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一章 アリス・バース・デイ

チーム「不満☆爆発」 その2

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 で、夜。
 私が早めにログインすると、白ウサさんとディーさん、それとかぐやさんとホウライさんが居た。
「お、アリス。……って、おい」
 白ウサさんが挨拶してきたけど、それよりもホウライさんに聞きたいことがあった。
「あ、アリスちゃんだ。やっほー」
「アリスちゃんじゃん、やほやほやっほー」
「私、ホウライさんに用があるんです」
「私に?なになに、ついに姫を崇拝する気になった?」
「違います、かぐやさんちょっとホウライさん借りますね」
 そう言って私はホウライさんの手を取って、図書館の端へと連れて行った。
「もしかして、アリスちゃんが私に告白?きゃー、私姫一筋だからごめんねー?」
「そうじゃないです……今日、CDショップ、行きました?」
「んー、行ったけど。姫のCDの特典のために。それがどうか?」
 ……やっぱりそうだ。
「あの、妹に変なこと教え込むの、やめてくださいね?」
「妹……?」
 少しだけホウライさんは考え込むようにしていた。ギャルっぽくてわからないけど、顔立ちを見るとやっぱりあの人なんだなって確信する。
「……もしかして、あの双子ちゃんのどっちか?妹、ってことは、そっちか……」
 小声で言って、ホウライさんは理解したようだ。
「まぁまぁ、現実世界でのこと知られても困ること無いし―、的な?むしろ同士が居ることが嬉しいし、ね?ねえねえ、今度家に遊びに行ってもいい?妹ちゃんと姫について話したいんだけどさー、ね?」
 動揺した様子も見せずにグイグイ来るホウライさん。顔も何も近づけてくるし、何より身長差のせいでその大きな胸が顔に当たりそうだし……
「わ、分かりましたから。なんでこっちの世界のほうがグイグイ率高いんですか」
「だって、どっちかと言うとこういうギャル系が私の素だし?」
「そ、そうですか。てっきしすごいお淑やかな人だなって思ってたんですけど……」
「マジー?擬態完了してるじゃん!」
 ……中身が残念なだけで、美人さんだからなこの人。残念美人ってやつ。
「で、それを話してどうするつもりだったの?私の動揺する姿が見たかった?」
「……妹の前ではかぐやさんへのレズっ気は控えめにしてくださいね、ってだけです」
「りょーかいりょーかい。気をつけるね。それじゃあ戻ろっか」
 ホウライさんに注意だけして、二人で一緒に戻った。
「あ、おかえりホウライちゃん」
「姫―!私アリスちゃんに脅されちゃったー!慰めてくださ―い!」
「えぇ!?」
 戻った途端、かぐやさんに抱きつくホウライさん。しかもついでに尻もさり気なく触ってるし。
「アリスちゃん、大胆だねぇ」
「チームの外交はアリスに任せるか?」
 なんて冗談を言いながらディーさんと白ウサさんが近づいてくる。
「白ウサさん、さっきは無視してごめんなさい。急用だったもので」
「さては、現実世界で会った、とかか?」
「聞こえてたんですか?」
「おっと、カマかけたつもりが当たってたとは」
「白ウサ君、意地悪しないの。素直に聞き耳立ててたって言えばいいのに」
 白ウサさんは口笛を吹いている。どうやらディーさんの指摘が正しいらしい。
「ところで、他のメンバーは?ダムさんとか、ハッターさんとか、ハートちゃんとか」
「ハッターとハートちゃんはまだで、ダムは今回の作戦の概要を聞きに行ってる」
「そうなんですか……じゃあ、向こうのチームは?全部で何人居るんですか?」
「それはだな……」
 白ウサさんが言いかけて、止めた。見ている方を見ると、何人かがログインしてきたようだ。全員和服っぽい衣装で、おしゃれだった。
「お姫さーん!おまたせー!」
「ヒメちゃんおまたー」
「お待たせしました、かぐや姫」
「血の舞踏会はまだ開幕していないようだな」
 ……なんか一人おかしい人居ない?
