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一章 想いの力
ドタバタ新学期 その3
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翌日。
「……くーん?朝だよー?」
「ん……くれ……か……?」
呼び覚ます声に反応して、悠善は目を開ける。
「おはよう、悠君」
「おはよう、暮華……って」
暮華と思って受け答えをしたのだが、悠善の目に映ったのは別人だった。
「なんだ、慧乃じゃないか……」
「えへ、おはようございます悠兄」
狩染慧乃、暮華の妹だ。昨日入学式を終えたばかりの新入生だ。
「暮華はどうした」
「私じゃだめでしたか……?」
「違う、わかったからその顔をやめろ」
慧乃が涙目で訴える。勿論これが嘘泣きなのは分かっているが、どうしても罪悪感が出てしまう。
「それで、なんで今日は慧乃が?」
「ああ、お姉ちゃんが遊楽さんに料理を教えるから、代わりに起こしてきて、って。妹使いが粗いですよね」
確かに、遊楽に付きっきりなら起こしに来れないだろう。しかし、だからと言ってまさか妹に起こさせるとは……いくつと思っているんだ、と悠善は思った。
「にしても、悠兄の部屋に来たの久々だなぁ」
「ほぼ毎日のように来てる暮華がおかしいだけだ」
と。慧乃の方を見ると、驚愕の事実が発覚した。
「って、うおおおおおおおおっ!?」
「悠君!?」
悠善の叫び声を聞いて、ドタドタと音を立てて悠善の部屋に暮華が入ってくる。
「け、慧乃!?なんで慧乃までそんな格好するの!?」
昨日の遊楽より更に酷い、下着だけの姿の慧乃。悠善は逃げれないので、デジャヴを感じながら壁の方にそっと向いた。
「お姉ちゃんが居ない間に悠兄を攻略しようかと」
「とにかく服着て!昨日今日でなんで同じことが起こるの……」
悠善の後ろで慧乃に服を着せる暮華。
「お姉ちゃん、ほんと悠兄に対して愛が重いよね」
「慧乃にはこの愛を超えるのは無理だね」
姉妹が言い合っていると、台所から遊楽の声が聞こえる。
「ねー、まだなんかやってるのー?」
「もうちょっと待ってー、貝戯さーん」
服を着せ終わった暮華は、すぐに遊楽の方に戻っていった。
「まったく、朝から驚かせるな」
「えへ」
慧乃は全く反省していない様子だった。昔からいたずらっ子なところは姉に似たが、ここまでは流石に暮華もしない。
「遊楽には挨拶したんだろ?」
「うん、ちょっと尊大な気もするけどいい人ですよ」
どうやら遊楽の秘密については話されていないようだ。まあ、話したところで慧乃には信じてもらえないだろう。非現実的とか何だとか言って。
「ところで、同じ高校なんだよな?なら、一緒に登校するか?」
「え、いいんです?」
「どうせ同じ高校なんだから、お前だけ一人で登校しろ、なんてひどいこと言えないからな」
慧乃は少し考えた後、それを了承した。
「まあ、断る理由もないですし、いいですよ。それに……」
「それに?」
「ワンチャンあるかもですしね」
そう言って慧乃は部屋から出ていった。
「……学校の準備するか」
多少言動に気になるところはあったが、気にするだけ無駄と思い、とりあえず料理が出来るまで悠善は学校の準備をすることにした。ドアの向こうからは、いつもの暮華の料理とはちょっと違う匂いがした。
しばらくして、暮華が朝ごはんできたよ、と呼んできたので、悠善は部屋を出た。
「今日はね、一品だけ貝戯さんが作ったのよ」
悠善の目には、どれも同じようにしか見えなかった。
「どれだよ」
「それを言ったら隠した意味がないでしょ?」
「まあ、いつもお姉ちゃんのご飯食べてるんだから当てられますよね悠兄?」
「外したら許さないから」
三人からプレッシャーをかけられながら悠善は席に着いて一つ一つ食べ始める。
「米は流石に違うとして……味噌汁か?」
はじめに味噌汁に口をつけた。……味はいつもどおりだった。具材も、悠善の好きな豆腐とネギだった。
「これじゃないな……慧乃はもう答え知ってるのか?」
「勿論」
一応確認してから、悠善は次の品に手を伸ばす。
「この手で一番ありそうなのは野菜炒めだが……」
米と一緒に野菜炒めを口に運ぶ。程よい醤油と塩コショウの味がする。
