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番外編
10. 王様のぼやき 2 (王様視点)
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「陛下、神子殿を第三王子殿下の婚約者とするよう、プランク公爵が求めています」
「は?」
「神子殿が、王位継承権のある王子のほうがいいと仰っているそうです」
「……宰相、いくらなんでも、ティンダールが可哀想すぎると思わんか?」
「回答は差し控えます」
ティンダールは神子のために王位継承権を捨てることになったのに、王位継承権のある王子のほうがいいとは。
ティンダール、強く生きろ。
「陛下、浄化が終わったら、神子殿は神殿に引き取っていただきましょう」
「だが、神殿は神子として認めていない」
「それでもなんとか引き取っていただかなくては。このままプランク公爵の駒としておくのは得策ではありません」
確かにそうだ。駒として王子妃にねじ込まれてしまう可能性もある。あのマナーのなっていないものを王子妃にするなど、国としての常識を疑われてしまう。
神殿に頼み込むしかないか。
そんな中、辺境の浄化は粗方終えた神子が王都に戻って来た。次は王都を挟んで反対側の領の浄化に行かせたいが、プランク公爵がしばらく休ませると言って屋敷に囲い込んでしまった。
これは早急にプランク公爵家から引き離さないと、あやつに好き放題されてしまう。
神子を名乗るなら浄化に協力するよう書状を出したら、リヒターが謝罪するならと条件を付けてきた。
私に条件つけるとはどういうことだ。私は王様だぞ。
公爵領では、リヒターの所為で魔物が増えていると領民たちから憎まれ、リヒターを追放すべきだという声が上がっているらしい。
追放するなら王家にくれ。神殿と組んで開発していた何かは、神官が森に入ったという報告もあるから、もしかしたら浄化に関するものかもしれない。その頭脳を他国に渡すくらいなら、なんとしても王家に取り込みたい。
第二王子の婚約者だったものを王太子の愛妾にするのは外聞が悪いし、側妃の子どもの第三王子は論外だし、第四王子は宰相であるノイマン公爵の娘が婚約者だ。そこで万が一争いを起こされても困る。
となると、私の愛妾か。どこかの離宮を研究施設として与えれば成果は国のものになるし、正妃は説明すれば理解してくれるだろう。そして、息子の婚約者を奪うなど外聞が悪いからという理由で、王太子に王位を譲ればいいのではないか。
よし、それで行こう!そうすれば、この面倒な事態からも解放される!なんて名案!
「宰相、リヒターを私の愛妾に迎えるにはどうすればいいか」
「陛下……、それはお勧めできません」
「だがあの頭脳を他国に渡したくない」
「マクスウェル公爵が許さないでしょう」
だろうなあ。マクスウェル公爵が追放しなければいいんだが、今のままでは領民が納得しないだろう。
あの神子、余計なことをしてくれる。
神子に謝罪するためにリヒターが王都へ戻ってきたが、神子は体調が悪いと言って面会の日程を決めない。
今も魔物の被害を受けている領もあるのだ。早くしてくれ。
何度か急かして、やっと面会に応じると言ってきたが、プランク公爵が謁見の間にしろと言う。マナーは大丈夫なのか?
「プランク公爵、謁見の間でこれ以上のマナー違反は見逃せません。後見されているのですから、それまでに謁見の間でのマナーはきちんと教えてください」
「ふん」
「よろしいですね?」
「分かっておるわ」
そして謁見の前に、プランク公爵が神子を連れてきたが、全く大丈夫じゃなかった。
「へーか、俺をパウル王子の婚約者にしてよ」
「……そなたはティンダールの婚約者だ。その弟の婚約者に変えることなどできぬ」
「でも、あのリヒターは、第四王子の婚約者に変えるって話があったって聞いたぞ」
「その話はなくなった」
プランク公爵はこれを認めさせたくて、ここに連れてきたのか。
「神子殿、陛下への言葉遣いに気を付けてください。この後の謁見の間での言動もです。これ以上の不敬は許せません。それから、これが終わったらすぐに浄化へ出発してください」
「うるさいなあ」
いやそうな顔をした後、下を向いてぶつぶつと何かを呟いている。本当に浄化する気があるのか?
