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本編

23話・泣きたくなる気持ち(高宮)

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 メガネを外した素顔の彼女は思っていたよりも幼かった。肌も透き通るように白い。いつも俯くように顔を隠して目立たないように歩く姿をたまに見ることもあったけど、そんな風に歩く必要なんか何にもないくらい素朴だけど、かわいい顔をしていた。

 キスを重ねるたびに甘い喘ぎをこぼして体を跳ね上がらせるのがたまらなくて腫れるほど口づけを交わした。キスをしていると頭の中はどんどんハッキリとしてきて体の中は完全に覚醒されてきた。


(このまま抱き潰したい……もっと……)


 ぐちゃぐちゃにして、もっと――そう求められるほど溺れさせたい。俺なしじゃ生きていけない、そうなるほど俺を求めてくれ。それくらい狂暴的な気持ちをかかえて抱いているなんて彼女は気づかないだろう。そう思ってしまうほど、彼女の身体は驚くほど俺に馴染むから。

 俺自身が――彼女を離したくない。


「はぁっ!あっ、あぁんっ!」
 ビクビクさせながら吸い付くように締め上げてくるからイキそうになるのを堪えようと奥歯をギリギリと噛んだ。そのせいで口の中が鉄の味で広がっていく。感じまくる彼女は震える指先をそっと俺の唇に添えてきた。


「あ、っ、ぁ、ちぃ……血、がぁっ、ん」
「……はぁ、気持ち良すぎるから。イっちゃいそう……」
「あんっ、はっぁ……」
「――美山さんは?気持ち……いいですか?」
 素直にコクコクと頷く。
 白い肌を桜色に染めて震えながら頷くのが余計に身体を滾らせた。どんなふうに触れても嫌がることなく、本当に俺が言ったように素直に受け入れてくれる。それがまた俺の心を震えさせて締め付けた。


 そんな風に胸が痛くなるのは久しぶりのことだ、苦しくて歯がゆい、なのにどうしてこんなに泣きたくなるほど嬉しいんだろう。


(やばいわーー、なんだこれ。挿れてるだけで持ってかれそうとかなに?熱くて溶けそう)


 奥歯を噛むだけでは耐えれなくて昇った血を分散させるように頭を振った。何度か息を吐いて気持ちを整えようとするのに、どんどん熱くなっていく中は俺に絡みつくように締め付けて吸い付いてくる。


「はぁーやばい、一回イキたい……イっていいですか?」
「……っ、は、ぁっ……はぃ」


(はいって……素直に頷くとか可愛すぎるから)


 お言葉に甘えてさらに奥を突きつける。熱い中の潤いは感じたことのないほど粘度を感じて気持ちいいが超える。恍惚感に浸りながら彼女の身体を強く抱きしめてもっと奥まで届くように押し入った。


「んあんっ!」


(あー、やっばーーもうこれ、すぐイキそう)


 ギュゥゥウと締め付けられて息が止まりそうになる。


「や、ぁ、だめっ、あっ、あっ!ああんっ!!」
 数回打ち付けたら熱いものが放たれて解放された。喉の奥から息を吐き出して震える彼女の身体をただぎゅっと抱きしめた。


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