押しかけ淫魔とサラリーマン

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第2章

第23話★

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「分かっちゃいたがお前は本当に情緒がないな……」

 さっきまで兄のことを締まらないだのなんだの言っていたが、亮介から見ればどっちもどっち(どころかゼノのほうがひどい)のように思える。
 
「んだよ、しねえの?」
「……する」
「やった♡」

 しかし結局はこうして乗せられてしまうのだから、惚れた弱みというやつはとことん恐ろしい。

「今日はオレが動く! 亮介は寝てるだけでいいからな♡」

 亮介をベッドに押し倒し、意気揚々と跨ったゼノが長いストレートヘアをさらりとかき上げる。
 その仕草一つとっても見とれるほど色っぽくて、普段おちゃらけているゼノが優秀な淫魔であることを思い知らされた。

「そんなこと言って……。何か余計なこと企んでないだろうな」
「大丈夫だって! オレ余計なことなんかしたことねーし」
「したことしかないだろ」

 もう話を聞いていないゼノが、亮介のズボンと下着を下ろしながら楽しげに尻尾を揺らす。
 そしてあらわになった亮介のペニスに挨拶がわりのキスをすると、やわやわと玉を揉んで勃起を促した。

「ん、む……♡」

 ゼノが目を合わせながら亀頭を咥え、敏感なカリの段差を舌先でほじくるように刺激する。
 亮介は油断すると声が出てしまいそうになるのをなんとかこらえ、褒めるようにゼノの頭を撫でた。

「っは……♡ おい、声我慢すんなって♡」

 一度フェラチオを中断したゼノが不満げな声を上げる。
 ゼノはやたらと亮介の感じる声を聞きたがるが、亮介としては小っ恥ずかしくてたまったものではなかった。
 
「別に、っ我慢してない♡」
「ふーん……♡ じゃあこれは?♡」

 ゼノが口に入りきらない竿の部分を手で扱きつつ、尿道口を舌でぐりぐりと刺激する。

「っ、ぐ……♡」

 耐えかねた亮介がわずかに呻くと、ゼノはにんまりと笑みを浮かべて責める手をさらに強めた。

「ふ……ッ、う゛っ♡」

 ゼノがすでに勃起しきった亮介のペニスをきつく扱き上げながら、射精を促すように先端へ吸いつく。
 まんまと込み上げる強い射精感に、自分の意思とは関係なく腰がカクついた。

「っ、おい♡ もう出る、から……ッ!♡」
「ん♡ らひていいろ♡」

 ゼノが精液を迎えるようにんべ、と舌を出す。
 絶妙な力加減で玉と竿を責められ、いよいよ我慢の限界を迎えた亮介はゼノの口内に興奮をぶちまけた。が、勢い余って顔や頭にまで精液が飛び散ってしまった。

「っふ……。すまん、汚したな」
「あー、もったいねえ! ったく……」

 どうやら自分が汚れたことよりも精液が無駄になってしまったことに怒っているようで、ゼノは顔に付いた精液をせっせと拭って舐めとった。

「次は一滴残らず中に注ぐから、大目に見てくれないか?」

 一回の射精では勃起がおさまらず、亮介のペニスは依然として硬度を保っている。
 それを見るとゼノの機嫌はたちまち直り、「しゃーねーなー♡」と嬉しそうな声を上げながら亮介のペニスに手を伸ばした。
 二十八にもなって性欲旺盛な自分の若さに呆れるが、ゼノが喜ぶのならよしとしよう。

「そんじゃ、いただきまーす♡」

 ゼノが後ろ手にペニスを支えながら腰を下ろす。
 赤子の腕ほどある自分のペニスがゼノの小さな穴に呑み込まれていく様子は何度見ても倒錯的で、無意識にごくりと唾を飲んだ。

「んっ、ふ……♡ やっぱ全部は入んねえか♡」
「っは……♡ 無理するな♡」

 亮介のペニスは長すぎて、ゼノほどの体躯をもってしても全てはおさまりきらない。
 綺麗に腹筋が浮いたゼノの薄い腹は亮介のペニスの形にぼこりと歪んでいて、視覚からも興奮を煽られた。