「へーか、浄化に行くからさ、この後謁見の間で口を出さないでくれる?」
「……分かった」
「いいよ、じゃあ終わったら浄化に行ってやるよ」
ふわっと、何か魔力が流れた気配があった。けれど、ここは魔法が使えないようになっているはずだ。気のせいか?
それから謁見の間に入ると、壁際には立会人として多くの貴族がいる。プランク公爵が嫌な笑い方をしているから、マクスウェル公爵家への嫌がらせだろう。酷いことにならないといいが。
「マクスウェル公爵家リヒター様、入場です」
こんな時でも背筋を伸ばして凛としている。さすがだな。王子妃になってくれていたら外交でも活躍してくれただろうに。
表をあげよ、と声をかけようとして、声が出ないことに気が付いた。なんだ?
「謝ってよ。何黙ってるの。あんたに散々迷惑かけられたんだから謝れよ!」
いや、何を勝手に始めてるんだ。
私が許可を出してないから、リヒターは喋れない。
許可を出してほしいと思って宰相を見るが、宰相も私を見て戸惑うばかりで許可を出さない。意図があってやってるんじゃないんだ。声が出ないんだ。
私も宰相もリヒターに発言の許可を出さないことに、居並ぶ貴族が訝っているのが分かるが、声が出ない。
あれか、あの魔力が動いた時、神子が何かしたのか!
謁見を中止しようと思うが、中止の声も出せない。まさか魔法をかけられたなど、こんなところで知られるわけにもいかない。
これは退場するしかないと思ったときに、神子がリヒターの頭を床に押し付けた。
プランク公爵を見ると、プランク公爵も予想外だったのか、不味いという顔をしている。だが彼も声が出ないようだ。
あの神子、自分を止めそうな相手を先に黙らせたのか!
「陛下、謁見の間でこのような仕打ち、我がマクスウェル公爵家がそこまで王家のご不興を買っていたとは思わず、大変申し訳ございませんでした。息子ともども領地に謹慎させていただきます」
「マクスウェル公爵、これは陛下のご意向では」
「宰相様、息子の退出の許可を」
「神子殿、おやめください。ここは謁見の間です」
違うんだ、マクスウェル公爵を敵に回すつもりはないんだ。
ようやく宰相が止めに入ってくれたが、神子は訳の分からないことを叫んで抵抗している。
その時、予定にはなかった大神官の入場が告げられた。
来ると聞いてないぞ。今度はなんだ。
「大神官様、いかががなされました」
「陛下、お知らせしたいことがございまして、急ぎ参りました」
宰相は私が喋れないと気付いたのか、代わりに話を進めてくれている。
床に頭を押し付けられたリヒターを見て、大神官が眉をひそめた。
「マクスウェル公爵領内の森の浄化が進み、魔物の発生が一時的ではありますが抑えられました」
「なんでだよ!神子は俺なのに!」
「神殿は貴方を神子とは認めていません。そして、神子でなくとも浄化は可能です」
ちゃっちゃと浄化に行かなかったのは自分だろう。
「詳しく説明をお願いいたします」
「お断りいたします。我らの協力者であり、今回の一番の功労者でもあるリヒター様にこのような仕打ちを行う方々に、説明は出来かねます」
「それは神子殿が勝手に行っているだけです」
「神殿が反対したにも関わらず彼を神子と認定されたのは陛下ではありませんか。ましてや公爵家のご子息に対するこのような仕打ちを、ただご覧になっていただけだと仰るのですか?」
神殿は絶対に神子を引き取らないつもりだな。
ただ見てるわけじゃないんだが、そう見えるのは仕方がない。
リヒターが神殿と開発していた何かが完成したのか。
「陛下、リヒター様をお連れしても?」
「……どうぞ」
私が頷くのを見て、宰相が許可を出してくれた。
「神子を呼べ。今すぐ、神子とプランク公爵をここに連れてこい!抵抗するなら力づくで構わん」
謁見の間を出たら声が出るようになった。
「神子、いや、もはや神子ではないな、私に魔法をかけたな」
私の言葉に、宰相が驚き、近衛団長が剣に手をかけた。