「どうだ?濃いだろ」
「まあ、ホウライさんに比べたら薄味ですけど……」
 それを聞いていたらしきかぐやさんが、こっちに向かってきた。
「それじゃあ、ちょうどいいし新人のアリスちゃんに自己紹介でもしちゃおうか!」
 それもアイドルフェイスなニコニコ笑顔で。
「私は前に自己紹介したし、飛ばしちゃうね。じゃあミイシ君から!」
 かぐやさんが言うと、眼鏡を掛けた優しそうな人が前に出た。
「どうも、ミイシ、と申します。『竹取物語』の『石作いしづくり』のアバターです。一応、チームの参謀をやっています。どうぞよろしく」
 ミイシさんと名乗った人は、丁寧に握手を求めてきた。私がそれを握り返すと……
「いたたたたたたた」
「あっ、申し訳ないです!いつも重いハンマーを持ってるもので、握手となるとつい力が」
 ものすごく力、強かった。本当に参謀……?
「じ、じゃあ次!カソちゃん!」
 今度は元気なかぐやさんやホウライさんとは違う感じの、いかにも清楚って感じの人が。
「私、カソ。『右大臣うだいじん』のアバターで、ちょっとこの中では弱めだけどネトゲで例えるならタンクかな?とりあえずよろしくね」
 また握手を求められる。流石に女性だから大丈夫だろうと握り返す。
「あぁ、優しい……」
「あはは、そんなにミイシ君の痛かった?まぁそうだよね、ごめんね」
 なんて、優しい言葉を掛けてくれた。でも、よくよく考えたらこの人もかぐやさんの狂信者……なんだろなあ。
「アリスちゃんが和んだところで、ホウライちゃん!」
「改めてー、ホウライでっす!『車持くらもち』のアバターで、武器はこのく・ち。言霊ことだま遣い、なんてね!これからよろしく」
 ニコニコのホウライさんと握手する。さっきは、というか現実世界じゃすごい不審者ムーブだったけど、かぐやさんが絡まなかったらほんといい人だな、ほんと。
「次はツバメ少年!どーぞ!」
「よろしくアリスちゃん!僕はツバメ。『中納言ちゅうなごん』のアバターで、武器はそこの白ウサギくんと同じく拳!以後お見知りおきを」
 なんかディーさんみたいな感じがするツバメさん。でも正直、裏がありそうなディーさんに比べたらこっちはすっごい正直な感じがする。純粋というか、なんというか。握手をすると、私よりも手が小さかった。
「え、こんなに小さいんだ……」
「お姫さんとかホウライちゃんにネイルの練習もされてるよ?」
 よく見たら、手には薄くピンクのネイル。
「いやじゃないんですか?」
「まあ、面白いし?何事も経験だよ」
 ……眩しいほどに純粋!ディーさんと交換してほしい!」
「アリスちゃん、なんか今失礼なこと考えなかった?」
「え?そんな事無いですよー、あはは」
 エスパーかのように後ろから問いかけてくるディーさん。やっぱり自分とちょっとキャラが同じっぽく思ってるのかな……
「最後はゴシキく……あれ?」
「私の気配を感じ取れぬとは、まだまだだな小娘」
「うひゃあっ!?」
 いつの間にか背後に立っていた高身長のさっきのおかしい人。首にマフラー巻いてるし、和服にゃ似合わないと思うんだけど……
「ふむ、だが身に秘めし封印された力は強大と見える……ククク、よいではないか、それでこそ『アリス』よ」
「え、っと?」
「私はゴシキ。『大納言だいなごん』のアバターだ。貴様はまだ私の武器を教えるレベルでは無い。龍をも視線で射殺すほどの実力になったら教えてやろう」
 多分残り的と名前的に、宝玉を、それも5つの宝玉をどうにかして使って戦うんだろうな……
「良いか、小娘。我々の力は矮小だ。だが我らが姫の歌声を聴くことで増強される。実に素晴らしいと思わんか?」
「えっと、あの、はい……」
「血の舞踏会が開幕した時、貴様は私の真なる龍の力を思い知らされることになるだろう。怯えて待つがいい」
 言うだけ行って、かぐやさんのところに戻って行ってしまった。言ってることはニュアンスで分かる……気がするんだけど、なんか中二病くさい……
「これが、私達のチーム『不満☆爆発』だよ!」
 ……そう言えば、このチーム名、どこかで聞いたことあるような。どこだっけ?
