19 / 47
19. 可愛い息子の未来を守るために (父親視点)
しおりを挟む
謁見後、大神官様に招待された神殿で祈りをささげるリヒターは、とても綺麗だった。
本人はあまり頓着していないが、このリディアに似た顔が、人の心の奥に潜む様々な思いを暴き立てるのかもしれない。ヴェルナーが守ってくれるよう、私も神に祈ろう。
「リヒターの退出後にあの神子が『あいつは悪役令息なのに』と言っていたのだが心当たりはあるか?」
「いえ、ありません。私の婚約者である殿下から身を引くようにと伝えたことがありますので、それで悪役と言われたのでしょうか」
彼の言動は不可解過ぎた。そのうちの一つで大した意味はないのかもしれない。
ただあまりにも常識からかけ離れた行動をとるので、用心に越したことはないだろう。
家に着くと、皆が玄関先で揃って迎えてくれた。
リヒターとふたり揃って帰ってきたことで、とりあえずほっとしたようだが、それでも不安の表情だ。
「兄上の処遇はどうなったのですか?」
「そういえば、どうなったんでしょう」
耐え切れずにアルベルトが恐る恐る聞いてきたが、横でリヒターも自分の処遇が何も決まらなかったことを思い出したようだ。
頭がいいのに、たまにこうして抜けることがある。魔道具の話が出て、思考がそちらに飛んでしまったのかもしれない。
「リヒターはこのままだろう。王家と言えど、神殿が後ろ盾についている者に手出しはできない」
「神殿が後ろ盾についたのですか?流石兄上ですね」
「結局リヒターは、自分の力で道を切り開いた。私は息子ひとり守れなくて、情けないな」
「守っていただきましたよ。父上も領地で謹慎すると仰っていたではありませんか」
そういえば言ったな。その後の大神官様のご登場ですっかり忘れていたので、私もリヒターのことを言えない。
「領地の浄化は、神殿が進めてくださったそうで、魔物の発生は抑えられているそうだ」
私の言葉に、使用人からも歓声が上がった。
領地に家族がいる者も多いので、安堵したのだろう。この時ばかりは執事も見逃して、一緒に笑っている。本当によかった。
その日の夕食は、とても和やかなものになった。
「アルベルト、公爵家、というよりも、リヒターが陛下に目をつけられている。隙を見せるな」
「第二王子殿下の件でお怒りをかっているのですか?」
「いや、おそらくリヒターの頭脳も含めて、王家に取り込みたいのだと思う」
「まさか、兄上はすでにヴェルナー兄様と結婚されているのに」
「おそらく今回の謝罪は、神子は捨て駒で、リヒターを取り上げるためのものだ。結局神殿に助けられたが」
そう考えると、謁見の間で陛下がリヒターに発言を許さなかった辻褄が合うのだ。神子は捨て駒で、つけ込む隙を見せたところで、命令を下すおつもりだったのだろう。
だが、神殿が後ろ盾についた以上、無理矢理リヒターを召し上げることは不可能だ。そして公爵家が盤石なら、長子であるリヒターと結婚し領主代理として問題なく領を治めているヴェルナーとリヒターの仲を裂くことは難しい。
このまま諦めていただければいいが、そうでなければどんな些細なことから足元をすくわれるか分からない。
アルベルトには私が領地で謹慎している間のことを頼んで、リヒターと一緒に領地へと移動した。
「ヴェルナー!」
領主館の役人と屋敷の使用人が出迎える中で、馬車から降りてすぐヴェルナーを目に留めたリヒターが、一目散に駆けて行き、ヴェルナーに飛びついた。
いかなる時も公爵子息としての振る舞いを忘れないリヒターのいつにない行動に、私も、出迎えた人も、そして飛びつかれたヴェルナーも驚いている。
「おかえり」
「うん、ただいま……」
ヴェルナーに抱き着いて肩に顔を埋めたまま泣いているようだ。おそらくここを発つときは二度と会えないことを覚悟していたのだろうし、決して表に出さなかったが不安だったのだろう。見守るものたちも涙を浮かべている。
リヒターをここに帰せてよかったと、心から思う光景だ。
人形のように感情を見せなかったリヒターとここまで心を通わせてくれたヴェルナーには感謝の念が尽きない。
「リヒターはどうした?」
「安心したのか早々に寝てしまいました。一度寝ると起きませんから大丈夫です」
今日はリヒターのそばにいると思っていたヴェルナーがゲストルームに来たので訝しんだが、すでに眠っていると聞いて納得した。緊張もしていただろうし、移動もして疲れたのだろう。
通常は領主夫妻の使う部屋は、リヒターとヴェルナーが使っているので、私はゲストルームに滞在している。
ヴェルナーとはゆっくり話をしたいと思っていたので、執事に酒を用意してもらおう。
「謁見の間で何があったのでしょう。リヒターに聞いても自分もよく分からないと要領を得ません」
