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本編
22話・暴かれる心の奥(燈子)
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キスだけで感じるとかあるんだろうか。こんなに苦しいキスなのに目が回りそうなほど気持ちいい。彼に残るお酒が私の体にも回ってきているのか、深く押し付けたり、唇を優しく咥えられたり、熱い舌が歯列をなぞって奥に押し込まれてきた。ためらいながらもそれを受け入れてしまっておそるおそる絡めるとさらに飲み込まれるような深いキスになった。
「んっ――」
クチュ、チュ……ピチャ、クチュウ――っと絡み合う唇から漏れる水音がいやらしくてやたら耳につく。
(キスが……気持ちよすぎるってなに)
こんなキスはしらない。今までこんなキスをされたことがない。付き合っていた人としたキスだってこんな気持ちになったことがない。好きだったはずなのに、今までキスをした相手のことは好きじゃなかったのだろうか。
彼とするキスだけがこの世で一番気持ちよくて好き――そう思いながらキスに応えた。
「んんっ、ゥンっ、は、あんんっ」
声が勝手に漏れてさすがにこれ以上流されるのはまずいと目を覚ます。
(ダメ、もうやめないとダメ。高宮さんは今普通の状態じゃないんだから!私がちゃんと止めないと絶対ダメ!!)
もう一人の私が理性を保って叫んでいる。ダメだと、もう終わりにして、意志はあるのにその気持ちとは裏腹に体は彼にどんどん開いてしまうのだ。
(――もっと触られたい、このまま……この手に抱きしめられるなら……なにも考えられなくなるほど……)
――抱きしめて。
そんなことを考えながらキスに応えている自分は――馬鹿だ。
「……美山さん」
色っぽい声が私を呼んだ。
気が遠くなりそうな蕩けるキスが止んでその呼びかけに目を開けると、熱っぽく見つめる彼と視線が絡み合う。
「口……開けて?」
「……っ、ぁ……」
言われるがまま塞がれていた唇をまた開けたら、ぬるりと熱い舌が入り込んできて……じゃれ合うように絡み合わせると溶けそうなほどの熱を含んでいる。
「んんっ……」
「っ、はぁ……」
吐息までも絡むから、思わず手が彼の頬を包んで自分から唇を差しだしていた。
「んっ――」
深く口づけられると胸の奥が締め付けられた。この感覚は――切ないに似ている。でもどうしてだろう、切ないからこそたまらなくなった。この切なさを一緒に感じて?そう思った。
この夜を――身体中で受け止めたい。
「――俺のこと、受け入れて下さい」
その言葉はまるで、私の隠したかった心のうちを暴いたのか、そう思ったらもう理性が彼から放たれる熱に溶けたように私の身体の力は抜け落ちてしまった。
「んっ――」
クチュ、チュ……ピチャ、クチュウ――っと絡み合う唇から漏れる水音がいやらしくてやたら耳につく。
(キスが……気持ちよすぎるってなに)
こんなキスはしらない。今までこんなキスをされたことがない。付き合っていた人としたキスだってこんな気持ちになったことがない。好きだったはずなのに、今までキスをした相手のことは好きじゃなかったのだろうか。
彼とするキスだけがこの世で一番気持ちよくて好き――そう思いながらキスに応えた。
「んんっ、ゥンっ、は、あんんっ」
声が勝手に漏れてさすがにこれ以上流されるのはまずいと目を覚ます。
(ダメ、もうやめないとダメ。高宮さんは今普通の状態じゃないんだから!私がちゃんと止めないと絶対ダメ!!)
もう一人の私が理性を保って叫んでいる。ダメだと、もう終わりにして、意志はあるのにその気持ちとは裏腹に体は彼にどんどん開いてしまうのだ。
(――もっと触られたい、このまま……この手に抱きしめられるなら……なにも考えられなくなるほど……)
――抱きしめて。
そんなことを考えながらキスに応えている自分は――馬鹿だ。
「……美山さん」
色っぽい声が私を呼んだ。
気が遠くなりそうな蕩けるキスが止んでその呼びかけに目を開けると、熱っぽく見つめる彼と視線が絡み合う。
「口……開けて?」
「……っ、ぁ……」
言われるがまま塞がれていた唇をまた開けたら、ぬるりと熱い舌が入り込んできて……じゃれ合うように絡み合わせると溶けそうなほどの熱を含んでいる。
「んんっ……」
「っ、はぁ……」
吐息までも絡むから、思わず手が彼の頬を包んで自分から唇を差しだしていた。
「んっ――」
深く口づけられると胸の奥が締め付けられた。この感覚は――切ないに似ている。でもどうしてだろう、切ないからこそたまらなくなった。この切なさを一緒に感じて?そう思った。
この夜を――身体中で受け止めたい。
「――俺のこと、受け入れて下さい」
その言葉はまるで、私の隠したかった心のうちを暴いたのか、そう思ったらもう理性が彼から放たれる熱に溶けたように私の身体の力は抜け落ちてしまった。
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