「それにしても、なんでこんなチーム名なんだ?」
「そ、そうだった。不思議なチーム名ですよね?」
 後ろから白ウサさんの援護射撃。一番気になるところを聞けるように誘導してくれた白ウサさんにちょっと感謝。
「竹の英語って、知ってる?」
「えっと……バンブー、でしたっけ?」
「そう、それがチーム名の由来だよ」
 だよ、なんて言われても全然ピンとこない。どういうこと……?
「うーん」
「バンブーを2つに分けて、逆にするんだよ。バンと、ブーにね」
「ブー、バン……ブー、バン……あっ!」
 ディーさんのヒントでやっとわかった。
「ブーが不満で、バンが爆発、ってことですか?」
「正解正解大正解!ちなみにこれはルナウルのデビューソングの名前でもあるんだよ!」
 ホウライさんの言葉で思い出す。確かに、ルナウルのデビューソングはそんな感じの名前だった気がする。
「何の話をしてるのかしら、みんな揃って」
「面倒事は起こしてないだろうな」
 話していると、ハッターさんとダムさん、そして後ろに隠れるようにハートちゃんが居た。
「これで全員揃ったね、帽子屋ちゃん」
「そうね、おまたせしちゃったかしら?」
「まあ、程よくアリスが自己紹介してたし、されてたからちょうどいい時間だったんじゃないか?」
 自己紹介で思い出したけど、この前の加入祝いパーティー乱入事件のときに、比較的良識人の集まりって言ってたけど……二人除いて、結構まともに話できそうだけど。これより酷いって、どれだけなんだろう。
「全員揃っているなら、改めて今回の作戦の内容を説明させてもらう」
 考えていると、ダムさんが端末を見ながら話し始める。すると、端末がなったらしき音が。それを聞いてみんながそれを取り出す。私は未だに貰っていないので、一番近くに居るハートちゃんに見せて貰った。
「今回の作戦は、チームをそれぞれ2つに分け、相手のチームと組んでもらうことになる。分けるのは既にこちらで決まっているから確認してくれ」
 見ると、私と一緒のチームはハートちゃんとディーさん。それで、相手のチームはかぐやさんとホウライさんとゴシキさん。……濃いなぁ。
「各チームで分担して、ディスカーダーを討伐することになる。別チームとは言え、チームワークが重要な作戦だから注意しろ。暫定的に、ディーが居るチームをAチーム、俺が居るチームをBチームとする」
 となると、私はAチームになるみたい。
「Aチームはデルセ4、Bチームはデルセ5での行動になる。まあ無いだろうが、終わり次第もう片方のチームの手伝いに行ってもいい。以上だ」
 ダムさんが端末をしまう。説明は終わったようだ。
「俺達の方はマトモ組で助かったぜ」
 終わるなり、白ウサさんが言った。
「なーに言ってるの、白兎君。うちのチームはみんなまともだよ?」
「目を泳がせながら言うな」
 確かに、こっちのメンバーはかぐやさん含めみんな濃い気がするから、相対的にまともになる気がするけど。
「ゴシキさん、よかったですね。かぐや姫と同じチームで」
「こうなる事は運命であり必然。信奉心の強弱は関係ない」
「お姫さんと離れるのは寂しいけど一時的だしね」
「ヒメちゃん、頑張ってね!」
 などと、口々に話しているかぐやさんのチームの面々。で、唯一参加していないホウライさんといえば……
「ねぇ姫?任務抜け出して二人でどこかでまぐわいあいません?」
「何言ってるの!?しっかり任務やらないと!」
「ということは、任務の後ならいいってことです?」
「行かない!それと胸揉まないで!」
「ほーら、姫はだんだんそういう気分になってくーるー、くーるー、くーるー……」
 なんて茶番を繰り広げていた。やっぱり見ているだけでも疲れるなあ……
「これが日常的なんですか?」
「うん、そうだよ。なんというか……濃い、よね」