「男爵子息のリヒターへの嫌がらせと陛下のお考えが相まって事態が複雑になったが、結局大神官様に救われた」
それからあの謁見の間で起きたことを説明した。
男爵子息の貴族とは思えない行動とリヒターが受けた暴力について話したときは、後ろに控えている執事からも殺気が漏れていた。この執事ピエールは、リヒターを子どものころからこの地でずっと見守っていたから、思い入れも強いのだろう。
「陛下はマクスウェル公爵家に含むところがおありなのでしょうか」
「リヒターを愛妾にするおつもりだったのではないかと。リヒターには伝えていない。このまま領地で過ごさせ、この地からは出さない」
ヴェルナーが驚いているが、私だって信じられない。だが、領地に出発する前に、宰相が密かに伝えてきたのだ。
第二王子殿下の婚約者だったリヒターを愛妾に望まれるなど、王家の醜聞となる。リヒターの能力を手元に置くために、手っ取り早く愛妾という形を取るということも考えられる。
もともとリヒターは王都よりこの領地のほうが好きだ。魔物の発生で領民からの当たりはキツくなったが、事態が落ち着き魔道具の件が広まれば、また前のように人気が戻るだろう。
ここでヴェルナーと平穏に過ごしてほしい。
「ルートヴィッヒ様はいつまでこちらに?」
「謁見の間で、リヒターと一緒に謹慎すると言ったから、しばらくはこちらにいる」
「ではその間にリヒターと話をしてみてください。今なら素直に受け止められると思います」
「そうか。ヴェルナーのおかげだな。ありがとう」
翌日、領主館に顔を出すと、ヴェルナーはすでに仕事をしていた。
魔物の発生は落ち着いてきたが、魔物が増えたことでその対応に追われ後回しになっていた業務を片付けているようだ。昨夜は遅くまで魔物の発生状況やリヒターの開発した魔道具を使ってどうやって浄化したのかなどを聞いていたのに、ちゃんと寝ているのだろうか。
「閣下、いいところにいらっしゃいました」
代官としてヴェルナーの前にこの領を任せていた部下が満面の笑みで迎えてくれたが、その笑顔は何か企んでいるな。そう思って警戒していると、ヴェルナーから仕事を取り上げて、すべて私に回してきた。
「代理、今日はリヒター様と過ごしてください。閣下が代わってくださるそうですから」
「しかし……」
「ヴェルナー、今日はリヒターについていてやってくれ」
昨日、あれだけ情熱的に飛びつくリヒターを見ては、こうしてヴェルナーを仕事場に縛り付けている我々のほうがふたりを引き裂く悪者のように思えてしまう。
皆の勧めを受けて、手掛けていたものを手早く終わらせるとすぐに、ヴェルナーは屋敷へと帰って行った。
「ヴェルナーはどうだ?」
「飲みこみも早いですし、リヒター様と話が合うだけあって頭の回転も速い方ですね」
「そうか」
「ずっと無理をしていらっしゃったので、しばらくはリヒター様とゆっくり休んでいただきたいです。閣下、ご協力お願いいたします」
ヴェルナーはここで良い仕事が出来ているようで安心したが、私はせっかく王都を離れたというのに、休みももらえないようだ。
「仕事はするが、今日は午後から全員休みだ」
「しかし、それでは」
「領主命令だ。午後は帰って休め」
彼らとてほぼ休みなく仕事をしている。半日くらい休んだところでバチは当たらないだろう。
屋敷に戻ると、リヒターとヴェルナーは庭で話をしているというので、私も加わろうかと行ってみたが、遠くから見てもふたりの雰囲気がとてもよかったので、邪魔をするのはやめた。
「ピエール、あのふたりはずっとあんな感じなのか?」
「いえ、あれだけ近くにいらっしゃるのは初めてです」
「そうか。これからもよろしく頼む」
「畏まりました」
こうして皆に守られて、リヒターはここで生きていくのだろう。
あの子が開発した魔道具を使って、あの子の足元を固めて、未来が脅かされないようにしてやることくらいしか、私に出来ることはない。
つけ込まれる隙を作らないように、気を引き締めて事に当たらなければならないな。
本人はあまり頓着していないが、このリディアに似た顔が、人の心の奥に潜む様々な思いを暴き立てるのかもしれない。ヴェルナーが守ってくれるよう、私も神に祈ろう。
「リヒターの退出後にあの神子が『あいつは悪役令息なのに』と言っていたのだが心当たりはあるか?」
「いえ、ありません。私の婚約者である殿下から身を引くようにと伝えたことがありますので、それで悪役と言われたのでしょうか」
彼の言動は不可解過ぎた。そのうちの一つで大した意味はないのかもしれない。
ただあまりにも常識からかけ離れた行動をとるので、用心に越したことはないだろう。
家に着くと、皆が玄関先で揃って迎えてくれた。
リヒターとふたり揃って帰ってきたことで、とりあえずほっとしたようだが、それでも不安の表情だ。
「兄上の処遇はどうなったのですか?」
