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5章 新しい街の建設

5-7. 付与スキルの活用 *

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 いよいよ付与の合格発表の日だ。
 来てくれた商人は、前回は1人だったけれど今回は3人だ。こちらは今回もシリウスの3人が同席してくれている。

 結論から言うと、アイスの魔石は好評で、契約して本格的に販売することになった。
 小さいものの効果は3か月と伝えたが、3か月経った今もまだ効果を発揮しているらしい。本当はどれくらいで効果が切れるかを見たいが、これから夏に向けて売れる商品のため、結果を待っていてはシーズが終わってしまうかもしれない。なので、効果は3か月としておきながら少し高めの値段設定で売って、今後値段を調整する予定だそうだ。
 販売先は、飲食店や貴族の食料保管箱で、今は氷を入れているところを、アイスの魔石に変えることになる。今使っている氷は、冬の間に凍らせた氷を氷室から切り出して売っているもので、年によっては足りなくなったりもするらしい。王宮は氷魔法の氷を使っていると、後でサジェルに教えてもらった。

 契約書を渡され、契約の条件を説明してくれたが、僕が聞いた感じでは問題なさそうだ。サジェルを見ると小さく頷かれたので、契約書を渡して確認してもらう。サジェルが細かい部分を確認し、最後に、僕の名前を出さないというのを契約書に入れるように言った。販売先に貴族が入ってるので、念のためだそうだ。
 確認が終わり、3人のうちの1人は契約魔法の使い手だったので、早々に契約を結んだ。僕たちがサジェルと結んでいるような機密保持を強制する効果はないが、契約を破ると分かるらしい。

 フェリア商会はモクリークの主要都市にはだいたいあるそうなので、どこの街でもよいので10個単位で納品し、代金は僕のギルドカードに入れてもらう。
 アルとパーティーを組んで以降、ギルドの依頼料金を入れるのも、家を買ったときの支払いも、食事なども、パーティーに1つ作れるパーティーカードで全て行ってきたが、今回は僕の付与なので僕のカードだ。自分のカードのお金を使うのは、アルへのプレゼントだけだろうけど。
 春と夏は常時納品可能だが、秋は在庫次第で、冬は休みだ。もっとも僕には中の時間が停止するアイテムボックスがあるので、必要な分だけ納品して、あとはアイテムボックスに入れておけば、次の年に売れる。
 この夏に向けて売り出すので、これからできる限りたくさん作って納品することになった。
 魔石は今は手持ちのものを使うが、足りなくなったら商会から仕入れることもできるそうだ。でも、自分で取りに行くか、ギルドで買ったほうが早いだろう。

 契約も無事に終わったところで、今まで話に参加してなかった3人のうちの最後の1人が、シリウスに話しかけた。フェリア商会の物流を担当している人で、シリウスの護衛へのスカウトに来たそうだ。
 シリウスは隊商の護衛もしているが、実力もあり人当たりもいいので、隊商からぜひ次もと言われることもある。その評判を聞いていて、前回同席していたことを知った担当者が、顔つなぎのために今回一緒に来た。
 フェリア商会は護衛を、どんな冒険者が来るか分からないギルドを通しての募集ではなく、直接契約か指名依頼にしているので、今後シリウスにも護衛の指名依頼を出したいと言い、シリウスは、ダンジョンと地上の依頼と半分ずつにしているので、常には護衛の依頼を受けられないと伝え、依頼の詳細を交渉している。
 シリウスのみんなが高く評価されているのは嬉しい。

 僕の商談も、シリウスの護衛の交渉も無事に終わったので、庭でだらだらしている。疲れた。シリウスのみんなも、ちょっとだらけている。

「指名依頼すごいね。条件の交渉もちゃんとしてたし」
「ユウくんのおかげだよ」
「みんなの評判が良かったからスカウトされたんだから、関係ないよ」
「ユウくん、フェリア商会がどういう商会か分かってないね。取引相手なんだから、サジェルさんにちゃんと聞いときなよ」

 あれ、コーチェロくんに怒られた。サジェルを見ると、後程と言われてしまった。これは知っていて当然の商会みたいだ。
 有名な商会だから、護衛のスカウトはとても嬉しかったけど、交渉に緊張して、今は気が抜けているそうだ。
 明日は丸一日休みにしてだらだらしようと、満場一致で決まった。


 アルが上級ダンジョンから帰ってきた。
 ちょうどその時、シリウスの3人と一緒にサジェルのマナー講座の最中で、ダメ出しを受けているところだったけど、その知らせを聞いて部屋を飛び出した。

「おかえり!」
「ただいま。ポーションの譲渡で揉めたと聞いたが大丈夫か?」

 アルは、ギルドで僕たちの揉め事を聞いて、急いで帰ってきてくれたけど、アルに抱き着くのに忙しい僕が答えないので、コーチェロくんがあの時の状況を説明してくれている。
 詳しいお話はティールームで、とサジェルが誘導してくれるけど、僕はまだ離れたくない。一度離れて、と言われても離れない僕に、アルが諦めてお姫様抱っこで運んでくれた。

 譲渡に関するトラブルは、ギルド内に掲示されて一気に噂が広まり、アルはダンジョン内で知ったそうだ。上級ダンジョンは高ランクが多いので、自分で自分の首を絞めてどうするんだと多くの冒険者が噂に憤っていたらしい。確かに、今まで地上価格で譲渡したのはほとんどが低ランクパーティーだ。高ランクはポーションも余分に持っていることが多い。
 アルは地上に戻ってすぐ、ギルドでギルドマスターから説明を受け、そのまま買い取りも出さずに帰ってきてくれた。
 あのパーティーは、周りにいたパーティーからの情報で特定され、モクリークの冒険者ギルドから追放処分になった。見せしめ的なところもあるのだろう。

「コーチェロがきつく言ってくれたと聞いたぞ。見ていたパーティーがギルドに報告したそうだ。ありがとう」
「いえ、周りのパーティーも止めなかったので、あのままではよくないと思って」
「それはギルドマスターも言っていた。仲間意識が強すぎるのも考えものだな。それで、ユウは目的のものは手に入ったのか」
「うん」
「そうか。シリウス、護衛助かった。ありがとう」

 目的のものの内容は聞かれなかった。もしかして、バレてる?
 それから、付与で作るアイスの魔石の販売契約をしたことや、シリウスがフェリア商会から護衛を依頼された話など、離れている間のことを報告した。
 その間、僕はもちろんアルにぴったりくっついている。サジェルのお行儀が悪いです、という視線が痛いけど、気付かないふりだ。
 指輪のお届けは、明後日宝石店の人に持って来てもらえることになった。

「明後日、予定空けておいてね。明日は一緒にゆっくりしたい」
「いいぞ」
「でもその前に、離れて寂しかったからなぐさめて」


「アル、なんか今日は、はっ、やさしい。好きにして、いいのに、んっ」
「今日は優しくしたい気分なんだ」
「でも、ダンジョンから帰った、あんっ、ばっかりなのに」
「そんなに戦闘もしてないしな」

 僕は胡坐をかいているアルの上に向かい合わせに座って、アルを受け入れている。でもアルがいつもと違って、緩やかにしか動かず、合間に身体のあちこちに口づけてを与えられている。
 ゆるゆると追い上げられていく感じが、もどかしい。

「アル、ぅんっ、キスしたい」

 僕の胸にキスをしていたアルに伝えると、僕の乳首をチュッと吸われた。

「んあっ!」

 思わず声が漏れて、自分でも驚いた。そんなところで感じるなんて。
 それに気をよくしたのか、アルに舌で転がすように責められて、声が上がる。

「あっ、なんか、やっ、それ、きもちいいっ」
「今日はずいぶん感じてるな」

 そう言ってアルが僕の唇にキスをしながら、指でさっきまで責められてた乳首をつまんだ。

「ああっ!」
「ユウ、可愛い」

 耳元でささやいて、そのまま耳を舐められ、さらに声があがる。どうしよう、どこを触られても舐められても、気持ちがいい。

「アルは、んっ、きもちいい?」
「ああ。ユウは?」
「どこさわれても、あっ、いいっ、きもちいいっ」
「そのまま感じて」

 それからもただただ優しく、触れられ、中をこすられ、少しずつ高みへと追い上げられていく。

「ある、あるっ、おねがいっ、もういきたい、いかせて」
「もう少し頑張れ」
「やあ、んっ、ほしい、おねがいっ」

 欲しいのに、決定打が欲しいのに、焦らされている。アルが意地悪だ。なんで。
 それまで触れられていなかった方の乳首を吸われた時だった。

「んっ!ああぁぁぁ…………っ!」

 ビクッと動いた拍子に中のアルを締め付けてしまい、ちょうど感じるところに当たって、イってしまった。

「ユウ、我慢できなかったのか?」
「いじわる、しないでっ」

 イってしまった僕を我慢できなくて悪い子だと言って笑うが、それでもアルはゆっくりとしか動いてくれない。
 もどかしさの延長にたどりついたのは、いつものように激しいものではなく、穏やかな深い快感だ。

「はぁぁ、あるっ、ねえ、もうちょうだいっ、おねがい、ああぁっ!」

 何度もイってすごく気持ちいいのに、理性がまだ少し残っていて、僕だけ乱されているようで恥ずかしい。
 気持ちいい。でも、もっと何もわからなくなるくらいの快感に落としてほしい。

 ずっともどかしいままの快感を与えられ続け、じりじりと炙られ続け、ついに僕の身体はそのまま登り詰めた。

「あっ、くるっ、なんか、あっ、まって、あああーーーーーーっ!」


 ちょっと意識がとんでいたみたいだ。

「大丈夫か?」
「アルの意地悪!もうしない!」
「悪かった。でも気持ちよかっただろう?」

 いつもみたいにぐちゃぐちゃに何もわからなくなるんじゃなくて、少しだけでも理性が残ったままイかされて、すごく恥ずかしい。
 意地悪く笑いながら、すごく感じていたじゃないか、と言われて、その通りなので言い返せない。
 さらに、いつもはどれだけ乱れてるのかと思うと、シーツに押し付けた顔が上げられない。

「ところでユウ、俺はまだイってない。もう少し付き合え」
「まって、やだ!まっ、やあぁぁっ!」

 一度高められた身体は、アルの手管の前に簡単に陥落した。
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