしめてくれ――もっと強くてもいい。
俺を――抱きしめて。
「はぁ……」
(……つーか、萎えないんですけど。全然ヤれるわ、まだ足りない、もっと欲しい)
「あ……っ、は、あんっ、ん……」
自分がまるで動物になったような気がする。
ピクピク息絶え絶えになる魚のように身体を跳ねさせている彼女に優しく口づけて、ゴムを取り替えるために体を離した。ベッドに転がされた彼女はようやく休めると思ったようだけど、それを無視して体の向きを反転させた。
「ん……え、あ?なに、え、あんっ!」
「――もうちょっと頑張れますか?」
「や、え、まって!無理、無理で、や!あ、んぁん!」
「大丈夫、ゆっくりしますから」
「ゆっ――!あん!やだぁ、あっあっ」
足を上げて後ろから挿れるとトロトロになった場所はすんなりと俺を受け入れる。熱くてふやけたように柔らかいのに受け入れたらいきなり絡みついてくるから堪らなくて、奥まで突くと可愛い悲鳴を上げた。それにまた俺の身体は熱を取り戻してしまうだけ。
「あー、美山さん……やばい」
耳を甘噛みしながら腰を打ち付けると可愛い声で啼くから。
「んあ、ぁ、あっ!」
「かわいい……」
「んやぁあっ」
逃げようとするから抱きかかえて離さない。肌がいっそ溶け合えたらいいのに、それくらい思う。このままずっと、ひとつになったまま溶けてしまえたらいいのに――。
あの夜は……そんな風に抱き合っていた。そんな気持ちに包まれて彼女を抱きしめていた。
(――同意なしでどんなセックスしてんだよ、俺はぁ……)
恋人にするような甘やかしのセックスから始まって気づけばいつのまにか本能で腰を打ちつけていた。ただ、めちゃくちゃに抱いた気がする。思いだす度に懺悔はあるのに後悔がミクロもなくてそれがまたクズで泣きそうになった。
(まじで強姦だわ、これ。美山さんの気持ちなんかなんにも考えてねぇ、最悪)
あんなセックスは初めてだった。相性がいいはそうなんだけど、あのとき感じた独占欲はなんだろう。
彼女を独り占めしたいようなそんな気持ちで抱いていた。離したくなかった、どこにも行かせたくなくて、繋ぎとめたくて、だからこそ止められなかった。
あれから悲しいほど、彼女のことを考えている。彼女にとって俺はもう過去になってしまっているだけなのに。
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