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世界を越えてもその手は 完結記念 もふもふ増量キャンペーン
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◆ダンジョン最下層(1. 子犬1日目)
「ユウの雰囲気そのまんまの子犬だな」
(((つまり、どんくさい)))
「首をもって運ばれるほうが、見てると落ちそうだけどな」
「高さが問題なんだろう」
「自分の身長の5倍って思うと、確かに怖いね」
「ユウじゃ受け身なんて取れないだろうな」
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「料理長、シチューは食べるのが難しかったようです。小さくちぎったパンは普通に召し上がっていました」
「肉と野菜をグリルして小さく切るからちょっと待て。まったく、坊ちゃんはただでさえ食が細いのに、なんで子犬になってんだ。また痩せてしまうだろ。まったく」
「デザートにユウ様の好きな果物を用意してください。それでしたら食べやすいでしょうし」
「果物だけじゃ栄養が取れないから、それは最後の手段だ。長ければ2か月だろう」
(料理長、なんだかんだとユウ様に甘いですよね)
「おい、そこの手の空いた奴、昼用にテリーヌの準備をしろ。柔らかくしたのを固めれば食べやすいだろ。あと誰か、王宮から新鮮な魚もらってこい。坊ちゃんタルタル好きだから」
◆王宮(2. 子犬2日目)
「あれ?今日はユラカヒから献上品の魚があったんじゃなかったか?」
「殿下、その……」
「ああ、分かった。言わなくていい」(教会に持って行かれちゃったんだね)
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「アレックスさん、会合は本当にこのまま進めてもいいのでしょうか。ユウさんは思考が姿通りの年齢になっているように感じますが……」
「ユウがいいと言っていますし、もともと今後は大司教様にお願いしたいと言っていたので構わないでしょう。強引に変えると拗ねそうです」
「承知しました。驚く陛下方が目に浮かびますね」
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「ユウ、お手」
「わふ」
「おかわり」
「きゃふ」
「ハイタッチ」
「きゃん」
「伏せ」
「くーん」
「3回回ってワン」
(くる、とてっ)
「大丈夫か?」
(くる、くる)「わんっ」
「いい子だ。どこを撫でてほしい?」
「うなうあう」
『全部だそうだ』
◆中央教会(2と3の間)
「お、子犬がいる」
「かわいいな。誰かのペットかな?」
「ユウ、走るとこけるぞ」
「きゃんきゃんっ!」
「あなたの犬ですか?触ってもいいですか?」
「きゃふっ!」
「いいらしい」
「いい子だねえ。ユウって名前なんだね。お手」
「わふ」
「かしこいねえ」
「きゃん!」
「お腹を見せて人懐っこいねえ。いい子いい子」
((ユウさん、人としてのプライドはどこに行ってしまったのですか……))
◆王宮(3. 子犬10日目)
「まさか子犬の姿で現れるとはな」
「我々を翻弄するためなのでしょうか。さすがに動揺してしまいました」
「従魔と本当にそっくりでしたね。可愛く尻尾を振っていましたし、お願いして撫でさせてもらえばよかった」
「マジックバッグを国に売ってくれることになって、まずは安心しました」
「諜報部に他国からのスパイの監視を強めるように指示を」
「モクリークで長く活躍している高ランクは協力的ですが、子飼いの冒険者にダンジョン内でさらに気を配るように伝えます」
◆王宮の宰相補佐室(3. 子犬10日目)
「なあ、今日の会談」
「マジでビビったわ」
「それな。普通あの姿で会談に出てくるか?」
「しかも、可愛い子犬が小首をかしげてわふわふ言ってるけど、内容かなーりシビアだしな」
「あれって本当に子犬が話してたのか?剣士じゃなくて?」
「だろう。昨年も宰相様相手に一歩も引かなかったからな」
「誰だよ。手元に引き込んでしまえば何とでも出来るって言ってたやつは」
「ドロップ品で貢献しているって、ぐうの音もでないわ」
「貴重なものも気にせず買取に出してるもんな」
「予算が足りずにギルドが買い取れないドロップ品がまだまだあるらしいしな」
「でも、陛下や殿下にめっちゃ尻尾ふってなかったか?」
「人懐っこそうだったよな。緊張感漂う関係のはずなのに……」
「宰相閣下もやりにくそうだったよな」
◆王宮(4. 子犬15日目)
「陛下、前侍従長のサジェル様より面会の依頼が入っています」
「通せ」
「陛下、お久しぶりでございます。ご健勝のご様子、大変嬉しく存じます」
「挨拶はそれくらいでいい。どうした」
「はい。本日、主人の呪いが解けましたご報告と、子狼の姿で失礼しました、と主人よりの謝罪を伝えに参りました」
「そうか、戻ったのか。よかった」
「はい、ありがとうございます」
「サジェル、呪いがかかっている間はどんな感じだったんだ?」
「王太子殿下、お久しぶりでございます。子狼の姿では、お食事に多少支障がございました。他のことは従魔がよく面倒を見ていましたので、大きな問題なく過ごせました」
「そのまま会談に出てくるなど、本人は全く動じていなかったようだな」
「従魔と同じ姿ということで安心していたようです」(さすがに思考が子どもに戻っていたなどとは言えません)
「彼との交渉は今後も一筋縄ではいかなそうですね。彼はどこで教育を受けたのでしょうか」
