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11. 努力が認められるとき (ヴェルナー視点)
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結婚式後の5日間、新婚ということで予定が一切入れられていない。
じゃあ領地に帰ればいいじゃないかと言われそうだが、そうすると新婚のふたりを家から追い出したと公爵の評判が下がってしまうので、5日間はここで休暇だ。
やることがないという状況に、リヒターが所在なさげだし、調薬をすると言い出したいのを我慢しているのがバレバレだ。
王都の屋敷には、リヒターが学園に通っていた時に使っていた温室と調薬小屋が今でもきちんと管理されて残っているので、やろうと思えばできるのだ。
調薬小屋は、領地の屋敷にも変わらぬものが用意され、リヒターが入り浸っている。
ここにいる間に少しは私に慣れてほしいと思って、この5日間の仕事は私に慣れることで、最後に自分からキスして欲しいと伝えた。そうでもしなければ、一定の距離を保ったまま、自分からはその距離を詰めるようなことはしないだろう。
リヒターは恥ずかしがっていたのに、急に意を決したように私の頬にキスをした。結果じゃなくて過程が大切なんだけどなあと思いながらも、それでもやろうと思ってくれたことは嬉しい。嫌なことは先に終わらせて遊びたい子どもみたいだが。
これで課題はクリアしたと胸を張るので、さらに追加で、愛を囁きながらキスをして、と追加の課題を出すと、ぷうと頬を膨らませた。その素直さが可愛い。
額にキスをしたら真っ赤になって、怒りと共に頬もしぼむのも可愛い。
5日間、話だけをして過ごすのも無理なので、ソファで隣に座って、それぞれ読書をしている。
リヒターは薬学か魔法学の専門書、私は歴史書だ。
「歴史って面白いですか?」
「人のすることはいつの時代も変わらないのが面白いと思うよ。リヒターは薬学のどういう所が好きなの?」
「同じ手段で作ったら、同じものが出来るところです。違うものが出来たなら、それは過程のどこかが間違っています。人のように突拍子もない規則から外れたことが突然起きないところがいいです」
なるほど。予測から外れたイレギュラーが起きるのが嫌なのだな。私なんかは人のそういうところが面白いと思うけれど、リヒターにはそれが煩わしいのだろう。
隣に座るリヒターの頬にキスをした。
「な、な、なに、するんですかっ!」
「キス。可愛いなあと思って」
「だ、だからって、なんでっ」
「人は突拍子もない規則から外れたことをするって期待してたみたいだから」
「期待なんかしてませんっ」
真っ赤になって、頬を押さえて、隣のソファに逃げた。
それでも部屋から出て行かないところが、少しは心を開いてくれた証のようで嬉しい。
近くなった距離は少し離れてしまったけれど、またすぐ縮まるだろう。
懐かない猫が、それでもひとりにされるのは嫌で、手が届かないギリギリのところでシャーシャー威嚇しているようだ。
休暇の最終日、公爵の執務室にて、領主代理を拝命した。
これで正式に、私が公爵領の領地運営の実権を持ち、ほとんどのことは公爵の許可なくとも私の裁量に任せられることになる。
実際は今まで行ってきた代官と分担していくが、いちいち王都にいる公爵の許可を取らずとも領内で全ての物事が進むようになるので、実務担当からは歓迎されている。
リヒターは長子ではあるが、王子妃になることが決まっていたため、二子のアルベルト様が嫡子となっていた。
リヒターの王子との婚約が破談になったことで、リヒターを嫡子にという話もあるにはあった。領内ではアルベルト様よりも公爵本人よりも、土壌改良を手掛けているリヒターのほうが人気がある。
けれど、リヒター本人が望まないからと公爵は嫡子に復帰させなかったし、領主代理も任せなかった。リヒターには好きなことをしてほしい、という公爵の意向だ。代官以下、実務担当の者たちも、他の人でも出来る領主代理よりは土壌改良を進めてほしいと思っている。
その結果、役職が私に回ってきたのだから、リヒターのためにも、私が領主代理になって悪くなったと言われないように頑張らなければ。
簡易の任命式を見守っていたリヒターは、弟君のアルベルト様と共に、庭でお茶をするために退出した。
それを待ってから、公爵がリヒターの様子を確認してきた。
「リヒターは落ち着いているか?」
「ええ、距離を詰めると逃げられますし、子ども扱いすると拗ねますが」
「拗ねるのか。想像がつかないな」
「取り繕っていますが、案外子どもっぽいですよ。リヒターは自分に愛情が向けられることはないと頑なに信じています。今はまだ何を言っても無駄でしょう」