「そういえば、どうなったんでしょう」
耐え切れずにアルベルトが恐る恐る聞いてきたが、横でリヒターも自分の処遇が何も決まらなかったことを思い出したようだ。
頭がいいのに、たまにこうして抜けることがある。魔道具の話が出て、思考がそちらに飛んでしまったのかもしれない。
「リヒターはこのままだろう。王家と言えど、神殿が後ろ盾についている者に手出しはできない」
「神殿が後ろ盾についたのですか?流石兄上ですね」
「結局リヒターは、自分の力で道を切り開いた。私は息子ひとり守れなくて、情けないな」
「守っていただきましたよ。父上も領地で謹慎すると仰っていたではありませんか」
そういえば言ったな。その後の大神官様のご登場ですっかり忘れていたので、私もリヒターのことを言えない。
「領地の浄化は、神殿が進めてくださったそうで、魔物の発生は抑えられているそうだ」
私の言葉に、使用人からも歓声が上がった。
領地に家族がいる者も多いので、安堵したのだろう。この時ばかりは執事も見逃して、一緒に笑っている。本当によかった。
その日の夕食は、とても和やかなものになった。
「アルベルト、公爵家、というよりも、リヒターが陛下に目をつけられている。隙を見せるな」
「第二王子殿下の件でお怒りをかっているのですか?」
「いや、おそらくリヒターの頭脳も含めて、王家に取り込みたいのだと思う」
「まさか、兄上はすでにヴェルナー兄様と結婚されているのに」
「おそらく今回の謝罪は、神子は捨て駒で、リヒターを取り上げるためのものだ。結局神殿に助けられたが」
そう考えると、謁見の間で陛下がリヒターに発言を許さなかった辻褄が合うのだ。神子は捨て駒で、つけ込む隙を見せたところで、命令を下すおつもりだったのだろう。
だが、神殿が後ろ盾についた以上、無理矢理リヒターを召し上げることは不可能だ。そして公爵家が盤石なら、長子であるリヒターと結婚し領主代理として問題なく領を治めているヴェルナーとリヒターの仲を裂くことは難しい。
このまま諦めていただければいいが、そうでなければどんな些細なことから足元をすくわれるか分からない。
アルベルトには私が領地で謹慎している間のことを頼んで、リヒターと一緒に領地へと移動した。
「ヴェルナー!」
領主館の役人と屋敷の使用人が出迎える中で、馬車から降りてすぐヴェルナーを目に留めたリヒターが、一目散に駆けて行き、ヴェルナーに飛びついた。
いかなる時も公爵子息としての振る舞いを忘れないリヒターのいつにない行動に、私も、出迎えた人も、そして飛びつかれたヴェルナーも驚いている。
「おかえり」
「うん、ただいま……」
ヴェルナーに抱き着いて肩に顔を埋めたまま泣いているようだ。おそらくここを発つときは二度と会えないことを覚悟していたのだろうし、決して表に出さなかったが不安だったのだろう。見守るものたちも涙を浮かべている。
リヒターをここに帰せてよかったと、心から思う光景だ。
人形のように感情を見せなかったリヒターとここまで心を通わせてくれたヴェルナーには感謝の念が尽きない。
「リヒターはどうした?」
「安心したのか早々に寝てしまいました。一度寝ると起きませんから大丈夫です」
今日はリヒターのそばにいると思っていたヴェルナーがゲストルームに来たので訝しんだが、すでに眠っていると聞いて納得した。緊張もしていただろうし、移動もして疲れたのだろう。
通常は領主夫妻の使う部屋は、リヒターとヴェルナーが使っているので、私はゲストルームに滞在している。
ヴェルナーとはゆっくり話をしたいと思っていたので、執事に酒を用意してもらおう。
「謁見の間で何があったのでしょう。リヒターに聞いても自分もよく分からないと要領を得ません」
「男爵子息のリヒターへの嫌がらせと陛下のお考えが相まって事態が複雑になったが、結局大神官様に救われた」
それからあの謁見の間で起きたことを説明した。
男爵子息の貴族とは思えない行動とリヒターが受けた暴力について話したときは、後ろに控えている執事からも殺気が漏れていた。この執事ピエールは、リヒターを子どものころからこの地でずっと見守っていたから、思い入れも強いのだろう。
「陛下はマクスウェル公爵家に含むところがおありなのでしょうか」
「リヒターを愛妾にするおつもりだったのではないかと。リヒターには伝えていない。このまま領地で過ごさせ、この地からは出さない」
ヴェルナーが驚いているが、私だって信じられない。だが、領地に出発する前に、宰相が密かに伝えてきたのだ。
第二王子殿下の婚約者だったリヒターを愛妾に望まれるなど、王家の醜聞となる。リヒターの能力を手元に置くために、手っ取り早く愛妾という形を取るということも考えられる。
もともとリヒターは王都よりこの領地のほうが好きだ。魔物の発生で領民からの当たりはキツくなったが、事態が落ち着き魔道具の件が広まれば、また前のように人気が戻るだろう。