「私も存じ上げません」(実は当の本人はあまり考えていないと言っても信じてはいただけないでしょうね)
「ユウの雰囲気そのまんまの子犬だな」
(((つまり、どんくさい)))
「首をもって運ばれるほうが、見てると落ちそうだけどな」
「高さが問題なんだろう」
「自分の身長の5倍って思うと、確かに怖いね」
「ユウじゃ受け身なんて取れないだろうな」
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「料理長、シチューは食べるのが難しかったようです。小さくちぎったパンは普通に召し上がっていました」
「肉と野菜をグリルして小さく切るからちょっと待て。まったく、坊ちゃんはただでさえ食が細いのに、なんで子犬になってんだ。また痩せてしまうだろ。まったく」
「デザートにユウ様の好きな果物を用意してください。それでしたら食べやすいでしょうし」
「果物だけじゃ栄養が取れないから、それは最後の手段だ。長ければ2か月だろう」
(料理長、なんだかんだとユウ様に甘いですよね)
「おい、そこの手の空いた奴、昼用にテリーヌの準備をしろ。柔らかくしたのを固めれば食べやすいだろ。あと誰か、王宮から新鮮な魚もらってこい。坊ちゃんタルタル好きだから」
◆王宮(2. 子犬2日目)
「あれ?今日はユラカヒから献上品の魚があったんじゃなかったか?」
「殿下、その……」
「ああ、分かった。言わなくていい」(教会に持って行かれちゃったんだね)
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「アレックスさん、会合は本当にこのまま進めてもいいのでしょうか。ユウさんは思考が姿通りの年齢になっているように感じますが……」
「ユウがいいと言っていますし、もともと今後は大司教様にお願いしたいと言っていたので構わないでしょう。強引に変えると拗ねそうです」
「承知しました。驚く陛下方が目に浮かびますね」
◆中央教会(2. 子犬2日目)
「ユウ、お手」
「わふ」
「おかわり」
「きゃふ」
「ハイタッチ」
「きゃん」
「伏せ」
「くーん」
「3回回ってワン」
(くる、とてっ)
「大丈夫か?」
(くる、くる)「わんっ」
「いい子だ。どこを撫でてほしい?」
「うなうあう」
『全部だそうだ』
◆中央教会(2と3の間)
「お、子犬がいる」
「かわいいな。誰かのペットかな?」
「ユウ、走るとこけるぞ」
「きゃんきゃんっ!」
「あなたの犬ですか?触ってもいいですか?」
「きゃふっ!」
「いいらしい」
「いい子だねえ。ユウって名前なんだね。お手」
「わふ」
「かしこいねえ」
「きゃん!」
「お腹を見せて人懐っこいねえ。いい子いい子」
((ユウさん、人としてのプライドはどこに行ってしまったのですか……))
◆王宮(3. 子犬10日目)
「まさか子犬の姿で現れるとはな」
「我々を翻弄するためなのでしょうか。さすがに動揺してしまいました」
「従魔と本当にそっくりでしたね。可愛く尻尾を振っていましたし、お願いして撫でさせてもらえばよかった」
「マジックバッグを国に売ってくれることになって、まずは安心しました」
「諜報部に他国からのスパイの監視を強めるように指示を」
「モクリークで長く活躍している高ランクは協力的ですが、子飼いの冒険者にダンジョン内でさらに気を配るように伝えます」
◆王宮の宰相補佐室(3. 子犬10日目)
「なあ、今日の会談」
「マジでビビったわ」
「それな。普通あの姿で会談に出てくるか?」
「しかも、可愛い子犬が小首をかしげてわふわふ言ってるけど、内容かなーりシビアだしな」
「あれって本当に子犬が話してたのか?剣士じゃなくて?」
「だろう。昨年も宰相様相手に一歩も引かなかったからな」
「誰だよ。手元に引き込んでしまえば何とでも出来るって言ってたやつは」
「ドロップ品で貢献しているって、ぐうの音もでないわ」
「貴重なものも気にせず買取に出してるもんな」
「予算が足りずにギルドが買い取れないドロップ品がまだまだあるらしいしな」
「でも、陛下や殿下にめっちゃ尻尾ふってなかったか?」
「人懐っこそうだったよな。緊張感漂う関係のはずなのに……」
「宰相閣下もやりにくそうだったよな」
◆王宮(4. 子犬15日目)
「陛下、前侍従長のサジェル様より面会の依頼が入っています」
「通せ」
「陛下、お久しぶりでございます。ご健勝のご様子、大変嬉しく存じます」
「挨拶はそれくらいでいい。どうした」
「はい。本日、主人の呪いが解けましたご報告と、子狼の姿で失礼しました、と主人よりの謝罪を伝えに参りました」
「そうか、戻ったのか。よかった」
「はい、ありがとうございます」
「サジェル、呪いがかかっている間はどんな感じだったんだ?」
「王太子殿下、お久しぶりでございます。子狼の姿では、お食事に多少支障がございました。他のことは従魔がよく面倒を見ていましたので、大きな問題なく過ごせました」
「そのまま会談に出てくるなど、本人は全く動じていなかったようだな」
「従魔と同じ姿ということで安心していたようです」(さすがに思考が子どもに戻っていたなどとは言えません)
「彼との交渉は今後も一筋縄ではいかなそうですね。彼はどこで教育を受けたのでしょうか」
「私も存じ上げません」(実は当の本人はあまり考えていないと言っても信じてはいただけないでしょうね)
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