「そうか。あの子を頼む」
いずれは父子の関係を改善してほしいが、焦ると逆効果だろう。ただのボタンの掛け違いだとしても、そこで流れた歳月のうちに積み重なったものは軽視できない。
いつか公爵の想いがリヒターに届くよう願うしかない。
公爵も誘って、兄弟のお茶の場に行くと、弟君の質問攻勢にリヒターが押され気味だった。またしばらく会えなくなるから今のうちに話をしておこうと、弟君が前のめりだ。
線の細いリヒターとがっしりとした弟君では、リヒターのほうが背も低く体格だけでは年下に見えるが、弟君のくるくると変わる表情が、彼を年相応のまだ学園に通っている学生に見せている。
「ヴェルナー殿は、いえ、ヴェルナー兄様とお呼びしてもいいですか?」
「はい」
「私のこともアルベルトとお呼びください。それで、ヴェルナー兄様、兄上といつもどんな話をされるのですか?兄上は大した話はしないとしか答えてくださらなくて」
「リヒターは薬草や実験の話、私は領地運営の話ですね。あとはお互いが読んでいる本の内容だったりとか」
「それは仕事では?」
「リヒターの一番興味があることですから、趣味ですね」
リヒターの場合、趣味が仕事を兼ねているようなものだから、他に話すことがない。フリートークのような主題が決まっていない会話は苦手だろう。それに興味のままに話すとだいたい研究に行きつく。
それから、黄色いダリアを贈った収穫祭にお忍びで参加した話や、日頃の領地での生活など、リヒターの様子を知りたがるアルベルト様の質問に答える形で話すのを、リヒターは何も言わずに聞いていた。
「兄上の薬は、販売しないのですか?」
「秋の収穫後に向けて販売する予定ですが、まだ詳細を詰めているところです」
「何か問題が?」
「5年使用してみて害はなさそうですが、領の全ての農地で使用して何かあった場合は、収穫が全滅します。使用する農地の割合に制限をかけるという話も出ていて、まだ結論が出ていません」
「制限は必要ない」
「父上?」
「リヒターの作ったものなら問題ない。それに、あったとしても、それに対処する薬剤をすぐに作り出すだろう。構わず売り出せ」
「畏まりました」
公爵の思い切った決断に、リヒターが驚いている。
公爵のリヒター個人への信頼というのもあるのだろうが、9歳から7年をかけて研究している研究者としてのリヒターに対する信頼が大きいのだろう。
制限をかける案は、そもそもリヒターの発案だ。まずないはずだが万が一の場合にと本人が言うので、皆その案を採用するつもりでいるが、では実際に制限が守られるのか、守っているかどうかを誰が確認するのか、というのが難しい。見ていなければ、土に薬剤が使われたかどうかなど分からない。そして使ったほうが収穫量があがるのに、使うなと言っても守られる保証がない。
領地に戻ったら、最初の仕事はこれになる。
薬剤の量の確保のために、薬師ギルドを巻き込む必要もある。リヒターも忙しくなるだろう。
まだ事態が飲みこめないのか驚いたままのリヒターに、声をかける。
「研究者としてのリヒターを信用していると、お父上は仰っているんだよ」
「そう、ですか。ありがとうございます。父上」
「子どものころからずっと頑張っていたお前の成果だ。誇っていい」
「はい」
公爵の思わぬ言葉に俯いてしまったリヒターは、少し涙ぐんでいるようだ。
ずっと父親に認められたくて頑張っていた努力が実って、嬉しくないわけがない。
そっと肩を撫でると、顔を上げて少し赤い目で、今まで見た中で一番の笑顔を見せてくれた。
アルベルト様が初めて見るリヒターの満面の笑みに、ポカンとしている。
「アルベルト、どうしたの?」
「あ、いえ、あの、兄上が嬉しそうだなと」
「そうだね。嬉しいよ」
「兄上が嬉しそうで私も嬉しいです」
「ありがとう」
ふふっと笑いあう二人を見て、公爵がそっと涙を拭うのを目の端で捉えたけれど、気づかないふりをした。
領地へ戻る馬車の中、リヒターは上機嫌だ。
昨日からずっと上機嫌で、昨夜はそこまで抵抗せずに一緒にベッドに入ってくれた。
どうせすぐに眠ってしまって朝まで起きないのに、なぜそんなに恥ずかしがって抵抗するのかよく分からないが、リヒターにしか分からないこだわりがあるのだろう。
「ヴェルナー、父上に何か言ってくれたのですか?」
「マリッジブルーでナーバスになってるから、今は見守って欲しいとは伝えたよ」
「……あれは、マリッジブルーでした、か?」
「どうだろう?でも結婚式前だったし、間違ってないよね」
「合っているような?」
リヒターは考えすぎて、最終的にマイナスな選択をしてしまうようだから、あんまり考える時間を与えないほうがよさそうだ。
「帰ったら、薬の件で忙しくなるね」
「そうですね」