「美味しいな」
野菜炒めを飲み込み、最後の品に手を伸ばす。
最後は卵焼きだ。悠善の記憶する限り、暮華の得意料理だ。
「うーん……」
多少味が違う気がするが、いつも通りな気もする。
「で、分かった?」
暮華が笑顔で悠善に語りかける。
「正直、どれも同じ味に感じるが、どうせ暮華のことだからわざと同じになるように微調整したんだろうな」
「それはどうかなー」
ニコニコしている暮華の横で神妙な顔をしている遊楽。
「未来のお嫁さんが決まりますよ、悠兄」
「そこまでかよ」
横に座っている慧乃に茶々を入れられながら、もう一度思考を巡らせる。
「……決めた」
悠善は決意を固めて、どれが遊楽が作ったかを当てる。
「多分……いや、絶対遊楽が作ったのは卵焼きだな」
「「「…………」」」
しばらくの静寂の後、遊楽が口を開いた。
「……正解よ」
「これで間違えたらもう悠君にごはん作ってあげないところだったよ」
「なおさら正解してよかった……」
答え合わせが終わってから、三人が朝食を食べ始める。
「ねえ、敷島君?その……美味しくなかったら食べなくていいのよ?」
「せっかく作ってくれたんだし、食べるさ。まずいわけでもないし」
そう言って悠善はこれみよがしに卵焼きを食べる。
「あー。私の料理じゃなくて貝戯さんの料理のほうがいいんだー。うわー」
「お姉ちゃん、遊楽さんに取られちゃったね」
「……ふん」
暫くの間、暮華は不機嫌になってしまった。自分が作った料理じゃないのを当ててもらったのは嬉しいが、それはそれとして自分が作ってないのを目の前で美味しそうに食べられたら、誰だって不機嫌になるだろう。
そんな若干悪くなった空気の中、朝食を食べ終わった四人は、学校へと向かった。
「やあ諸君……おや、妹さんも居たんだ」
「『居たんだ』って、ひどくないですか」
登校途中、綾月と合流した四人。
「敷島ハーレムにまた一つ華が増えたね」
「おそらくそのハーレム、一強じゃないか?」
なんて冗談を言い合いながら学校への道を歩く。
「確か、三人とも同じクラスなんですよね?いいなあ」
「昨日は大変だったけどな」
「え?」
詳しくは三人とも話さなかったが、それとなく修羅場があったことをやんわりと伝えた。
「あー、いいなー、遊びに行きたいなー」
「慧乃、話が合う人見つからないの?」
「と言うより、なんかわりと同じ中学からの同級生組多くて……その輪にわざわざ入るのも面倒じゃん?」
どうやら慧乃は新しい友達づくりが面倒らしい。
「僕が言うのもあれだけど、こんな癖が強い先輩たちと一緒に居るより同級生と一緒に居たほうが楽じゃない?それに上の学年の教室に行くなんてかなーり精神要るよ」
「そ、それもそうですね……」
綾月がそう言うと、更に慧乃は悩んでしまった。
「むーん、分かりました、頑張ってみます……」
「そうしたほうがいいよ」
綾月はニッコリと笑う。
「昨日も思ったけど、本当に綾月君ってタラシなのね」
「そりゃもう」「ねえ」
「人聞きが悪いなあ」
遊楽のそんな感想に、悠善と暮華が同調し、そして綾月が不満を垂らす。
「……やっぱりお姉ちゃんには勝てないのかなあ」
そんな四人のやり取りを見てポツリと慧乃は言葉をこぼした。それを見て、綾月が嫌な笑顔をして慧乃に近づく。
「作戦はどうだった?」
「失敗です失敗。お姉ちゃんに怒られただけでしたよ」
「まあ、だろうね」
実は、あの事件は綾月が仕込んだものだった。おそらく昨日の遊楽の話を聞いて、面白そうと思って慧乃に実行させたのだろう。
「次はどうしよっか?あの愛が重い姉に勝つにはいろいろ策を講じないとだけど」
「もういいですって。お姉ちゃんには勝てません」
「……ふむ」
その言葉を聞いた綾月は、少し考えて、慧乃に耳打ちをした。
「……ということだけど、どうかな?」
「なるほど、それならちょっとだけ勝機があるかもです」
「気をつけてね、貝戯さんのポテンシャルがどうかはわからないから」
「何話してんだ?」
そこまで話したところで、悠善に話しかけられてしまった。
「いいや、なんでも」
「ええ、なんでもないですよ」
悠善に笑顔で返す二人。すぐに興味を失ったのか、悠善はまた前を向く。
「まあ、土曜日を楽しみにしとくよ」
綾月も慧乃にそう言って輪に入っていった。