「かぐやさんが絡むと……みんなめんどくさいです」
「オブラートに包んで言ったのに、ハートちゃんは辛辣だなあ」
 本当にこのメンバーで連携が取れるのだろうか?うちのチーム同士と向こうのチーム同士はまだしも、チームを越えた連携は難しそう……
 そう思ってちらっと白ウサさんたちの方を見ると、向こうは普通にチームの垣根を超えて仲良く話しているようだった。羨ましい。
「ちょっと、ゴシキ君助けてー!」
「何を言う、姫。この程度いつも通りの交流ではないか。我らの仲、この程度対処できずして何がアイドルか」
「私の貞操が危ないのっ!もうホウライちゃん離れてってば!」
「私の脳内の過去の記憶では、ホウライに一番懐いていた、と記憶しているが?」
「それは、そうだけど」
 ……ゴシキさんが混ざると更にカオスなことになる。流石にこの間に割り込める勇気はない。
「そもそもの話だ。どこの馬の骨とも分からぬ下劣な下半身直結男と交際されるより、女子同士の恋愛ならファンも心中穏やかで居られるだろう。故に!ホウライかカソと交際をすればよいのだッ!」
「私が良くない!」
「ゴシキっちもそう言ってるし、ね……?それとも姫、私のこと嫌いに……?」
「そうじゃないけど」
「じゃあOKってことでよろしい!?」
「ダ・メ・で・すっ!」
 その光景を見て、またディーさんに話しかける。
「ゴシキさん、考えはまともそうですけど口調で損してますよね」
「そうかもね……それにホウライちゃんとは別ベクトルで濃いしね」
「時に、そこな女児よ。常々思っていたが、やはり貴様もアイドル足り得る素質を持っていると見受ける。どうだ、私が訓練をしてやろうか」
 いつの間にか、ゴシキさんがハートちゃんに話しかけていた。高身長だからか、ハートちゃんに合わせてしっかりしゃがんで目線を合わせていた。こういうところはしっかりしてるんだ……
「あ、その、えっと……」
「ちょっとゴシキ君?うちの女王様をたぶらかさないでくれないかな?いくら本業だからってさー」
「何を言う。そもそも我らが姫の才を見出し、成長させたのは私だ」
 ほん……ぎょう?
「本業って、どういうことですか?」
「む?私の名声を知らないとは……小娘、いささか、いやかなり勉強不足と見える」
「あの、簡潔に教えてくれませんか」
「愚問ッ!だが教えてやろう。私は我らが姫、かぐや姫の現実態、姫川月映のユニット『ルナルクス・ウルペス』のプロデューサーにして所属事務所『タイムリバープロモーション』、通称リバプロの社長、安田龍悟やすだ りゅうごだッ!まあ、これは我らが姫には話していないから内密で頼むぞ」
 ……数秒の間に色々情報量が多すぎることを叩き込まれた。
「えーと、整理すると……」
「うむ、その矮小な脳で考えろ」
 地味にいらっとすることを言われながら、私は考える。つまりは、この人は養成所からあのルナウルメンバーを引き出して、プロデュースして、一大アイドルに築き上げた人……かつ、その事務所の若社長、ということになる。
「なんでそんな人がこんな個性的なんです?」
「よいか、小娘よ。業界で生き残るには個性的であればあるほどよい。だがそれも限度がある。私はその限度ギリギリを攻めているのだよ」
「とか言ってるけど、これが普通に素の口調なだけだよ。偶にニュースで出てるの見るけど丁寧口調の中にこんな感じの雰囲気があるし」
「フハハ、私の演技力も見上げたものだな」
 脳内幸せな人……だなあ。口に出しては言わないけれど。
「無論、姫の前で私の素性を言うようなことがあれば……分かっているな?」
 片目だけ開けてこちらを睨んでくるゴシキさん。なんというか、服装も相まってとても風格と威圧感があった。
「わ、分かってますって……」
 それにしても、ルナウルのプロデューサーさんだったのかあ……世間って意外と狭いのかな?