子どものように、にこにこと笑っている。
少しだけ猫が懐いてくれたようだ。
じゃあ領地に帰ればいいじゃないかと言われそうだが、そうすると新婚のふたりを家から追い出したと公爵の評判が下がってしまうので、5日間はここで休暇だ。
やることがないという状況に、リヒターが所在なさげだし、調薬をすると言い出したいのを我慢しているのがバレバレだ。
王都の屋敷には、リヒターが学園に通っていた時に使っていた温室と調薬小屋が今でもきちんと管理されて残っているので、やろうと思えばできるのだ。
調薬小屋は、領地の屋敷にも変わらぬものが用意され、リヒターが入り浸っている。
ここにいる間に少しは私に慣れてほしいと思って、この5日間の仕事は私に慣れることで、最後に自分からキスして欲しいと伝えた。そうでもしなければ、一定の距離を保ったまま、自分からはその距離を詰めるようなことはしないだろう。
リヒターは恥ずかしがっていたのに、急に意を決したように私の頬にキスをした。結果じゃなくて過程が大切なんだけどなあと思いながらも、それでもやろうと思ってくれたことは嬉しい。嫌なことは先に終わらせて遊びたい子どもみたいだが。
これで課題はクリアしたと胸を張るので、さらに追加で、愛を囁きながらキスをして、と追加の課題を出すと、ぷうと頬を膨らませた。その素直さが可愛い。
額にキスをしたら真っ赤になって、怒りと共に頬もしぼむのも可愛い。
5日間、話だけをして過ごすのも無理なので、ソファで隣に座って、それぞれ読書をしている。
リヒターは薬学か魔法学の専門書、私は歴史書だ。
「歴史って面白いですか?」
「人のすることはいつの時代も変わらないのが面白いと思うよ。リヒターは薬学のどういう所が好きなの?」
「同じ手段で作ったら、同じものが出来るところです。違うものが出来たなら、それは過程のどこかが間違っています。人のように突拍子もない規則から外れたことが突然起きないところがいいです」
なるほど。予測から外れたイレギュラーが起きるのが嫌なのだな。私なんかは人のそういうところが面白いと思うけれど、リヒターにはそれが煩わしいのだろう。
隣に座るリヒターの頬にキスをした。
「な、な、なに、するんですかっ!」
「キス。可愛いなあと思って」
「だ、だからって、なんでっ」
「人は突拍子もない規則から外れたことをするって期待してたみたいだから」
「期待なんかしてませんっ」
真っ赤になって、頬を押さえて、隣のソファに逃げた。
それでも部屋から出て行かないところが、少しは心を開いてくれた証のようで嬉しい。
近くなった距離は少し離れてしまったけれど、またすぐ縮まるだろう。
懐かない猫が、それでもひとりにされるのは嫌で、手が届かないギリギリのところでシャーシャー威嚇しているようだ。
休暇の最終日、公爵の執務室にて、領主代理を拝命した。
これで正式に、私が公爵領の領地運営の実権を持ち、ほとんどのことは公爵の許可なくとも私の裁量に任せられることになる。
実際は今まで行ってきた代官と分担していくが、いちいち王都にいる公爵の許可を取らずとも領内で全ての物事が進むようになるので、実務担当からは歓迎されている。
リヒターは長子ではあるが、王子妃になることが決まっていたため、二子のアルベルト様が嫡子となっていた。
リヒターの王子との婚約が破談になったことで、リヒターを嫡子にという話もあるにはあった。領内ではアルベルト様よりも公爵本人よりも、土壌改良を手掛けているリヒターのほうが人気がある。
けれど、リヒター本人が望まないからと公爵は嫡子に復帰させなかったし、領主代理も任せなかった。リヒターには好きなことをしてほしい、という公爵の意向だ。代官以下、実務担当の者たちも、他の人でも出来る領主代理よりは土壌改良を進めてほしいと思っている。
その結果、役職が私に回ってきたのだから、リヒターのためにも、私が領主代理になって悪くなったと言われないように頑張らなければ。
簡易の任命式を見守っていたリヒターは、弟君のアルベルト様と共に、庭でお茶をするために退出した。
それを待ってから、公爵がリヒターの様子を確認してきた。
「リヒターは落ち着いているか?」
「ええ、距離を詰めると逃げられますし、子ども扱いすると拗ねますが」
「拗ねるのか。想像がつかないな」
「取り繕っていますが、案外子どもっぽいですよ。リヒターは自分に愛情が向けられることはないと頑なに信じています。今はまだ何を言っても無駄でしょう」
「そうか。あの子を頼む」
いずれは父子の関係を改善してほしいが、焦ると逆効果だろう。ただのボタンの掛け違いだとしても、そこで流れた歳月のうちに積み重なったものは軽視できない。
いつか公爵の想いがリヒターに届くよう願うしかない。