「……」
綾月の言葉に、学校に到着しても慧乃は悶々としたのだった。
「……くーん?朝だよー?」
「ん……くれ……か……?」
呼び覚ます声に反応して、悠善は目を開ける。
「おはよう、悠君」
「おはよう、暮華……って」
暮華と思って受け答えをしたのだが、悠善の目に映ったのは別人だった。
「なんだ、慧乃じゃないか……」
「えへ、おはようございます悠兄」
狩染慧乃、暮華の妹だ。昨日入学式を終えたばかりの新入生だ。
「暮華はどうした」
「私じゃだめでしたか……?」
「違う、わかったからその顔をやめろ」
慧乃が涙目で訴える。勿論これが嘘泣きなのは分かっているが、どうしても罪悪感が出てしまう。
「それで、なんで今日は慧乃が?」
「ああ、お姉ちゃんが遊楽さんに料理を教えるから、代わりに起こしてきて、って。妹使いが粗いですよね」
確かに、遊楽に付きっきりなら起こしに来れないだろう。しかし、だからと言ってまさか妹に起こさせるとは……いくつと思っているんだ、と悠善は思った。
「にしても、悠兄の部屋に来たの久々だなぁ」
「ほぼ毎日のように来てる暮華がおかしいだけだ」
と。慧乃の方を見ると、驚愕の事実が発覚した。
「って、うおおおおおおおおっ!?」
「悠君!?」
悠善の叫び声を聞いて、ドタドタと音を立てて悠善の部屋に暮華が入ってくる。
「け、慧乃!?なんで慧乃までそんな格好するの!?」
昨日の遊楽より更に酷い、下着だけの姿の慧乃。悠善は逃げれないので、デジャヴを感じながら壁の方にそっと向いた。
「お姉ちゃんが居ない間に悠兄を攻略しようかと」
「とにかく服着て!昨日今日でなんで同じことが起こるの……」
悠善の後ろで慧乃に服を着せる暮華。
「お姉ちゃん、ほんと悠兄に対して愛が重いよね」
「慧乃にはこの愛を超えるのは無理だね」
姉妹が言い合っていると、台所から遊楽の声が聞こえる。
「ねー、まだなんかやってるのー?」
「もうちょっと待ってー、貝戯さーん」
服を着せ終わった暮華は、すぐに遊楽の方に戻っていった。
「まったく、朝から驚かせるな」
「えへ」
慧乃は全く反省していない様子だった。昔からいたずらっ子なところは姉に似たが、ここまでは流石に暮華もしない。
「遊楽には挨拶したんだろ?」
「うん、ちょっと尊大な気もするけどいい人ですよ」
どうやら遊楽の秘密については話されていないようだ。まあ、話したところで慧乃には信じてもらえないだろう。非現実的とか何だとか言って。
「ところで、同じ高校なんだよな?なら、一緒に登校するか?」
「え、いいんです?」
「どうせ同じ高校なんだから、お前だけ一人で登校しろ、なんてひどいこと言えないからな」
慧乃は少し考えた後、それを了承した。
「まあ、断る理由もないですし、いいですよ。それに……」
「それに?」
「ワンチャンあるかもですしね」
そう言って慧乃は部屋から出ていった。
「……学校の準備するか」
多少言動に気になるところはあったが、気にするだけ無駄と思い、とりあえず料理が出来るまで悠善は学校の準備をすることにした。ドアの向こうからは、いつもの暮華の料理とはちょっと違う匂いがした。
しばらくして、暮華が朝ごはんできたよ、と呼んできたので、悠善は部屋を出た。
「今日はね、一品だけ貝戯さんが作ったのよ」
悠善の目には、どれも同じようにしか見えなかった。
「どれだよ」
「それを言ったら隠した意味がないでしょ?」
「まあ、いつもお姉ちゃんのご飯食べてるんだから当てられますよね悠兄?」
「外したら許さないから」
三人からプレッシャーをかけられながら悠善は席に着いて一つ一つ食べ始める。
「米は流石に違うとして……味噌汁か?」
はじめに味噌汁に口をつけた。……味はいつもどおりだった。具材も、悠善の好きな豆腐とネギだった。
「これじゃないな……慧乃はもう答え知ってるのか?」
「勿論」
一応確認してから、悠善は次の品に手を伸ばす。
「この手で一番ありそうなのは野菜炒めだが……」
米と一緒に野菜炒めを口に運ぶ。程よい醤油と塩コショウの味がする。
「美味しいな」
野菜炒めを飲み込み、最後の品に手を伸ばす。
最後は卵焼きだ。悠善の記憶する限り、暮華の得意料理だ。
「うーん……」
多少味が違う気がするが、いつも通りな気もする。
