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5章 新しい街の建設
5-おまけ 魔石集め 2. 下層前半
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食料を大量に買い込んで、カークトゥルスに潜る。
今回は、上層は向かって来たモンスターだけ倒して、駆け抜ける。獣人の体力にはアルでもついていけないので、僕たちはブランに乗って、4人についていく。
相変わらず上層最後のフロアボスの前はパーティーが待っている。このダンジョンは珍しいがフロアボスを倒さなくても次の層に進めるので、フロアボス部屋には寄らずに進む。
このダンジョンには、4つのフロアボス部屋と、最下層のボス部屋がある。
上層と中層の最後にあるフロアボス部屋のドロップ品は容量が小かそれよりも小さい極小だ。下層に2つある部屋のドロップ品は、容量中~大で、時間遅延や停止がつくこともある。最下層のボス部屋は、容量大~特大で、時間遅延や時間停止がつく。
このダンジョンはSランクしか入れないようになっているが、Sランクでも下層のボスは苦戦する。すでに帰らなかったパーティーがいるらしい。その情報が出回ってから、ほとんどのパーティーが中層で引き返すようになった。下層は、難易度としては複数のパーティーでの挑戦が推奨されるが、ここのドロップ品は必ず1つなので、複数パーティーでの協力が難しい。フロアボスは複数回挑戦すればいいが、特に最下層のボス部屋は1度入ったら地上に戻る以外に出る道がないので、2周、3周することになる。しかも出たものに差があった場合が面倒だ。
獣道が上手くいったのは、良く知ったパーティーで、2回のドロップに差があった場合でも、金銭で禍根を残さずに解決できる信頼がお互いにあったからだ。そういうパーティーは珍しい。攻略後、他のパーティーから合同での攻略に誘われるそうだが、揉めそうなので断っているそうだ。
現状最下層を攻略しているのは、最初の調査での軍や冒険者の合同パーティーと、国軍、僕たち、獣道と一緒に行ったパーティーだけである。そんな状態なので、ギルドが僕たちに攻略を懇願してくるのも仕方ない。ギルドに売りに出された最下層のドロップ品は、全て僕たちからだ。
中層から、モンスターを狩って、魔石を集める。獣道の4人にも、僕の栗拾いスタイルを笑われてしまった。そして4人とも、僕の近くに魔石を投げたり蹴ったりして集めてくる。便利なんだよ、これ。
モンスターを倒し、自分の周りの魔石を拾ったアルが近寄ってきて、魔石拾いを代わってくれた。籠を地面に降ろして、中の魔石をアイテムボックスにしまう。アルが籠にポイポイと魔石を入れるのを見て、オラジェさんがやりたいと代わった。マジックハンドで拾っては籠に入れ、たしかにこれはいいね、と言っている。だよね。
今回は、全て買い取り価格で精算することになっている。魔石は全て僕たちがもらうので、半額を獣道に払う。獣道は欲しいマジックバッグがあったら、その半額を僕たちに払う。
中層では、めったに他のパーティーに会わない。上層で魔石拾いをした時の軍の小隊がどこかにいるはずだが、まだ会っていない。
ということで、セーフティーエリアは広々と使える。
僕は天幕テントと呼んでいる、中に机と椅子とベッドが2つセットされている大きなテントを出す。初めて見た獣道のみんなが、やりすぎだろうと言うが、気にしない。セーフティーエリアの半分しか使ってないから、許容範囲だ。
比べると慎ましく見えるけど、通常より大きいテントを4人が並べたあと、残ったスペースにカーペットを敷いて、小さな机やクッションを並べる。このカーペットやクッションにはクリーンを付与してある。
そして、隅っこにトイレも設置した。トイレにはクリーンの魔石、テントには消音の魔石をつけている。消音は風魔法なので、この魔石は買った。そして専用のマジックバッグに入れてから、アイテムボックスに入れている。マジックバッグを逆さまにすると出てきて、角っこにマジックバッグの口をひっかけると収納される、謎仕様である。
ちなみに、通常はどうするかというと、セーフティーエリアのものはダンジョンに吸収されないので、セーフティーエリアを出てすぐ近くの陰になっているところで済ませることが多い。僕はこれになかなか慣れなくて、ブランに人目に着かないところに結界を張ってもらってそこで済ませている。
やることがどんどん過激になるな、と言われたが、人目があるところで出していないだけで、ずっと前からやっている。明日の朝までにこのセーフティーエリアにたどり着ける範囲に人はいないとブランのお墨付きだからだ。
それに今回は長丁場なのだから、ほどほどに気を抜いていかないと、最後まで僕の気持ちがもたない。
獣道の買ったご飯も僕が預かっているので、今日食べるものを聞いて机の上に並べていく。
ご飯を食べた後、自分のテントで武器の手入れをしている人もいるが、用がない人はカーペットの上でごろごろしている。
僕たちの指輪に気づいた虎獣人のルフェオさんが質問した。
「その指輪、お揃いか?」
「ユウが自分で宝石のドロップをとって、贈ってくれた」
そう言って、アルは薬指の指輪にキスした。
指輪をあげてから、アルはこうして人前でも指輪にキスをすることがある。黒い宝石がはまっているのは見て明らかなので、周りから生温い目で見られるが、アルは気にしないので、僕だけ赤面するハメになる。悔しいけど、かっこいい。
「はいはい。ごちそうさん。ユウが魔石が欲しいのも、アルになんか贈りたいのか?」
「違うよ。名前を伏せて、魔石に氷魔法を付与して売ってるんだけど、すごくたくさん売れて、今まで持っていた魔石全部使っちゃったから、来年用にとってる」
「もしかしてアイスの魔石?あれを近くに置いておくだけで、ひんやりしてよかったんだ」
そういう使い方もあるのか。狐の獣人って、キタキツネのイメージで暑いところ苦手だったりするのかな。
付与で商売するんだね、と感慨深く言われて、そうだ、この人たちは僕がカイドで武器の強化で何をされたか知っているんだ、と思い出した。
「武器の強化はできないけど、生活がちょっと便利になることはやりたいなと思って」
「そうか」
「ガリドラ、ユウの首がとれるぞ」
僕の頭を、近くにいた熊の獣人のガリドラさんが撫でてくれた。ちょっと力が強くて首がぐらぐらするけど、優しい手つきだ。
この人たちがいてくれたから、僕はアルと出会えた。本当に感謝している。
中層の最後のフロアボスの部屋の前で、軍の小隊に会った。今回のメンバーは、カークトゥルスが初めてのメンバーばかりなので、このフロアボスに組み合わせを変えて挑戦し、その後下層の1つ目のフロアボスに挑戦して、地上に戻る予定だそうだ。特大の時間遅延のマジックバッグのおかげで、大人数の食事を持ち運べるようになったからこそ出来ることだと、感謝された。
中層のフロアボスも通り過ぎ、下層に入った。上層が20階、中層が30階、下層が50階ととにかく階層が多い。
ここはフロアはそこまで広くはないが、隅々まで探索すると、1フロアで1日かかる。進むことだけに専念すると、1日で3階層は進める。ブランに乗って駆け抜けた時は、1日で10階層進んだ。今は1日に2階層くらいのペースで進んでいる。
5人とブランでフロアのモンスターを片っ端から倒していくので、僕は魔石を拾うのに忙しい。しかも下層に入って魔石が大きくなってきたので、背負っている籠が重い。僕の近くに魔石を転がしてきてくれるので、籠を置いて魔石を集めて入れ、移動するときには魔石をアイテムボックスに収納してから籠を背負うように変えた。
そして、潜り始めてから約1か月で、下層の1つ目のフロアボス部屋のある階層に着いた。
今回は全行程2か月を予定している。このフロアボス部屋には3日間挑戦する予定だ。
ボス部屋は1度挑戦すると、次に入れるまでに時間がかかるところがある。ここは次の挑戦までに数時間かかる。1日に4回挑戦できる計算だ。夜も戦えばもっと行けるが、休憩や睡眠は大切なので無理はしない。
その後10日ほどかけて、次のフロアボス部屋の階層まで移動し、そこで5日間ほど挑戦し、その後5日間ほどで最下層のボス部屋に挑戦して地上に帰る。
けれど、その間に休みの日を設けないと、2か月も戦い続けてはいられない。
まずはこの下層の1つ目のフロアボス部屋にたどり着いたタイミングで、1日休みにすることにした。
カーペットの上で、ブランのブラッシングをしながら、だらだらする。
お酒を出そうと思ったけど、いくらセーフティーエリアとはいえダンジョン内なので飲まないと全員に言われてしまった。なので、飲んでいるのはお茶だ。
午後になって、じっとしているのに飽きたルフェオさんと鷲の獣人のタムジェントさんが、モンスター狩りに行ったりもしたが、概ねのんびりと過ごし、早めに休む。
「今日は一緒に寝てもいい?」
「ユウ、ダンジョンではしないぞ」
しないよ。ただ一緒に寝たいだけだよ。ブラン、出て行こうとしないで。そんないつでもしたいみたいに思われてるの、ちょっと心外なんですけど。
アルの腕の中は安心するのだ。ブランの毛の中もだけど。やっぱりダンジョンの中と言うことで、どこか気が張っているので、少しでも落ち着きたい。
安心しすぎて、翌朝起こされるまでぐっすり眠った。
「おはよう」
