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一章 想いの力
体育祭 その6
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そして、その騎馬戦。参加人数もあってか、クラスの座席は結構スカスカだった。
「さて、どうなるかな」
最初は一年生の騎馬戦だ。一年生というのもあってか、あまりキレはなく見どころのない試合だった。しかし、展開自体は面白いものだった。
『それでは、赤組、青組、緑組の大将によるバトルロワイヤルを開始します』
奇妙なことに、各戦一勝一敗の結果だったので、大将のみでバトルロワイヤルをすることになったらしい。
「僕としては時間短縮のために最初からバトルロワイヤルにしたほうがいいと思うんだけどね」
「怪我すんだろ」
そう言いながらバトルロワイヤルを眺める。途中で赤組と緑組が結託したのか同時に青組を潰しにかかった。
「無言で結託するなんて、青組からしたらたまったもんじゃないね」
「その方が時間短縮になるからいいんじゃないのか?」
「勿論」
次第に青組はハチマキを取られてしまい、赤組と緑組の一騎打ち……となると思われたが、不意をついた赤組が緑組のハチマキを取り、結果赤組が勝利した。
「初手からこんな白熱するなんて……いいね」
「まあ、予想できる限り次は地獄絵図だろうからな……」
一年生の騎馬戦が終わり、次は二年生の騎馬戦。
『続いて二年生の騎馬戦を行います。赤組と緑組は騎馬を作ってください」
「なあ」
「うん」
二人は騎馬を作っている二組を見た。緑組は遊楽のせいか士気が上がってイキイキしているように見えるが、赤組は大敵への挑戦ということで士気が下がっているように見えた。
「そりゃな、そうなるよな」
「番狂わせがあるかもしれないよ?」
「ないだろ」
『それでは赤組対緑組の騎馬戦……始め!』
そのアナウンスとともに、やはりと言うべきか兵を盾に大将が突っ込んでいった。
「やっぱりそうなるよな」
やけに遊楽が叫んでいる。その理由はすぐに分かった。
「貝戯さん、戦いながら指示を出しているね」
「よく頭回るな」
案の定、大将騎だけで兵を四騎ほど撃沈させて場をかき乱した上で戦線を引いていった。こうなると数の暴力で、赤組はあっけなく敗れ去った。
「こんなの相手にしたくねえよ」
「かわいそうに……」
『只今の勝負は緑組の勝利となりました。続けて青組対緑組の勝負に入ります』
実況は赤組が休息が必要と判断したのか、本来のプログラムと違う順番で進行し始めた。
「あーあ」
結局、次の試合も遊楽の騎馬が無双しただけだった。
『えー……緑組の勝利です。続いて赤組と青組の勝負に入ります』
なんというか、緑組の無敵振りを見たからか、この試合は消化試合感が凄まじかった。結果はと言うと、赤組の勝利だった。
「青組、散々だな」
こうして、二年生の騎馬戦は緑組の大圧勝で終了した。こんなので三年生の騎馬戦は大丈夫なのか?という空気だったが、遊楽の無双程とはいかないが盛り上がった。騎馬戦が終わり、出場選手が戻ってきた。
「遊楽、凄かったぞ」
「当然ね。私が大将である限り負けはありえないわ」
「あまりにも強すぎて、その後の試合が余興みたいになっちゃってたね」
奮戦していた割に汗をかいていない遊楽。だが、それとは真逆に大将騎馬だったと思われる生徒は汗だくだった。
「苦労させてるな」
「そうね。でも勝ったんだからいいでしょ」
そう言って遊楽は席に座り、飲み物を飲む。
「さ、次は最後の種目よ。暮華の出番、たっぷり見ときなさい」
「さて、どうなるかな」
最初は一年生の騎馬戦だ。一年生というのもあってか、あまりキレはなく見どころのない試合だった。しかし、展開自体は面白いものだった。
『それでは、赤組、青組、緑組の大将によるバトルロワイヤルを開始します』
奇妙なことに、各戦一勝一敗の結果だったので、大将のみでバトルロワイヤルをすることになったらしい。
「僕としては時間短縮のために最初からバトルロワイヤルにしたほうがいいと思うんだけどね」
「怪我すんだろ」
そう言いながらバトルロワイヤルを眺める。途中で赤組と緑組が結託したのか同時に青組を潰しにかかった。
「無言で結託するなんて、青組からしたらたまったもんじゃないね」
「その方が時間短縮になるからいいんじゃないのか?」
「勿論」
次第に青組はハチマキを取られてしまい、赤組と緑組の一騎打ち……となると思われたが、不意をついた赤組が緑組のハチマキを取り、結果赤組が勝利した。
「初手からこんな白熱するなんて……いいね」
「まあ、予想できる限り次は地獄絵図だろうからな……」
一年生の騎馬戦が終わり、次は二年生の騎馬戦。
『続いて二年生の騎馬戦を行います。赤組と緑組は騎馬を作ってください」
「なあ」
「うん」
二人は騎馬を作っている二組を見た。緑組は遊楽のせいか士気が上がってイキイキしているように見えるが、赤組は大敵への挑戦ということで士気が下がっているように見えた。
「そりゃな、そうなるよな」
「番狂わせがあるかもしれないよ?」
「ないだろ」
『それでは赤組対緑組の騎馬戦……始め!』
そのアナウンスとともに、やはりと言うべきか兵を盾に大将が突っ込んでいった。
「やっぱりそうなるよな」
やけに遊楽が叫んでいる。その理由はすぐに分かった。
「貝戯さん、戦いながら指示を出しているね」
「よく頭回るな」
案の定、大将騎だけで兵を四騎ほど撃沈させて場をかき乱した上で戦線を引いていった。こうなると数の暴力で、赤組はあっけなく敗れ去った。
「こんなの相手にしたくねえよ」
「かわいそうに……」
『只今の勝負は緑組の勝利となりました。続けて青組対緑組の勝負に入ります』
実況は赤組が休息が必要と判断したのか、本来のプログラムと違う順番で進行し始めた。
「あーあ」
結局、次の試合も遊楽の騎馬が無双しただけだった。
『えー……緑組の勝利です。続いて赤組と青組の勝負に入ります』
なんというか、緑組の無敵振りを見たからか、この試合は消化試合感が凄まじかった。結果はと言うと、赤組の勝利だった。
「青組、散々だな」
こうして、二年生の騎馬戦は緑組の大圧勝で終了した。こんなので三年生の騎馬戦は大丈夫なのか?という空気だったが、遊楽の無双程とはいかないが盛り上がった。騎馬戦が終わり、出場選手が戻ってきた。
「遊楽、凄かったぞ」
「当然ね。私が大将である限り負けはありえないわ」
「あまりにも強すぎて、その後の試合が余興みたいになっちゃってたね」
奮戦していた割に汗をかいていない遊楽。だが、それとは真逆に大将騎馬だったと思われる生徒は汗だくだった。
「苦労させてるな」
「そうね。でも勝ったんだからいいでしょ」
そう言って遊楽は席に座り、飲み物を飲む。
「さ、次は最後の種目よ。暮華の出番、たっぷり見ときなさい」
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