ここでヴェルナーと平穏に過ごしてほしい。
「ルートヴィッヒ様はいつまでこちらに?」
「謁見の間で、リヒターと一緒に謹慎すると言ったから、しばらくはこちらにいる」
「ではその間にリヒターと話をしてみてください。今なら素直に受け止められると思います」
「そうか。ヴェルナーのおかげだな。ありがとう」
翌日、領主館に顔を出すと、ヴェルナーはすでに仕事をしていた。
魔物の発生は落ち着いてきたが、魔物が増えたことでその対応に追われ後回しになっていた業務を片付けているようだ。昨夜は遅くまで魔物の発生状況やリヒターの開発した魔道具を使ってどうやって浄化したのかなどを聞いていたのに、ちゃんと寝ているのだろうか。
「閣下、いいところにいらっしゃいました」
代官としてヴェルナーの前にこの領を任せていた部下が満面の笑みで迎えてくれたが、その笑顔は何か企んでいるな。そう思って警戒していると、ヴェルナーから仕事を取り上げて、すべて私に回してきた。
「代理、今日はリヒター様と過ごしてください。閣下が代わってくださるそうですから」
「しかし……」
「ヴェルナー、今日はリヒターについていてやってくれ」
昨日、あれだけ情熱的に飛びつくリヒターを見ては、こうしてヴェルナーを仕事場に縛り付けている我々のほうがふたりを引き裂く悪者のように思えてしまう。
皆の勧めを受けて、手掛けていたものを手早く終わらせるとすぐに、ヴェルナーは屋敷へと帰って行った。
「ヴェルナーはどうだ?」
「飲みこみも早いですし、リヒター様と話が合うだけあって頭の回転も速い方ですね」
「そうか」
「ずっと無理をしていらっしゃったので、しばらくはリヒター様とゆっくり休んでいただきたいです。閣下、ご協力お願いいたします」
ヴェルナーはここで良い仕事が出来ているようで安心したが、私はせっかく王都を離れたというのに、休みももらえないようだ。
「仕事はするが、今日は午後から全員休みだ」
「しかし、それでは」
「領主命令だ。午後は帰って休め」
彼らとてほぼ休みなく仕事をしている。半日くらい休んだところでバチは当たらないだろう。
屋敷に戻ると、リヒターとヴェルナーは庭で話をしているというので、私も加わろうかと行ってみたが、遠くから見てもふたりの雰囲気がとてもよかったので、邪魔をするのはやめた。
「ピエール、あのふたりはずっとあんな感じなのか?」
「いえ、あれだけ近くにいらっしゃるのは初めてです」
「そうか。これからもよろしく頼む」
「畏まりました」
こうして皆に守られて、リヒターはここで生きていくのだろう。
あの子が開発した魔道具を使って、あの子の足元を固めて、未来が脅かされないようにしてやることくらいしか、私に出来ることはない。
つけ込まれる隙を作らないように、気を引き締めて事に当たらなければならないな。
183
お気に入りに追加
5,912
あなたにおすすめの小説
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
【第2部開始】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【第2部開始 更新は少々ゆっくりです】ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**
名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~
沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。
巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。
予想だにしない事態が起きてしまう
巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。
”召喚された美青年リーマン”
”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”
じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”?
名前のない脇役にも居場所はあるのか。
捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。
「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」
ーーーーーー・ーーーーーー
小説家になろう!でも更新中!
早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる