29 / 34
世界を越えてもその手は 続3章 ドロップ品のオークション 2
しおりを挟む
◆ドガイ中央教会(6. 引退後の計画)
「ユウのやりたいことはなんだ?」
「まず何よりも、もふもふを増やしたいでしょう」
『ネコ科は許さん』
「じゃあ、もふもふなイヌ科を連れてきてよ」
『俺がいるだろう』
「小さくて抱っこできるもふもふも欲しい」
『小さくなってやる』
「大きくて抱き着けるもふもふも欲しい」
『大きくなってやる。だから他のもふもふは必要ない』
「じゃあ、分身して。ちっちゃいもふもふを抱っこしながら、大きいもふもふに埋まりたい」
『……』
「ユウ、もふもふ以外にはないか? 他に何かないのか? あるだろう?」
「温泉旅行! 露天風呂に行きたい!」
『世界中の温泉を凍らせてやろうか』
「そんなことしたら、美味しいお肉もチーズも二度とあげないから!」
『なんだと?! 我は神獣ぞ。貢ぎ物を差し出すのが当然であろう』
「ただの食いしん坊のオオカミのくせに」
『許せぬ。二度と我の毛に触れさせてやらぬからな』
「そんなこと言うと、もふもふの刑だよ。もふもふ、もふもふ」
『やめよ。触るな!』
「ユウ、さすがに……」
『毛を逆立てるな。ブラッシングにしろ!』
「今はもふもふするのに忙しいから、後!」
(結局じゃれてるだけか。もう勝手にしてくれ……。そもそもやりたいことって、そういうことでいいのか?)
◆王都周辺のダンジョン(6. 引退後の計画)
「兄さん、そのティグリス、すごいな」
「ティグっていうんだ。可愛いだろ」
「ぎゃう」
「あ、ああ」(でかいし、可愛くはないだろう。かっこいいというか、むしろ怖いぞ)
「お前ら、モクリークに来たばっかりか?」
「いや、マジックバッグ狙いで二年いるが、王都は初めてだ。氷花に会いに来たんだ」
「……悪いことは言わない。やめとけ」
「そのティグリスを見たら、パーティーに入れてくれるかもしれないが、全員は無理だろ」
「いや待て。その前に、氷花に近づくとギルドに追放されるぞ」
「ああ、違うよ。ウルフのテイマーにティグを会わせてやって欲しいって、剣士の兄さんに頼まれたんだよ」
「兄さん、テイマーにティグリスを取られるんじゃないか? テイマーの耳と尻尾好きは有名だぞ」
「あはは。変わってないみたいだねえ。ソントで会ったときも、ランクアップ試験そっちのけで、ティグのこと見てたよ」
「知り合いか?」
「知り合いってほどじゃない。ソントでスキルをバラされて逃げるときに、ちょっと助けただけだよ」
(((まじかよ! 氷花の恩人じゃねーか。ってことは、モクリークの恩人だ!)))
「そうだったのか。あいつら今は、ドガイに行ってるって噂だぞ。すっげえドロップ品をオークションに出したらしい」
「そうらしいな。しばらくは王都にいるさ。ここのダンジョンも面白そうだ」
「分からないことがあれば、教えるぞ」
「うーん、そういえば、モクリークの屋台も宿も、ティグにまで料理を勧めてくるけど、この国では従魔も人間と同じ食事をするのが普通なのか?」
「それはあのウルフの影響だ。あのウルフが気に入った屋台は繁盛するんだよ」
「そうなのか。ティグは人間の味付けは苦手だから、毎回勧められて断るのが悪くて」
「味付けなしでって言えばやってくれるぞ。屋台には言っといてやるよ」
「やっぱり、従魔の食費ってかかるのか?」
「ああ。ティグは肉をたくさん食べるから、それなりに」
「他のテイマーが言ってたが、この国は従魔に優しいらしいな」
「ああ、それは感じるよ。大型の従魔を連れていると宿を探すのが大変なんだが、この国の宿では困ったことがない」
「他の国だと、どう大変なんだ?」
「まず宿泊自体断られるから、仕方なく貴族も泊まる宿になることもあるし、それでも冒険者の大型の従魔は部屋に入れてもらえない。街を移動するとそれが面倒なんだ」
「モクリークはその辺の普通の宿でも、一人分の料金を払えば入れてくれるし、食事も用意するか聞いてくれるから楽だ」
「あのウルフがあちこち行って、旨いもん食い漁ってるからだろうなあ」
「俺たちも従魔と言えばあのウルフを思い浮かべるもんな。あいつめちゃめちゃ賢いよな」
「テイムされているっていうより、むしろテイマーの面倒見てるよな」
「従魔ってみんなあんなに賢いのか? そのティグリスも大人しいよな」
「ティグも賢いけど、あのウルフは特別だよ」
「ウルフとテイマーってダンジョンではどんな感じなんだ?」
「最近は潜ってないが、上層だとテイマーの倒せそうなモンスターをウルフが目の前まで連れてきてやってた。そこまでお膳立てされても、テイマーはへっぴり腰だけどな」
「よくセーフティーエリアで、もっと肉を食べたいウルフと、これ以上はダメだってテイマーで喧嘩してたよなあ。で、剣士が仲裁してた」
