時を操りし冒険者

shu

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9・燃える村

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 「ガランさん!何か気配を感じます!あっ!」

 黒に濃い紫色のまだら模様モンスターが姿を現した。

 「ありゃ、ヴェノムタイガーだ。牙と爪に厄介な毒を仕込んでる。さっきから身体動かしたくてウズウズしてたとこだ。コリン準備はいいか?」

 「はい!あの通りで!」

 「スロー。ファスト。」

 コリンはガランと自分自身にファストをかけ、スローをヴェノムタイガーにかけた。
 ガランは早いスピードで相手の目の前に移動し、巨大なハンマーで地面に力強く叩きつけ衝撃と土と砂埃を巻き上げた。
 ヴェノムタイガーの視界を奪った。

 「チャージ完了!スラッシュ!」

 コリンの斬撃で頭を切り落とした。

 「なかなか、良い斬撃だったぞ!」

 「ガランさんのパワースタンプ凄かったです。あのまま当てればペチャンコだったのでは。」

 「それじゃあ、素材が売れねぇし使いもんにならねぇからな。コイツの毛皮と毒は重宝するぜ。」

 「素材は自分が持っておきます。スペース。」

 「助かるよ。その魔法、なかなか使える奴がいないらしいからな。便利便利。」

 2人はこの勢いで、モンスターと出会っては戦い、アイアンタートル、トラバサミウオ、シャドウスネーク、など倒して素材を収集していった。

 「今日もだいぶ歩いたなぁ。コリン、もうその剣ボロボロだなぁ。」

 「えぇ。ずっと使っていて、手入れはしてるんですけどね。今度の村か街で買おうと思ってます。」

 「そうか、命預けてんだから頼むぜ。」

 一週間ほど経った日。

 「ガランさん!なんか森の様子が。しかも悲鳴が聞こえます!」

 「コリンこっちだ!行くぞ!」

 2人は急いで悲鳴のあった方向へ向かう。
 燃えた村を発見し入っていく。すると、長髪の女性が後ろで怯える少年を守るように剣を構え、ジャイアントロールが巨大な棍棒を振りかぶっていた。

 「コリン!女、子供を守れ!エアーインパクト!」

 「はい!」

 ガランは巨大なハンマーを力強くかつ素早く振って止め、空気を圧縮させ衝撃波を飛ばした。
 衝撃波は顔面に直撃し5メートル先に吹っ飛んだ。

 「ガランさんナイス!」

 「大丈夫ですか!?加勢します!」
 
 「ど、どいてくれ!私がアイツを倒さなければ、いけないんだ!」

 少年は泣きじゃくり、長髪の女性は混乱していた。

 「違います。お姉さんはその子を守っていてください。僕たちでなんとかします。」

 「ファスト。これで身体が軽くなってます。身を隠していてください。」

 「わ、わかった。」

 「話しはついたか。カリンよ。」
 
 「では、ぶっ倒しましょう。」

 ジャイアントロールはコリンに巨大な棍棒
で殴りつけてきた。

 「僕は負けない!スラッシュ!」

 「ガキン!!」
 
 コリンは棍棒による殴打は避けれたが、剣が折れてしまった。

 「剣が!」
 
 「コリンこれを使え!」

 「ガランさんこれは。ありがとうございます!」

 コリンはガランから渡された刀身が1メートルある黒い剣で応戦しお取りとなり、ガランは巨大なハンマーで相手の足元を崩した。
 ジャイアントロールは背中から倒れ込み、パワースタンプを大きな腹にぶち込む。

 「はぁー!マッハスタブ!」

 コリンは空中に飛び上がり音速の速さで剣をジャイアントロールの心臓に突き刺した。

 「お疲れさん!」

 2人は少年と長髪の女性を担ぎあげ、森の中の安全な場所に避難させた。
 
 

 
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