「ユウ、今日は顔色がいいな。ゆっくり休めたようでよかった」
「うん、ありがとう」
今回は、上層は向かって来たモンスターだけ倒して、駆け抜ける。獣人の体力にはアルでもついていけないので、僕たちはブランに乗って、4人についていく。
相変わらず上層最後のフロアボスの前はパーティーが待っている。このダンジョンは珍しいがフロアボスを倒さなくても次の層に進めるので、フロアボス部屋には寄らずに進む。
このダンジョンには、4つのフロアボス部屋と、最下層のボス部屋がある。
上層と中層の最後にあるフロアボス部屋のドロップ品は容量が小かそれよりも小さい極小だ。下層に2つある部屋のドロップ品は、容量中~大で、時間遅延や停止がつくこともある。最下層のボス部屋は、容量大~特大で、時間遅延や時間停止がつく。
このダンジョンはSランクしか入れないようになっているが、Sランクでも下層のボスは苦戦する。すでに帰らなかったパーティーがいるらしい。その情報が出回ってから、ほとんどのパーティーが中層で引き返すようになった。下層は、難易度としては複数のパーティーでの挑戦が推奨されるが、ここのドロップ品は必ず1つなので、複数パーティーでの協力が難しい。フロアボスは複数回挑戦すればいいが、特に最下層のボス部屋は1度入ったら地上に戻る以外に出る道がないので、2周、3周することになる。しかも出たものに差があった場合が面倒だ。
獣道が上手くいったのは、良く知ったパーティーで、2回のドロップに差があった場合でも、金銭で禍根を残さずに解決できる信頼がお互いにあったからだ。そういうパーティーは珍しい。攻略後、他のパーティーから合同での攻略に誘われるそうだが、揉めそうなので断っているそうだ。
現状最下層を攻略しているのは、最初の調査での軍や冒険者の合同パーティーと、国軍、僕たち、獣道と一緒に行ったパーティーだけである。そんな状態なので、ギルドが僕たちに攻略を懇願してくるのも仕方ない。ギルドに売りに出された最下層のドロップ品は、全て僕たちからだ。
中層から、モンスターを狩って、魔石を集める。獣道の4人にも、僕の栗拾いスタイルを笑われてしまった。そして4人とも、僕の近くに魔石を投げたり蹴ったりして集めてくる。便利なんだよ、これ。
モンスターを倒し、自分の周りの魔石を拾ったアルが近寄ってきて、魔石拾いを代わってくれた。籠を地面に降ろして、中の魔石をアイテムボックスにしまう。アルが籠にポイポイと魔石を入れるのを見て、オラジェさんがやりたいと代わった。マジックハンドで拾っては籠に入れ、たしかにこれはいいね、と言っている。だよね。
今回は、全て買い取り価格で精算することになっている。魔石は全て僕たちがもらうので、半額を獣道に払う。獣道は欲しいマジックバッグがあったら、その半額を僕たちに払う。
中層では、めったに他のパーティーに会わない。上層で魔石拾いをした時の軍の小隊がどこかにいるはずだが、まだ会っていない。
ということで、セーフティーエリアは広々と使える。
僕は天幕テントと呼んでいる、中に机と椅子とベッドが2つセットされている大きなテントを出す。初めて見た獣道のみんなが、やりすぎだろうと言うが、気にしない。セーフティーエリアの半分しか使ってないから、許容範囲だ。
比べると慎ましく見えるけど、通常より大きいテントを4人が並べたあと、残ったスペースにカーペットを敷いて、小さな机やクッションを並べる。このカーペットやクッションにはクリーンを付与してある。
そして、隅っこにトイレも設置した。トイレにはクリーンの魔石、テントには消音の魔石をつけている。消音は風魔法なので、この魔石は買った。そして専用のマジックバッグに入れてから、アイテムボックスに入れている。マジックバッグを逆さまにすると出てきて、角っこにマジックバッグの口をひっかけると収納される、謎仕様である。
ちなみに、通常はどうするかというと、セーフティーエリアのものはダンジョンに吸収されないので、セーフティーエリアを出てすぐ近くの陰になっているところで済ませることが多い。僕はこれになかなか慣れなくて、ブランに人目に着かないところに結界を張ってもらってそこで済ませている。
やることがどんどん過激になるな、と言われたが、人目があるところで出していないだけで、ずっと前からやっている。明日の朝までにこのセーフティーエリアにたどり着ける範囲に人はいないとブランのお墨付きだからだ。
それに今回は長丁場なのだから、ほどほどに気を抜いていかないと、最後まで僕の気持ちがもたない。
獣道の買ったご飯も僕が預かっているので、今日食べるものを聞いて机の上に並べていく。
ご飯を食べた後、自分のテントで武器の手入れをしている人もいるが、用がない人はカーペットの上でごろごろしている。