「なにか困ったことがあったら私に言うといい。『友人枠』として、ライブチケットを用意してやらんこともないぞ?」
「えっ!?いやいや、そこまでしなくてもいいですって!」
 この人、自分の権力を何に使おうとしてるんだか。
「我らが姫……いや、姫川はだな、そのアイドルという天性の職故に、プライベートでも不自由な生活をさせてしまっているからな。この世界に居る時の姫川は実に素の等身大な『姫川月映』として過ごしている。だから……私含め騒がしいチームだが、仲良くしてやってくれ」
 さっきの威圧とは逆に、今度は丁寧なお辞儀をして私に言ってくるゴシキさん。
「あの、そんなに改まられても困るというか、むしろ普通に友人として仲良くするつもりだった、というか……」
「そうか、フハハハハハハ!やはり我らが姫は人々を魅了する能力に長けていると言えよう!ならばよろしく頼まれよ!フハハハハハハハ!」
「ちょっとゴシキ君。また他人に熱烈な私のアピールしてるの?」
「我らが姫の魅力を伝えるのは我々『一介のファン』として当然のことだろう」
 やけに一介のファン、を強調しているあたり、かぐやさんの前ではそういうことにしておけということだろう。
「対応に困るとか言ってましたけど、なんだかんだいい人たちじゃないですか」
「いつもああいう調子だったらいいんだけどね……個々で話したらそうでもないんだけど、大抵全員で集まってるから」
「じゃあ、ちょくちょく出てる『赤ずきん』のところは」
「あれは対応に困るレベルじゃなくて関わりたくないし認知したくもないしされたくもないし存在を認めたくない」
 うわ、すごい食い気味に言ってきた。ディーさんが割と毒舌なのは分かってるけど、ここまで言わせるって逆に気になる。
「大丈夫?ゴシキ君がなにか変なことしてない?」
「変なこととは何だ、我らが姫よ。私は懇切丁寧にこの小娘にいかに我らが姫が偉大にして尊ぶものなのかを力説していただけだ」
「とか言ってるけど、本当は?」
 かぐやさんの肩越しに、笑顔だけど威圧感のある顔をしたゴシキさんが。言われなくても言わないのに……
「本当に、力説されてただけですって」
 まあ、あながち力説されてるってのは間違ってないから、ね。
「そっか、ならいいんだけど……」
「あ、あはは……」
 と。私が冷や汗をかいていると。
「ひゃっ!?」
「いけませんねぇ、姫……私を差し置いて他の女の子と話すなんて……でもお尻がお留守なので触っちゃいましょうか」
「ましょうかって、ましたの間違いでしょ!お陰で変な声出しちゃったじゃん!」
「度重なるセクハラにも怒るだけで済ます姫……ああ、尊いっ!」
「怒ってもやめないでしょっ!」
 また二人の茶番が始まった。かぐやさん、累計でどれくらいセクハラされてるんだろう……
「アリスちゃんもゴシキ君も見てないで止めてよー!」
 まるでハートちゃんのように私の後ろに隠れて言うかぐやさん。そんな作戦前とは思えない会話をしていると、ダムさんが寄ってきた。
「Aチーム、そろそろ時間だ。向かうぞ」
「あ、はーい」
「よっし、出番だね」
「が、頑張ります」
 ダムさんの言葉に私達は返事する。
「了解!ゴシキ君、ホウライちゃん、行くよ!」
「無論だ、戦地へと感傷的に赴こうじゃないか」
「『戦地』と『センチ』を掛けたってこと?さすがゴシキっち!」
 続いてかぐやさん達が返事をした。なんともまあ、普通な私達に比べて個性的な返事の仕方だった。
「そういえば、あのトーンとノリに流されてましたけど、戦闘能力ってどんなもんなんですか?」
 移動しながら、私はディーさんに聞く。
「そうだねぇ、なんというか連携が取れすぎてて怖い時あるよね、それに戦い方がトリッキーだしで、とてもうちには真似できないね」
「へぇー……」
 言ってる私も、まだ自分の武器の真価を発揮できてないし、ある意味戦闘能力がどんなもんか、把握できていない。せめて今日の作戦で、本領発揮、とまでは行かないけど、そこそこのところまでいけたらいいなあ……
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