「まさか、本当に陛下に魔法をかけたですか?」
「なんだよ、お前らみんなモブの癖にうるさいんだよ」
「魔法をかけたのか、答えなさい!」
「かけたよ、だから何だよ、俺は神子なんだよ!」
男爵子息が癇癪を起したが、こっちが起こしたいわ。
それにこの神子、自分の状況を分かっているのか?王である私に魔法をかけた時点で、極刑は免れないぞ。
「プランク公爵、後見人としてこの責任をどう取られるおつもりか!」
「私もかけられていて止められなかったのだ」
「そのような危険な者を陛下に近づけたのは、貴方でしょう」
お前らのせいで、神殿とマクスウェル公爵を敵に回したんだぞ。どうしてくれるんだ。
「近衛団長、神子を魔封じを施して牢屋へ入れろ。周りには知られるな。神殿の浄化が上手くいくまでは、生かしておけ。魔法はおそらく先ほどここでかけられた。魔力が動く気配がした。魔封じが聞かぬかもしれぬから油断するな」
「はい。お守りできず申し訳ございません」
「プランク公爵、追って沙汰する。謹慎していろ」
「陛下、私は、」
「プランク公爵、陛下の命です。お下がりください」
それから魔法師団長に見てもらったが、魔法はすでに残っていないと言われ安堵した。おそらく誓言魔法のたぐいではないかという。
あれか、口を出すな、というのに答えたのがいけなかったのか。
「神殿とマクスウェル公爵にどう言えばいいか」
「陛下が魔法をかけられたなど、知られる訳にはいきません。マクスウェル公爵は領地で謹慎すると言っていましたので、少ししてから何事もなかったように呼び戻すしかないでしょう」
はあー。もう王様いやだ。辞めたい。
「は?」
「神子殿が、王位継承権のある王子のほうがいいと仰っているそうです」
「……宰相、いくらなんでも、ティンダールが可哀想すぎると思わんか?」
「回答は差し控えます」
ティンダールは神子のために王位継承権を捨てることになったのに、王位継承権のある王子のほうがいいとは。
ティンダール、強く生きろ。
「陛下、浄化が終わったら、神子殿は神殿に引き取っていただきましょう」
「だが、神殿は神子として認めていない」
「それでもなんとか引き取っていただかなくては。このままプランク公爵の駒としておくのは得策ではありません」
確かにそうだ。駒として王子妃にねじ込まれてしまう可能性もある。あのマナーのなっていないものを王子妃にするなど、国としての常識を疑われてしまう。
神殿に頼み込むしかないか。
そんな中、辺境の浄化は粗方終えた神子が王都に戻って来た。次は王都を挟んで反対側の領の浄化に行かせたいが、プランク公爵がしばらく休ませると言って屋敷に囲い込んでしまった。
これは早急にプランク公爵家から引き離さないと、あやつに好き放題されてしまう。
神子を名乗るなら浄化に協力するよう書状を出したら、リヒターが謝罪するならと条件を付けてきた。
私に条件つけるとはどういうことだ。私は王様だぞ。
公爵領では、リヒターの所為で魔物が増えていると領民たちから憎まれ、リヒターを追放すべきだという声が上がっているらしい。
追放するなら王家にくれ。神殿と組んで開発していた何かは、神官が森に入ったという報告もあるから、もしかしたら浄化に関するものかもしれない。その頭脳を他国に渡すくらいなら、なんとしても王家に取り込みたい。
第二王子の婚約者だったものを王太子の愛妾にするのは外聞が悪いし、側妃の子どもの第三王子は論外だし、第四王子は宰相であるノイマン公爵の娘が婚約者だ。そこで万が一争いを起こされても困る。
となると、私の愛妾か。どこかの離宮を研究施設として与えれば成果は国のものになるし、正妃は説明すれば理解してくれるだろう。そして、息子の婚約者を奪うなど外聞が悪いからという理由で、王太子に王位を譲ればいいのではないか。
よし、それで行こう!そうすれば、この面倒な事態からも解放される!なんて名案!
