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学園

実力

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1日うっかり遅れました。御免なさい。
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「じゃあ何と言えば良かった?」
クロイスは少し考える素振りを見せてニヤリと笑った。
「面倒な事を呼び寄せる人とは居たくありません。だから避けました。これからも会いたくありません。」
「言えるか!」
公爵家を相手にこの口調は普通無い。ただ、フレンもまた普通ではない家の出なので、正式な場でも同等として話しても良い。国防は全てに優先するので、国防の要であるフレンのフィヌス家は全ての貴族家と対等だという一風変わった序列になっている。
「フレンぐらいしか普通に接してくれないから。他に誰と友人になればいいの?」
周りを見て彼の言いたい事が分かった。
「…あぁ、確かにこの学年は位の高い人は少ないな。でもアリナとかは良さそうな気がしたよ。准公爵家だし。」
(彼女は貧しい土地柄の領地を栄えさせた事で、また、先の大戦で物資の供給を一手に引き受けたことで公爵家に準じる地位に引き上げられたと聞いている。元は下級貴族だが、結婚相手に代々厳しい公爵家でも認められる範囲だろう。)
「うーん…」
彼女の名を聞くと苦虫を噛み潰したような顔をした。
「何考えているか分からない奴はお前一人でいい。」
「君の父親公認の分かりにくさだからな。」
「アハハハ」

最初の授業は担任の先生による癖のチェックと得意分野探しだ。到達度自体は入試の情報が共有されているらしい。
「まずはアリナからやってもらうか。彼女が今年の入学者の中で、魔法の完成度が一番高かった。あー、朝言い忘れたけど爵位は学校内においては礼服のセレモニー以外では省略するものだから忘れずに。じゃあアリナ、満足のいく完成度の出せる魔法と、その後に習得している中で一番難しいものを出して。」
当の本人はというと、『一番』と言う言葉に居心地の悪そうな顔をしていた。
「…彼女なら誇らしげにすると思ったけど…」
クロイスは隣の僕に囁いた。
「さっきなぜか泣いていたしな。」
「え!!!」
「フレイムの何に驚いた?」
先生がクロイスに聞いた。今アリナの使っていたフレイムはほとんどの魔法使いが使えるただ火が出るだけの当たり前の魔法だ。
「…」
(先生やるな…授業を聞いていないのを知ってて質問する時にあえてその魔法を指定したから、普通なら他の事で言い逃れようとする所をその魔法に思考を一度引きつけて上手く答えさせないのか。)
「ちゃんと授業を聞くこと。彼女の次はクロイスだからな。」
「はい。」
「じゃあアリナ、今度はできるだけ難しい魔法を。」
ここでは試験と異なり、失敗をしてもいいので、どんな魔法を使うのか気になり、皆が注目した。
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