公爵も誘って、兄弟のお茶の場に行くと、弟君の質問攻勢にリヒターが押され気味だった。またしばらく会えなくなるから今のうちに話をしておこうと、弟君が前のめりだ。
線の細いリヒターとがっしりとした弟君では、リヒターのほうが背も低く体格だけでは年下に見えるが、弟君のくるくると変わる表情が、彼を年相応のまだ学園に通っている学生に見せている。
「ヴェルナー殿は、いえ、ヴェルナー兄様とお呼びしてもいいですか?」
「はい」
「私のこともアルベルトとお呼びください。それで、ヴェルナー兄様、兄上といつもどんな話をされるのですか?兄上は大した話はしないとしか答えてくださらなくて」
「リヒターは薬草や実験の話、私は領地運営の話ですね。あとはお互いが読んでいる本の内容だったりとか」
「それは仕事では?」
「リヒターの一番興味があることですから、趣味ですね」
リヒターの場合、趣味が仕事を兼ねているようなものだから、他に話すことがない。フリートークのような主題が決まっていない会話は苦手だろう。それに興味のままに話すとだいたい研究に行きつく。
それから、黄色いダリアを贈った収穫祭にお忍びで参加した話や、日頃の領地での生活など、リヒターの様子を知りたがるアルベルト様の質問に答える形で話すのを、リヒターは何も言わずに聞いていた。
「兄上の薬は、販売しないのですか?」
「秋の収穫後に向けて販売する予定ですが、まだ詳細を詰めているところです」
「何か問題が?」
「5年使用してみて害はなさそうですが、領の全ての農地で使用して何かあった場合は、収穫が全滅します。使用する農地の割合に制限をかけるという話も出ていて、まだ結論が出ていません」
「制限は必要ない」
「父上?」
「リヒターの作ったものなら問題ない。それに、あったとしても、それに対処する薬剤をすぐに作り出すだろう。構わず売り出せ」
「畏まりました」
公爵の思い切った決断に、リヒターが驚いている。
公爵のリヒター個人への信頼というのもあるのだろうが、9歳から7年をかけて研究している研究者としてのリヒターに対する信頼が大きいのだろう。
制限をかける案は、そもそもリヒターの発案だ。まずないはずだが万が一の場合にと本人が言うので、皆その案を採用するつもりでいるが、では実際に制限が守られるのか、守っているかどうかを誰が確認するのか、というのが難しい。見ていなければ、土に薬剤が使われたかどうかなど分からない。そして使ったほうが収穫量があがるのに、使うなと言っても守られる保証がない。
領地に戻ったら、最初の仕事はこれになる。
薬剤の量の確保のために、薬師ギルドを巻き込む必要もある。リヒターも忙しくなるだろう。
まだ事態が飲みこめないのか驚いたままのリヒターに、声をかける。
「研究者としてのリヒターを信用していると、お父上は仰っているんだよ」
「そう、ですか。ありがとうございます。父上」
「子どものころからずっと頑張っていたお前の成果だ。誇っていい」
「はい」
公爵の思わぬ言葉に俯いてしまったリヒターは、少し涙ぐんでいるようだ。
ずっと父親に認められたくて頑張っていた努力が実って、嬉しくないわけがない。
そっと肩を撫でると、顔を上げて少し赤い目で、今まで見た中で一番の笑顔を見せてくれた。
アルベルト様が初めて見るリヒターの満面の笑みに、ポカンとしている。
「アルベルト、どうしたの?」
「あ、いえ、あの、兄上が嬉しそうだなと」
「そうだね。嬉しいよ」
「兄上が嬉しそうで私も嬉しいです」
「ありがとう」
ふふっと笑いあう二人を見て、公爵がそっと涙を拭うのを目の端で捉えたけれど、気づかないふりをした。
領地へ戻る馬車の中、リヒターは上機嫌だ。
昨日からずっと上機嫌で、昨夜はそこまで抵抗せずに一緒にベッドに入ってくれた。
どうせすぐに眠ってしまって朝まで起きないのに、なぜそんなに恥ずかしがって抵抗するのかよく分からないが、リヒターにしか分からないこだわりがあるのだろう。
「ヴェルナー、父上に何か言ってくれたのですか?」
「マリッジブルーでナーバスになってるから、今は見守って欲しいとは伝えたよ」
「……あれは、マリッジブルーでした、か?」
「どうだろう?でも結婚式前だったし、間違ってないよね」
「合っているような?」
リヒターは考えすぎて、最終的にマイナスな選択をしてしまうようだから、あんまり考える時間を与えないほうがよさそうだ。
「帰ったら、薬の件で忙しくなるね」
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子どものように、にこにこと笑っている。
少しだけ猫が懐いてくれたようだ。
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