「宰相、リヒターを私の愛妾に迎えるにはどうすればいいか」
「陛下……、それはお勧めできません」
「だがあの頭脳を他国に渡したくない」
「マクスウェル公爵が許さないでしょう」
だろうなあ。マクスウェル公爵が追放しなければいいんだが、今のままでは領民が納得しないだろう。
あの神子、余計なことをしてくれる。
神子に謝罪するためにリヒターが王都へ戻ってきたが、神子は体調が悪いと言って面会の日程を決めない。
今も魔物の被害を受けている領もあるのだ。早くしてくれ。
何度か急かして、やっと面会に応じると言ってきたが、プランク公爵が謁見の間にしろと言う。マナーは大丈夫なのか?
「プランク公爵、謁見の間でこれ以上のマナー違反は見逃せません。後見されているのですから、それまでに謁見の間でのマナーはきちんと教えてください」
「ふん」
「よろしいですね?」
「分かっておるわ」
そして謁見の前に、プランク公爵が神子を連れてきたが、全く大丈夫じゃなかった。
「へーか、俺をパウル王子の婚約者にしてよ」
「……そなたはティンダールの婚約者だ。その弟の婚約者に変えることなどできぬ」
「でも、あのリヒターは、第四王子の婚約者に変えるって話があったって聞いたぞ」
「その話はなくなった」
プランク公爵はこれを認めさせたくて、ここに連れてきたのか。
「神子殿、陛下への言葉遣いに気を付けてください。この後の謁見の間での言動もです。これ以上の不敬は許せません。それから、これが終わったらすぐに浄化へ出発してください」
「うるさいなあ」
いやそうな顔をした後、下を向いてぶつぶつと何かを呟いている。本当に浄化する気があるのか?
「へーか、浄化に行くからさ、この後謁見の間で口を出さないでくれる?」
「……分かった」
「いいよ、じゃあ終わったら浄化に行ってやるよ」
ふわっと、何か魔力が流れた気配があった。けれど、ここは魔法が使えないようになっているはずだ。気のせいか?
それから謁見の間に入ると、壁際には立会人として多くの貴族がいる。プランク公爵が嫌な笑い方をしているから、マクスウェル公爵家への嫌がらせだろう。酷いことにならないといいが。
「マクスウェル公爵家リヒター様、入場です」
こんな時でも背筋を伸ばして凛としている。さすがだな。王子妃になってくれていたら外交でも活躍してくれただろうに。
表をあげよ、と声をかけようとして、声が出ないことに気が付いた。なんだ?
「謝ってよ。何黙ってるの。あんたに散々迷惑かけられたんだから謝れよ!」
いや、何を勝手に始めてるんだ。
私が許可を出してないから、リヒターは喋れない。
許可を出してほしいと思って宰相を見るが、宰相も私を見て戸惑うばかりで許可を出さない。意図があってやってるんじゃないんだ。声が出ないんだ。
私も宰相もリヒターに発言の許可を出さないことに、居並ぶ貴族が訝っているのが分かるが、声が出ない。
あれか、あの魔力が動いた時、神子が何かしたのか!
謁見を中止しようと思うが、中止の声も出せない。まさか魔法をかけられたなど、こんなところで知られるわけにもいかない。
これは退場するしかないと思ったときに、神子がリヒターの頭を床に押し付けた。
プランク公爵を見ると、プランク公爵も予想外だったのか、不味いという顔をしている。だが彼も声が出ないようだ。
あの神子、自分を止めそうな相手を先に黙らせたのか!
「陛下、謁見の間でこのような仕打ち、我がマクスウェル公爵家がそこまで王家のご不興を買っていたとは思わず、大変申し訳ございませんでした。息子ともども領地に謹慎させていただきます」
「マクスウェル公爵、これは陛下のご意向では」
「宰相様、息子の退出の許可を」
「神子殿、おやめください。ここは謁見の間です」
違うんだ、マクスウェル公爵を敵に回すつもりはないんだ。
ようやく宰相が止めに入ってくれたが、神子は訳の分からないことを叫んで抵抗している。
その時、予定にはなかった大神官の入場が告げられた。
来ると聞いてないぞ。今度はなんだ。
「大神官様、いかががなされました」
「陛下、お知らせしたいことがございまして、急ぎ参りました」
宰相は私が喋れないと気付いたのか、代わりに話を進めてくれている。
床に頭を押し付けられたリヒターを見て、大神官が眉をひそめた。
「マクスウェル公爵領内の森の浄化が進み、魔物の発生が一時的ではありますが抑えられました」
「なんでだよ!神子は俺なのに!」
「神殿は貴方を神子とは認めていません。そして、神子でなくとも浄化は可能です」
ちゃっちゃと浄化に行かなかったのは自分だろう。
「詳しく説明をお願いいたします」
「お断りいたします。我らの協力者であり、今回の一番の功労者でもあるリヒター様にこのような仕打ちを行う方々に、説明は出来かねます」
「それは神子殿が勝手に行っているだけです」
「神殿が反対したにも関わらず彼を神子と認定されたのは陛下ではありませんか。ましてや公爵家のご子息に対するこのような仕打ちを、ただご覧になっていただけだと仰るのですか?」
神殿は絶対に神子を引き取らないつもりだな。
ただ見てるわけじゃないんだが、そう見えるのは仕方がない。
リヒターが神殿と開発していた何かが完成したのか。
「陛下、リヒター様をお連れしても?」
「……どうぞ」
私が頷くのを見て、宰相が許可を出してくれた。
「神子を呼べ。今すぐ、神子とプランク公爵をここに連れてこい!抵抗するなら力づくで構わん」
謁見の間を出たら声が出るようになった。
「神子、いや、もはや神子ではないな、私に魔法をかけたな」
私の言葉に、宰相が驚き、近衛団長が剣に手をかけた。
「まさか、本当に陛下に魔法をかけたですか?」
「なんだよ、お前らみんなモブの癖にうるさいんだよ」
「魔法をかけたのか、答えなさい!」
「かけたよ、だから何だよ、俺は神子なんだよ!」
男爵子息が癇癪を起したが、こっちが起こしたいわ。
それにこの神子、自分の状況を分かっているのか?王である私に魔法をかけた時点で、極刑は免れないぞ。
「プランク公爵、後見人としてこの責任をどう取られるおつもりか!」
「私もかけられていて止められなかったのだ」
「そのような危険な者を陛下に近づけたのは、貴方でしょう」
お前らのせいで、神殿とマクスウェル公爵を敵に回したんだぞ。どうしてくれるんだ。
「近衛団長、神子を魔封じを施して牢屋へ入れろ。周りには知られるな。神殿の浄化が上手くいくまでは、生かしておけ。魔法はおそらく先ほどここでかけられた。魔力が動く気配がした。魔封じが聞かぬかもしれぬから油断するな」
「はい。お守りできず申し訳ございません」
「プランク公爵、追って沙汰する。謹慎していろ」
「陛下、私は、」
「プランク公爵、陛下の命です。お下がりください」
それから魔法師団長に見てもらったが、魔法はすでに残っていないと言われ安堵した。おそらく誓言魔法のたぐいではないかという。
あれか、口を出すな、というのに答えたのがいけなかったのか。
「神殿とマクスウェル公爵にどう言えばいいか」
「陛下が魔法をかけられたなど、知られる訳にはいきません。マクスウェル公爵は領地で謹慎すると言っていましたので、少ししてから何事もなかったように呼び戻すしかないでしょう」
はあー。もう王様いやだ。辞めたい。
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