(((マーナガルム様……)))
「あのウルフ、旨いもんしか食わない、わがままウルフだからな」
「テイマーのアイテムボックスの中身のほとんどは、ウルフのための食事だって噂だろ。屋台でも予約しておいて大量に買ってるしな」
「いや、テイマーも旨いもんしか食わないらしいぞ。剣士が固パン出して、テイマーと一緒だと食べられないって言ってた」
「固パン、慣れると旨いのにな」
「剣士も苦労するよなあ。テイマーとわがままウルフの面倒でも大変なのに、さらにあの神獣様だろ」
「あの神獣様も好き嫌いはっきりしてるよな」
「なあ、そのティグリス、触らせてもらえたりできるか? あのウルフは、なんというか気安く触れない感じがして」
「いろいろ教えてくれたし、少しなら。ティグいいよな」(ウルフの正体を知っていたら畏れ多すぎて触れないよ)
「ぎゃん」
◆ドガイの中央教会(7. カリラスさんに紹介)
「リネの羽根きれいだね。ブランがあげるなら、やっぱり毛? それとも爪? 牙?」
『……』
「ブラッシングで抜けた毛を集めたら、高く売れる?」
((ユウさん、罰当たりなことを、そんなに軽くおっしゃるとは!))
『俺の毛は抜けない』
「あ、そういえば、抜け毛を捨てたことないや。動物の牙のアクセサリーってカッコいいよね」
『ユウ、そんなに牙の性能を知りたいならかみついてやろうか? グルルゥゥ』
「ハミガキしてないのに、虫歯はないんだ」(牙をまじまじと見ながら)
((ユウさん、見ているほうがドキドキするのですが……))
◆ドガイ王宮(7. カリラスさんに紹介)
『なあ、宝石ないの?』
「し、神獣様!」
『あっちの国だと、こんな感じのところに宝石がたくさんあるんだけど』
「お持ちしますので、お待ちください!」
「教会に連絡を! それから、モクリークのテオリウス殿下に来ていただいてください!」
『お、この花、蜜が美味しいんだよな』(つんつん、むしゃむしゃ)
((神獣様が花瓶の花を食べている?!))
『あれ? あんた、アルの友達?』
「はい。モクリークでお目にかかりましたテオリウスです。今ドガイの国王陛下が宝石をご用意しておりますので、もう少しお待ちください。陛下、宝剣のようなものをお持ちでしたら、それもご用意されるとよろしいかと思います」
「誰か、頼む」
『なあ、甘いのくれ』
「甘いもの、ですか? テオリウス殿下、神獣様は何がお好みなのでしょう?」
「クッキーやケーキがお好きと聞いています」
『この国、チーズが美味しいって聞いてきたんだよ。チーズのケーキある?』
「ありがとうございます! 神獣様のために国中のチーズをご用意いたします! だれか、チーズケーキをここへ」
「宝石と宝剣をお持ちいたしました」
「神獣様、お待たせいたしました。どうぞご覧になってください」
『うーん、いいのがないな。甘いのまだ?』
「ただいまご用意をしておりますので、もう少々お待ちを」
『じゃあ、いいや』
「あ、神獣様!」
「行ってしまわれた……」
「テオリウス王子、助言感謝する」
「陛下、もったいないお言葉です。あまりお役に立てず、申し訳ございませんでした」
「神獣様は、モクリークでも、その、あのような感じでいらっしゃるのか?」
「はい。一度謁見の間で宝石をご覧になってからは、ときどき謁見の間にいらっしゃって、宝石をご所望になりますので、今は献上された宝石をすべて謁見の間に置いております」
「ユウのやりたいことはなんだ?」
「まず何よりも、もふもふを増やしたいでしょう」
『ネコ科は許さん』
「じゃあ、もふもふなイヌ科を連れてきてよ」
『俺がいるだろう』
「小さくて抱っこできるもふもふも欲しい」
『小さくなってやる』
「大きくて抱き着けるもふもふも欲しい」
『大きくなってやる。だから他のもふもふは必要ない』
「じゃあ、分身して。ちっちゃいもふもふを抱っこしながら、大きいもふもふに埋まりたい」
『……』
「ユウ、もふもふ以外にはないか? 他に何かないのか? あるだろう?」
「温泉旅行! 露天風呂に行きたい!」
『世界中の温泉を凍らせてやろうか』
「そんなことしたら、美味しいお肉もチーズも二度とあげないから!」
『なんだと?! 我は神獣ぞ。貢ぎ物を差し出すのが当然であろう』
「ただの食いしん坊のオオカミのくせに」
『許せぬ。二度と我の毛に触れさせてやらぬからな』
「そんなこと言うと、もふもふの刑だよ。もふもふ、もふもふ」
『やめよ。触るな!』
「ユウ、さすがに……」
『毛を逆立てるな。ブラッシングにしろ!』
「今はもふもふするのに忙しいから、後!」
(結局じゃれてるだけか。もう勝手にしてくれ……。そもそもやりたいことって、そういうことでいいのか?)
