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独立

前夜

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意外な進展に喜んだ。
「でもこれでは本当に『ただ拡大した樽』になるな…」
「はい。樽を大きく作るようにおっしゃったので。」
「じゃあ両端が細くなるようにできるか?」
「はい。一日程完成が遅れると思いますが。」
「それでいい。できれば底面はこの試作の普通の大きさの樽と同じ大きさか更に小さくして欲しい。」
「…同じ大きさまでならなんとか出来そうです。」
「分かった。任せる。」
ずっと一緒に見学をしていた二人と工場を去った。
「かなり長い寄り道だったと思うけど、建設中の乾留所に案内するよ。」
すると向こうから二人の男が歩いてきた。
「いくつかの硝石を積んだ馬車が到着しましたがどうしますか?」
「硫黄を積んだ牛車が着きましたがどうしますか?」
「硝石は第二倉庫の第二ロット、硫黄は第三ロットに運び込んで。それを終えたら明日一日は休んでいいよ。明後日にまた一往復お願いするよ。」
「はい。」
「仕事が今できたよ乾留所所長。人を集めて方針を伝えるよ」
「はい?」
いつも通りトネのところに火の扱いに慣れた人を紹介してもらい、屋根だけは今日完成した乾留所で説明をする。
「明日ここに窯が出来次第、2種類の炭を焼いて欲しい。普通の炭と、半焼炭だ。」
「半焼炭?」
「ああ。炭になりきる直前の焦茶色の炭だ。」
「試してみます。」
「明日中に出来なくとも、明々後日までにできれば良いよ。」

その後、明日中に乾留所の窯を完成させるようにレンガ班に伝えた。乾留所では半焼炭と普通の木炭が明日焼かれる。硝石と硫黄、炭までもがあって、火薬を作らない選択肢は無い。
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