「で、分かった?」
暮華が笑顔で悠善に語りかける。
「正直、どれも同じ味に感じるが、どうせ暮華のことだからわざと同じになるように微調整したんだろうな」
「それはどうかなー」
ニコニコしている暮華の横で神妙な顔をしている遊楽。
「未来のお嫁さんが決まりますよ、悠兄」
「そこまでかよ」
横に座っている慧乃に茶々を入れられながら、もう一度思考を巡らせる。
「……決めた」
悠善は決意を固めて、どれが遊楽が作ったかを当てる。
「多分……いや、絶対遊楽が作ったのは卵焼きだな」
「「「…………」」」
しばらくの静寂の後、遊楽が口を開いた。
「……正解よ」
「これで間違えたらもう悠君にごはん作ってあげないところだったよ」
「なおさら正解してよかった……」
答え合わせが終わってから、三人が朝食を食べ始める。
「ねえ、敷島君?その……美味しくなかったら食べなくていいのよ?」
「せっかく作ってくれたんだし、食べるさ。まずいわけでもないし」
そう言って悠善はこれみよがしに卵焼きを食べる。
「あー。私の料理じゃなくて貝戯さんの料理のほうがいいんだー。うわー」
「お姉ちゃん、遊楽さんに取られちゃったね」
「……ふん」
暫くの間、暮華は不機嫌になってしまった。自分が作った料理じゃないのを当ててもらったのは嬉しいが、それはそれとして自分が作ってないのを目の前で美味しそうに食べられたら、誰だって不機嫌になるだろう。
そんな若干悪くなった空気の中、朝食を食べ終わった四人は、学校へと向かった。
「やあ諸君……おや、妹さんも居たんだ」
「『居たんだ』って、ひどくないですか」
登校途中、綾月と合流した四人。
「敷島ハーレムにまた一つ華が増えたね」
「おそらくそのハーレム、一強じゃないか?」
なんて冗談を言い合いながら学校への道を歩く。
「確か、三人とも同じクラスなんですよね?いいなあ」
「昨日は大変だったけどな」
「え?」
詳しくは三人とも話さなかったが、それとなく修羅場があったことをやんわりと伝えた。
「あー、いいなー、遊びに行きたいなー」
「慧乃、話が合う人見つからないの?」
「と言うより、なんかわりと同じ中学からの同級生組多くて……その輪にわざわざ入るのも面倒じゃん?」
どうやら慧乃は新しい友達づくりが面倒らしい。
「僕が言うのもあれだけど、こんな癖が強い先輩たちと一緒に居るより同級生と一緒に居たほうが楽じゃない?それに上の学年の教室に行くなんてかなーり精神要るよ」
「そ、それもそうですね……」
綾月がそう言うと、更に慧乃は悩んでしまった。
「むーん、分かりました、頑張ってみます……」
「そうしたほうがいいよ」
綾月はニッコリと笑う。
「昨日も思ったけど、本当に綾月君ってタラシなのね」
「そりゃもう」「ねえ」
「人聞きが悪いなあ」
遊楽のそんな感想に、悠善と暮華が同調し、そして綾月が不満を垂らす。
「……やっぱりお姉ちゃんには勝てないのかなあ」
そんな四人のやり取りを見てポツリと慧乃は言葉をこぼした。それを見て、綾月が嫌な笑顔をして慧乃に近づく。
「作戦はどうだった?」
「失敗です失敗。お姉ちゃんに怒られただけでしたよ」
「まあ、だろうね」
実は、あの事件は綾月が仕込んだものだった。おそらく昨日の遊楽の話を聞いて、面白そうと思って慧乃に実行させたのだろう。
「次はどうしよっか?あの愛が重い姉に勝つにはいろいろ策を講じないとだけど」
「もういいですって。お姉ちゃんには勝てません」
「……ふむ」
その言葉を聞いた綾月は、少し考えて、慧乃に耳打ちをした。
「……ということだけど、どうかな?」
「なるほど、それならちょっとだけ勝機があるかもです」
「気をつけてね、貝戯さんのポテンシャルがどうかはわからないから」
「何話してんだ?」
そこまで話したところで、悠善に話しかけられてしまった。
「いいや、なんでも」
「ええ、なんでもないですよ」
悠善に笑顔で返す二人。すぐに興味を失ったのか、悠善はまた前を向く。
「まあ、土曜日を楽しみにしとくよ」
綾月も慧乃にそう言って輪に入っていった。
「……」
綾月の言葉に、学校に到着しても慧乃は悶々としたのだった。
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