◆王都周辺のダンジョン(6. 引退後の計画)
「兄さん、そのティグリス、すごいな」
「ティグっていうんだ。可愛いだろ」
「ぎゃう」
「あ、ああ」(でかいし、可愛くはないだろう。かっこいいというか、むしろ怖いぞ)
「お前ら、モクリークに来たばっかりか?」
「いや、マジックバッグ狙いで二年いるが、王都は初めてだ。氷花に会いに来たんだ」
「……悪いことは言わない。やめとけ」
「そのティグリスを見たら、パーティーに入れてくれるかもしれないが、全員は無理だろ」
「いや待て。その前に、氷花に近づくとギルドに追放されるぞ」
「ああ、違うよ。ウルフのテイマーにティグを会わせてやって欲しいって、剣士の兄さんに頼まれたんだよ」
「兄さん、テイマーにティグリスを取られるんじゃないか? テイマーの耳と尻尾好きは有名だぞ」
「あはは。変わってないみたいだねえ。ソントで会ったときも、ランクアップ試験そっちのけで、ティグのこと見てたよ」
「知り合いか?」
「知り合いってほどじゃない。ソントでスキルをバラされて逃げるときに、ちょっと助けただけだよ」
(((まじかよ! 氷花の恩人じゃねーか。ってことは、モクリークの恩人だ!)))
「そうだったのか。あいつら今は、ドガイに行ってるって噂だぞ。すっげえドロップ品をオークションに出したらしい」
「そうらしいな。しばらくは王都にいるさ。ここのダンジョンも面白そうだ」
「分からないことがあれば、教えるぞ」
「うーん、そういえば、モクリークの屋台も宿も、ティグにまで料理を勧めてくるけど、この国では従魔も人間と同じ食事をするのが普通なのか?」
「それはあのウルフの影響だ。あのウルフが気に入った屋台は繁盛するんだよ」
「そうなのか。ティグは人間の味付けは苦手だから、毎回勧められて断るのが悪くて」
「味付けなしでって言えばやってくれるぞ。屋台には言っといてやるよ」
「やっぱり、従魔の食費ってかかるのか?」
「ああ。ティグは肉をたくさん食べるから、それなりに」
「他のテイマーが言ってたが、この国は従魔に優しいらしいな」
「ああ、それは感じるよ。大型の従魔を連れていると宿を探すのが大変なんだが、この国の宿では困ったことがない」
「他の国だと、どう大変なんだ?」
「まず宿泊自体断られるから、仕方なく貴族も泊まる宿になることもあるし、それでも冒険者の大型の従魔は部屋に入れてもらえない。街を移動するとそれが面倒なんだ」
「モクリークはその辺の普通の宿でも、一人分の料金を払えば入れてくれるし、食事も用意するか聞いてくれるから楽だ」
「あのウルフがあちこち行って、旨いもん食い漁ってるからだろうなあ」
「俺たちも従魔と言えばあのウルフを思い浮かべるもんな。あいつめちゃめちゃ賢いよな」
「テイムされているっていうより、むしろテイマーの面倒見てるよな」
「従魔ってみんなあんなに賢いのか? そのティグリスも大人しいよな」
「ティグも賢いけど、あのウルフは特別だよ」
「ウルフとテイマーってダンジョンではどんな感じなんだ?」
「最近は潜ってないが、上層だとテイマーの倒せそうなモンスターをウルフが目の前まで連れてきてやってた。そこまでお膳立てされても、テイマーはへっぴり腰だけどな」
「よくセーフティーエリアで、もっと肉を食べたいウルフと、これ以上はダメだってテイマーで喧嘩してたよなあ。で、剣士が仲裁してた」
(((マーナガルム様……)))
「あのウルフ、旨いもんしか食わない、わがままウルフだからな」
「テイマーのアイテムボックスの中身のほとんどは、ウルフのための食事だって噂だろ。屋台でも予約しておいて大量に買ってるしな」
「いや、テイマーも旨いもんしか食わないらしいぞ。剣士が固パン出して、テイマーと一緒だと食べられないって言ってた」
「固パン、慣れると旨いのにな」
「剣士も苦労するよなあ。テイマーとわがままウルフの面倒でも大変なのに、さらにあの神獣様だろ」
「あの神獣様も好き嫌いはっきりしてるよな」