僕たちの指輪に気づいた虎獣人のルフェオさんが質問した。
「その指輪、お揃いか?」
「ユウが自分で宝石のドロップをとって、贈ってくれた」
そう言って、アルは薬指の指輪にキスした。
指輪をあげてから、アルはこうして人前でも指輪にキスをすることがある。黒い宝石がはまっているのは見て明らかなので、周りから生温い目で見られるが、アルは気にしないので、僕だけ赤面するハメになる。悔しいけど、かっこいい。
「はいはい。ごちそうさん。ユウが魔石が欲しいのも、アルになんか贈りたいのか?」
「違うよ。名前を伏せて、魔石に氷魔法を付与して売ってるんだけど、すごくたくさん売れて、今まで持っていた魔石全部使っちゃったから、来年用にとってる」
「もしかしてアイスの魔石?あれを近くに置いておくだけで、ひんやりしてよかったんだ」
そういう使い方もあるのか。狐の獣人って、キタキツネのイメージで暑いところ苦手だったりするのかな。
付与で商売するんだね、と感慨深く言われて、そうだ、この人たちは僕がカイドで武器の強化で何をされたか知っているんだ、と思い出した。
「武器の強化はできないけど、生活がちょっと便利になることはやりたいなと思って」
「そうか」
「ガリドラ、ユウの首がとれるぞ」
僕の頭を、近くにいた熊の獣人のガリドラさんが撫でてくれた。ちょっと力が強くて首がぐらぐらするけど、優しい手つきだ。
この人たちがいてくれたから、僕はアルと出会えた。本当に感謝している。
中層の最後のフロアボスの部屋の前で、軍の小隊に会った。今回のメンバーは、カークトゥルスが初めてのメンバーばかりなので、このフロアボスに組み合わせを変えて挑戦し、その後下層の1つ目のフロアボスに挑戦して、地上に戻る予定だそうだ。特大の時間遅延のマジックバッグのおかげで、大人数の食事を持ち運べるようになったからこそ出来ることだと、感謝された。
中層のフロアボスも通り過ぎ、下層に入った。上層が20階、中層が30階、下層が50階ととにかく階層が多い。
ここはフロアはそこまで広くはないが、隅々まで探索すると、1フロアで1日かかる。進むことだけに専念すると、1日で3階層は進める。ブランに乗って駆け抜けた時は、1日で10階層進んだ。今は1日に2階層くらいのペースで進んでいる。
5人とブランでフロアのモンスターを片っ端から倒していくので、僕は魔石を拾うのに忙しい。しかも下層に入って魔石が大きくなってきたので、背負っている籠が重い。僕の近くに魔石を転がしてきてくれるので、籠を置いて魔石を集めて入れ、移動するときには魔石をアイテムボックスに収納してから籠を背負うように変えた。
そして、潜り始めてから約1か月で、下層の1つ目のフロアボス部屋のある階層に着いた。
今回は全行程2か月を予定している。このフロアボス部屋には3日間挑戦する予定だ。
ボス部屋は1度挑戦すると、次に入れるまでに時間がかかるところがある。ここは次の挑戦までに数時間かかる。1日に4回挑戦できる計算だ。夜も戦えばもっと行けるが、休憩や睡眠は大切なので無理はしない。
その後10日ほどかけて、次のフロアボス部屋の階層まで移動し、そこで5日間ほど挑戦し、その後5日間ほどで最下層のボス部屋に挑戦して地上に帰る。
けれど、その間に休みの日を設けないと、2か月も戦い続けてはいられない。
まずはこの下層の1つ目のフロアボス部屋にたどり着いたタイミングで、1日休みにすることにした。
カーペットの上で、ブランのブラッシングをしながら、だらだらする。
お酒を出そうと思ったけど、いくらセーフティーエリアとはいえダンジョン内なので飲まないと全員に言われてしまった。なので、飲んでいるのはお茶だ。
午後になって、じっとしているのに飽きたルフェオさんと鷲の獣人のタムジェントさんが、モンスター狩りに行ったりもしたが、概ねのんびりと過ごし、早めに休む。
「今日は一緒に寝てもいい?」
「ユウ、ダンジョンではしないぞ」
しないよ。ただ一緒に寝たいだけだよ。ブラン、出て行こうとしないで。そんないつでもしたいみたいに思われてるの、ちょっと心外なんですけど。
アルの腕の中は安心するのだ。ブランの毛の中もだけど。やっぱりダンジョンの中と言うことで、どこか気が張っているので、少しでも落ち着きたい。
安心しすぎて、翌朝起こされるまでぐっすり眠った。
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「ユウ、今日は顔色がいいな。ゆっくり休めたようでよかった」
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