「あー、気持ちいい♡ んっ、んん゙……ッ♡ 奥すっげえ当たってる♡」

 ゼノが見せつけるようにゆっくりと艶めかしく腰を揺らす。
 緩慢な刺激がもどかしく、数回突き上げるように腰を動かすと、尻尾の先で叱るようにぺちんと脚を叩かれてしまった。

「っ、コラ♡ 今日はオレが動くんだから、お前はピストンすんな♡」

 そうは言ってもこのままでは生殺しである。
 いっそ思いきり突き上げてやろうとゼノの腰めがけて伸ばした亮介の両手は、あっさりと捕まって一纏めに拘束されてしまった。

「ざーんねん♡ 悔しかったら振りほどいてみな♡」
「っ、お前……♡ あとでコテンパンにしてやるからな♡」
「おーこわ♡ レイプされちまうかも♡」

 ゼノは片手しか使っていないのに、かなり本気で力を込めてもビクともしない。
 基本的にゼノは亮介にされるがままなので目立ちにくいが、ゼノは体格がいい分力も強く、単純な腕力では到底敵わなかった。

「はあ……っ♡ これ最高♡ んっ♡ 超いい眺め♡」

 サディスティックな笑みを浮かべたゼノが亮介を見下ろし、ぺろりと舌なめずりをする。

「そうだ、乳首も弄ってやるよ♡ 亮介はここ大好きだもんなー♡」
「う、っあ……ッ!?♡ 別に、好きじゃな……っ!♡」
 
 カリカリと乳首を引っ掻かれ、思わずびくりと体が跳ねる。
 元々少しも感じなかったのに、ゼノにしつこく弄られてすっかり性感帯になってしまった。
 
「強引に犯される気分はどーよ?♡」
「っふ……♡ 良くはないっ、な……ッ♡」
「本当か?♡ そのわりにはオレのナカでチンポでっかくなってっけど♡」

 ゼノがわざと膣圧をかけて亮介のペニスを締めつける。
 敏感な乳首とペニスを同時に責められ、額にじわりと汗が滲んだ。
 
「ぐ、ぅう゛っ♡ それやめろ♡」
「なんで?♡ 感じないんだろ?♡ 気持ち良くなるまでやってやるよ♡」
「は……ッ、あっ!♡ 気持ちいい♡ 気持ちいいから、もうやめ……ッ♡」
 
 甘やかすように乳首を撫でながら緩急をつけてペニスを刺激され、みっともないセリフを口にしてしまう。

「っはは、かーわい……♡」

 ゼノが満足そうに目を細める。まさしく悪魔のような表情だ。
 散々亮介の体を好きにして興奮したのか、ゼノが今度は自分が気持ち良くなるためだけに亮介のペニスを使い始めた。
 
「んっ、は……♡ あっ♡ これいい♡ Gスポにカリ首押しつけるとっ、んお゛ッ♡ マンコにキく……っ!♡」
 
 腰を前後に動かし、感じるところにひたすら押しつける。快感を得るためだけの独りよがりな動きだ。もはや亮介のペニスを使ったオナニーと呼んだほうが正しいかもしれない。
 よほど気持ち良いのかゼノは快感を追うのに夢中になり、気付けば亮介そっちのけで必死に腰を振っていた。
 
「おっ、おっ♡ すげ……っ!♡ これっ♡ イイところに当たる……ッ♡ お、ほっ♡」

 そして幸運なことに、ゼノが身勝手なセックスに熱中するほど力が抜けて、両腕の拘束も疎かになっていった。それこそ、亮介でも振りほどけるくらいに。
 今が好機と亮介が腕に力を込めると、拘束が解けてなんとかゼノの手から抜け出すことができた。
 
「あっコラ、お前……っ!♡」

 焦ったゼノがふたたび亮介を捕まえようと手を伸ばすが、そうはいかない。
 じたばたと暴れる長い四肢をなんとかいなし、亮介はゼノを押し倒すことに成功した。
 
「よくここまで好き勝手してくれたな♡」

 亮介に見下ろされ、途端に弱々しくなったゼノが媚びるような笑みを浮かべる。
 
「いやあ、それほどでも……」
「褒めてな、い!」
「ふぎゅッ!?♡」

 先ほどまでの鬱憤を晴らすように思いきりペニスを突き立てると、ゼノが尻尾を踏まれた猫のような声を上げてぶしっと潮を噴き出した。

「お……っ♡ ほ……ッ♡」
「何休んでるんだ♡ 俺はまだ出してないぞ♡」

 仰向けになったゼノの両脚を持ち上げながら、強く腰を打ちつける。
 結合部がぐちゅぐちゅと泡立ち、肉のぶつかる音が部屋に響いた。
 
「きょ、は♡ オ゛ッ、オレがうごくって♡ いったのにぃ゙……っ!♡」
「悪いな、それはまたの機会にしてくれ♡」

 上から体重をかけ、突き刺すように腰を落とすのを何度もしつこく繰り返す。

「おぅ゛ッ♡ おぅ゛ッ♡ おぅ゛ッ♡ ぅ、ぐ……ッ!♡ チンポ強……っ!♡」
 
 そうするうちに子宮口がゆるんで、ペニスの先端が子宮口の輪っかにクポクポとはまるようになってきた。

「お゛っ♡ 奥っ♡ チンポで殴られて子宮口開いちまう♡ んお゛ッ♡ こんなのレイプだろ♡ イグイグイグ……ッ!♡」
「じゃあそのレイプでイってるお前は変態だな♡ ほら、一番奥に精液注いでやるからしっかり飲め♡」

 ゼノだって何も本当にレイプだなんて思っていないだろうが、こういったリップサービスもお互いを焚きつけるための材料だ。
 先ほどとは打って変わってマゾヒスティックなゼノの言動に昂った亮介が腰を押しつけると、グボッという鈍い音とともに亀頭が子宮口に侵入した。
 
「くほお゛おぉお゛ッ!?♡」

 ゼノが呻きながらまたしても潮を噴き上げる。
 自分の顔にびしゃびしゃと潮が降りかかっているが、それを気にする余裕もないようでひたすら感じ狂っていた。

「フーッ♡ フーッ♡ 中に出すぞ♡ 子宮の壁に熱い精液ぶっかけるからな♡ イけ♡ イけ♡ イけ♡」
「あが……ッ!♡ 中出しうれしい♡ んほお゛……ッ♡ 亮介の精液でオレの子宮いっぱいにして♡ んお゛おぉお゛♡ イクッ♡ イクッ♡ イぎゅッ!♡」

 ゼノの膣壁がぐねぐねとでたらめに蠢く。
 二回目の射精とは思えないほど濃い精液が尿道を駆け上がる快感にぶるりと体が震えた。

「はあ……っ♡ はあ……っ♡」

 ずるりとペニスを引き抜くと、ゼノがよたよたと体を起こし、ぐちゃぐちゃになった髪を尖った耳にかけながら愛液や精液で汚れたペニスを舐めて清め始めた。

「ん、ふう……っ♡」

 その様子を見ていると徐々に悶々とした気分になってきて、一度は落ち着いたはずの興奮がぶり返しそうになってしまう。
 学生じゃあるまいし、それはさすがに恥ずかしい。何か別のことを考えなければ。
 しかし気を逸らそうとすればするほど意識してしまい、亮介のペニスはついに首をもたげてしまった。

「んっ!♡」

 芯を持ち始めた亮介のペニスを見てゼノが目を輝かせる。
 そして頭を抱える亮介に抱きつくと、「もう一回できんじゃん♡」と嬉しそうにキスをしてきた。
 いわゆるお掃除フェラで勃起してしまった亮介を若いと笑うでもなく、ただ喜んでくれるゼノには正直救われる。
 しかし悲しいかな体は歳相応であり、翌日とてつもない疲労感に襲われたことは言うまでもない。
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