「なあ、そのティグリス、触らせてもらえたりできるか? あのウルフは、なんというか気安く触れない感じがして」
「いろいろ教えてくれたし、少しなら。ティグいいよな」(ウルフの正体を知っていたら畏れ多すぎて触れないよ)
「ぎゃん」
◆ドガイの中央教会(7. カリラスさんに紹介)
「リネの羽根きれいだね。ブランがあげるなら、やっぱり毛? それとも爪? 牙?」
『……』
「ブラッシングで抜けた毛を集めたら、高く売れる?」
((ユウさん、罰当たりなことを、そんなに軽くおっしゃるとは!))
『俺の毛は抜けない』
「あ、そういえば、抜け毛を捨てたことないや。動物の牙のアクセサリーってカッコいいよね」
『ユウ、そんなに牙の性能を知りたいならかみついてやろうか? グルルゥゥ』
「ハミガキしてないのに、虫歯はないんだ」(牙をまじまじと見ながら)
((ユウさん、見ているほうがドキドキするのですが……))
◆ドガイ王宮(7. カリラスさんに紹介)
『なあ、宝石ないの?』
「し、神獣様!」
『あっちの国だと、こんな感じのところに宝石がたくさんあるんだけど』
「お持ちしますので、お待ちください!」
「教会に連絡を! それから、モクリークのテオリウス殿下に来ていただいてください!」
『お、この花、蜜が美味しいんだよな』(つんつん、むしゃむしゃ)
((神獣様が花瓶の花を食べている?!))
『あれ? あんた、アルの友達?』
「はい。モクリークでお目にかかりましたテオリウスです。今ドガイの国王陛下が宝石をご用意しておりますので、もう少しお待ちください。陛下、宝剣のようなものをお持ちでしたら、それもご用意されるとよろしいかと思います」
「誰か、頼む」
『なあ、甘いのくれ』
「甘いもの、ですか? テオリウス殿下、神獣様は何がお好みなのでしょう?」
「クッキーやケーキがお好きと聞いています」
『この国、チーズが美味しいって聞いてきたんだよ。チーズのケーキある?』
「ありがとうございます! 神獣様のために国中のチーズをご用意いたします! だれか、チーズケーキをここへ」
「宝石と宝剣をお持ちいたしました」
「神獣様、お待たせいたしました。どうぞご覧になってください」
『うーん、いいのがないな。甘いのまだ?』
「ただいまご用意をしておりますので、もう少々お待ちを」
『じゃあ、いいや』
「あ、神獣様!」
「行ってしまわれた……」
「テオリウス王子、助言感謝する」
「陛下、もったいないお言葉です。あまりお役に立てず、申し訳ございませんでした」
「神獣様は、モクリークでも、その、あのような感じでいらっしゃるのか?」
「はい。一度謁見の間で宝石をご覧になってからは、ときどき謁見の間にいらっしゃって、宝石をご所望になりますので、今は献上された宝石をすべて謁見の間に置いております」
66
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説
緑の檻の向こう側
犬派だんぜん
BL
世界を見てまわりたい。その思いのために俺は、成人したその日に孤児院を着の身着のままで追い出された。教会に保護され、今までの分を取り戻すように学び、新しくできた友と、冒険者として歩き出す。
『世界を越えてもその手は』外伝。主人公の恋人アレックス15歳の話。
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
案外、悪役ポジも悪くない…かもです?
彩ノ華
BL
BLゲームの悪役として転生した僕はBADエンドを回避しようと日々励んでいます、、
たけど…思いのほか全然上手くいきません!
ていうか主人公も攻略対象者たちも僕に甘すぎません?
案外、悪役ポジも悪くない…かもです?
※ゆるゆる更新
※素人なので文章おかしいです!
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる